MVVとは、Mission(ミッション)・Vision(ビジョン)・Value(バリュー)の頭文字を取った言葉です。企業の存在意義や目指す姿、大切にする価値観を示し、組織の判断や行動の指針となります。
MVVを組織の判断や行動に生かすには、策定するだけでなく、社員が内容を理解し、日々の業務で実践できる状態をつくることが重要です。
本記事では、MVVの意味や経営理念・パーパスとの違い、作り方、社内への浸透方法、浸透度の確認方法を解説します。
目次
- MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは
- Mission(ミッション)とは
- Vision(ビジョン)とは
- Value(バリュー)とは
- MVVと経営理念・パーパスとの違い
- 企業がMVVを策定するメリット
- 1. 組織の判断基準が明確になる
- 2. 社員が共通の方向性に沿って行動しやすくなる
- 3. エンゲージメント向上につながる
- 4. 組織が拡大しても経営者と社員の認識を揃えやすくなる
- MVVの作り方と手順
- 1. 自社の存在意義や強みを整理する
- 2. 競合・市場を分析して自社の立ち位置を整理する
- 3. 社員を交えて目指す方向性を議論する
- 4. Mission・Vision・Valueを言語化・明文化する
- MVVを社内に浸透させる方法
- 1. 経営層から継続的に発信する
- 2. 研修やワークショップで理解を深める
- 3. 管理職がMVVに沿った行動を実践・促進する
- MVVが浸透しているか確認する方法
- 1. サーベイ・アンケートで理解度や共感度を測る
- 2. 1on1や面談でMVVへの理解や実践状況を確認する
- 3. 人事評価でMVVに沿った行動ができているか確認する
- まとめ
- 自分でかんたん・あんしんに会社設立する方法
- よくある質問
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは
MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは、企業や組織の存在意義、目指す将来像、行動の基準を3つの要素で示す考え方です。
Mission(ミッション)は「何のために存在するのか」、Vision(ビジョン)は「どのような未来を目指すのか」、Value(バリュー)は「その実現に向けて何を大切に行動するのか」を示します。
3つを整理することで、企業や組織が目指す方向性と、そのための行動の基準を明確にできます。
Mission(ミッション)とは
Mission(ミッション)とは、企業が「何のために存在するのか」を示す、社会的使命や存在意義です。
事業活動を通じて社会にどのような価値や影響を与えたいのかを言語化することで、企業として果たすべき役割が明確になります。
たとえば、商品やサービスそのものではなく、それらを通じて社会にどのような価値を届けたいのかを示した内容がMissionの一例です。
Missionは企業が果たすべき役割を示し、Visionで目指す将来像を定める際の土台となります。
Vision(ビジョン)とは
Vision(ビジョン)とは、企業が将来どのような姿を実現したいのかを示す未来像や目標です。
Missionで示した使命や存在意義を踏まえ、その先に目指す姿を具体化します。
たとえば、売上高や市場シェアなどの数値で示す目標のほか、特定の分野でどのような存在を目指すのかといった、数値では表しにくい目標もVisionに含まれます。
こうした将来像を実現するために、組織として大切にする価値観や行動の基準を示すのがValue(バリュー)です。
Value(バリュー)とは
Value(バリュー)とは、組織で共有する価値基準や行動指針です。
Visionで示した将来像を実現するために、組織のメンバーがどのような考え方に基づき、どう行動するのかを明確にします。
たとえば、顧客を優先する姿勢や、失敗を恐れず挑戦する姿勢などがValueの一例です。Valueは、日々の業務でどのように行動するかを判断する際の基準となります。
MVVと経営理念・パーパスとの違い
MVVと経営理念・パーパスは、いずれも企業の方向性や存在意義に関わる概念ですが、主に示す内容や整理の仕方が異なります。
主な違いは、以下のとおりです。
| 概念 | 主に示す内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| MVV | 使命・将来像・価値観・行動指針 | Mission・Vision・Valueの3要素 |
| 経営理念 | 経営における方針・考え方 | 経営の基本的な考え方 |
| パーパス | 存在価値・社会的意義 | 自社が存在する理由 |
ただし、MVVや経営理念、パーパスの定義や位置づけは一様ではなく、企業によって異なる場合があります。
そのため、名称だけで区別するのではなく、それぞれが自社で何を示すのかを明確にすることが重要です。
企業がMVVを策定するメリット
MVVを策定すると、企業の方向性や価値観を組織内で共有しやすくなります。
主なメリットは、以下の4つです。
企業がMVVを策定するメリット
1. 組織の判断基準が明確になる
MVVを策定すると、組織として意思決定する際の基準が明確になります。
基準が定まっていないと、判断がその都度変わり、方針に一貫性をもたせにくくなるためです。
たとえば、新規事業への参入・撤退やM&Aを検討する際は、その判断が自社の存在意義や目指す将来像、価値観に沿っているかを確認できます。MVVを共通の基準にすることで、重要な局面でも方針を定めやすくなります。
2. 社員が共通の方向性に沿って行動しやすくなる
MVVを策定すると、社員が共通の方向性に沿って行動しやすくなります。
企業が目指す姿や行動指針を共有することで、日々の業務で何を重視して行動すべきかが明確になるためです。
たとえば、業務の目的や行動指針が明確であれば、上司が細かな指示を出す場面を減らせます。社員も、自分の業務が企業の目標にどのようにつながっているのかを捉えやすくなります。
3. エンゲージメント向上につながる
企業の存在意義や目指す姿を明確にするMVVは、社員のエンゲージメント向上にもつながります。
エンゲージメントとは、社員が組織に愛着をもち、組織と社員が相互に理解し合えている関係性です。
Missionによって仕事の社会的な意味が明確になり、Visionによって組織が目指すゴールを共有しやすくなります。こうした共通認識は、組織への帰属意識や仕事への意欲を高めることにもつながります。
エンゲージメントについては、以下の記事でも解説しています。
4. 組織が拡大しても経営者と社員の認識を揃えやすくなる
MVVを社内で共有すると、組織が拡大しても経営者と社員の認識を揃えやすくなります。
社員数や部署が増えると、経営者の考えを社員一人ひとりに直接伝えることが難しくなる場合があります。MVVとして企業の方向性や価値観を明文化しておけば、共通の基準をもとに判断や意見交換をしやすくなります。
たとえば、業務の進め方がMVVに沿っていないと感じた際は、社員がMVVを根拠に経営者や上司へ意見を伝えられます。MVVという共通の基準をもとに意見を共有できる状態は、組織拡大後も認識のずれを抑えるうえで重要です。
MVVの作り方と手順
MVVは、自社の存在意義や強み、市場での立ち位置を整理し、社員の意見も踏まえて言語化します。
主な手順は、以下の4つです。
1. 自社の存在意義や強みを整理する
MVVをつくる際は、まず自社の存在意義や強みを整理します。
創業の背景やこれまでの歩みを振り返ることで、事業で大切にしてきた価値観や自社の特徴を把握できるためです。
具体的には、事業をはじめた理由や創業時の原体験、歴史・沿革、強み・弱みなどを洗い出します。そこから、自社が重視してきた考え方や、社会に提供できる価値を言語化していきます。
2. 競合・市場を分析して自社の立ち位置を整理する
自社の存在意義や強みを整理したら、市場での立ち位置を客観的に捉えます。
自社の現状を多角的に把握するには、市場での位置づけや競合との違い、顧客からの評価を確認することが重要です。
具体的には、自社の強み・弱みや市場での位置づけ、顧客からの評価を整理します。社内外の視点を踏まえて現状を把握することで、自社が市場でどのような価値を提供できるのかを明確にしやすくなります。
3. 社員を交えて目指す方向性を議論する
MVVの方向性を定める際は、経営層だけでなく社員も交えて議論することが重要です。
双方の意見を取り入れることで、会社の将来像や大切にしたい価値観を幅広い視点から整理しやすくなります。策定段階から社員が関わることも、策定後の定着を促すポイントです。
具体的には、ワークショップやアンケート、インタビューなどで意見を集めます。そこで出た考えやキーワードは、Mission・Vision・Valueを言語化する際の材料として活用できます。
4. Mission・Vision・Valueを言語化・明文化する
社員との議論で方向性が固まったら、そこで出たキーワードや考えをMission・Vision・Valueとして言語化します。
社員が理解し、日々の業務でも意識しやすいように、簡潔でわかりやすい表現にまとめることが重要です。
具体的には、複数の草案を作成し、社内からフィードバックを集めて内容を調整します。そのうえで最終案を確定し、正式なMVVとして明文化します。
MVVを社内に浸透させる方法
MVVは策定するだけでなく、社員が内容を理解し、日々の行動に反映できるよう社内に浸透させることが重要です。
MVVを社内に浸透させる主な方法は、以下の3つです。
MVVを社内に浸透させる方法
1. 経営層から継続的に発信する
MVVを社内に浸透させるには、経営層が継続して発信することが重要です。
経営層自らがMVVを重視する理由を繰り返し伝えることで、社員の理解につながります。
具体的な方法は、朝礼や全社ミーティング、社内報などでMVVに触れたり、重要な経営判断とMVVの関係を説明したりすることです。経営層からの発信を重ねることで、社員もMVVと自分の仕事とのつながりを意識しやすくなります。
2. 研修やワークショップで理解を深める
研修やワークショップは、社員がMVVの意味や背景を学ぶ機会です。
社員同士で考えを共有することで、MVVと日々の業務とのつながりも捉えやすくなります。
具体的には、新入社員研修や階層別研修にMVVを取り入れるほか、自分の業務との関係について話し合うワークショップを設ける方法があります。
【関連記事】
ワークショップとは?意味や種類、成功させるポイントを解説
3. 管理職がMVVに沿った行動を実践・促進する
MVVを日々の行動に結びつけるには、管理職がMVVに沿った判断や行動を率先して示すことが重要です。
企業が重視する行動を評価基準に反映することで、社員に求める行動を具体的に示せるためです。
具体的には、管理職が会議や1on1、業務上の意思決定の場面でMVVに沿った判断基準を示します。管理職が日常的にMVVを行動で示すことで、社員もMVVを業務に結びつけやすくなります。
MVVが浸透しているか確認する方法
MVVの浸透度は、社員が内容を理解し、日々の業務で実践できているかを確認することで把握できます。
主な確認方法は、以下の3つです。
MVVが浸透しているか確認する方法
1. サーベイ・アンケートで理解度や共感度を測る
サーベイやアンケートを定期的に実施すると、社員のMVVに対する理解度や共感度を把握できます。
継続して同じ項目を調査すれば、浸透度の変化も確認可能です。
たとえば、MVVに関する社内アンケートを実施し、前回の調査結果や施策実施前の数値と比較します。調査結果は、課題の整理や次の浸透施策を見直す際の材料として活用できます。
サーベイについては、以下の記事で詳しく解説しています。
2. 1on1や面談でMVVへの理解や実践状況を確認する
1on1や面談では、社員がMVVをどのように理解し、日々の業務で実践しているかを確認します。
個別に対話することで、社員ごとの理解や行動を把握しやすくなる点が特徴です。
具体的には、MVVをどのように捉えているか、自分の業務でどのように意識しているかを話してもらいます。対話を通じて把握した内容は、今後の浸透施策を検討する際の材料として活用できます。
3. 人事評価でMVVに沿った行動ができているか確認する
人事評価にMVVの観点を取り入れると、社員がMVVに沿った行動を実践できているか確認できます。
定期的な評価は、日々の行動とMVVのつながりを確認する機会になります。
具体的には、MVVに沿った行動を評価項目に反映し、人事評価のタイミングで振り返ります。評価制度とMVVを連動させることで、社員に求める行動を示し、MVVの定着にもつなげられます。
まとめ
MVVは、Mission・Vision・Valueを通じて、企業の存在意義や目指す将来像、行動の基準を示す考え方です。MVVを明確にすることで、組織の判断基準を揃え、社員が共通の方向性に沿って行動しやすくなります。
また、MVVは策定して終わりではありません。経営層からの発信や研修を通じて理解を深めるとともに、サーベイや人事評価などを活用して、浸透状況を継続的に確認することが重要です。
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よくある質問
MVVとは何の略ですか?
MVVとは、Mission(ミッション)・Vision(ビジョン)・Value(バリュー)の頭文字を取った略称です。Missionは企業の存在意義、Visionは目指す将来像、Valueは行動の基準を示します。
それぞれの意味については、「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは」で詳しく解説しています。
MVVと経営理念の違いは何ですか?
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詳しくは「企業がMVVを策定するメリット」で解説しています。
