会社設立の基礎知識
会社設立に必要な書類は11種類。作成方法から提出先まですべてお教えします
会社を設立する際には、登記申請書や定款、資本金の払込を証明する書類など、11種類の書類が必要になってきます。
実際に一人で手続きをするとなると、かなりの労力がかかり、必要な書類を提出し忘れてしまう可能性もあります。
しかし、あらかじめ全体の流れと必要な書類を把握しておけば、自分でも手続きを完了させることができます。
今回は会社設立の流れに沿って、その都度必要な書類と作成方法について紹介します。
目次
STEP0:事前に印鑑を作っておきましょう
会社設立のための書類を作成する上で、法人用の印鑑が必要になります。 書類を作成する前に、会社の印鑑を作っておきましょう。
法人実印だけでも登記できますが、今後のことも考えて下記の4種類の印鑑も作成しておくとスムーズに手続きができます。
印鑑の種類 | 使用用途 |
法人実印 | 登記する際に必要な印鑑。 1cm超3cm以内の正方形に収まる大きさにします。 印鑑登録を行う、会社の正式な印鑑 |
銀行印 | 法人口座を開設する際に必要な印鑑。 手形や小切手にも使用。 |
社印 | 領収書や請求書、見積書などの実務に使用する印鑑 |
ゴム印 | 会社名・会社の所在地・電話番号・代表者名が記載されている印鑑。 各契約書で会社の情報や署名を書く手間を省ける。 |
法人実印のみで会社運営をすることも可能ですが、人目のつくところに気軽に押印してしまうと悪用されてしまうリスクが高まります。4種類の印鑑を作る費用が捻出できないなど、特別な場合を除いて必ず作るようにしましょう。
また会社設立にあたっては発起人個人の印鑑や印鑑証明が必要になります。これは法人の印鑑とは別になるので、個人の印鑑も併せて準備しましょう。
印鑑のそれぞれの役割など、以下の記事で詳しく紹介していますので、参考にしてください。
【関連記事】
会社設立に必要な印鑑とそれぞれの役割
会社設立時に必要不可欠!印鑑証明書を発行してもらう方法と必要な枚数について
STEP1:定款の作成
定款とは、会社の根本原則が記載されたもので、「会社の憲法」とも呼ばれます。会社設立の際、必ず記載しなければいけない「絶対的記載事項」は以下のとおりで、この記載がないと定款自体が無効となってしまうので、忘れずに記載するようにしてください。
- 目的
- 商号(会社の名称)
- 本店の所在地
- 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
- 発起人の氏名又は名称(法人の場合)と住所
- 発行可能株式総数
株式会社の場合、取締役が一人の場合と取締役会がある場合で少し作りが違うので気をつけてください。
定款が作成できたら発起人個人の印鑑で押印・割印をして、3部製本します。
近年では、PDF化してデータで作成・提出できる「電子定款」も普及しています。電子定款だと紙定款で必要になる収入印紙代約40,000円が不要になるので、設立費用を抑えたい方におすすめです。
定款の作成方法について、以下の記事で詳しく紹介しています。
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会社設立に必要な定款とは?概要や必須記載内容を解説
電子定款の作成方法!電子署名を入れて認証を受けよう
設立書類を簡単に作成する方法

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STEP2:定款を認証する(株式会社の場合)
定款が出来上がったら、公証人役場に行って認証を受けます。
まずは日本公証人連合会のページで登記予定の地域を管轄する法務局に所属している公証人役場を調べます。行くべき役場が見つかったら、連絡をして事前に公証人と訪問日を決めておきます。
用意する書類
- 定款 - 3部
- 発起人(出資者)全員の印鑑証明書
印鑑証明書は印鑑登録をした役場へ行って発行してもらいます。登記の際にも必要なので2〜3部を発行してもらっておくと便利です。 なお、発起人が複数人いる場合は全員で役場へ行く必要があります。当日全員で行くことができない場合は委任状を忘れずに持参しましょう。
そのほかに持っていくもの
- 発起人(出資者)の実印
- 身分証明書
- 公証人へ支払う手数料 - 5万円
- 定款の写し交付手数料 - 250円×定款のページ数
- 収入印紙 - 4万円分 (電子定款の場合は不要)
STEP3:資本金を振り込む
定款の認証が終わったら、資本金の振込みをします。 資本金の振込み後は、通帳の下記の3か所をコピーしておきます。
- 記帳欄
- 表紙
- 個人情報欄(※表紙を開いた裏にある住所や名前などが載っている欄)
STEP4:登記をする
さて、ここまで終わったら法務局へ登記をするための書類を揃えていきます。必要な書類をそれぞれ紹介します。なお各書類のサイズはすべてA4と覚えておきましょう。
設立書類を簡単に作成する方法

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1. 登記申請書
登記申請書とは、会社を設立することを法務局に伝えるための書類です。記載する内容については主に以下のとおりです。
- 商号
- 本店所在地
- 登録免許税
- 資本金の額
- 添付書類の一覧
会社形態によって記載事項などが異なるので、記載例も確認するようにしましょう。
2. 登録免許税納付用台紙
登録免許税納付用台紙とは、登録免許税分の収入印紙を貼り付けた用紙のことです。
郵便局に行って登録免許税分の収入印紙を購入し、A4サイズのコピー用紙の真ん中に貼り付けます。
登録免許税は資本金額×0.7%ですが、株式会社は15万円、合同会社は6万円と最低金額が定められています。
3. 定款
ステップ1〜2で作成した定款を1部用意します。
4. 発起人の決定書
定款で本店所在地を詳細まで記載していないなどの場合に必要になります。 また、定款で「代表取締役を株主総会で選定する」とした場合にも、この発起人の決定書で代表取締役が誰になるのかを明らかにさせます。
5. 取締役の就任承諾書
「取締役に就任したことを承諾した」ということを証明する書類です。
「日付」「取締役の住所」「取締役の氏名」「会社名」「取締役の押印」「取締役の押印(捨印)」が記載の必須事項なので、漏れがないか忘れずに確認しましょう。
6. 代表取締役の就任承諾書
取締役が1名で、代表取締役と兼務している場合は必要ありません。 取締役と代表取締役の役割が分かれている場合のみ用意しましょう。書き方は「5.取締役の就任承諾書」とほぼ同じです。
7. 監査役の就任承諾書
監査役を設置する場合には、この書類が必要になります。こちらも「5.取締役の就任承諾書」「6.代表取締役の就任承諾書」と同様のフォーマットで作成します。
8. 取締役の印鑑証明書
定款の認証を受ける際に取得したものと同じ証明書です。 取締役が複数人いる場合は、全員の印鑑証明書を取得しておきましょう。ただし取締役会を設置している場合は、代表取締役の証明書のみでOKです。
9. 資本金の払込を証明する書類
ステップ3で行った資本金の振込みを証明する書類を作ります。資本金振込み後に行った、通帳の記帳欄、表紙、個人情報欄をコピーしたものに表紙をつけて製本をします。各見開きページの綴り部分に契印をすることもお忘れなく。
10. 印鑑届出書
ステップ0で用意した法人実印の届け出をするために必要な書類です。法務局のホームページからPDFを無料でダウンロードできます。記載例もあるので、参考にしながら記入していきましょう。
参考:法務局「印 鑑 ( 改 印 ) 届 書」
11. 登記すべきことを保存したCD-RかFD
これらの書類は紙媒体でも作成可能ですが、用紙を法務局まで取りに行かなければならないので、PCで作成した方が効率的です。作成手順や記載方法については法務省のホームページで確認できます。
参考:法務省「商業・法人登記申請における登記すべき事項を記録した電磁的記録媒体の提出について」
11種類の書類がすべて用意できたら、1〜9を上記の順番にホッチキスで閉じます。登記申請書と収入印紙を貼ったコピー用紙は会社実印で契印をすることも忘れないようにしましょう。なお印鑑届出書は一緒に綴じずに、クリップでまとめておきます。
引用:【合同会社の設立方法のまとめ】株式会社との違いやメリットまで詳しく紹介します
以上で書類の準備は完了です。
まとめ
今回は会社設立時に必要な書類について紹介しました。
会社形態によって必要となる書類が異なるので、提出前に全て揃っているかきちんと確認するようにしましょう。
書類作成だけでもかなりの時間を要するので、書類作成ツールなどを使って効率よく準備していくことをオススメします。
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