会社設立の基礎知識

株式会社の特徴や設立するメリット・デメリットは?

最終更新日:2021/12/14

監修 アトラス総合事務所

はじめての起業と会社設立。10年つづく株式会社のつくりかた

会社を起こす際、最初に考えるべきテーマのひとつに「会社形態の選択」があります。

法人にはいくつもの種類があり、営利法人であれば、この記事で扱う株式会社や、近年設立数が増加している合同会社を選択することが一般的でしょう。

特に株式会社は、現時点で最も設立数が多い代表的な会社形態です。社会的信頼度も高く、将来的に上場や事業拡大を目指している方におすすめの会社形態といえますが、一方で、設立・運営していく上でのルールが厳格な側面もあります。

この記事では、株式会社の仕組みやメリット・デメリットについて解説します。会社設立を検討中の方や会社形態にお悩みの方は参考にしてください。

目次


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株式会社とは?

株式会社は、株式を発行して資金を集めて作られる「会社」の代表的な形態です。

会社設立の際に出資した人(株主)と、実際に会社経営を行う人(取締役)が分離しており、その取締役は株主による集会「株主総会」での選出により決定されます。取締役の中で会社を代表する人が代表取締役となります。

このように出資者と経営者が異なるケースを「所有と経営の分離」といい、株式会社の特徴のひとつです。もちろん、株主が取締役になることも可能です。小規模の会社では創業メンバーが出資者となってそのまま経営者となるケースも多く見られます。


株式会社の仕組み

株主に与えられる権利

経営に直接参加しなくとも、株主は会社の所有者であり、以下の権利が与えられています。

株主に与えられる権利

  • 株主総会で経営者である取締役を選出(議決権がある)
  • 株主総会で重要な経営方針を決定(議決権がある)
  • 利益が出れば、配当をもらうことができる
  • 会社を清算するときに残余財産が残れば、分配を受けられる
  • 取締役の違法行為の差し止めを請求できる
  • 株主代表訴訟を提起できる
  • 帳簿の閲覧請求ができる

株主総会での議決権は株式数に応じて、原則1株あたり1票とされています。分配される配当や残余財産も株式数に応じて決定されます。

また、株主は配当金だけでなく、株主優待を受け取れるメリットもあります。

株式会社の役員の種類

会社法における役員は「取締役」「監査役」「会計参与」です。役員の選出は株主総会で選出・解任されます。

取締役

取締役とは、会社の業務遂行に関する意思決定を行う者のことをいいます。取締役は最低1名以上の選出が必要で、さらに取締役会を設置したい場合は取締役が3名以上必要になります。

監査役

監査役とは、取締役の職務遂行を監査する役員のことです。2006年の会社法改正前は設置が義務付けられていましたが、現在では以下の条件を満たしている場合であれば監査役を選出しなくても問題ありません。

  • 株式譲渡制限会社であること
  • 取締役会を設置しない
  • 取締役会を設置して会計参与を設置している

株式譲渡制限会社とは、「株式を譲渡する際は会社の承認が必要」と定款に記載している会社のことです。

会計参与

会計参与とは、取締役と共同で計算書類等を作成する役員のことです。会計参与になれるのは会計の専門家である税理士、税理士法人、公認会計士、監査法人のいずれかに限られます。

株主総会と取締役会の違い

株主総会は会社の最高意思決定機関なので、会社に関する事項全ての決定をします。そこに取締役会を設置すると、業務執行に関する決定機関が取締役会となり、株主総会を開く必要がなくなります。取締役会は社内の役員で開催されるため、意思決定のスピードが早くなるメリットがあります。

株主総会 取締役会
役割 会社の最高意思決定機関 会社経営に関わる事項の意思決定
開催頻度 年に1回以上
(必要がある場合)
3ヶ月に1回以上
決議内容 ・定款の内容変更に関すること
・役員の選任、解任
・役員報酬について
・組織形態に関わる重要事項
(合併・解散など)
・株主への剰余金や配当金に関わる事項
・会社経営に関わる事項全般
・代表取締役の選定、解職
・取締役の活動執行の監督

株式会社を設立するメリット

株式会社を設立する際の代表的なメリットを紹介します。

社会的信用度が高い

株式会社は社会的にも認知度が高く、また、合同会社などの持分会社と比べて守らなければならない法律の規制が多いため信用度も高いです。

そのため、人材採用の募集や金融機関からの融資など、さまざまな面で持分会社や個人事業主より有利です。

株を発行して資金調達ができる

株式を発行することで、配当金などを目的とする投資家から幅広い出資を募ることができます。また、出資者は間接有限責任であり、出資金額を超えて損失を負うことがないため、投資しやすくなっています。

万が一のときにも有限責任にできる

「有限責任」とは、会社の債権者に対して出資額を限度として責任を負うことをいいます。つまり、会社が倒産したときに出資したお金は失ってしまうものの、それ以上の支払義務も発生しないということです。

前述の通り、株式会社の株主は債権者に直接責任を負うわけではなく、出資した会社に出資額だけの責任を負う「間接有限責任」になります。

法人の節税メリットを受けられる

法人は個人事業主よりも経費として認められる範囲が広いです。

たとえば、自身の給与(役員報酬)を損金にできたり、自宅を社宅とすることで家賃を経費として計上することができます。

また、個人事業主の所得税が累進課税なのに対し、法人税は所得が800万円以下の部分は15%、800万円超の部分は23.2%と一定税率(資本金が1億円超の場合は一律23.2%)となります。また、設立から2期は、消費税納税免除(※)を受けられることも法人設立に共通するメリットです。

※資本金1,000万円未満且つ、特定期間の課税売上高が1,000万円以下、もしくは特定期間の給与等支払額の合計額が1,000万円以下の場合に適用される

参考:国税庁「特定期間の判定


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株式会社を設立するデメリット

株式会社を設立する際の注意点も把握しておきましょう。

設立費用が高い

株式会社は、合同会社などの持分会社よりも設立時にかかる法定費用が高くなります。合同会社と比較してみましょう。

項目 株式会社 合同会社
定款用収入印紙代
(電子定款では不要)
40,000円 40,000円
定款の謄本手数料 約2,000円
(250円/1ページ)
0円
定款の認証料
(公証人に支払う手数料)
50,000円(*) 0円
登記免許税 150,000円
または
資本金額×0.7%
どちらか高いほう
60,000円
または
資本金額×0.7%
どちらか高いほう
合計 約250,000円〜 約100,000円〜

さらに設立後も役員の変更や本店の移転が発生した際は登録免許税が発生します。

(*)2022年1月1日から、定款の認証にかかる手数料が以下に変更されます。
・資本金100万円未満:30,000円
・資本金100万円以上300万円未満:40,000円
・資本金300万円以上:50,000円

決算公告の義務がある

株式会社には毎年決算期ごとに決算の数字を公表することが義務づけられています。通常、日本国の発行する「官報」に決算書類を掲載することになりますが、最低でも約80,000円の掲載料が必要になります。持分会社には決算公告の義務はありません。

役員任期がある

株式会社の役員の任期は最長10年です。役員の任期がくれば、同じ人が役員に再任(重任)される場合でも登記しなくてはなりません。そのため、上述したとおり登録免許税がかかります。

株式会社設立に向いている人とは?

現在上場できる会社は株式会社のみなので、いずれは上場したいと考えているのであれば株式会社一択です。上場することで、認知度や社会的信用度はさらに高くなり、資金調達の幅も広がります。

また、法人向けの事業(BtoB)を行う予定であれば、持分会社や個人事業主よりも社会的信用度の高い株式会社の方が有利といえます。

挑戦的でリスク・リターンが大きい事業を手掛けるスタートアップを起こす場合などにおいても、資金調達の手段が豊富な株式会社の設立がおすすめです。

次の記事はこちら

会社設立を自分でカンタンにする方法

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<freee会社設立で出力できる書類の一例>

  • 定款
  • 登記申請書
  • 印鑑届出書 など
その他、出力可能な書類はこちらのページをご参照ください。

設立にかかるコストを削減できる

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freee会社設立は電子定款にも対応しており、電子定款作成に必要な機器やソフトの準備なども必要がないため、自分で作成するよりもコストを抑えることができます。

<設立にかかる費用の比較例>

設立にかかる費用の比較例

(1)freee会計を年間契約すると、無料になります。
(2)紙定款の印紙代(40,000円)

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