会社設立の基礎知識

専務と常務の違いとは?役割・序列から取締役・執行役員・執行役との違いまで解説

監修 松浦 絢子(弁護士)

監修 大柴良史 社会保険労務士・CFP

専務と常務の違いとは?役割・序列から取締役・執行役員・執行役との違いまで解説

専務と常務は、どちらも企業の経営層を担う役職です。ただし、その役割や社内での序列には違いがあり、会社法上の役職である取締役や執行役との関係も異なります。正しく理解しないまま対応すると、取引先や社内で思わぬ失礼につながる可能性があります。

また、「専務取締役」「常務執行役員」など、専務・常務を含む肩書は複数あり、取締役や執行役員といった役職と混同されることも珍しくありません。

本記事では、専務と常務の役割の違いやどちらが上位にあたるのか、取締役・執行役員などとの違い、正しい呼び方を解説します。

目次

会社設立の準備・手続きはfreee会社設立でカンタンに!

【設立数5万社以上 / 利用料無料】
freee会社設立では、必要項目を入力するだけで設立前後に必要な書類を無料で一括作成できます。無料相談も受付中!

専務と常務の違いとは?

「専務」と「常務」は、どちらも経営層を指す肩書きとして広く使われています。ただし、両者には主な役割や担当する範囲に違いがあり、混同されやすい役職でもあります。

専務と常務の主な違いは、以下のとおりです。

項目専務常務
主な役割経営全体の補佐・監督日常業務・部門運営の統括
立ち位置社長・代表取締役を補佐する立場現場と経営の橋渡し役
担当範囲全社的な経営判断や重要業務特定部門や日常的な業務執行

専務は「社長を補佐して経営全体に関わる役職」

専務は一般的に、社長や代表取締役を補佐し、企業全体の業務管理・監督に関わる役職です。多くの場合、「専務取締役」の略称として使われます。

担当する業務は、経営方針や事業計画の検討、複数の部門にまたがる重要案件の管理など、全社的な判断に関わる業務が中心です。社長に近い経営陣の一人として、経営全体を見渡す役割が期待されるポジションといえるでしょう。

専務が具体的に何を担当するかは企業によって異なります。代表取締役を兼ねるケースもあれば、営業部門、管理部門、事業部門など特定の領域を管掌・統括するケースも見られます。

常務は「社長を補佐しながら日常業務や部門運営も担う役職」

常務は一般的に、社長を補佐しながら、日常的な業務執行や部門運営を管理・監督する役職です。「常務」は、日常的な業務の管理や執行を担う立場を示す名称として用いられることが多く、一般的には「常務取締役」の略称として用いられます。

担当業務の中心は、企業の日常的な業務運営に関わる事項です。営業・製造・管理など特定の担当部門をもち、業務が計画どおり進んでいるか、進捗や体制を確認する役割を担います。

また、取締役会で決まった経営方針を現場の業務に落とし込むプロセスを担う場合もあり、経営層と現場をつなぐ役割を果たすことが多い役職です。

ただし、担当する部門や権限の範囲は企業ごとに異なり、常務の具体的な業務内容もさまざまです。

専務と常務はどちらが偉い?

多くの企業では、経営層を含む役職の序列が以下のように設定されています。

序列が示すように、一般的に専務は常務より上位に位置付けられます。

なお、専務・常務の設置状況や序列は企業によってさまざまです。専務や常務を複数置き、担当部門ごとに役割を割り振っている企業もあれば、専務の役職そのものを設けていない企業も存在します。

専務・常務は会社法上の正式な役職?

専務・常務はビジネスの場でよく耳にする肩書きですが、会社法に規定がある役職ではありません。会社法上、株式会社の「役員」は、主に以下があります。

役職主な役割
取締役経営方針の決定と業務執行
会計参与取締役と共同して計算書類などを作成
監査役取締役の職務を監査
出典:e-Gov法令検索「会社法(平成十七年法律第八十六号)」

専務・常務は、上記のいずれにも含まれていません。企業が社内の役割や序列を明確にするために、任意で設けている肩書きです。

たとえば、専務取締役と常務取締役は社内の序列として区別されますが、会社法上の立場はいずれも「取締役」です。両者の差は法的な権限ではなく、企業ごとの社内ルールによって生まれています。

取締役・執行役員・執行役の違いとは?

「専務取締役」や「常務執行役員」のように、専務・常務は組み合わされる役職名によって法的な位置付けや権限が異なります。

以下では、取締役・執行役員・執行役の違いを解説します。

取締役は「会社法上の役員」

取締役は、会社法によって定められた正式な役員です。株式会社には、少なくとも1人の取締役を置く必要があります。取締役会設置会社では、取締役は取締役会での議決権をもち、重要な業務執行の決定や取締役の職務執行の監督を担います。

専務取締役・常務取締役は、「専務」「常務」という肩書きに加え、取締役としての法的な立場もあわせもつ役職です。経営判断に関わる議決権を有しており、企業の方針決定に関与できます。

ただし、代表取締役を定めている企業では、会社を代表するのは原則として代表取締役です。「専務取締役」と表記されていても、代表権を兼ねているとは限らないため、契約の場面では相手が代表権をもつかどうかの確認が必要です。

執行役員は「業務執行を担う社内役職」

執行役員は、企業が経営の意思決定と業務執行を分担させるために任意で設ける社内役職です。会社法上の役員には含まれず、取締役会などで決まった方針に基づいて実務を担う立場です。

「専務執行役員」「常務執行役員」と呼ばれる人は、経営層に近い立ち位置である一方、取締役のような会社法上の役員としての権限をもつわけではありません。

社外の人とやり取りする際は、企業概要や名刺に記載された正式な肩書きに加え、必要に応じて、どの範囲までの決裁権限を有しているか確認しておきましょう。

執行役は「指名委員会等設置会社に置かれる役職」

執行役は会社法で定められた役職であり、「指名委員会等設置会社」にのみ設置されます。取締役会から委任を受けた範囲で業務執行の決定を行う立場です。

執行役は、主に社内規程に基づいて業務執行を担う執行役員と異なり、会社法上、取締役会から委任された範囲で業務執行の決定権限を持ちます。社内役職である執行役員と比較すると、執行役は会社と委任関係にある会社法上の役職・機関である点も違いです。

専務・常務の正しい呼び方とビジネスマナー

専務・常務に対する呼び方や書き方は、場面ごとに使い分けが必要です。主な場面ごとの呼び方の違いは、以下のとおりです。

場面呼び方・書き方の例ポイント
会話「○○専務」「○○常務」専務様は役職名と敬称が重なり、二重敬称にあたるため適切ではない
メールのあて名(社外向け)「専務取締役 ○○様」役職名は名前の前に置く
社外で自社役員を紹介「専務取締役の○○」敬称を付けずに呼び捨てが基本

以下では、それぞれの場面での呼び方やビジネスマナーを解説します。

会話では役職名で呼ぶ

相手本人に話しかける会話では、一般的に「○○専務」「○○常務」と名前のあとに役職名を続けて呼びます。役職名そのものに敬称の意味が含まれているため、「専務様」のように敬称を重ねる表現は適切ではありません。

ただし、社内での呼び方は企業の文化によって異なります。円滑な業務遂行を目的として、社長や役員を含めて全員を「さん」付けで呼ぶ企業もあります。入社直後など、自社の慣習をまだつかめていないうちは、周囲の先輩や上司の呼び方にあわせましょう。

メールでは正式な肩書きと氏名を記載する

社外の専務・常務にメールを送信する際は、あて名は「企業名+役職名+氏名+様」の順で記載します。

株式会社○○ 専務取締役 ○○様

本文中で何度も呼びかける際は「○○様」と省略する場合もありますが、冒頭のあて名は省略せず、正式な名称を記載します。

また、社外あてのメールで自社の専務・常務に触れるときは、敬称を付けずに「専務取締役の○○」「常務取締役の○○」のように記載します。社外の人にとっては自社側の人物にあたり、敬称を付けると不自然な印象を与えるためです。

名刺交換では相手の肩書きを正確に確認する

名刺交換の場では、相手の氏名だけでなく、企業名・部署名・役職名まで目を通すことが重要です。複数の役員が同席している場合は、役職の高い人から順に名刺交換を行います。

「専務取締役」「常務執行役員」など、専務・常務を含む正式な肩書きも確認しましょう。その後の会話やメールのあて名では、名刺の表記を基本とし、そのときの状況にあわせて呼称・表記を使い分けます。

肩書きを正確に把握すると、相手の立場や役割を理解したうえで対応しやすくなり、円滑なコミュニケーションにもつながります。

まとめ

専務・常務はどちらも経営層を示す肩書きですが、具体的な役割や法的な位置付けは、正式な役職名によって異なります。

一般的に、専務は経営全体の補佐・監督を、常務は日常業務や部門運営の統括を担うことが多く、序列は専務が上位とされるケースがほとんどです。

また、専務・常務は後ろに続く正式な役職名によって、法律上の立場が変わります。「専務取締役」と「専務執行役員」では会社法上の権限が異なるため、同じ「専務」でも一律には扱えません。

名刺や企業概要で正式な表記を確認する習慣を付けると、相手の立場を正しく把握し、思わぬ失礼を避けるために役立ちます。

自分でかんたん・あんしんに会社設立する方法

会社設立の準備から事業開始までには、多くの書類や手続きが必要になります。書類の転記をするだけでもかなりの時間がかかってしまいます。

freee会社設立は株式会社だけでなく、合同会社の設立にも対応しています。設立件数50,000社以上の実績をもつfreee会社設立なら、初めての方もあんしんしてご利用いただけます。

起業ダンドリコーディネーターが完了までサポートしてくれるからあんしん!

なんとなく会社設立の流れはわかったけど、自分の場合いつまでに何をすればよい?

そんな時は設立サポートのプロ、「起業ダンドリコーディネーター」の活用がおすすめです。専任担当が、あなたのご状況をヒアリングしたうえで、今後のスケジュールをご提案。設立準備から登記後に必要な手続きまでを伴走支援します。

設立手続きに疑問や不安がある方とにかく早く手続きを進めたい方はもちろん、起業を考え始めた方もご相談可能です。

まずはお気軽に全国対応の無料オンライン面談(初回最大60分)をご予約ください。

起業ダンドリコーディネーターの詳細はこちら

入力項目・次にやること、すべて画面上で把握できる

freee会社設立では、必要項目を記入していくだけで会社設立に必要な書類を作成することができます。また、登記の際に必要となる会社印も同時に購入が可能です。


freee会社設立 入力画面

freee会社設立は株式会社だけでなく、合同会社の設立にも対応しています。

会社名や資本金額など必要項目を入力すると、定款(ていかん)をはじめとする会社設立に必要な約10種類の書類を自動で作成します。

<freee会社設立で出力できる書類の一例>

  • 定款
  • 登記申請書
  • 印鑑届出書 など
ほかにも、会社設立後に役所へ提出が必要な「法人設立届出書」の作成や法人口座の開設、法人用クレジットカードの申請にも対応しています。

設立にかかるコストを削減できる

設立費用を削減したい方には電子定款がおすすめです。紙の定款では、収入印紙代40,000円がかかりますが、電子定款ではこれが不要となります。

freee会社設立は電子定款にも対応しており、電子定款作成に必要な機器やソフトの準備なども必要がないため、自分で作成するよりもコストを抑えることができます。

<設立にかかる費用の比較例>


設立にかかる費用の比較例

(1)freee会計を年間契約すると、無料になります。
(2)紙定款の印紙代(40,000円)

会社設立の準備を進めながら、バーチャルオフィスの申し込みが可能!

会社設立するためにオフィスの住所が必要になります。
自宅をオフィス代わりにしている場合は、自宅の住所でも問題ありませんが、公開情報となってしまうので注意が必要です。

自宅兼オフィスのように実際の住所を公開したくない場合や、管理者や所有者に物件の法人登記が認められていない場合は、バーチャルオフィスを利用するのがおすすめです。

freee会社設立では、会社設立に必要な書類を無料で作りながら、バーチャルオフィスの申し込みもできます!
まずはこちらからfreee会社設立に無料で登録してみてください!

自分で手続きする時間のない方には「登記おまかせプラン」がおすすめ!

「初めての会社設立で不安」、「自分で手続きする時間がない」という方には、司法書士が手続きまで代行してくれる登記おまかせプランがおすすめです。

設立代行の費用相場は10万円前後ですが、freeeの登記おまかせプランは一律5万円で利用できます。※海外在留者が出資者・役員の場合等の特殊ケースを除く

登記おまかせプランの利用方法等の詳細は、freee会社設立の無料登録が完了後にメールにてご案内します。

会社設立の準備をお考えの方は、ぜひ登録無料のfreee会社設立をお試しください。

よくある質問

専務と常務はどちらが上?

一般的には、専務が常務より上位とされています。ただし、この序列は会社法で定められたものではなく、企業ごとのルールによって序列が異なるケースもあります。

詳しくは記事内「専務と常務はどちらが偉い?」をご覧ください。

専務取締役と専務執行役員の違いは?

専務取締役は会社法上の役員に該当しますが、専務執行役員は原則として会社法上の役員には含まれず、企業が任意で設ける役職として扱われます。取締役として経営上の意思決定に関与する立場かどうかも異なるため、正式な肩書きの確認が重要です。

詳しくは記事内「取締役・執行役員・執行役の違いとは?」をご覧ください。

専務・常務にメールを送信する際の正しい書き方は?

あて名は「企業名+役職名+氏名+様」の順で記載します。「専務様」のように役職に「様」を付けると二重敬称になるため、避けましょう。

詳しくは記事内「専務・常務の正しい呼び方とビジネスマナー」をご覧ください。

参考文献

監修 松浦 絢子弁護士

松浦綜合法律事務所代表。京都大学法学部、一橋大学法学研究科法務専攻卒業。東京弁護士会所属(登録番号49705)。法律事務所や大手不動産会社、大手不動産投資顧問会社を経て独立。IT、不動産、相続、金融取引など幅広い相談に対応している。さまざまなメディアにおいて多数の執筆実績がある。

松浦 絢子弁護士

監修 大柴 良史(おおしば よしふみ) 社会保険労務士・CFP

1980年生まれ、東京都出身。IT大手・ベンチャー人事部での経験を活かし、2021年独立。年間1000件余りの労務コンサルティングを中心に、給与計算、就業規則作成、助成金申請等の通常業務からセミナー、記事監修まで幅広く対応。ITを活用した無駄がない先回りのコミュニケーションと、人事目線でのコーチングが得意。趣味はドライブと温泉。

監修者 大柴良史

起業の準備はfreee会社設立でカンタン・安心

freee会社設立なら、会社設立に必要な10種類の書類を無料で作成できます!

さらに起業の検討時期から会社設立後の手続きまで、専任コンシェルジュによる無料サポートも利用可能です。
設立社数50,000社以上のfreee会社設立なら初めての方もあんしん!
まずはお気軽にご相談ください!

はじめての会社設立でもオンライン申請で完結!会社設立の準備はこちら

今なら30日間無料でお試し可能
登録はメールアドレスのみ