会社設立の基礎知識

取締役とは?役割や執行役員・常務・社長との違いをわかりやすく解説

監修 松浦 絢子(弁護士)

取締役とは?役割や執行役員・常務・社長との違いをわかりやすく解説

取締役は、会社経営の意思決定と執行の監督を担う役員です。取締役の選任や任期については、会社法上の厳格な要件が定められており、正しい知識をもたずに運用すると法的リスクの原因となるおそれがあります。

また、一口に取締役といっても、代表取締役や専務取締役、さらには社長や執行役員といった類似の役職も多く、それぞれの役割や序列が混同されることも珍しくありません。

本記事では、取締役の役割・類似役員との違い・選任方法・求められるスキルを詳しく解説します。

目次

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取締役とは

取締役とは、会社の経営方針を定め、業務執行の意思決定および監督を担う役職です。会社法第326条では、「株式会社には、一人又は二人以上の取締役をおかなければならない。」と定められています。

具体的な役割は、意思決定・執行・監督の主に3つです。経営の重要事項を決定し、それを実行に移すと同時に、適正に運営されているかを監督する機能が求められます。

必要最低限の人数や実務上の役割などは、取締役会が設置されているかどうかによって異なります。

取締役の任期

取締役には原則2年間の任期があります。ただし、定款や株主総会の決議によって任期を短縮することも可能です。上場企業の中には、任期を1年間に設定しているところも多く見られます。

また、非公開会社(株式譲渡制限会社)の場合は、任期を最長で10年まで延長することが可能です。任期途中であっても取締役を解任することは可能で、その際は株主総会の普通決議による解任決議が必要です。

普通決議とは、議決権の過半数を持つ株主が出席し、その出席株主の議決権の過半数の賛成によって成立する決議のことです。

ただし、正当な理由なく解任した場合、解任された取締役から損害賠償請求を受ける可能性があります。

任期満了後は一度退任となるため、継続する場合も再任の手続きを行わなければなりません。取締役就任の際と同様に登記申請(重任登記)を行う必要があるため、任期管理には注意が必要です。

取締役の必要人数

取締役の最低人数は、株式会社の形態によって異なります。以下の表は、主な形態ごとの最低人数です。

株式会社の形態取締役の最低人数
取締役会非設置会社1名
取締役会設置会社3名
特別取締役制度を利用する会社6名
出典:e-Gov法令検索「会社法(平成十七年法律第八十六号)」

上記の最低人数は会社法によって正式に定められているため、それぞれの形態に応じた人数を下回らないよう注意してください。

取締役の役割

取締役会設置会社・取締役会非設置会社で、取締役の役割は異なる部分があります。

取締役会設置会社の場合に担う役割

取締役会設置会社は、3名以上の取締役をおくことが会社法で定められています。取締役会設置会社における取締役の主な役割は以下のとおりです。

取締役の主な役割

  • 取締役会への参加
  • 業務・経営に関する意思決定
  • 意思決定に基づいた経営・運営

また、取締役が3名で構成されている場合にそのうち1名が退任するときは、後任者を選任しなければいけません。

取締役会が担う役割

取締役会設置会社の取締役会は、主に以下の役割を担います。

  • 業務執行の決定
  • 取締役の監督・監視
  • 代表取締役の選任・解任

取締役会非設置会社の場合に担う役割

取締役会非設置会社では、1名以上の取締役が必要とされており、その主な役割は以下のとおりです。

  • 業務・経営に関する意思決定
  • 業務・経営の執行

取締役が1名である場合はほかの取締役と役割を分担する必要はありませんが、複数の取締役をおいている場合には意思決定と執行を分けるなどの分担が必要です。また、意思決定においては取締役の過半数によって定められると、会社法によって決められています。

取締役と類似役員の違い

取締役と類似役員の違い

会社の中ではさまざまな肩書きがあり、取締役と混同されやすいものは以下のとおりです。

  • 代表取締役
  • 専務取締役
  • 常務取締役
  • 社長
  • 執行役員
  • 社外取締役

そもそも「取締役」には、役付でない取締役(いわゆる平取締役)という区分があります。以下では、役付取締役や社長・執行役員といった役職との違いを解説します。

取締役と代表取締役の違い

代表取締役は、会社法で定められた経営の最高責任者です。基本的に1名である場合が多いですが、ひとつの会社に複数の代表取締役をおくこともできます。

代表取締役は、取締役の中で会社を代表し、業務を執行する権限を有する取締役です。また、多くの企業では代表取締役を社長と位置づけ、「代表取締役社長」という肩書きを用いることが一般的です。

取締役と専務取締役の違い

専務取締役とは、主に代表取締役の補佐役を担う取締役の一種です。立場としては代表取締役に次ぐ役職として、定款などで定められています。代行権限の順位が定められている会社では、代表取締役が不在の際にその権限を代行する役割を専務取締役が担うことがあります。

ただし、専務取締役は、会社法で定められた役職ではありません。そのため、登記上は取締役として扱われます。また、専務という役職は必ずしも設置する必要はありません。

取締役と常務取締役の違い

常務取締役は、主に業務執行の役割を担う取締役で、一般的には代表取締役・専務取締役に次ぐ位置付けです。また、社長の補佐役としての役割も担っています。

常務取締役も専務取締役と同じく、会社法において定められた役職ではないため、登記上は取締役として扱われます。

取締役と社長の違い

社長はそもそも、会社法において定められた役職ではなく、会社が任意に定める役職です。ただし、一般的には代表取締役が社長を兼務しているケースが多く見られます。

取締役と執行役員の違い

執行役員も社長と同様に、会社内で任意的に定められる役職であり、会社法上の役員ではありません。契約形態は会社によって形態は異なりますが、一般的には雇用契約に基づく使用人の立場とされています。そのため、会社法上の役員ではなく、取締役よりも権限は限定的です。

執行役員は事業運営における責任者のような位置付けといえます。また、会社法において定められている役員とは、以下の3種類です。

  • 取締役
  • 会計参与
  • 監査役

取締役と社外取締役の違い

社外取締役とは、社内で選任された取締役とは異なり、外部から招へいされた取締役です。

社外取締役が必要とされる理由は、主に以下が挙げられます。会社経営における監督機能に加え、利害関係にとらわれない客観的な視点でチェックを行うことで、経営の透明性を確保することが期待されます。

社外取締役を設置する目的

  • 経営の透明性を確保するため
  • 客観的な視点を加えるため
  • ステークホルダーからの信頼を高めるため
  • 法令遵守を徹底するため

また、社外取締役には以下のような選任条件があります。

社外取締役の選任条件

  • 過去10年間、会社やその子会社の業務執行に一切関与していないこと
  • 会社やその親会社との間に利害関係が一切ないこと

ただし、社外取締役は必ずしも会社に必要なわけではありません。

社外取締役の設置が求められるのは、コーポレートガバナンスの観点から上場企業です。上場企業(監査役会設置会社かつ大会社)は、2021年施行の改正会社法により、1名以上の社外取締役の設置が義務付けられています。

ただし、東京証券取引所のコーポレートガバナンス・コードでは、プライム市場上場企業に対し、独立社外取締役を3分の1以上(企業によっては過半数)選任することが求められています。

取締役の選任方法

取締役がどのようにして選任されるのかについて、条件・方法・注意点を解説していきます。

取締役に選任されるための条件

取締役に選任されるための積極的な資格条件は特に定められていません。ただし、以下の要件に当てはまる場合は取締役へ選任することはできません。

  • 法人
  • 会社法違反により刑に処され、執行が終わった日から2年以内の者
  • 会社法以外の違反により禁固以上の刑に処され、執行中である者(執行猶予中を除く)

上記は会社法によって定められているため、取締役を選任する際は該当していないか慎重に判断しましょう。

また、会社法上の公開会社では、取締役を株主に限定することはできません。ただし、非公開会社である場合は取締役を株主のみとすることも可能です。

これは会社法第331条第2項で、以下のように定められています。

株式会社は、取締役が株主でなければならない旨を定款で定めることができない。ただし、公開会社でない株式会社においては、この限りでない。

出典:e-GOV法令検索「会社法(平成十七年法律第八十六号)」

取締役の2種類の選任方法

取締役の選任方法には以下の2種類があり、それぞれに条件があるため、事前に内容を把握しておく必要があります。

  • 株主総会の普通決議
  • 累積投票

株主総会の普通決議

株主総会の普通決議とは、株主総会で株主の決議により取締役を選任する方法です。普通決議により選任が決定する条件は、以下のとおりです。

  • 議決権を行使できる株主の議決権の過半数が出席
  • 出席した株主の過半数の議決権(賛成)を獲得

累積投票

累積投票による取締役の選任は、会社法第342条によって定められている制度です。累積投票とは、各株主が保有する議決権を集中的に投票することが可能な制度で、得票数が多い取締役候補から選任されます。

議決権は、「保有株式数×選任する取締役数」で計算されるため、少数株主の意向を反映しやすい制度とされています。

取締役選任における注意点

取締役は、会社経営の鍵を握る重要な役員です。そのため、以下の注意点を理解しておく必要があります。

取締役選任における4つの注意点

  • そもそも取締役会が必要か検討する
  • 取締役の必要人数を満たさなければいけない
  • 取締役には任期がある
  • 取締役にふさわしい人材を選任する

そもそも取締役会が必要か検討する

取締役会を設置しない場合、取締役を複数人選任する必要はなく、株式会社の要件は取締役1名で満たせます。

そのため、取締役会を設置しない会社では、複数人の取締役を選任する義務はありません。

取締役の解任には相応の手続きや負担を伴うため、人間関係のみを理由に取締役を選任することは避け、慎重に判断する必要があります。

取締役にふさわしい人材を選任する

取締役は、会社の経営上の責任を負う重要な立場です。取締役は会社の顔ともいえる存在であるため、不祥事や軽率な発言があれば、会社が大きな損害を被るおそれがあります。

そのため、取締役を選任する際はその人が取締役としての責務を果たし、適切に職務を遂行できるかどうか慎重に見極めることが重要です。

取締役の終任・解任・変更

取締役が終任(退任)となる理由、解任する方法、および変更手続きについて解説します。

取締役を終任する7つの理由

取締役を終任(退任)する主な理由は、以下7つです。

取締役を終任する7つの理由

  • 任期満了
  • 辞任
  • 解任
  • 取締役選任条件の喪失
  • 後見開始の審判
  • 破産手続き開始の決定
  • 死亡

取締役を解任する方法

取締役の解任は、選任時と同様に株主総会の普通決議によっていつでも行うことができます。普通決議により解任が決定する条件は、以下のとおりです。

  • 議決権を行使できる株主の過半数が出席
  • 出席した株主の過半数の議決権(賛成)が上がること

ただし、当該取締役が累積投票により選任された場合は、株主総会の特別決議が必要です。特別決議とは、議決権を行使できる株主の過半数が出席し、その議決権の3分の2以上の賛成により成立する決議です。

取締役を変更する方法

取締役の変更を行う場合には、役員変更の登記申請が必要になります。役員変更の登記申請に必要な書類は、以下のとおりです。

  • 定款
  • 印鑑証明書
  • 就任承諾書
  • 株主のリスト
  • 株主総会の議事録
  • 取締役会の議事録
  • 本人確認証明書 など

また、上記に加えて登記証明書や登録免許税の準備も必要です。必要書類が揃ったら、本店所在地を管轄する法務局に登記申請を行いましょう。

なお、役員変更は社内だけでなく、取引先など対外的にも重要な意思決定です。取締役を変更した際には、挨拶状の送付など、適切な対応を行うことが大切です。

取締役の責任とは

取締役は会社における重要な立場の役員であるため、負う責任も大きくなります。主に、以下の2種類の責任を負います。

  • 会社に対する責任
  • 第三者(ステークホルダー)に対する責任

会社に対する責任

取締役と会社の関係は、委任契約に基づくものとされています。そのため、取締役は会社に対して善管注意義務および忠実義務を負わなければいけません。

具体的には、会社の利益を考慮し、注意深く業務を遂行する義務です。法令・定款・総会決議を遵守して業務を遂行する義務があります。また、競業取引や利益相反取引に関する規制にも従わなければなりません。

会社法では、取締役がこれらの責務を怠った場合、会社に生じた損害の賠償責任を負うことが規定されています(第423条)。

一般的な従業員の場合、仕事上のミスによる賠償責任が問題となるケースは限定的です。しかし、取締役はその行為が直接的な法的責任につながるため、細心の注意が求められます。

第三者(ステークホルダー)に対する責任

ステークホルダーとは企業の利害関係者のことで、株主・顧客・取引先などが該当します。取締役は、会社経営における過失等によりこれらの第三者に損害を与えた場合、賠償責任を負うことがあります。これは、会社法の第429条に規定されています。

また、損害には取締役の職務執行により第三者が被った直接損害と、会社の倒産等により債権者が被った間接損害が含まれます。このように取締役は、会社経営に関して多方面の責任を負うことになるため、適切なリスク管理のもとで経営を行わなければいけません。

取締役が主に行う仕事内容とは

取締役の主な仕事内容は、以下の4つです。

取締役が行う主な仕事内容

  • 株主総会への出席・株主への報告
  • 会社経営の改善
  • クライアントとの関係構築・維持
  • 取締役会への参加・会社の意思決定

株主総会への参加・株主への報告

株主総会とは、会社の株を所有する株主が出席し、重要な議案の決議を行う機関です。取締役は、株主総会に出席し説明責任を果たすことが求められます。株主総会で主に担う役割は、株主への前年度の事業内容の報告や、次年度の方針の説明です。

また、監査役・会計参与・執行役なども、必要に応じて株主総会に出席することが求められます。

会社経営の改善

取締役の重要な仕事内容は、会社経営の健全化・改善です。経営者のみが会社経営を行う場合、独断的な経営に陥るおそれがあります。その結果、適切な会社運営が行われず、不利益が生じるかもしれません。

そのため、取締役は会社経営に関与する重要な役員として、経営者に対して意見や支援を行い、経営の改善に寄与します。特に社外取締役は、客観的な立場から経営を監督する働きを求められています。

クライアントとの関係構築・維持

取締役は会社において極めて重要な役員です。重要な案件や規模の大きな商談においては、取締役が直接交渉することで取引がスムーズに行われる場合があります。

このように、クライアントと良好な関係の維持・構築において、取締役は重要な役割を果たします。

取締役会への参加・会社の意思決定

取締役会設置会社においては、取締役は当然取締役会に出席し職務を遂行することが求められています。取締役会は、3ヶ月に1度、年に4回程度の頻度で行われるのが一般的です。

取締役会では、構成メンバーとして以下の仕事を担います。

  • 業務執行
  • 経営や業務執行の意思決定
  • 代表取締役の選任
  • 代表取締役の解任 など

会社の方針に関わる重要な意思決定において、取締役は重要な役割を果たします。

取締役に求められるスキル

取締役は、会社経営の中核に関与する重要な役職です。誰でも容易になれる役職ではなく、幅広く高度なスキルが求められます。取締役には、少なくとも以下の3つの能力が必要だとされています。

取締役に求められるスキル

  • 経営力
  • マネジメント力
  • 人間力

なぜ取締役にはこれらのスキルが求められるのか、またどのように会社経営に活かしていくのか、詳しく解説します。

経営力

取締役にまず求められるのは、経営力です。取締役は、会社経営において代表取締役や経営陣に助言をする立場にあります。

会社経営の最終的な意思決定は社長が行いますが、取締役の関与は会社の方針や業績には大きな影響をもたらすでしょう。

マネジメント力

取締役は、会社の中核を担う立場として、社員に対してビジョンや方針を適切に伝え、組織の一体感を構築しなければいけません。そこで求められるのが、マネジメント力です。

また、組織の構築に加え、会社の利益のために適切な業務管理や監督を行うことも取締役の重要な仕事内容です。会社の役員として、責任をもって各業務を果たす義務があります。

人間力

取締役は、会社の顔ともいえる重要な役員のひとりです。業務遂行能力だけでなく、人間力を備えていなければ社員を率いていくことはできません。ここでいう人間力とは、誠実さ・倫理観・人を動かすコミュニケーション力・共感力・傾聴力・精神的な強さなどを含めた、総合的な人としての資質を指します。

また、クライアントとの関係構築においても、取締役自身の人間力が問われる場面は少なくありません。重要な案件や大規模な商談では、取引の成否や長期的な関係性を決定づける要素となることもあります。

取締役の選び方・登用パターン

取締役を選ぶ際には、いくつかの典型的なパターンがあり、それぞれメリットや注意点が異なります。取締役の選び方・登用パターンとしては、主に以下が挙げられます。

主な取締役の選び方・登用パターン

  • 部門ごとの優秀人材を取締役にする
  • 専門性をもつ人材を取締役にする
  • 経営者と考えを共有する人材を取締役にする
  • 買収・合併した企業の幹部を取締役にする
  • 家族・知人を取締役にする

部門ごとの優秀人材を取締役にする

営業、開発、財務など、各部門で実績を残しているエース級の人材を内部昇格させるパターンがあります。現場の実務に精通しているため、経営戦略の実行力を高めやすく、部門間の連携がスムーズになることがメリットです。

また、現場感覚をもった意思決定が行われることで、施策への納得感が高まり、社員のモチベーション向上につながります。生え抜きの人材が経営に参画する姿を見せることで、社内に明確なキャリアパスを示すことができます。

専門性をもつ人材を取締役にする

法務、会計・財務、IT・DX、人事など、特定分野に深い知見をもつ人材を外部から招聘または内部から抜擢するパターンもあります。専門性の高い人材を登用することで、特定分野の複雑な課題に対しても的確な判断が可能になる点は大きなメリットです。

また、特に外部から人材を登用する場合、社内にはない客観的な視点が補われ、経営の透明性が高まります。組織変革やDX推進など、内部リソースだけでは難しい課題に直面している企業にとっても、外部の知見をもつ取締役の起用は有効な解決策となります。

経営者と考えを共有する人材を取締役にする

社長のビジョンや経営理念に強く共感し、同じ方向性で行動できる人材を選ぶパターンもあります。価値観が一致しているため、重要な局面での意思決定のスピードが高まることがメリットです。

ただし、周囲をイエスマンで固めると経営陣の考えが同質化しやすく、牽制機能が弱まる懸念があります。客観的な視点をもつ人員を別途配置するなどの対策を講じることも重要です。

買収・合併した企業の幹部を取締役にする

M&A(合併・買収)を行った際、被買収側の幹部をそのまま取締役として迎え入れるパターンです。

買収先の組織文化や事業内容に詳しい人材を残すことで、組織統合(PMI)を円滑に進めやすくなります。また、現場の摩擦を軽減でき、買収先の優秀人材が流出するのを防ぐ効果が期待できます。

家族・知人を取締役にする

経営者の親族や古くからの知人を登用するパターンもあり、創業期や中小企業においてよく見られる登用方法です。経営者の価値観や背景に理解があり、強い信頼関係がある家族・知人を登用することで、特に創業期など不安定な時期には強力な推進力となります。

ただし、公私の区別が曖昧になると、周囲の社員やステークホルダーから不透明な経営と捉えられやすくなります。家族・知人を取締役にする場合、客観的な判断ができる体制を確保しておくことが重要です。

まとめ

取締役は、会社経営の意思決定を担う中枢であり、社内外において大きな責任が求められます。

そのため、経営力やマネジメント力を備え、最後まで責任をもって役割を果たせる人材を選任することが重要です。選び方には、優秀な人材、専門性の高い人材、被買収側の幹部、家族・知人など、さまざまな選択肢があります。

また、取締役については会社法により数や任期などが定められており、これらを正しく把握することが円滑な会社経営の基盤となります。制度の枠組みを理解し、適切に経営や人材の選任を進めていきましょう。

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よくある質問

取締役と社長・副社長はどちらが上?

社長・副社長はいずれも、役付でない取締役(平取締役)より上位の役職として扱われるのが通例です。一般的には、会社法で定められた代表取締役が社長に該当し、会社を代表して業務を執行する立場にあります。

また、副社長も会社法で定められた役職ではなく、社長に次ぐ地位として社内で任意に設定される肩書きです。多くの場合は、取締役から副社長が選任されます。

詳しくは記事内「取締役と類似役員の違い」をご覧ください。

社外取締役は設置するべき?

上場企業の場合は、2021年3月の会社法改正により社外取締役の設置が義務付けられています。また、プライム市場上場会社では取締役の3分の1以上を独立社外取締役とすることが求められており、そのほかの市場上場会社では2名以上を選任しなければなりません。

いずれにしても上場会社では、社外取締役を複数人おく必要があります。

上場を目指す企業も、上場前から社外取締役の設置を求められるため、早いうちに設置しておくことも選択肢です。ベンチャーキャピタルから出資を受ける企業については、社外取締役を派遣される場合もあります。

詳しくは記事内「取締役と社外取締役の違い」をご覧ください。

監修 松浦 絢子弁護士

松浦綜合法律事務所代表。京都大学法学部、一橋大学法学研究科法務専攻卒業。東京弁護士会所属(登録番号49705)。法律事務所や大手不動産会社、大手不動産投資顧問会社を経て独立。IT、不動産、相続、金融取引など幅広い相談に対応している。さまざまなメディアにおいて多数の執筆実績がある。

松浦 絢子弁護士

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