会社設立の基礎知識

会社設立時の役員報酬の決め方と支払いを始める期間について解説

最終更新日:2021/01/29

会社設立時の役員報酬の決め方と支払いを始める期間について解説

会社設立の際に決めるもののひとつに、役員報酬があります。役員報酬は原則として事業年度ごとに決める必要があります。本記事では、役員報酬の決め方や支払いを始める時期、変更できるケースなどについて解説します。

目次

役員報酬と給与の違いとは?

役員報酬とは、取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人の役員に対して支給される報酬のことで、従業員給与は雇用関係にある従業員に労働の対価として支払うものです。

役員報酬と給与の1番の違いは、支払ったお金を損金算入できるかどうかになります。損金として算入できるかは法人税の金額に大きく関係する重要なポイントです。
(損金とは、法人税を計算するときに税務上かかる税金を減らせるものを指します。)

従業員給与は基本的に全額損金に算入できるのに対し、役員報酬は一定の条件を満たさないと損金算入が認められません。理由として、役員報酬はオーナー自身が金額を決めることができるため、損金算入を増やして法人税を減らすなどの調整ができないように厳しいルールが設けられているのです。

役員の範囲を詳しく知りたい方は、国税庁「No.5200 役員の範囲」を参考にしてください。

役員報酬の種類

税務上、損金として扱われる役員報酬は3種類です。

(1)定期同額給与

毎月役員に支払われる報酬です。毎月同額を支払うことで損金に算入できます。定期同額給与は、会社設立時から3ヵ月以内に役員報酬の金額を決定する必要があり、定款で定めておくか、株主総会で決定します。

役員報酬は事業年度ごとに決定し、期首から3ヶ月以内に一度だけ、役員報酬の改定を行うことができます。

(2)事前確定届出給与

事前確定届出給与とは、賞与として役員報酬を支払うケースを指します。事前に税務署に「支払う時期」と「金額」を申告することで、損金に算入できます。

役員に関しては賞与も原則的に経費として認められません。一般社員へ支払う賞与のように損金算入をしたいのであれば、必ず事前に申請をしましょう。

(3)業績連動給与

業績連動給与とは、会社またはその会社と支配関係にある会社の業績に、役員の給与額を連動させる制度のことです。平成29年度に税法改正される前は「利益連動給与」と呼ばれていました。

損金算入するには以下の要件を満たす必要があります。

【業績連動給与の損金算入要件の概要】

(1)算定方法が指標に基づく客観的なものであること
(2)金銭の場合は確定額、株式又は新株予約権の場合は確定数を限度とすること
(3)他の業務執行役員と同様の算定方法を用いること
(4)算定方法を有価証券報告書等で開示していること
(5)算定方法を適切な方法で決定していること ⇒指名委員会等設置会社の場合
・法定の報酬委員会(業務執行役員等が委員であるものを除く)による決定
⇒監査等委員会設置会社の場合(下記いずれかの方法)

・株主総会の決議による決定
・任意の報酬委員会(3人以上の外部委員から構成されており、業務執行 役員等が委員であるものを除く)への諮問を経た上での取締役会の決議 による決定
・取締役会の決議による決定(監査等委員である取締役の過半数の賛成が 必要、業務執行役員等が監査等委員である会社を除く)
⇒監査役会設置会社の場合(下記いずれかの方法)

・株主総会の決議による決定
・任意の報酬委員会(3人以上の外部委員から構成されており、業務執行 役員等が委員であるものを除く)への諮問を経た上での取締役会の決議 による決定
・取締役会の決議による決定(監査役の過半数の適正書面の提出が必要、 監査役に業務執行役員等が含まれる場合を除く)
(6)一定期間までに交付又は交付される見込であること ⇒金銭による給与の場合

・業績連動指標の数値が確定した日の翌日から一月を経過する日
⇒株式又は新株予約権による給与の場合

・業績連動指標の数値が確定した日の翌日から二月を経過する日
⇒金銭と株式又は新株予約権を合わせた給与の場合

・いずれか遅い日
⇒特定新株予約権又は承継新株予約権による給与で、無償取得され又は消 滅する新株予約権の数が役務の提供期間以外の事由により変動するものの場合

・適正な手続の終了日の翌日から一月を経過する日
(7)損金経理をしていること
(損金経理による引当金勘定に繰り入れた金額を取り崩す方法により経理していることを含む)

※非同族会社の完全子法人の上記(5)の決定は、その非同族会社の報酬委員会等における決定等の手続を経たその完全子法人の株主総会又は取締役会の決議による決定とされてい ます。

※※交付時期について、複数年度の途中で退任した場合も、複数年度終了まで交付しない とすることも考えられます。また、途中退任後速やかに交付するとした場合には、退任の直前の事業年度の数値等により退任時に指標が確定することを予め定め、その退任による指標確定日から一定期間内に交付することになります。

引用:経済産業省『「攻めの経営」を促す役員報酬
参考:国税庁「No.5211 役員に対する給与(平成29年4月1日以後支給決議分)

取締役のうち、専務取締役や常務取締役を除く、平の取締役で、部長や課長などの業務も遂行している使用人兼務役員は、ほかの一般社員と同様に賞与を支払うことができ、一般社員に対する賞与と同様に全額損金に算入できます。

ただし、使用人兼務役員は税務調査の対象になりやすいので注意しておきましょう。

役員報酬による納税額などの注意点

定期同額給与を変更できるのは期首の3カ月間だけですので、利益予想が大きく異なってしまうと多額の税負担が発生します。

特に、期末に大きく売上が上がり、入金までに期間がある場合には、納税の時期に資金が足りないといった事態になりかねません。損金として算入できる定期同額給与をいくらにするか、慎重に判断する必要があります。

また、前述した使用人兼務役員に対して支払う賞与は幅を持たすことができますが、妥当性のある金額にすることが必要です。

役員報酬が高額になるほど、会社側の健康保険や厚生年金などの社会保険料の負担も大きくなるので注意が必要です。役員側からみても、社会保険料の負担が大きくなるだけではなく、個人の所得税は累進課税のため、所得が増えると税務上は不利になります。

役員報酬の支払いを始める時期

役員報酬は会社設立後3カ月以内に決める必要があるため、初めの2カ月は役員報酬を0円とし、3カ月目から毎月定額を期末まで支払い続ければ定期同額給与として損金算入が認められます。   

また各月の16日以降に会社設立をした場合などは、月の半分を経過していますが、役員報酬には日割りという概念はないため、全額払うか、次月からの支払いにするかのいずれかになります。   

たとえば、4月15日が設立日で、4月分の役員報酬として50万円を支払い、5月以降から役員報酬として毎月100万円を支払っても50万円しか損金に算入できなくなってしまうのです。

役員報酬を変更するための方法

役員報酬の変更が自由にできると、企業側が期末に役員報酬を変更して、納税額をコントロールすることが懸念されます。そのため、前述のように期首から3カ月以内を除くと、原則として役員報酬を変更することはできません。

ただし、例外的に事業年度の途中で、役員報酬額の変更ができる場合があります。

役員報酬が減額できる場合

役員報酬が減額できるのは、売上が予測を大きく下回り、経営状態が悪化している場合です。定期同額給与として定めた額の役員報酬を支払えない月があると、当期の役員報酬は全額損金不算入になり、法人税の税額がアップしてしまいます。

役員報酬の減額が認められるケースは以下の4つです。   

  • 業績や財務状況の悪化によって、役員が株主との関係性によって、経営責任をとるために役員報酬の減額がやむを得ない場合
  • 融資を受けている取引銀行と借入金予定協議を行った結果、役員報酬の減額がやむを得ない場合
  • 業績や財務状況が悪化した際に、取引先などからの信用維持のために、役員報酬の減額を行うことが経営状況の改善を図る方法として計画された場合
  • 特定の役員が不祥事を起こしたときに、会社の秩序に維持を図り、社会的評価の低下を抑えるため、一時的に役員報酬を減額する場合
  

役員報酬が増額できる場合

役員報酬の増額ができるケースは常務取締役が専務取締役に昇格するなど、仕事の責務が増えた場合に限られます。定款で定められた役員報酬総額の支給限度額内であり、不当に高額な報酬額ではないことが要件です。

役員報酬を変更する手続き

株式会社で役員報酬の変更を行う場合には臨時株主総会を開催するなど、株主総会で決議を行って議事録に残すことが必要です。議事録がなかったり、役員報酬の変更の理由に妥当性が認められなかったりする場合には、税務調査を受けた際に、役員報酬が損金不算入になり、追徴課税を受けることになります。

まとめ

役員報酬は原則として事業年度の途中では変更できないと考えて、会社設立の際には慎重に決めるようにしましょう。会社として支払う法人税と個人の所得税や住民税、あるいは、双方が支払う社会保険料などをトータルで考えて、不利な額とならないようにすることが大切です。

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