会社設立の基礎知識

会社設立の前準備。基本の9項目を決めて手続きをスムーズに

最終更新日:2021/09/13

監修 アトラス総合事務所

会社設立の日にちはいつがよい?会社の設立日について解説します

会社設立を決意したら、まずは会社名や本店所在地などの基本情報を決めていきましょう。

この記事では、基本情報を決定する上で知っておくべきルールや注意事項を項目別に解説します。

基本情報がすでに決まっている方は、設立書類の作成にすすみましょう。

目次

会社設立を決意したら決めておくべきこと

会社設立を決意したら、まず以下のことを決定・準備することから始めていきましょう。

会社設立の手続き前に決めておくべき事項

  1. 会社名(商号)
  2. 会社の住所
  3. 事業目的
  4. 発起人
  5. 資本金
  6. 株主総会・取締役会の設置
  7. 事業年度
  8. 会社設立日
  9. 会社印を購入

1〜5は会社の根幹となる定款(ていかん)を作成する際にも必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」になります。

定款について詳しく知りたい方はこちら

会社名(商号)

会社の顔ともなる会社名(商号)を決める際に守らなければいけないルールが4つあります。

  • 使用できる文字や符号が決まっている
  • 会社名の前後どちらかに会社の種類を入れる
  • 同じ住所に同じ会社名は登記できない
  • 会社の部門を表すようなものは入れることができない

それぞれのポイントをみていきましょう。

1.使用できる文字や符号が決まっている

会社の商号として使用できる文字や符号は限られています。以下の通り、「☆」や「♪」など、あまり特殊な表記は認められていないことを確認しておきましょう。

使用できる文字
  • 漢字
  • ひらがな
  • カタカナ
  • ローマ字(大文字・小文字)
  • アラビア数字(0,1,2,3,4,5....)


使用できる符号
  • &(アンパサンド / アンド)
  • ‘(アポストロフィ)
  • ,(カンマ)
  • -(ハイフン)
  • .(ピリオド)
  • ・(中黒)

符号の使用は字句を区切る際に限られ、商号の先頭あるいは末尾に使用することは原則できません。

2.会社名の前後に会社の種類を入れる

会社設立をするときには、株式会社や合同会社といった会社形態を決めなければなりません。そして、「◯◯株式会社」「合同会社◯◯」のように、会社名の前、もしくは後ろに会社の種類が必ず入れる必要があります。

前株と後株のどちらにするかは自由に選択できるので、見た目のイメージや語感によって決めましょう。

また、現行の会社法では株式会社や合同会社を英語表記の「Co., Ltd」や「LLC」などで登記することはできませんが、定款には英語表記で記載可能です。海外に向けてグローバルな展開を行っている会社では、英語表記で記載するのが一般的になりつつあります。

3.同じ住所に同じ会社名(商号)は使用できない

近年では、シェアオフィスやバーチャルオフィスで登記する会社も増えています。複数の企業と同じ住所で登記する場合は、同じ会社名がないか必ず確認しましょう。

既に同じ会社名が存在する場合はその住所で登記することはできません。

4.会社の部門を表すようなものは入れることができない

「◯◯支店」のように、会社の一部分を連想させるような名前は使用することができません。また、金融業や保険業などの場合、会社名に「◯◯金庫」のような名前を入れなければなりません。反対に、金融業でなければ前述の形式で名前を付けることはできません。

会社名は設立後に変更することも可能です。時代の変化や業態の変化により、会社名を変更することは珍しくありません。最初に付ける名前は重要なものですが、変更できるということも覚えておきましょう。

ほかにも、会社名を決める際に確認しておいた方が良いことや、実在する企業を参考にしたい方は、「会社名の決め方4つのポイントとは? 26社分の実例から学ぶ良いネーミングアイデア集」をご参照ください。

会社の住所

近年では、会社設立直後にシェアオフィスやバーチャルオフィスなどを利用する企業も増えています。前項でも説明したとおり、同じ住所に同じ名前の会社が存在することは認められていないので、シェアオフィスを利用する際は入っている会社名も確認しておきましょう。

また、自宅を会社の所在地とする場合、賃貸の方は法人の本店として使用していいか、契約書の確認や貸し手への確認を忘れずに。

事業目的

事業目的とは、会社を設立するにあたり具体的に何を事業とするのかを設定するものです。定款にも必ず記載する項目の一つであり、記載していない事業を展開することもできません。

事業目的の記載数に上限はないので、将来的にやる可能性がある事業は記載しておいてもよいのですが、設立直後の小規模な会社で事業目的が多すぎると、何をしている会社なのか実態が掴めず、取引先や金融機関からの信用度が下がりかねません。

定款変更の手続きをすることで事業目的を後々追加することは可能なので、最初のうちは何に注力している会社なのかが伝わるようにしましょう。

事業目的の具体的な記載例についてはこちら

発起人

発起人とは、会社設立の際に資本金の出資や定款の作成など会社設立の手続きを行う人のことをいいます。発起人の役割として、具体的に以下のようなものがあります。

  • 会社への出資
  • 重要事項の決定
  • 定款の作成など、会社設立の手続きの実施
会社設立後は株主として会社の意思決定に関与することになります。

発起人になる資格や人数に制限はなく、未成年でも法人であっても発起人になることができます。

【関連記事】
会社設立時によく目にする「発起人」って何のこと?意味と役割を説明

資本金

資本金とは、会社を運営していくために株主や投資家が会社に出資したお金のことをいいます。資本金は返済義務のない自己資本のため、会社の規模を示す指標として「会社の体力」ともよばれます。基本的に資本金額が大きければ大きいほど、社会的信用度は高くなります。

旧制度では、会社形態ごとに資本金の下限が決められていましたが、2006年の法改正(会社法)によって最低資本金制度が撤廃され、現在では資本金1円でも会社設立が可能となりました。

しかし、実際に1円で創業することは現実的ではありません。会社を設立すれば、初月・翌月から仕入れや固定費の支払い、従業員への給与などが発生することがほぼ確実だからです。

また前述のとおり、資本金は会社の信用度を表す重要な指標であり、資本金額が極端に低いと取引先や金融機関に支払能力を疑問視されてしまう恐れがあります。

一定の信用を確保するためにも、以下のポイントを参考に資本金額を決めていきましょう。

3ヶ月から半年までの運転資金を資本金として用意する

会社設立当初は利益が出ない可能性もあります。事業がうまく軌道に乗らなかったことを想定し、3ヶ月から半年間の会社運営に必要な運転資金を賄える額を資本金としておくと良いでしょう。

税負担が軽減できる資本金の金額に決定する

資本金1,000万円未満の場合、設立1期目は消費税の免税を受けることができます。また、2期目も特定期間(原則前年度の期首から6か月の期間)の課税売上高が1,000万円以下または特定期間の給与等支払額の合計額が1,000万円以下の場合、消費税が免除されます。

また、法人税法上では、資本金1億円以下であれば「中小企業」とみなされ、法人税率の一部軽減も認められるため、有利にビジネスを継続することが可能です。具体的には、年間所得のうち800万円までは、通常の法人税率23.2%ではなく、軽減税率15%が適用されます。

許認可に資本金の要件がある場合も

許認可が必要な業種の中には、最低限必要な資本金(純資産)の額が決まっている場合があります。たとえば、有料職業紹介事業(500万円)、一般労働者派遣事業(2,000万円)などがあてはまります。会社設立の際、こういった要件も必ず確認しておきましょう。

株主総会・取締役会の設置(株式会社の場合)

株主総会とは、株式会社の最高意思決定機関です。また取締役会とは、株主総会で選任された取締役3名以上と監査役で構成される会社の意思決定を行う機関です。

一人で全額出資して会社を設立する場合には、取締役=株主なので取締役会を設置しなくても問題ありませんが、複数人で起業・出資する場合や社外からの出資を受ける場合は取締役会を設置することを考えておいたほうがよいでしょう。

取締役会を設置しないと、会社の経営に関わることなども株主総会で決議することになります。意思決定のたびに株主総会を開催しなければならないため、外部から出資を受けている場合は取締役を設置するのが一般的です。

株主総会と取締役会の違い

株主総会 取締役会
役割 会社の最高意思決定機関 会社経営に関わる事項の意思決定
開催頻度 年に1回以上
(必要がある場合)
3ヶ月に1回以上
決議内容
  • ・定款の内容変更に関すること
  • ・役員の選任、解任
  • ・役員報酬について
  • ・組織形態に関わる重要事項
    (合併・解散など)
  • ・株主への剰余金や配当金に関わる事項
  • ・会社経営に関わる事項全般
  • ・代表取締役の選定、解職
  • ・取締役の活動執行の監督
設置 必須 任意
※設置しない場合、会社経営に関わる事項も株主総会で意思決定

株式会社設立の場合、組織の運営・管理を含めた法的判断および意思決定を下すための機関の設置が必要となりますが、合同会社を含む持分会社は株式発行がないため、法的機関の設置は必要ありません。

事業年度

新年度を何月に始めるかは自由に決定できます。決める際には、以下のポイントを抑えるとよいでしょう。

繁忙期と被らないようにする(決算時期から2ヶ月)

決算は1年に1度必ず行わなければならないもので、決算期から2ヶ月以内に税務申告もしなければなりません。繁忙期に決算を迎えてしまうと、書類の整理や棚卸などの決算準備が通常業務と重なって大変なことになってしまいます。

また、繁忙期が決算期とかぶると利益の予測が立てづらく、予想外に利益が増えて納税額が増えたり、逆に利益が予想外に低く納税額が減ったりすることがあり得ます。そうなると、事前に節税対策を行う余裕もありませんし、利益の回復を図る余裕もありません。

消費税の免税を最大限活かす

後述しますが、会社の設立時の資本金が1,000万円未満の新設会社は、原則として設立してから2期目までの消費税の納付が免除されます。この免税期間をなるべく長くするためには、設立登記の日からできるだけ離れた月を決算期にします。

また、3月や12月を決算日にすると、税理士も忙しい時期のため、決算業務を引き受けてもらえない可能性もあります。引き受けてもらえたとしても料金が割高に設定されている場合もあるでしょう。

決算日は設立後に株主総会で変更ができ、登記なども不要なので、節税のメリットなどを踏まえて検討してみるといいでしょう。

会社設立日

会社の設立日になるのは登記が完了した日ではなく、法務局に会社の設立登記を申請した日です。そのため、法務局が休みの土日祝日と年末年始(12月29日~1月3日)は、会社の設立日に設定できません。これはオンライン申請でも同様です。

登記の申請方法には「窓口」「郵送」「オンライン」の3種類で提出方法によって会社の設立日が以下のように異なります。

  • 窓口で申請した場合の設立日:法務局に申請書を提出した日
  • 郵送で申請した場合の設立日:法務局に申請書が到着した日
  • オンラインで申請した場合の設立日:登記・供託オンライン申請システムから申請を行い、申請先の登記所等にデータが受理された日

※申請システムの利用可能時間は平日の朝8時30分~21時です。なお、17時15分以降に申請した場合、登記所等の対応時間外であるため、データの受理は翌業務日になります。

設立日を記念日など、自身の特別な日と合わせたい方は以下のことも注意しましょう。

提出先のミスによる不受理

登記の申請先は「会社の本店所在地を管轄している法務局」ですが、管轄の法務局が設立登記の申請を受け付けていない場合があります。

たとえば、横浜市の場合、本局の横浜地方法務局では登記の受理を行っていますが、管内の神奈川出張所や港北出張所では各種証明書の交付のみの対応となっています。

対応外の出張所等に登記の申請を行ってしまった場合、正しい申請先(都道府県の本局など)に改めて設立登記を申請しなおさなければなりません。

節税に効果がある設立日にする

資本金が1,000万円未満の新設会社は、原則として設立1期目及び2期目の消費税が免除されます。設立日と決算日をできるだけ離すことで、免税事業者のメリットを長く活かすことができます。

たとえば、設立月を1月、決算日を3月末日とした場合、会社の初年度はたった3ヶ月だけになってしまいます。一方、設立月を4月、決算日を3月末日とした場合、初年度は約1年間となり、免税のメリットを最大限に活かすことが可能です。自社の決算日を踏まえたうえで、会社のメリットになる設立日を考えてみましょう。

会社印を購入する

会社印は登記申請書にも捺印が必要となりますので、会社名・住所が決まったら購入しておきましょう。一般的に用意する印鑑は以下の3種類+ゴム印です。

会社用に準備しておく印鑑

  • 代表者印(実印)
  • 銀行印
  • 角印
  • ゴム印

会社設立時に最も重要な役割を果たす代表者印(実印)

印鑑の中で最も重要な役割を果たすのが代表者印です。代表者印は会社設立の際に登記申請書に捺印し、代表取締役が登記時に申請する印鑑となります。

登記をするための印鑑には規定があり、1辺の長さが1cmを超え、3cm以内の正方形に収まるものを使用しなければなりません。

法人口座の開設に用いる銀行印

銀行印はその名の通り、法人口座の開設時に用いる印鑑となります。代表者印と銀行印は同じものを使っても構いませんが、代表者印はとても重要なものであり、紛失や悪用のリスクや、摩耗によって印影が見えなくなったりすることを防止する意味合いで分ける場合が大半です。

銀行印と代表者印を分ける場合、サイズを分けるなどの工夫により判別が付くようにしておきましょう。

請求書などに捺印する角印

日常業務で使用し、社印とも呼ばれる印鑑が角印となります。代表者印や銀行印とは異なり、印鑑の形が四角形になっていることから角印と呼ばれます。

請求書や発注書に押す印鑑は角印が一般的です。実印を使うこともできますが、紛失すると手続きが大変なため多くの場合は別途作成します。

あると便利なゴム印

ゴム印は、上記の3本の印鑑と比べると重要度が低く、使用頻度もかなり少なくなります。ゴム印を用いるのは、簡易的に会社の社名を捺印したいときや、署名が必要な書類で、正式な書類でないものとなります。

会社設立時にはゴム印は作らず、代表者印・銀行印・角印の3本のセットを購入する場合が多いようです。

印鑑は材質で値段が大きく異なります。こだわりが特になければ耐久性があり軽い柘(つげ)という木材がおすすめです。他にも黒水牛やチタンなど、柘よりも値段は高くなりますが、長年使える材質を選ぶ方も多いようです。

規定や会社の将来性を考慮して基本情報を決めていきましょう

登記書類などを準備する前に決めておくべき事を解説しました。以下のポイントを参考に会社の基盤となる情報を決めていきましょう。

決めておくべき事項 ポイント
会社名(商号) ・使用できない文字、記号がある
・名前の前後どちらかに会社の種類を入れる
・同じ住所に同じ会社名は存在できない
会社の住所 ・自宅兼事務所とする場合は管理会社に確認しておく
・シェアオフィスなどは同じ会社名が存在しないか確認する
事業目的 ・記載していない事業をすることはできない
・記載数に上限はない
・将来行う可能性がある事業についても記載しておく
発起人 資本金の出資や会社設立の手続きを行う人
資本金 ・1円でも設立は可能だが、金額が低すぎると社会的信用度に関わる
・会社設立後3ヶ月〜半年までの運転資金を想定すると良い
・税負担が軽減できる金額にする
株主総会・取締役会の設置 ・株式会社設立の場合は意思決定機関の設置が必須
・取締役会の設置は任意
・取締役会を設置しないと会社の経営に関する事項についても株主総会の意思決定が必要
事業年度 ・決算時期から2ヶ月は繁忙期となるため、被らないようにする
・設立登記日から離れた月を決算期にすることで消費税の免税を最大限活かせる
会社設立日 ・法務局に登記申請した日が設立日となる
・土日祝は設立日にすることはできない
会社印の購入 ・一般的に用意する印鑑は代表者印、銀行印、角印、ゴム印の4種類
・耐久性が良い素材は値段も高め

上記の事項を決定したら、会社設立前後にかかる費用を把握しておきましょう。次の記事では会社設立費用について解説します。

次の記事はこちら

会社設立を簡単に行う方法

会社設立時には、多くの手続きが発生します。

準備が煩雑である、販路の確保や売上を上げることに集中することができないなど、お悩みではありませんか?

起業時の手続きはfreee会社設立を使うことで、大幅に短縮できます。

数項目を入力するだけで書類が作成できる

社名や資本金などの会社設立に必要な項目を入力することで、会社設立に必要な書類が自動で作成できます。

1度入力するだけで、11種類の書類の出力が可能で、転記が必要ありません。

会社設立freee 入力画面

freee会社設立で出力できる書類の一部を紹介します。

その他、出力可能な書類はこちらのリンクをご確認ください。

電子定款の作成も可能、キャンペーンで費用が無料に

コストを削減したいなら紙定款よりも、収入印紙代がかからない電子定款がおすすめです。

freee会社設立は電子定款の作成にも対応しています。約35,000円の費用を削減でき、機器の用意も必要ありません。

今ならクラウド会計ソフト「freee会計」もしくは人事労務ソフト「freee人事労務」の年間契約で電子定款の作成代行費用5,000円が無料になるキャンペーンを実施中!設立費用や手間を削減したい方におすすめのキャンペーンです

電子定款認証代行費が通常5,000円から0円に!

ガイドに沿って手続きすれば設立完了

会社設立時には公証役場や法務局、年金事務所など様々な場所で手続きをする必要があります。必要書類と提出先などを調べるだけでも非常に時間がかかります。

freee会社設立では、書類の受取・提出場所もご案内。どの書類をどこに提出すればよいのか何度も調べる手間はなくなります。

会社設立freee ガイド画面

設立後の準備もサポート

書類作成・提出以外にも起業家の負担になる準備・手続きは多くあります。

  • 会社運営に必要な印鑑のセット
  • 法人用の銀行口座
  • 法人用のクレジッドカード
  • 決算や日々の経理業務に必要な会計ソフト

freee会社設立では、上記の手続きも可能です。

起業・会社設立の準備をお考えの方は、freee会社設立を是非お試しください。

監修 アトラス総合事務所

アトラス総合事務所は、常にお客様の立場に立ったサービスと明瞭な料金設定で、税務から労務、法務に至るまで法人・個人事業経営を総合サポートしています。インターネットを使えば遠距離サポートも問題ありません。お気軽にお問い合わせください。

freee会社設立

freee会社設立

freee会社設立なら、会社設立に必要な書類が無料で作成できます。