会社設立の基礎知識

一般社団法人とは?設立するメリットや他の法人との違いを解説

公開日:2023/10/05

一般社団法人とは?設立するメリットや他の法人との違いを解説

一般社団法人とは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立された非営利法人です。一般社団法人は株式会社や他法人と比較しても、法人設立における登記手続きが簡単であったり、登記の際の事業内容に制限がなかったりと、他法人にない設立メリットがあります。

本記事では一般社団法人についての概要や設立するメリット、他の法人との違いについて解説します。一般社団法人に向いている業種や、設立の流れについても解説していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

目次

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一般社団法人とは

一般社団法人とは、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立された非営利法人です。非営利とは「事業利益を配当してはいけない」ことを指します。

事業で利益が出た際に、株主へと利益を分配する株式会社と異なり、一般社団法人は、出資者や設立者に配当を分配できません。もちろん従業員に労働に見合った給与を出す点は問題ありませんが、あくまでも出た利益を分配せず、次年度以降の活動に充てるのが一般社団法人です。

ここでは、一般社団法人と比較して株式会社・NPO法人・一般財団法人・公益社団法人・公益財団法人それぞれの違いについて解説します。

株式会社との違い

一般社団法人と株式会社の違いは、事業利益を分配するかしないかという点です。株式会社は「営利法人」であるため、社員や株主に対して配当金を分配できますが、一般社団法人は「非営利法人」であるため、配当の分配ができません。

上記の営利目的か、非営利目的かという部分以外は、法人組織という括りで同じです。一般社団法人も株式会社も定款認証を受け、法務局で設立登記申請を行えば設立できます。

株式会社について、詳しくは「株式会社とは?株式会社のしくみと設立するメリット・デメリットをわかりやすく解説」で解説しています。株式会社の仕組みや設立のメリット・デメリットも紹介していますので、気になる方はぜひご覧ください。

NPO法人との違い

一般社団法人とNPO法人は、「非営利法人」である点は同じですが、活動内容や手続き、設立までの時間などの面で異なります。

一般社団法人は法に触れなければ、基本的にはどのような事業でも自由に行えますが、NPO法人は、不特定多数の者の利益のために、法に定められている特定非営利活動の範囲内で活動を行わなければなりません。

さらにNPO法人は、設立に比較的費用がかからなかったり、補助金の種類が多かったりといった違いもあります。費用に関しては魅力的ですが、前述した活動内容の制限に加え、設立までに時間がかかるため、非営利法人を設立する場合は、両者の特徴をよく理解しておきましょう。

NPO法人については、「NPOの作り方-NPO法人を設立するメリットや気を付けるべきこと」で詳しく解説しています。NPO法人の作り方やメリット、気をつけるべき点についてもまとめていますので、ぜひ読んでみてください。

一般財団法人との違い

一般社団法人と混同しやすい法人に、一般財団法人があります。両者の違いは、どこに法人格を与えているかという点です。

一般社団法人が「一定の目的を持った人の集まり」に法人格を与えたものである一方で、一般財団法人は「一定の目的のために集められた財産」に法人格を与えています。

また一般社団法人は、設立時に財産の拠出がなくても設立が可能ですが、一般財団法人は、設立時に300万円以上の財産の拠出が必要です。

さらに構成員においても違いがあります。一般財団法人は、設立時に評議員が3人以上必要です。最低でも2人という一般社団法人と比較して、一般財団法人は比較的大規模な組織向けの法人であるといえるでしょう。

公益社団法人・公益財団法人との違い

公益社団法人・公益財団法人とは、平成20年の12月に施行された「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(認証法)」に基づいて設立される法人です。

自法人の利益の追求だけではなく、社会にさまざまな良い影響を与えることを目的に活動する団体を指します。

一般社団法人は法務局への登記申請のみで設立できますが、公益社団法人や、公益財団法人は、行政庁において公益認定申請を行い、厳しい審査を受けなければなりません。

審査がある点において、公益社団法人や公益財団法人は一般社団法人と比較して、社会的信用が高いといえるでしょう。

一般社団法人を設立するメリット

一般社団法人を設立するメリットには、以下のものがあります。

一般社団法人を設立するメリット

  • 設立における登記手続きが簡単
  • 事業内容に制限がない
  • 社会的な信用度が上がる
  • 税制面で優遇を受けられる

設立における登記手続きが簡単にできる

一般社団法人を設立する場合、登記手続きが簡単といったメリットがあります。たとえば公益社団法人や公益財団法人の場合、設立時に厳しい審査をくぐり抜けなければなりません。

一方で一般社団法人は法務局で登記申請を行えば設立できるほか、資本金も必要ありません。定款の正当性を公証人によって証明する定款認証を受け、設立登記などの手数料を支払うだけで設立できます。

事業の内容に制限が課せられない

一般社団法人は、事業の内容に制限が課せられない点もメリットです。たとえばNPO法人の場合、法で定められている非営利活動の範囲内で活動を行う必要があります。

また一般社団法人は、行政への活動報告義務がないため、自由な事業展開が可能といえるでしょう。

個人事業よりも社会的な信用度が上がる

一般社団法人を設立するメリットには、社会的信用度が上がる点も挙げられます。法務局で登記申請を行えば設立できる一般社団法人ですが、法人格を持っているため、個人事業よりも高い社会的信用を得られます。

代表者に何かあった場合でも事業が継続できるほか、登記簿謄本から法人の事業内容が確認できる点も社会的信用に繋がるポイントです。

税制面で優遇を受けることができる

税制面で優遇を受けられるのも、一般社団法人を設立するメリットです。たとえば株式会社ならば、事業の内容に関係なく全ての利益は課税されます。

しかし、一般社団法人は非営利という条件さえ満たしていれば、収益事業以外の活動で得られた利益は非課税です。株式会社と比較して、大幅に節税できるでしょう。

一般社団法人を設立するデメリット

一般社団法人を設立するメリットについて述べましたが、一方で設立するデメリットは以下のとおりです。それぞれ詳しく解説します。

一般社団法人を設立するデメリット

  • 社員や構成員に利益分配ができない
  • 非営利型にしなければ株式会社と同じ
  • 上場ができない

社員や構成員に利益分配ができない

前述しましたが、事業で得られた利益を株主や社員に分配できる株式会社と異なり、一般社団法人は、利益分配ができません。一般社団法人が利益を出した場合は、地域のための事業や次の事業に再配分することが決まりです。

つまり社員はどれだけ頑張っても、自身の収入を増やすことができません。収入が上がらないことは働く意欲の欠如に繋がってしまうため、社員のモチベーションを保つ方法も考えておく必要があるでしょう。

非営利型にしなければ株式会社と同じ

非営利型にしなければ株式会社と同じである点も、一般社団法人を設立するデメリットです。

少々複雑ですが、一般社団法人は元々非営利法人ではあるものの、一般社団法人の中にも非営利性を重視しない一般社団法人である「営利型一般社団法人」と、非営利性を重視する一般社団法人である「非営利型一般社団法人」が存在します。

営利型一般社団法人では、事業で得られたすべての利益に税金が課税されてしまうため、税制面での優遇が受けられません。非営利型にしなければ株式会社と変わらず、メリットを十分に活かすことができない点には注意しましょう。

株式会社と違い上場することはできない

上場することができない点も、一般社団法人のデメリットです。

株式会社ならば、株式を投資家に渡す対価として資金の調達が行えますが、一般社団法人には株式がないため資金集めが困難になる場合があり、大きく事業を拡大させることは難しいといえるでしょう。

本格的に事業を拡大させるならば、一般社団法人ではなく株式会社の設立の方が適しているケースがあります。行いたい事業とそれぞれの法人の特徴を知り、最適な法人を選ぶことが大切です。

一般社団法人に向いている業種

一般社団法人に向いている業種は、以下のとおりです。

一般社団法人に向いている業種

  • 芸術・地域振興関連事業
  • 観光業
  • 障害福祉
  • 介護福祉事業やその他医療系団体
  • 医療学会
  • 資格認定ビジネス など

一般社団法人に向いている業種は、社会や特定の地域全体の発展に貢献できるといった特徴が挙げられます。ある程度公益的なイメージがあり、社会からの賛同を得られやすい事業を行いたいと検討している人に向いているといえます。

一般社団法人設立の流れ

一般社団法人設立の流れは、以下のとおりです。

一般社団法人設立の流れ

  • 定款を作成し、公証人の認証を受ける
  • 設立時理事の選任を行う
  • 設立時理事が、設立手続きの調査を行う
  • 法人の代表者が法務局または地方法務局に出向き、設立の登記申請を行う

一般社団法人を設立するためには、まず定款を作成し、公証人の認証を受けなければなりません。定款とは会社の基本原則を記載した文書のことで、会社設立時に発起人全員が合意する必要があります。

定款を作成して公証人に認証を受けたら、設立時理事の専任を行います。設立時理事は組織にとって必要不可欠な存在であるため、慎重に選びましょう。

設立時理事が設立手続きの調査を行い、法人の代表者が法定期間内に主たる事務所の所在地を管轄する法務局または地方法務局に出向き、登記申請を行えば手続きは完了します。

一般社団法人の設立についての詳細は「一般社団法人設立の流れ・費用・必要書類についてわかりやすく解説」で解説しています。

まとめ

一般社団法人は、事業で利益が出た際でも社員や株主に利益分配できない「非営利法人」です。一般社団法人を設立するメリットには、設立における登記手続きが簡単である点や、事業内容の制限がない点があります。

一方で社員や構成員に利益分配できない点や、非営利型にしなければ株式会社と同じであるなど、デメリットも持ち合わせています。

一般社団法人のほかにも、株式会社やNPO法人、一般財団法人、公益社団法人・公益財団法人など、それぞれに特徴があるため、自社に合った法人の形態を考え、法人に関わる人やもの全てが満足いく形を検討しましょう。

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よくある質問

一般社団法人のメリットとデメリットは?

一般社団法人のメリットは、設立における登記手続きが簡単である点、事業内容の制限がない点などが挙げられます。一方で事業利益が出たとしても社員や構成員に利益分配ができない点、非営利型にしなければ株式会社と同じである点などがデメリットです。

詳しくは記事内「一般社団法人を設立するメリット」「一般社団法人を設立するデメリット」をご確認ください。

一般社団法人はどのように設立されますか?

一般社団法人の設立の流れは、定款を作成して公証人の認証を受けることから始まります。

公証人の認証を受けた後は設立時理事の専任、設立時理事による設立手続きの調査を行い、最後に法人の代表者が法務局に出向き、設立の登記申請を行えば完了です。

詳しくは記事内「一般社団法人設立の流れ」をご確認ください。

一般社団法人と株式会社の違いは何ですか?

一般社団法人は利益が出ても分配できない「非営利法人」である一方で、株式会社は利益が出たら分配できる「営利法人」である点に違いがあります。

詳しくは記事内「株式会社との違い」をご確認ください。

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