会社設立の基礎知識

年収2,000万円の手取りはいくら?生活レベルや節税対策を解説

監修 鶏冠井 悠二 ファイナンシャルプランナー

年収2,000万円の手取りはいくら?生活レベルや節税対策を解説

年収2,000万円超の給与所得者は、国税庁の統計では全体の約0.6%にあたる高収入層です。ただし、実際に自由に使えるお金は額面どおりではなく、税金や社会保険料として、額面の約35%が差し引かれます。

一般的な会社員のケースでは、年収2,000万円の手取り額は1,300万円前後が目安です。一方、累進課税による所得税の負担に加え、教育費・住居費などの固定費や生活水準の上昇によって、高年収でも家計に余裕を感じにくくなる場合があります。

本記事では、年収2,000万円の手取り額の実態や生活レベル、手取り額が少なく感じる理由、所得控除の活用やふるさと納税・iDeCoなどを活用した節税対策について解説します。

目次

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年収2,000万円の手取り額はいくら?

年収2,000万円でも、実際に受け取れる金額は額面どおりではありません。給与から所得税・復興特別所得税・住民税・健康保険料・厚生年金保険料などが差し引かれるためです。

以下では、手取り額の具体的な目安と、金額に影響する要素を詳しく解説します。

年収2,000万円の手取り額の目安

独身会社員・40歳未満・協会けんぽ(東京)加入・基礎控除58万円と社会保険料控除を考慮した場合で試算した、年収2,000万円の手取り額は以下のとおりです。


項目金額
給与収入2,000万円
社会保険料約150万~170万円
所得税・復興特別所得税約370万~390万円
住民税約160万~170万円
手取り額の目安約1,280万~1,320万円

条件によって変動はあるものの、手取り額は1,300万円前後が目安です。年間手取りを12ヶ月で割ると、月平均では約108万円になります。額面の約65%が手取りとなる計算で、約35%が税金・社会保険料として差し引かれます。

なお、この試算はあくまで一例です。賞与の有無や勤務先が加入する健康保険組合、扶養の有無などによって実際の金額は変わります。正確な手取り額を把握したいときは、給与明細や源泉徴収票を確認しましょう。



出典:協会けんぽ「令和8年度の協会けんぽの保険料率は3月分(4月納付分)から改定されます」
出典:日本年金機構「令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和8年度版)」
出典:国税庁「令和7年分の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」
出典:国税庁「No.1199 基礎控除」
出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」
出典:協会けんぽ「令和8年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表」

手取り額に影響する主な要素

手取り額は、個人の状況によって変動します。主な影響要素は以下のとおりです。

手取り額に影響する要素

  • 扶養家族の有無
  • 年齢(40歳以上かどうか)
  • 賞与の有無や金額

扶養控除の対象となる扶養親族がいると、課税所得が減るため、所得税や住民税の負担が軽くなります。その結果、扶養なしの場合と比べて手取り額が増えるケースがあります。

また、年齢も手取り額に影響する要素です。40歳になると介護保険料の負担が加わるため、40歳未満と比較すると手取り額がその分少なくなります。

社会保険料には計算上の上限があり、月給が一定額を超えると、それ以上は保険料の計算対象になりません。賞与が多い企業では、賞与にも別途社会保険料がかかります。そのため、月給中心の給与形態と比較すると、同じ年収でも社会保険料の負担額が異なります。

なお、配偶者控除・配偶者特別控除は、納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超えると対象外です。年収2,000万円の人は原則として適用されません。



出典:国税庁「No.1180 扶養控除」
出典:厚生労働省「介護保険制度について(40歳になられた方へ)」
出典:厚生労働省「厚生年金等の標準報酬月額の上限の段階的引上げについて」
出典:国税庁「No.1191 配偶者控除」

年収2,000万円超の人が全体に占める割合

国税庁の民間給与実態統計調査によると、1年を通じて勤務した給与所得者の年収帯別の人数・割合は以下のとおりです。


年収帯人数全体に占める割合
500万円以下約3,254万人約63.3%
500万円超1,000万円以下約1,563万人約30.4%
1,000万円超1,500万円以下約231万人約4.5%
1,500万円超2,000万円以下約58万人約1.1%
2,000万円超約32万人約0.6%
出典:国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」

年収2,000万円を超える人数は約32万人で、給与所得者全体の約0.6%です。全体の中でも、限られた層であることがわかります。

なお、国税庁の統計は給与所得者をベースとしたデータです。個人事業主の事業所得などは含まれていないため、実際の高所得者数はこれより多い可能性があります。

年収2,000万円の生活レベル

手取り月収を約108万円と仮定すると、総務省が発表する家計調査の二人以上世帯の月平均支出額(約31万円)を差し引いても、約77万円が残る計算です。

平均的な支出水準を前提にすると、年収2,000万円は経済的に余裕を持ちやすい水準といえます。住まい・旅行・趣味・自己投資・子どもの教育などにお金を配分しやすい点は、この年収帯の特徴のひとつです。

ただし、家計調査の平均には持ち家世帯なども含まれています。住宅費の負担が大きい世帯では、自由に使えるお金が想定より少なくなることがあります。


出典:総務省「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」

年収2,000万円で手取りが少なく感じる理由

年収2,000万円は高収入に見えるものの、実際に受け取れる金額は税金や社会保険料を差し引いた手取り額となります。所得税は累進課税のため、年収が上がるほど税負担も大きくなりやすい仕組みです。

さらに、住居費や教育費などの固定費に加え、収入に応じて生活水準が上がると、高年収でも余裕を感じにくくなる場合があります。以下では、税金・社会保険料、固定費、支出水準の3つの観点から解説します。

税金・社会保険料の負担が大きい

年収2,000万円では、税金や社会保険料の負担が大きくなる傾向があります。給与収入のみで年収2,000万円の場合、給与所得控除と基礎控除などにより、課税所得は1,500万円程度です。

所得税は累進課税であり、課税所得のうち900万円以上1,800万円未満の部分には33%の税率が適用されます。

年収2,000万円でも、所得全体に33%の税率がかかるわけではありません。ただし、高税率が適用される所得の割合が増えるため、税負担は重くなりやすくなります。

社会保険料も差し引かれるため、額面年収と手もとに残る金額には大きな差が生じます。

教育費・住居費などの固定費が重い

高収入でも、教育費や住居費などの固定費が大きいと、手もとに残るお金は少なくなります。

文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」によると、小学校の年間学習費総額(学校教育費・給食費・塾代などを含む)は公立で約36万7,000円、私立で約174万2,000円でした。子どもが複数いる世帯や、私立学校・塾・習い事に通わせている世帯では、教育費の負担が大きくなります。

2026年度からは高校授業料支援の所得制限が撤廃されましたが、教材費や塾代など授業料以外の費用もかかるため、家計負担がなくなるわけではありません。

また、住宅費も大きな固定費のひとつです。家賃や住宅ローンの負担が重いと、可処分所得を圧迫しやすくなります。


出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査結果のポイント」
出典:文部科学省「高校生等への修学支援」

収入にあわせて生活水準が上がりやすい

年収が上がると、住まい・外食・旅行・交際費・車・自己投資などへの支出が増えやすくなります。その結果、生活水準が上がり、高年収でも余裕を感じにくくなることがあります。

特に、子どものいる世帯や都心部で暮らす世帯は、生活コストが高くなりやすい傾向です。生活の余裕は年収だけでなく、家族構成や固定費の負担によって大きく変わる点を意識しましょう。

年収2,000万円の人が検討したい節税対策

年収2,000万円の人は税負担が大きくなりやすいため、活用できる制度を知っておくことで、税負担の軽減につながります。主な方法は以下のとおりです。

各制度の組みあわせにより、税負担の軽減だけでなく、老後資金の準備や資産形成にもつながります。自身の状況やライフプランにあわせて、取り組める制度から始めましょう。

確定申告で所得控除の適用を受ける

年収2,000万円を超える給与所得者は年末調整の対象外となるため、原則として確定申告が必要です。勤務先で行う年末調整とは異なり、確定申告では自分で申告手続きをしなければなりません。

なお、ちょうど2,000万円の場合は、この要件だけでは確定申告義務の対象にはなりません。

確定申告では、自分が受けられる所得控除の確認が重要です。たとえば、医療費控除・生命保険料控除・地震保険料控除などを利用すると、課税所得を抑えられるため、所得税や住民税の負担軽減につながる場合があります。


出典:国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
出典:国税庁 "No.1100 所得控除のあらまし」

ふるさと納税を活用する

ふるさと納税では、自己負担2,000円を超えた分について、所得税の還付や住民税の控除を受けられます。年収が高いほど控除上限額の目安も上がるため、年収2,000万円の人は比較的多くの寄附を行いやすい制度です。

ただし、控除上限額は年収だけでなく、家族構成やほかの控除の有無によって変わります。上限を超えて寄附した分は自己負担となるため、事前に目安額を把握しましょう。


出典:国税庁「ふるさと納税をされた方へ」
出典:総務省「税金の控除について」

iDeCoで老後資金を準備する

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となるため、課税所得を抑えながら老後資金を積み立てられます。運用益は非課税で再投資されるため、節税と資産形成を両立しやすい制度です。

掛金の上限は加入区分によって異なり、会社員は企業年金の有無や種類などに応じて上限額が設定されています。


出典:iDeCo公式サイト「iDeCoってなに?」
出典:iDeCo公式サイト「加入希望者の方へ」

NISAで運用益の非課税メリットを活用する

NISAは、非課税口座で保有する上場株式や投資信託などの配当金・分配金・譲渡益が非課税になる制度です。通常、投資で得た利益には約20.315%の税金がかかりますが、NISA口座で得た利益は非課税保有限度額の範囲内で非課税になります。

2024年に始まった新NISAでは、非課税枠の拡充や恒久化が行われ、長期の資産形成に活用しやすくなっています。


出典:国税庁「新NISAのあらまし」
出典:NISA特設サイト「NISAを知る」

不動産投資を活用する

不動産投資は、賃料収入や売却益の獲得を目的とした資産運用のひとつです。

減価償却費・修繕費・損害保険料などを不動産所得の必要経費として計上できるため、課税所得を抑えられる可能性があります。不動産所得に赤字が生じた際は、一定の要件を満たす範囲で、給与所得との損益通算が認められることもあります。

ただし、必要経費の範囲や損益通算の可否はケースによって異なるため、税理士など専門家のアドバイスを受けながら慎重に検討しましょう。


出典:国税庁「令和7年分 年末調整のしかた」
出典:国税庁「No.1391 不動産所得が赤字のときの他の所得との通算」

まとめ

年収2,000万円超は、国税庁の統計では給与所得者全体の約0.6%にあたる高収入の水準です。ただし、所得税・住民税・社会保険料の負担が大きいため、実際の手取り額は1,300万円前後が目安となります。

さらに、住宅費や教育費などの固定費、収入に応じて生活水準が上がることで、高年収でも家計に余裕を感じにくくなる場合があります。

将来に向けて資産を形成するためには、家計管理に加え、ふるさと納税・iDeCo・NISAなどの制度を活用しながら、自身に合う方法で税負担の軽減を図ることが重要です。

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よくある質問

年収2,000万円の手取りはいくらですか?

一般的な目安として、年収2,000万円の手取り額は年間で約1,300万円、月額で約108万円です。扶養家族の有無や年齢、賞与の有無などで実際の金額は変動します。

詳しくは「年収2,000万円の手取り額の目安」をご覧ください。

年収2,000万円は上位何%ですか?

国税庁の民間給与実態統計調査では、年収2,000万円超の割合は給与所得者全体の約0.6%です。給与所得者の約167人に1人のごく限られた層です。

詳しくは「年収2,000万円の人が全体に占める割合」をご覧ください。

年収2,000万円でも余裕がないことはありますか?

年収2,000万円でも、税金や社会保険料の負担に加え、住居費や教育費、生活水準の上昇によって余裕を感じにくくなることがあります。特に、住宅ローンや子どもの教育費が重なる世帯では、手もとに残るお金が想像以上に少なくなる可能性があります。

詳しくは「年収2,000万円で手取りが少なく感じる理由」をご覧ください。

監修 鶏冠井 悠二(かいで ゆうじ)

コンサルタント会社、生命保険会社を経験した後、ファイナンシャルプランナーとして独立。「資産形成を通じて便利で豊かな人生を送って頂く」ことを目指して相談・記事監修・執筆業務を手掛ける。担当分野は資産運用、保険、投資、NISAやiDeCo、仮想通貨、相続、クレジットカードやポイ活など幅広く対応。現在、WEB専門のファイナンシャルプランナーとして活動中。

監修者 鶏冠井 悠二

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