会社設立の基礎知識

電子定款を自分で作成・認証するには?必要なものから手順までわかりやすく解説

電子定款の作成・認証を自分で行う流れは?メリットや提出方法を解説

定款を電子データ化(PDF)した電子定款は、紙定款で必要な収入印紙代が不要だったり認証手続き時、公証役場に出向く必要がなかったりと、さまざまなメリットがあります。

ただし、自分で電子定款を作成・認証手続きをするためには専用の機器・ソフトを準備しなければなりません。

本記事では、電子定款を自分で作成し認証を受けるメリット・デメリットや作成手順、認証手順について詳しく解説します。

▶︎ 用語解説:電子定款とは

会社の基本情報や事業目的などを記載した定款(ていかん)を、電子ファイル形式(PDF)で作成したものを電子定款といいます。詳しくは、別記事「電子定款とは?作成方法や認証手続きについてわかりやすく解説」をご覧ください。

目次

定款の作成・認証にかかる手間も費用も削減!

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電子定款を自分で作成するときに必要なもの

自分で電子定款を作成するには、以下のものを揃える必要があります。

電子定款に必要なもの

  • 電子証明書付きのマイナンバーカード
  • ICカードリーダライタ
  • 電子署名ソフト
  • 電子署名プラグインソフト

電子証明書付きのマイナンバーカード

マイナンバーカードは、事前に郵送されるマイナンバーが書かれた紙(通知カード)ではなく、プラスチック製のICカードが必要です。ICマイナンバーカードは郵便やパソコン・スマートフォンから交付申請が可能です。

マイナンバーカードの申し込みから発行までは時間がかかる可能性があるため、電子定款の申請を考えている場合は早めに申請を済ませておきましょう。


出典:マイナンバーカード総合サイト

ICカードリーダライタ

作成した定款には「文書が正式なものであり、かつ改ざんされていないことを証明するもの」として押印が必要です。電子定款の場合、電子署名がその役割をもちます。

作成した定款をPDFに変換して電子署名を挿入するためには、専用のソフトが必要です。代表的なソフトとして「Adobe Acrobat」があります。

Adobe Acrobatには法人向けプランとして「Acrobatグループ版」があり、月額1,890円〜2,400円程度で利用可能です。

電子署名ソフト

マイナンバーカードを読み込むためには、ICカードリーダライタが必要になります。購入の際は、マイナンバーカードに対応しているICカードリーダライタかどうかきちんと確認しましょう。

マイナンバーカードに対応したICカードリーダライタには、接触型と非接触型の2種類があり、1,000〜4,000円程度と機能により値段は異なります。


出典:地方公共団体情報システム機構「マイナンバーに対応したICカードリーダライタの一覧表」

電子署名プラグインソフト

電子署名プラグインソフトとは、PDF化した定款に電子署名を付与するためのソフトウェアです。

上述のAdobe Acrobatを利用している場合は、登記・供託オンライン申請システムが提供するPDF署名プラグインソフトを使ってPDFに電子署名を付与することができます。


出典:登記・供託オンライン申請システム「PDF署名プラグインについて」

freee会社設立では、電子定款の作成・認証にも対応しています。上記の専用機器やソフトを自分で準備する必要ありません。定款だけでなく、会社設立に必要な書類を一括で作成することも可能なので、設立準備にかかるコストや手間を大幅に削減できます。

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電子定款を自分で作成するときの手順

自分で電子定款を作成するには、以下の流れですすめていきます。

電子定款の作成手順

  1. 定款を作成する
  2. 定款をPDFファイルに変換する
  3. 電子証明書を発行する
  4. マイナンバーカードを利用して電子証明書を読み込む
  5. PDF化した定款に電子署名を付ける

1. 定款を作成する

電子定款の作成は、WordやGoogle documentを利用して行うことが一般的です。絶対的記載事項・相対的記載事項・任意的記載事項のうち、必要な内容を漏れなく記載してください。

定款を作成したら、認証の申請を行う前にFAXやメールなどで公証役場に送信し、内容を確認してもらいましょう。

定款の記載項目などを詳しく知りたい方は、別記事「会社設立に必須の定款とは? 認証方法や記載事項について詳しく解説」をあわせてご確認ください。

2. 定款をPDFファイルに変換する

定款を作成したら、オンラインで認証を受けるためにPDFファイルへの変換が必要です。WordやGoogle documentもPDFファイルでの出力は可能ですが、電子定款では電子署名をPDFファイルに付与しなければなりません。

そのため、電子署名の挿入機能がついているソフトを使用しましょう。電子署名ソフトは、登記・供託オンライン申請システムと互換性のあるAdobe Acrobatがおすすめです。

3. 電子証明書を発行する

PDFファイルにした定款に電子署名を付与するためには、電子証明書が必要です。電子証明書とは、第三者が本人であることを電子的に証明した証拠のことで、印鑑証明書と同等の役割を果たします。

電子証明書はマイナンバーに付与されるため、マイナンバーカードを取得して電子証明書の発行手続きを行いましょう。発行手続きは、マイナンバーカード総合サイトからオンライン上で行えます。

4. ICカードリーダライタを利用してマイナンバーカードを読み込む

電子証明書が付与されたマイナンバーカードが用意できたら、ICカードリーダライタとパソコンを用意して読み込みましょう。マイナンバーカードにはICチップがついており、そこから情報を送信できる仕組みです。

これは電子定款に電子署名を付与するために必要なので、忘れずに行ってください。

5. PDF化した定款に電子署名を付ける

PDFファイル化した定款に電子署名を付与したら、電子定款の作成は完了です。電子署名をつける際は、まず登記・供託オンライン申請システムの「PDF署名プラグイン」と公的個人認証サービスポータルサイトの「利用者クライアントソフト」をダウンロードしてください。

上記2種類のプラグイン・ソフトを利用することで、PDF化した定款に電子署名を付けられます。

出典:登記・供託オンライン申請システム「PDF署名プラグイン」
出典:地方公共団体情報システム機構「公的個人認証サービスポータルサイト」

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電子定款の認証を自分で受けるための手順

定款認証とは、会社設立時に作成した定款の正当性を管轄の公証役場にて証明してもらうことです。

株式会社や一般社団法人などを設立する場合には、作成した定款を管轄の公証役場で認証手続きを受ける必要があります。なお、合同会社などの持分会社を設立する場合では、定款認証は不要です。

電子定款の認証を受けるための手順は以下のとおりです。

電子定款の認証手続きの流れ

  1. オンラインで定款の申請を行う
  2. 公証役場の予約を取る
  3. 必要な持ち物を持参して定款を受け取る

1. オンラインで定款の申請を行う

電子定款の認証を受けるには、まず登記・供託オンライン申請システムの申込者情報登録が必要です。

まず、登記・供託オンライン申請システムの「申込者情報登録」をクリックし、案内に従って登録してください。登録が完了したら、次に申請用総合ソフトをダウンロードし、定款の申請を行いましょう。

また、電子定款の申請は法人設立ワンストップサービスでも行えます。定款認証から登記申請まで一度にまとめて行えるため、会社設立にかかる手間の削減が可能です。

【関連記事】
法人設立ワンストップサービスとは?可能な手続きの内容や利用時の注意点を解説

2. 公証役場の予約を取る

定款認証が完了したら、定款を受け取るために公証役場の予約を取りましょう。予約方法にはオンライン上の予約フォームを利用するかメールを利用するかの2種類があり、管轄の公証役場のホームページから確認できます。

なお、定款認証時にテレビ電話を行った場合は、登記・供託オンライン申請システムを介してデータが送信されます。そのため、公証役場に出向く手間をなくすためにも、認証はテレビ電話を利用することがおすすめです。


出典:日本公証人連合会「Q2. 電子公証を利用する手順を教えてください」

3. 必要な持ち物を持参して定款を受け取る

公証役場に出向いて定款を受け取る場合は、以下の持ち物を持参する必要があります。

  • USBメモリ
  • 定款をプリントアウトしたもの
  • 発起人の印鑑証明書
  • 認証手数料など(3〜5万円)
  • 身分証明書
  • 印鑑
  • 電子署名をした発起人以外の委任状(代理の場合)

定款認証については、別記事「定款認証とは?認証までの流れや必要書類について解説」で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

電子定款を自分で作成・認証手続きを行うメリット

電子定款を自分で作成し認証を受けるメリットは、以下の2つです。

  • 収入印紙代が不要など最低限の費用で済む
  • 紙定款に比べ手続きにかかる手間が少ない

収入印紙代が不要など最低限の費用で済む

そもそも電子定款では、紙定款の場合に貼り付けが必要だった収入印紙代4万円が不要です。加えて、自分で電子定款の手続きを行えば、専門家に依頼する外注費用もかかりません。

また、認証手数料も資本金額等が100万円未満であれば最小限の3万円に抑えられます。専用機材やソフトの導入に多少の費用がかかりますが、これを抜きにして考えると認証手数料(3万円)+保存手数料(300円)+謄本の請求手数料(約2,000円)のみで済みます。

なお、定款の認証手数料は以下を参考にしてください。


資本金額等認証手数料
100万円未満3万円
100万円以上300万円未満4万円
その他5万円
出典:日本公証人連合会「会社の定款認証手数料の改訂」

紙定款に比べ手続きにかかる手間が少ない

紙定款は公証役場に定款を持参して直接確認してもらう必要がありますが、電子定款であればテレビ電話などのオンラインで認証手続きが行えます。

また、定款には署名が必要となりますが、発起人全員の署名が必要な紙定款に対し、電子定款は代表者の署名だけで申請可能です。そのため、電子定款は自分ひとりで手続きを完結できる便利な方法だといえます。

電子定款を自分で作成・認証手続きを行うデメリット

電子定款を自分で作成し認証を受けるデメリットは、以下の2つです。

  • 専用機材やソフトを用意する必要がある
  • 修正・変更がある場合は再申請をしなければならない

専用機材やソフトの用意する必要がある

電子定款を利用するには、電子署名ソフトやICカードリーダライタなどの専用機材・ソフトが必要です。

定款の作成自体はWordやGoogle documentにて行えますが、申請の際にPDFファイルへの電子署名をしなければなりません。電子署名や申請には専用のソフトや機材が必要で、利用料などが必要になります。

そのため、専用機材・ソフトにかかる費用がかえって紙定款よりも高くついてしまう場合もあります。

修正・変更がある場合は再申請をしなければならない

電子定款は、一度オンライン申請をしてしまうと、内容の不備に気がついても修正・変更ができません。修正・変更をするには再び電子定款の申請を行わなければならず、もう一度認証手数料を支払う必要があります。

そのため、自分で電子定款の作成を行ったら、申請する前に公証役場の事前確認を受けるようにしましょう。

電子定款の作成・認証は専門家に依頼するのもおすすめ

上述したように電子定款は自分で作成・認証手続きを行うことができます。しかし、初めての定款作成で不安がある場合は、司法書士や税理士などの専門家に依頼するのもおすすめです。

また、freee会社設立は電子定款にも対応しており、電子定款作成に必要な機器やソフトの準備なども必要がないため、自分で作成するよりもコストが抑えられます。

また、キャンペーンを使うと、定款準備費用の5,000円も無料になるのでぜひ利用してみてください。

定款の作成・認証にかかる手間も費用も削減!

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まとめ

電子定款は、会社設立に必要な定款作成・認証手続きをすべてオンライン上で行えるものです。自分で電子定款を取り扱えば、専門家への外注費用がかからないため、会社設立にかかるコストを抑えられます。

ただし、自分で電子定款を作成し認証を受ける場合、手間がかかるだけでなく専用機材やソフトの用意が必要です。紙定款を利用したり専門家に依頼したりするよりも、かえって手間と費用がかかる場合もあります。

なお、freee会社設立は自分で電子定款の手続きを行う場合と変わらない費用で利用できるため、キャンペーンを使ってお得に手続きを進めましょう。

定款(ていかん)を簡単に作成する方法

定款とは、会社のルールブックであり、会社設立時に必ず必要な書類の一つです。

テンプレートはほぼ決まっていますが、事業目的などの記載内容は会社によって異なるため、自分で作成すると時間がかかってしまいます。また、ほかにも設立時には約10種類の書類を準備しなければなりません。

会社設立にかかる手間を少しでも軽減したい方には、freee会社設立がおすすめです。

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定款を含める約10種類の設立書類を無料で作成・出力できる

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会社名や資本金額など必要項目を入力すると、定款(ていかん)をはじめ、会社設立に必要な約10種類の書類を自動で作成します。

<freee会社設立で作成できる書類の一例>

  • ・定款(ていかん)
  • ・登記申請書
  • ・印鑑届出書 など
ほかにも、会社設立後に役所へ提出が必要な「法人設立届出書」の作成や法人口座の開設、法人用クレジットカードの申請にも対応しています。

電子定款で設立費用をさらに削減できる!

会社設立を専門家に代行すると、法定費用に加えて依頼料がかかってしまいますが、freee会社設立は登録無料で利用できます。

さらに設立費用を削減したい方には電子定款がおすすめです。紙の定款では収入印紙代40,000円がかかりますが、電子定款ではこれが不要となります。freee会社設立は電子定款にも対応しており、電子定款作成に必要な機器やソフトの準備なども必要がないため、自分で作成するよりもコストを抑えることができます。

<設立にかかる費用の比較例>

freee会社設立を利用した場合の費用例

(1)後述のキャンペーンを利用すると、0.5万円が無料になります。
(2)紙定款の印紙代4万円が発生します。

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初めての会社設立では、書類の書き方や提出先、設立後の手続きなどさまざまな場面で不安を抱えてしまうこともあるでしょう。

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よくある質問

電子定款を自分で作るときに必要なものは何ですか?

電子定款を自分で作るには、電子証明書付きのマイナンバーカード、ICカードリーダライタ、電子署名ソフト、電子署名プラグインソフトが必要です。

詳しくは記事内「電子定款を自分で作成するときに必要なもの」をご覧ください。

電子定款を自分で作るときの手順は?

電子定款を自分で作るときの手順は以下のとおりです。

電子定款の作成手順

  1. 定款を作成する
  2. 定款をPDFファイルに変換する
  3. 電子証明書を発行する
  4. マイナンバーカードを利用して電子証明書を読み込む
  5. PDF化した定款に電子署名を付ける

詳しくは記事内「電子定款を自分で作成するときの手順」をご覧ください。

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