会社設立の基礎知識

知識ゼロでも大丈夫。会社設立を決意してから開業までにやること全て

最終更新日:2020/12/11
知識ゼロでも大丈夫。会社設立を決意してから開業までにやること全て

新しいビジネスモデルや起業家に出会って、自分も以前から温めているアイデアを世の中に出したい!と思った経験がある人は多いのではないでしょうか?しかし実際に行動に移すとなると、何から始めればいいのか、自分で会社設立の手続きができるのかなど、不安も募ります。

この記事では株式会社の設立・開業までに必要な書類や手続きを紹介します。

合同会社の設立を検討されている方は以下の記事をご覧ください。

【関連記事】
合同会社設立方法のまとめ -必要書類や手順を詳しく紹介します-

目次

個人事業主でなく法人として開業することのメリット

開業するにあたって、個人事業主と法人設立の2つの選択肢があります。   
個人事業主は手続きも簡単で、すぐに始動できますが、株式会社で開業すると、個人事業主では受けられない多くのメリットがあります。

まずは法人設立をする3つの代表的なメリットを紹介します。

社会的信用が得られる

開業直後から事業を急成長させたいと思っている方にとっては、これはかなり大きな利点です。
営業をする際にも信頼感が違いますし、法人としか契約を結ばないとしている企業もあります。融資や助成金・補助金を受ける際も法人である方が申請が通りやすくなります。

社会保険に加入できる

法人設立したら社会保険の加入は原則必須です。 社会保険料はそれなりの金額がかかりますが、その分保証も手厚く、従業員からの信頼性も高まります。

健康保険は国民健康保険と違い、傷病手当や出産手当制度があります。また扶養制度があるため家族全員が被保険者として加入する必要がないので、世帯での保険料が抑えられます。さらに厚生年金に加入することになるため、将来受け取れる年金額も多くなります。

社会保険の基礎知識や、加入方法など知りたい方は「一人社長でも加入すべき?会社設立直後の社会保険加入ルール」を参考にしてください。

節税がしやすい

個人事業主よりも法人の方が経費として計上できる範囲が広いことが理由のひとつで、自分の給料や自分に対して出した日当なども経費として計上できます。

また個人の所得税より法人の所得税の方が税率の傾斜が緩やかなので、利益が大きく出た際には法人の方が支払う税金が少なくなります。

会社設立の流れ - 登記までの4ステップ -

1. 会社の基礎部分を決める

商号(会社名)

まずは会社の顔となる社名(商号)を決めましょう。
会社名から業務内容がイメージできるものでもいいですし、画数などを考慮しながら決めるという方法もあります。

会社名の決め方やルールを知りたい方は「会社名の決め方4つのポイントとは? 26社分の実例から学ぶ良いネーミングアイデア集」を参考にしてください。

事業目的

次はどんな業務を行うのかを明確にしていきましょう。
事業目的はのちに定款にも記載するので、明確に簡潔にまとめておいた方がよいでしょう。
定款に記載する事業目的に上限はないので、将来的にやりたいことも含めておいても問題ありません。ただし、設立したばかりの会社で事業目的があまりにも多すぎると何をやる会社なのかがぼやけてしまい、信用度が低くなります。設立してすぐは10個以下にすることをおすすめします。

事業目的の基礎知識や業種別の書き方について知りたい方は、「事業目的の書き方完全まとめ 業種別の例や一覧まで詳しくご紹介します」を参考にしてください。

本社所在地

事業所を置く場所を決めます。
自宅を事務所として登記するケースや、マンションの一室を事務所として借りて登記する方法もあります。事業所を移転する場合は定款も変更しなければいけないため、長期的に業務を行うところに決定しましょう。

資本金

「会社の体力」とも言われる資本金。現在の会社法では、資本金の下限がないため1円から会社設立が可能です。ですが、資本金が極端に少ないと事務所を借りる際の契約料や、備品を購入するための資金が足りなくなってしまい、すぐに運営が立ち行かなくなります。

また、小額すぎることで信用度が低くなり、「取引先としてふさわしくない」と判断されてしまう場合もあります。資本金は初期費用と運転資金3ヶ月分位を足した金額は最低限、確保しましょう。

資本金の決め方については「1円起業はあり?なし?会社設立時の資本金を決めるためのポイント2つ」を参考にしてください。

2. 定款を作成し、認証を受ける

ステップ1で決めたことがらを元に定款を作成していきます。このステップのゴールは公証人役場で定款の認証を受けることです。

用意するもの

  1. 1.定款・・・3部
  2. 2.発起人全員の3ヶ月位内に発行された印鑑証明書・・・各1通
  3. 3.発起人全員の実印
  4. 4.認証手数料・・・5万円(現金)
  5. 5.謄本代 250円×定款のページ数(現金)
  6. 6.収入印紙・・・4万円分
  7. 7.委任状(代理人が申請する場合)

定款の作成・認証方法

定款のテンプレートはインターネット上で無料で入手ができますので、ダウンロードをして記入をしてください。ちなみに法務局のホームページでも例付きのテンプレートが入手可能です。(株式会社設立登記申請書の4ページ目から定款の記載例になっています。)
定款は会社の規模や取締役の人数、取締役会の設置の有無によって記載事項が異なる部分があるので注意しましょう。

定款のテンプレートを埋めたら製本し、3部作成します。
プリンターで出力しページごとに並べ、左端をホチキスで止めます。その後、ページごとに見開きの部分に発起人の実印を押して割印をしていき、最後のページに書かれている発起人の欄に実印を押したら定款の完成です。

定款を作成したら、いよいよ認証の手続きです。

本店所在地がある公証役場に連絡をして、公証人と訪問の日時を決めます。
訪問の前にFAXや郵送などで定款を確認してもらい、あらかじめ間違いを修正しておくと当日の認証がスムーズに進み、当日30分程度で終了します。

上述は定款を紙で作成した場合の手順ですが、PDF化したデータを電子認証で手続きする方法もあります。これを電子定款(でんしていかん)といいます。

電子定款を検討される方は「電子定款の作成方法!電子署名を入れて認証を受けよう」を参考にしてください。

電子定款は紙定款の際に必要になる4万円分の収入印紙代がかからないというメリットがあります。しかし電子定款を作成するソフトウェアなどを購入すると、かえって電子認証の方が高くついてしまう場合もあるので、注意しましょう。

3. 資本金を振込む

資本金の振込みは、定款の認証が確定した日以降に行います。
振込先は発起人の銀行口座。大金を振り込む場合は、安全面からみても銀行窓口で手続きをしてください。

登記申請の際に、資本金が振り込まれたことを証明する書類が必要になります。通帳の表紙と1ページ目、そして資本金の振込み内容が記載されているページをコピーしておきましょう。

資本金の振り込みについて、「ネット銀行は避けるべき?ATMでの振込みは?会社資本金の振込み方法まとめ」で詳しく解説しています。

4. 申請書類を用意し、法務局で登記申請をする

次は法務局でいよいよ登記申請をしていきます。

用意するもの

  1. 1.登記申請書
  2. 2.登録免許税分の収入印紙を貼り付けたA4用紙
  3. 3.定款
  4. 4.発起人の決定書
  5. 5.取締役の就任承諾書
  6. 6.代表取締役の就任承諾書 *1
  7. 7.監査役の就任承諾書 *1
  8. 8.取締役の印鑑証明書
  9. 9.資本金の払込みを証明する書類
  10. 10.印鑑届出書
  11. 11.登記すべきことを保存したCD-R

*1 取締役と監査役の状況によっては不要の場合もあります

各書類の作成方法や詳しい内容を知りたい方は「会社設立に必要な書類は11種類。作成方法から提出先まですべてお教えします」を参考にしてください。

印鑑証明書には法人印と個人印それぞれ押印する箇所があるので漏れがないように注意しましょう。

定款の作成・認証までは発起人の実印だけでOKでしたが、登記や登記以降の段階になると法人の実印も必要になってきます。登記に必要な書類を準備する前に、会社の印鑑の準備も進めておきましょう。

すべての書類を揃えたら、発起人全員で法務局に向かいます。もし全員で行いけない場合は委任状の作成もお忘れなく。

登記申請後、不備がなければ10日ほどで登記が完了します。

登記申請した日が会社の設立日になるため、役所が休みの土日祝は登記申請はできません。会社設立日を記念日や大安の日など、決めた日にちにしたい方は前もってカレンダーも確認しておきましょう。

会社設立の流れ - 登記後から開業までの3ステップ -

おめでとうございます!無事に登記されたら法人設立完了です!
しかし、事業をはじめる前に必要な手続きがまだ残っています。

ここでは登記後に必要な手続きの流れを紹介します。

登記後の手続きに必要な書類や内容についてより詳しく知りたい方は「登記後も手続きが必要。会社設立後から開業までに必要な手続き・期間・流れまとめ」を参考にしてください。

1. 税務署に届け出をする

法人になったら企業として国に納めなくてはいけない税金が発生します。
その税金を納めるための手続きを税務署で行います。
提出する書類は会社を設立したと報告をする届出書から、青色申告で会計処理をしますという申請書までさまざまです。

2. 地方自治体に届け出をする

税金は国にだけではなく、事業を営んでいる都道府県・市区町村にも納めます。
提出書類は地方自治体によって異なりますので、本店所在地を管轄している地方自治体のホームページをチェックしてください。

3. 年金事務所に届け出をする

最後は社会保険の加入について年金事務所に届け出をする必要があります。
一人社長に給料を支払えない場合など特殊な場合を除き、必ず加入しなければいけませんのでご注意を。

なおすぐに従業員を雇い入れる場合は上記の3ステップに加え、労働基準監督署とハローワークにも労災保険についての届け出をする必要があります。

会社設立で訪れる場所の一覧(東京都渋谷区で登記する場合)

これで会社設立に最低限必要な手続きは以上です。

まとめ

会社設立に必要な書類はインターネットで入手できる書類のテンプレートも多く、一つずつ丁寧にステップを踏めば確実に前に進めます。

しかし役所関係の手続きに対して苦手意識を持っている方は、面倒だと感じるかもしれません。そんなときは思い切って司法書士や税理士、社労士にお任せする方法もあります。設立前後だけでなくその後の経営の中で必要になってくる手続きなども相談できるので、経営者にとって心強い存在になるでしょう。

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