会社設立の基礎知識

株主総会議事録とは?記載事項や書き方などについてわかりやすく解説

株主総会議事録とは?記載事項や書き方などについてわかりやすく解説

株主総会議事録とは、株主総会の決議事項などについて記載する書類です。会社法において作成と保管義務が定められており、日時や取締役氏名などの事項を漏れなく記載しなければなりません。

株主総会議事録は税務調査や登記の際に必要になるため、ルールに則り適切に作成・保管が必要です。

本記事では、株主総会議事録の記載事項や書き方の例、電子化の要件などについて詳しく解説します。

目次

会社設立の手続きがカンタンになるfreee会社設立

会社設立の手続きや準備はfreee会社設立でカンタンに!
必要項目を入力すれば、会社設立前後に必要な書類を無料で一括出力できます。

設立社数50,000社以上のfreee会社設立なら初めての方もあんしん!
まずはお気軽にご相談ください!

\ 会社設立に必要な書類をかんたん作成 /

無料で始めてみる

株主総会議事録とは

株主総会議事録とは、株主総会で決定された事項や会社株の情報などについて記載した書類で、会社法により作成が義務付けられています。

記載内容の責任や管理は取締役が担い、作成も取締役が行うことが一般的です。

株主総会議事録は、株主や会社の債権者からの求めに応じて提示する必要があるだけでなく、登記や税務調査時に提出しなくてはならない場合もあります。

また、株主総会議事録には保存義務があり、本店で10年間、支店で5年間の保存が必要です。作成や保管義務に違反すると100万円以下の過料が科せられる場合もあるので、注意しましょう。

出典:e-Gov法令検索「会社法施行規則 第三百十八条」

株主総会議事録の記載事項

株主総会議事録に記載する事項は、会社法第72条によって定められています。記載事項は、以下のとおりです。

株主総会議事録の記載事項

  • 株主総会が開催された日時・場所
  • 株主総会議事録の経過要領・決議内容
  • 会社法規定に定められた特定の意見・発言内容
  • 株主総会に出席した各取締役の氏名・名称
  • 株主総会に議長を立てた場合の氏名
  • 議事録作成を行った取締役の氏名
出典:e-Gov法令検索「会社法施行規則 第七十二条」

株主総会が開催された日時・場所

株主総会が開催された日時および場所の記載が必要です。

会社法では、オンラインなどの現地以外で参加することも認められています。取締役など会社の経営層や株主が現地以外から参加した場合は、その参加方法も記載をしましょう。

株主総会議事録の経過の要領・決議内容

株主総会議事録の経過の要領・決議内容とは、株主総会での報告事項・質疑応答・議案・審議・採決などの事項を指します。

これらの記載事項を満たすために、要点や結果が明確にわかるように作成しましょう。なお、要点がまとまっていれば議事録として認められるため、株主総会でのすべての発言や内容の詳細を明記する必要はありません。

会社法の規定に定められた特定の意見・発言内容

会社法の規定に定められた特定の意見や発言内容とは、会社法施行規則の第72条第3項に定められた事項のことです。

特定の意見・発言内容は15種類あり、以下に該当する内容は記載する必要があります。


法令内容
法第342条の2第1項監査等委員である取締役の選任・解任・辞任に関する意見
法第342条の2第2項監査等委員である取締役の辞任後最初の株主総会で辞任理由を述べることができる旨
法第342条の2第4項監査等委員である取締役以外の選任・解任・辞任に関する意見
第345条の第1項会計参与の選任・解任・辞任に関する意見
第345条の第2項会計参与を辞任した人が辞任後最初の株主総会で辞任理由を述べることができる旨
第361条第5項監査等委員である取締役の報酬
第377条第1項一定の書類の作成に関する事項について会計参与と取締役の意見が異なる時、会計参与は意見を述べられること
第379条第3項会計参与が株主総会で述べた意見
第384条株主総会の議案や書類などに法令・定款違反があれば、監査役は株主総会での報告する義務があること
第387条第3項監査役の報酬について監査役が株主総会で述べた意見
第389条第3項公開会社でない株式会社において、定款によって監査役の監査範囲を会計に関することに限定された監査役が、取締役が株主総会に提出しようとする会計に関する議案について、書類など法務省令で定めた書類を調査して株主総会で報告しなければならないこと
第398条第2項会計監査人が株主総会に出席して述べた意見を述べられるケース
第399条の5監査等委員の株主総会への報告義務
出典:e-Gov法令検索「会社法施行規則」

株主総会に出席した各取締役等の氏名・名称

株主総会議事録には、株主総会に出席した取締役・執行役・監査役・会計参与・会計監査人全員の氏名の記載が必要です。

なお、氏名・名称の記載が必要なのは取締役等のみで、出席した株主については人数を記載します。

株主総会に議長を立てた場合の氏名

株主総会において議長の選任は法令上の定めはありませんが、議長を立てた場合は氏名を議事録に記載しましょう。

株主総会の議長は代表取締役や社長が務めるケースが多く、定款に誰が務めるかの旨を記載しておくことが一般的です。

議事録作成を行った取締役の氏名

株主総会議事録には、議事録を作成した取締役の氏名の記載もします。株主総会議事録の作成を行えるのは、株主総会開催時点で取締役の権限を有する人です。

株主総会議事録の書き方・記載例

株主総会議事録の書き方について、各記載項目ごとに解説します。株主総会議事録の全体イメージは、以下を参考にしてください。

株主総会議事録の記載例
出典:法務局「株主総会議事録の例」

なお、株主総会議事録の書式に規定はありません。法務局が公開しているひな形を使用したり、例をもとにWordで株主総会議事録を作成したりしてもよいでしょう。

株主総会が開催された日時・場所の書き方

株式総会が開催された日時・場所の記載例は以下のとおりです。出席者が現地以外から参加した場合はその旨も記載します。

令和6年3月31日午前10時02分から、当会社の本店会議室において定時株主総会を開催した。

株主総会議事の経過の要領・決議内容の書き方

株主総会議事の経過の要領・決議内容の記載例は以下のとおりです。

株主総会でのすべての発言や内容の詳細を明記する必要はありませんが、要点や結果が明確に分かるように記載します。

以上のとおり株主の出席があったので、定款の定めにより代表取締役社長山田太郎は議長席につき、本定時総会は適法に成立したので、開会する旨を宣し、直ちに議事に入った。

第1号議案

(中略)

議長は以上をもって本日の議事を終了した旨を述べ、午前11時49分閉会した。 上記の決議を明確にするため、この議事録を作り、議長、出席取締役及び出席監査役がこれに記名する。

会社法の規定に定められた特定の意見・発言内容の書き方

会社法の規定に定められた特定の意見・発言内容の記載例は以下のとおりです。議案に対してどのような結果になったのかを要点をまとめて記載します。

第2号議案 取締役及び監査役の任期満了に伴う改選に関する件

議長は、取締役及び監査役の全員が本定時総会の終結と同時に任期満了し退任することになるので、その改選の必要がある旨を述べ、(中略)、満場異議なくこれに賛成したので、下記のとおり再選重任することに可決確定した。

取締役 つばめ 一郎
同   つばめ 二郎
同   つばめ 三郎
監査役 つばめ 四郎

なお、被選任者は、いずれも席上その就任を承諾した。

株主総会に出席した各取締役等の氏名・名称の書き方

株主総会議事録に出席した各取締役等の氏名・名称の記載例は以下のとおりです。議長と議事録作成者が分かるように記しておきましょう。

出席取締役 会計 太郎(議長兼議事録作成者)
      つばめ 一郎
      つばめ 二郎
      つばめ 三郎
出席監査役 つばめ 四郎

株主総会議事録に押印は必要?

会社法において、株主総会議事録への押印は義務付けられていません。ただし、議長・議事録作成者については押印をするのが一般的です。

また、定款に議事録への押印についての記載をした場合や、取締役会がない会社が代表取締役選定の決議をするときなどについては、押印が義務付けられています。

【関連記事】
会社設立に必須の定款とは? 認証方法や記載事項について詳しく解説

株主総会議事録に押印は必要?

株主総会議事録は、USBメモリーやハードディスクなど電磁的記録として作成・保存しても問題ありません。また、最初は書面として作成した株主総会議事録であっても、そのままスキャナーで読み込み、保存も可能です。

ただし、電子化して保存する際は、e-文書法に従わなければなりません。e-文書法では、見読性・完全性・機密性・検索性の4要件について規定されているため、株主総会議事録の電子化による作成・保存でも遵守しましょう。

出典:e-Gov法令検索「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律 第三条」

株主総会議事録の保管期間

株主総会議事録の保管期間は、本店では10年間、支店では写しを5年間と義務付けられています。万が一違反をしてしまうと、代表取締役に100万円の過料が命じられることがあるので注意が必要です。

なお、10年が経過すれば法律上の保管義務はなくなりますが、議事の内容をめぐって裁判が起こった時の証拠資料として提出するケースもあるため、基本的には永久保管しておきましょう。

出典:e-Gov法令検索「会社法 三百十八条」

まとめ

株主総会議事録とは、株主総会で決定された事項や会社株の情報などについて記載した書類です。会社法において作成・保管が義務付けられており、書面または電子で保管しなければなりません。

また、株主総会議事録には日時や取締役氏名などに加え、会社法の規定に定められた特定の意見や発言内容についての記載が必須で、記載漏れがないようひな形を活用して作成するのがおすすめです。

保管期間は、本店で10年、支店で5年と定められており、書面であっても電子であっても管理しやすい方法で保管しましょう。

自分でかんたん・あんしんに会社設立する方法

会社設立の準備から事業開始までには、多くの書類や手続きが必要になります。書類の転記をするだけでもかなりの時間がかかってしまいます。

freee会社設立は株式会社だけでなく、合同会社の設立にも対応しています。設立件数30,000社以上の実績をもつfreee会社設立なら、初めての方もあんしんしてご利用いただけます。

起業ダンドリコーディネーターが完了までサポートしてくれるからあんしん!

初めての会社設立では、書類の書き方や提出先、設立後の手続きなどさまざまな場面で不安を抱えてしまうこともあるでしょう。

freee会社設立では、会社設立に詳しい起業ダンドリコーディネーターが常駐しており、設立準備から登記後に必要な手続きまでを完全無料で並走・サポートします。

相談方法はオンライン面談、LINE相談、電話、メールなどから選べます。まずお気軽に問い合わせフォームからおためし相談(最大30分)の予約をして、ご自身のスケジュールや設立手続きに関する疑問や不安を解消しましょう。

起業ダンドリコーディネーターの詳細はこちら

入力項目・次にやること、すべて画面上で把握できる

freee会社設立では、必要項目を記入していくだけで会社設立に必要な書類を作成することができます。また、登記の際に必要となる会社印も同時に購入が可能です。


freee会社設立 入力画面

freee会社設立は株式会社だけでなく、合同会社の設立にも対応しています。

会社名や資本金額など必要項目を入力すると、定款(ていかん)をはじめとする会社設立に必要な約10種類の書類を自動で作成します。

<freee会社設立で出力できる書類の一例>

  • 定款
  • 登記申請書
  • 印鑑届出書 など
ほかにも、会社設立後に役所へ提出が必要な「法人設立届出書」の作成や法人口座の開設、法人用クレジットカードの申請にも対応しています。

設立にかかるコストを削減できる

設立費用を削減したい方には電子定款がおすすめです。紙の定款では、収入印紙代40,000円がかかりますが、電子定款ではこれが不要となります。

freee会社設立は電子定款にも対応しており、電子定款作成に必要な機器やソフトの準備なども必要がないため、自分で作成するよりもコストを抑えることができます。

<設立にかかる費用の比較例>


設立にかかる費用の比較例

(1)freee会計を年間契約すると、無料になります。
(2)紙定款の印紙代(40,000円)

会社設立の準備を進めながら、バーチャルオフィスの申し込みが可能!

会社設立するためにオフィスの住所が必要になります。
自宅をオフィス代わりにしている場合は、自宅の住所でも問題ありませんが、公開情報となってしまうので注意が必要です。

自宅兼オフィスのように実際の住所を公開したくない場合や、管理者や所有者に物件の法人登記が認められていない場合は、バーチャルオフィスを利用するのがおすすめです。

freee会社設立では、会社設立に必要な書類を無料で作りながら、バーチャルオフィスの申し込みもできます!
まずはこちらからfreee会社設立に無料で登録してみてください!

自分で手続きする時間のない方には「登記おまかせプラン」がおすすめ!

「初めての会社設立で不安」、「自分で手続きする時間がない」という方には、司法書士が手続きまで代行してくれる登記おまかせプランがおすすめです。

設立代行の費用相場は10万円前後ですが、freeeの登記おまかせプランは一律5万円で利用できます。※海外在留者が出資者・役員の場合等の特殊ケースを除く

登記おまかせプランの利用方法等の詳細は、freee会社設立の無料登録が完了後にメールにてご案内します。

会社設立の準備をお考えの方は、ぜひ登録無料のfreee会社設立をお試しください。

よくある質問

株主総会議事録とは何ですか?

株主総会議事録とは、株主総会で決定された事項や会社株の情報などについて記載した書類です。登記や税務調査などにて提出が求められるため、年に1度の株主総会があったときには、しっかりと作成・保管しておく必要があります。

詳しくは記事内「株主総会議事録とは」をご覧ください。

株主総会議事録は必須ですか?

株主総会議事録は、法務省令で作成が義務付けられています。また、本店では10年間、支店では5年間の保存が必要なので、適切に管理しましょう。

詳しくは記事内「株主総会議事録とは」をご覧ください。

株主総会議事録に記載する事項は?

株主総会議事録に記載する事項は、会社法第72条によって定められています。具体的には、株主総会が開催された日時・場所や取締役の氏名、決議の内容などについてです。

詳しくは記事内「株主総会議事録の記載事項」をご覧ください。

起業の準備はfreee会社設立でカンタン・安心

freee会社設立なら、会社設立に必要な10種類の書類を無料で作成できます!

さらに起業の検討時期から会社設立後の手続きまで、専任コンシェルジュによる無料サポートも利用可能です。
設立社数50,000社以上のfreee会社設立なら初めての方もあんしん!
まずはお気軽にご相談ください!