会社設立の基礎知識

法人口座は開設するべき?必要書類や手続き、金融機関の選び方

最終更新日:2021/10/12

監修 司法書士事務所TOTAL

会社設立時の銀行口座の口座開設、審査基準や用意する書類をまとめました

法人として事業を開始する際、個人名義の銀行口座で取引をしても法的には問題ありませんが、会社のお金をプライベートのお金と混同しているのではないかと疑われてしまう可能性はあります。

法人口座は個人名義の口座よりも審査が厳しく、口座開設まで時間がかかります。その分、社会的信用度も高く融資等にも影響するので、会社を設立したらできるだけ早いうちに開設することをおすすめします。

この記事では、法人口座の基礎知識や口座開設に必要な書類に加え、各銀行の利用料金や特徴について解説します。

法人口座について動画で知りたい方はこちら

目次

法人口座とは?

法人口座とは、文字通り法人名義で開設した金融機関の口座をいいます。法人口座の開設は任意なので、事業の取引を個人名義の口座で行っても問題はありません。

法人口座のメリット

社会的信用度が上がる

会社は、登記により一つの人格として認められます。それが社長1人の会社であっても、法人と個人は別人格となるため、個人の資産と会社の財産は明確に分けなければなりません。

冒頭で述べたとおり、個人口座を使うこと自体に法的問題があるわけではありません。しかし、代表者個人の口座を使い続けると、税務署や取引先から「会社の財産と個人の資産の区別や管理が明確になされていないのではないか」と要らぬ心配されてしまいます。

法人口座を開設し、明確に個人の資産と分けることで社会的信頼度が高まり、さまざまな取引をスムーズに行うことができます。

会社の財務状況が把握しやすくなる

銀行を介して支払いや振り込みをおこなうことにより、お金の動きがすべて通帳で把握できます。資金の流れが明確になり手元残高も把握しやすくなるので、資金繰りを考えたり削減すべき支出項目を洗い出すためにも法人口座は開設しておくべきでしょう。

法人口座開設に必要な書類

法人口座を開設するために必要な書類は概ね以下のとおりです。金融機関によって異なるため、事前にホームページなどで確認しましょう。

実店舗がある金融機関で口座開設する場合、代表者自ら出向いて申請を行う必要がある場合が多いです。また、法人口座は審査に1〜2週間かかるので、余裕を持って準備を準備を進めましょう。

法人口座開設に必要な書類

  • 会社の商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • 会社の定款
  • 会社印
  • 会社の印鑑証明書
  • 代表者の印鑑証明書
  • 代表者の実印
  • 代表者の身分証明書
  • そのほか、会社の運営実態がわかる資料

法人口座の開設に必要な書類のなかでも、特に重要なのが「登記事項証明書」と「印鑑証明書」です。これらの取得方法をまとめました。

登記事項証明書

登記事項証明書はオンラインで取得することができます。法務局に直接出向いて窓口で取得することもできますが、法務局は時期やタイミングによって混み合いますので、時間の節約を考えるとオンラインのほうが効率的です。

登記事項証明書は税務署にも提出する書類でもあり、複数の法人口座を作ることもあるでしょうから、何枚かまとめて取得しておくと効率的です。

参考:登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと

印鑑証明書

電子定款や登記事項証明書を取り寄せるために、ICカードリーダライタなどの環境を整えた人は、印鑑証明書をオンライン申請で入手することができます。

参考:法務省「オンラインによる登記事項証明書及び印鑑証明書の交付請求について(商業・法人関係)

オンライン申請をしない場合は、はじめに「印鑑カード」を入手する必要があります。

法務省の「印鑑カード交付申請書」のページから、印鑑カード交付申請書を取得し、法務局に郵送してください。その後、その印鑑カードを使って端末を操作し、所定の料金を支払うと印鑑証明書が入手できます。

登記事項証明書の交付と同様、こちらもオンラインで申請したほうが早いので、ICカードリーダライタなどの環境を整えておくといいでしょう。

金融機関がチェックしているポイント

前項で説明した必要書類が揃っていても必ず審査に通るわけではありません。

近年、法人口座の社会的信用性を逆手にとり、振り込め詐欺や投資勧誘詐欺などの犯罪に使われることが増えてきました。これには金融機関側も警戒を強めており、特に新しく設立した法人の場合、運営の実態がない会社(ペーパーカンパニー)ではないかと疑われてしまうと、口座開設を断られてしまう可能性があるのです。

法人口座の開設を妨げる要素とは

具体的にどのような基準で口座開設の可否を判断しているかは、各金融機関の内規に関わることであり、公開されていません。しかし、次のような要件に該当する会社では、一般的に審査に通らないリスクが高くなります。

法人口座の開設を妨げる要素

  • 資本金の額が小さすぎる(「1円会社」は注意)
  • 固定電話がない
  • 登録の住所がレンタルオフィス(バーチャルオフィス)などに間借りする形式となっている
  • 公式サイトがない
  • 顧客や取引先と交わされた契約書や領収書がない
  • 事業の目的が曖昧

審査基準は金融機関ごとに異なりますので、法人口座の開設が認められるために何が必要なのかは、ケースバイケースです。金融機関の求めに応じて、経営の実態を具体的に示す資料を提出できるようにしておくためにも、事業開始後しばらく経ってから口座開設を申し込むと良いでしょう。

また、メガバンクや都市銀行よりも地方銀行や信用金庫、ネット銀行のほうが、法人口座を開設しやすい傾向があります。

たとえば、IT系のベンチャー企業の場合であれば、ネット銀行の法人口座でも取引先から違和感を持たれにくいといえるでしょう。逆に、公的機関や大手企業と取引がある場合は都市銀行や地方銀行に口座を持っているほうがいいといえます。

このように、どの金融機関で口座開設をするかは、ご自身の会社の業務内容や取引相手を考慮することも大切です。

法人口座を開設できる金融機関の種類

法人口座を開設できる金融機関は大きく分けて以下の5種類です。それぞれのメリット・デメリットをまとめました。

法人口座を開設できる金融機関

  • 都市銀行(メガバンク)
  • 地方銀行
  • 信用金庫
  • ネット銀行
  • ゆうちょ銀行
金融機関 メリット デメリット
都市銀行 ・会社の信用力が上がる
・高額な融資にも対応できる
・全国に支店がある
・海外への振込にも対応している
・法人口座開設の審査が厳しい
・担当者が転勤する可能性があり、長期的な関係を築きにくい
・口座維持手数料が比較的高額
地方銀行 ・近隣地域のお金の流れを把握している
・特定の地域では信用度がある
・都市型銀行に比べて親身に相談にのってもらえる
・別の地方に行った際に取り扱えない
・金利がやや高い
・高額の融資の審査期間が長い
信用金庫 ・事業の伸びしろや社長の人柄をみて融資をしてくれる
・返済のリスケジュールに応じてくれやすい
・貸し渋りや貸し剥がしが少ない
・都市型銀行に比べて法人口座を開設しやすい
・他金融機関に比べて金利が高い
・従業員が300人以上または資本金が9億を超えると脱退しなければならない
ネット銀行 ・24時間365日インターネット上で振込や決済が可能
・口座維持手数料がかからない
・振込手数料が安価
・預金の金利が高い
・取引先からの信頼度が低い
・窓口で銀行側にお金まわりの相談をできない
ゆうちょ銀行 ・口座維持手数料が無料
・ATMで現金を引き出しが無料
・ゆうちょ銀行への振り込みならATMでも無料
・全国に支店があり、顧客からの振込口座として利用しやすい
・法人税の電子納税に対応している
・中小企業倒産防止組合の口座に使えない
・社会保険の引き落としに使えない
・1300万円を超える預入はできない

都市銀行とネット銀行の特徴

法人口座開設は、会社のメインバンク選びと言い換えることもできます。一般的に会社のメインバンクは、会社との物理的な距離や入出金のしやすさなどを考慮して決めます。

金融機関は多様な選択肢がありますが、大きく分けて店舗が存在する「都市銀行」と基本的に店舗が存在しない「ネット銀行」の2種類があります。

今回は比較として、都市銀行のインターネットバンキングとネット銀行の特徴をまとめました。
※2021年6月現在の情報です。

都市銀行の特徴まとめ

三菱UFJ銀行
(BizSTATION)
みずほ銀行
(みずほビジネスWeb)
三井住友銀行
(パソコンバンクWeb21)
りそな銀行
(りそなビジネスダイレクト)
ゆうちょ銀行
(ゆうちょBizダイレクト)
月額基本料 1,760円/月 3,300円/月 2,200円/月
※デビュープラン
3,300円/月
※Mini
550円/月
※スタンダードプラン
(振込金額別)
振込手数料
※同一支店
0円 0円 3万円未満
110円

3万円以上
220円
0円 100円
(振込金額別)
振込手数料
※同行内
3万円未満
110円

3万円以上
330円
3万円未満
220円

3万円以上
440円
3万円未満
220円

3万円以上
550円
330円 100円
(振込金額別)
振込手数料
※他行
3万円未満
550円

3万円以上
770円
3万円未満
550円

3万円以上
770円
3万円未満
550円

3万円以上
770円
660円 5万円未満
220円

5万円以上
440円
利用可能時間 普通預金
からの払込
8:00~23:30

当座預金
からの払込
8:00~19:00
※祝日利用不可
残高・入出金明細照会・振込・振替
平日
8:00~23:00
土曜
8:00~22:00
日曜
9:00~17:00
振込・振替
月曜
8:00~24:00
火〜土・祝
0:00~24:00
日曜
0:00~19:00
(2:00~4:00を除く)
平日
7:00〜23:55
土日・祝
8:00~22:00
8:00~23:00
第2・第3日曜日
8:00~20:00
融資の有無

※2021年7月時点

ネット銀行の特徴まとめ

楽天銀行 PayPay銀行 住信sbiネット銀行
月額基本料 無料 無料 無料
(振込金額別)
振込手数料
※同行内
52円 55円 50円
(振込金額別)
振込手数料
※他行
3万円以下
168円

3万円以上
262円
3万円以下
176円

3万円以上
275円
3万円以下
160円

3万円以上
250円
利用可能時間 24時間/365日
(メンテナンス時を除く)
24時間/365日
(メンテナンス時を除く)
24時間/365日
(メンテナンス時を除く)
融資の有無

※2021年7月時点

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金融機関の選び方

ここまでは振込手数料や口座維持費、受けられるサービスなどの違いやメリット・デメリットを解説してきました。次に、企業の状態や目的などから選び方のポイントを見ていきましょう。

起業してまもない場合

起業してすぐの時期は、信用金庫かゆうちょ銀行がおすすめです。

信用金庫の場合、お金まわりの相談にも親身になってくれるため、経営に慣れていない時期の相談役として活用できます。ゆうちょ銀行は口座維持費がかからず、ランニングコストを抑えられます。また、ネット銀行よりもネームバリューがあるので、取引先からの信頼度も安定されます。

大きな融資が必要な場合

大きな融資が必要な場合には、都市型銀行がおすすめです。都市型銀行のブランド力は、企業を相手にする際に信頼感を与えられます。高額な融資が必要な場合でも、事業規模の大きな都市型銀行の方が大口の融資を受けられるでしょう。

2つ目の法人口座を開設したい場合

2つ目の口座を開設するときは、メインバンクの種類によって選ぶべき金融機関が変わります。

都市型銀行や信用金庫をメインバンクにしているのであれば、ネット銀行やゆうちょ銀行がおすすめです。口座維持手数料がかからずに、安価な振込手数料でお金まわりを動かせます。あわせてネットバンキングのサービスを利用すれば、24時間振り込みや決済も可能です。

一方、ネット銀行やゆうちょ銀行をメインバンクとしている場合は、都市型銀行や信用金庫がおすすめです。都市型銀行の口座を開設すればクライアントへの信頼度が増すだけでなく、融資を受けられる金額も高くなります。また、信用金庫に口座を開設すれば、銀行側とお金まわりの相談もおこなえるでしょう。

ネットショップを開業する場合

オンラインでの決算が増えるネットショップを開業する場合は、ネットバンキングがおすすめです。海外にいる顧客を相手にした振り込みや入金受け取りでも、24時間365日決済が可能。時差や利用可能時間帯にわずらわされることなく、スピーディな取引が可能です。

取引先がオフィス近郊に限定されている場合

取引先がオフィス近郊に限定している場合は、地方銀行がおすすめです。地域によっては同じ地方銀行を使用している企業もあり、振込手数料を節約することができます。また、相手先にも馴染みの深い銀行名であり、信頼感や安心感を与えられるでしょう。

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