会社設立の基礎知識

会社設立に必要な定款(ていかん)とは? 概要や必須記載内容を解説

最終更新日:2019/10/11

会社設立に必要な定款(ていかん)とは? 概要や必須記載内容を解説

会社設立を予定している人であれば、誰しもしなくてはいけない「定款」の作成と提出。しかし、はじめての起業であれば、「そもそも定款とは何なのか」「何を書くべきか」など、わからないことだらけな人もいるでしょう。

この記事では、会社のルールを定める定款の目的と役割について、また、法律によって定められた項目や書き方などについて具体的に掘り下げて解説します。

目次

定款とは会社の「ルールブック」

定款とは、会社の根幹となる規則のことです。定款に記載される内容の例としては、会社の名前(商号)や事業内容、本社の所在地、社員の名前、取締役の選任に関するルールなどが挙げられます。会社を運営していくにあたって重要な指針となるものなので、会社を設立する前に必ず作成しなければなりません。

定款の例

近年では、この定款をPDF化して提出する「電子定款」も一般的になっています。

【関連リンク】
電子定款の作成方法!電子署名を入れて認証を受けよう

「記載事項」の種類、各項目の違い

定款は会社が定めるものですが、全文を自由に決められるわけではありません。定款に記載する内容については、会社法によって一定の基準が設けられています。法に準じていない定款は無効となってしまいますので注意しましょう。

定款の記載内容が規定されているのが「会社法」です。そこに記載する内容は3種類の項目に大別され、それぞれ「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」と呼ばれます。

絶対的記載事項

絶対的記載事項とは会社法によって定められた「定款に必ず記載しなければならない事項」のことです。以下の事項が該当します。

  • 事業の目的
  • 商号
  • 本社所在地
  • 資本金額(出資財産額)
  • 発起人の氏名と住所
事業の目的

「事業の目的」にはその会社を設立するにあたり具合的に会社で何を事業とするのかを記載します。事業目的を設定するいちばんの目的は「取引の安定性」を確保するためです。

▶︎参照:会社設立時につくる定款に書く「事業目的」とは


商号

「商号」とはいわゆる社名にあたるものですが、使用できる文字や他社との類似などについてルールがあります。商号を決定する際には事前に問題がないか確認しましょう。

▶︎参照:会社法 第二章 会社の商号


本社所在地

名前のとおり会社を登記する際の住所を書けばよいのですが、事業実態がない場所や、商用利用が賃貸契約で禁止されている住所を記載したりするのは避けましょう。

自宅で仕事をすることを前提に、所在地だけ別の場所にしたい場合などは「バーチャルオフィス」を利用するのもひとつの手段です。ただし、いくつか注意点があるため、こちらの「登記住所にも使えるバーチャルオフィス。メリットと注意点」の記事を参考ください。

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資本金額(出資財産額)

資本金額(出資財産額)は、法人を設立する上で各人が出資した資金の総額を記載します。出資額をいくらにするべきかについては、売上が立つまでにかかる経費や取引先に与える印象などさまざまな観点から考えましょう。

また、創業融資などの審査でも資本金額が影響するため、融資による資金調達を検討している場合は併せて考慮する必要があります。

▶︎参照:会社設立時の資本金の決め方と、決定した資本金の支払いの仕方


発起人の氏名と住所

この項目には会社を設立する上で必要となる発起人全員の氏名と住所を記載します。

相対的記載事項

相対的記載事項とは、定款に記載した場合にのみ効力が認められる事項のことです。絶対的記載事項とは異なり、必ず記載しなければならない内容ではありませんが、会社の方針を決めるにあたって欠かせないものといえるでしょう。

例としては、株式会社の「株券を発行する旨の定め(株券を発行しますという表明)」が挙げられます。

従来の法律では、株式会社には原則として株券発行義務を課されていましたが、2006年(平成18年)の法改正によって株券の発行・不発行を選べるようになりました。つまり、株式会社であっても定款に「株券を発行します」と明記しない限り、株券を発行する義務がないということです。

上記を含め、主要な相対的記載事項には以下の項目があります。

  • 1、変態設立事項(会28)
  • 2、設立時取締役及び取締役選任についての累積投票廃除(会89条、342条)
  • 3、株主名簿管理人(会123条)
  • 4、譲渡制限株式の指定買取人の指定を株主総会(取締役会設置会社にあっては取締役会)以外の者の権限とする定め(会140条5項)
  • 5、相続人等に対する売渡請求(会174条)
  • 6、単元株式数(会188条1項)
  • 7、株券発行(会214条)
  • 8、株主総会、取締役会及び監査役会招集通知期間短縮(会299条1項、368条1項、376条2項、392条1項)
  • 9、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人及び委員会の設置(会326条2項)
  • 10、取締役、会計参与、監査役、執行役及び会計監査人の責任免除(会426条)
  • 11、社外取締役、会計参与、社外監査役及び会計監査人の責任限定契約(会427条)
  • 12、取締役会設置会社における中間配当の定め(会454条5項)

引用元:7-4 定款認証 - 日本公証人連合会

会社法を参考に、自分の会社に合った事項を定款に加えましょう。

任意的記載事項

任意的記載事項とは、絶対的記載事項と相対的記載事項に該当せず、かつ違法性のない事項のことです。相対的記載事項との違いは、「任意的記載事項では、定款に載せなくてもほかの文書などで明確にすることで、効力が認められる」点です。

具体的には株主総会を招集する時期や、取締役の員数の規定などが挙げられます。定款の変更は、公証役場での再度の認証が必要となり、その手続きで時間やお金がかかるため、会社の方針などよく考えて記載しましょう。

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株式会社の定款を変更したいとき、どのような手続きを取ればいい?

会社の形態によっては「定款の認証」が必要

定款の認証とは、定款の正当性を公証人に証明してもらうことを言います。

定款は会社の憲法であり、経営や相続の指針となる重要なものです。だからこそ、定款の改ざんや紛失については十分に注意する必要があります。定款の正当性について水掛け論が起こってしまうと、相続や株式の譲渡をめぐって紛争が起きるリスクさえあります。

定款の認証を行い「これは、会社の設立時に発起人全員の同意のもとで作成した定款(原始定款)である」と公的に証明しておくことで、定款の紛失や改ざん、社内紛争などのリスクを抑止することができます。

定款の認証が必要な会社と不要な会社

定款の認証が必要となるのは、株式会社、一般社団法人、一般財団法人です。認証に際して、1件につき5万円の費用がかかります。定款の変更にも同じく費用がかかる(手数料は更正内容や公証役場に準じる)ので、不備のないように注意しましょう。

なお、合同会社や合名会社、合資会社といった持分会社については、定款の認証は必要ありません。株式会社では株主総会の決議が必要な場合が法令で定められており、また株主も流動的に変化しますが、合同会社などでは運営の意思決定者は原則出資者(社員)です。

つまり、「会社(経営者)と株主、複数の経営者の間、株主と株主の争いごとを防ぐ」必要がないため、合同会社などでは定款の認証が義務づけられていないと考えられます。

2018年から義務づけられた「実質的支配者となるべき者の申告書」とは?

2018年11月30日より定款認証の方法が一部変更となり、「実質的支配者となるべき者の申告書」の提出が義務づけられました。これは暴力団や国際的なテロ組織による法人の不正利用を事前に防ぐための措置として加えられた手順です。

この改正は、法人の実質的支配者を把握することなどにより、法人の透明性を高め、暴力団員等による法人の不正使用(マネーロンダリング、テロ資金供与等)を抑止することが国内外から求められていることを踏まえての措置になります。

引用元:定款認証 - 公証人連合会

実質的支配者とは法人の経営や事業運営を行うことができる個人を指します。詳細は「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則11条2項」にて定義されていますが、公証人連合会のウェブサイトでは以下のように説明されています。

株式会社では、①株式の50%を超える株式を保有する個人、そのような者がいない場合には、②25%を超える株式を保有する個人、そのような者もいない場合には、③事業活動に支配的な影響力を有する個人、そのような者もいない場合には、④代表取締役が該当することとなります。

一般社団法人、一般財団法人では、㋐事業活動に支配的な影響力を有する個人、そのような者がいない場合には、㋑代表理事が該当することとなります。

引用元:7-4 定款認証 - 公証人連合会

設立登記とあわせて定款を提出する

作成した定款は「設立登記申請書」とあわせて法務局に提出します。登記が完了すると、晴れて会社設立となります。

設立登記とは

設立登記とは、会社の法人格を取得する手続きのことです。設立登記は本社の所在地を管轄する法務局に、会社形態に合った「設立登記申請書」を提出することで申請できます。

なお、管轄の法務局については、法務局の公式ページから検索が可能です。

各庁の「商業・法人登記管轄区域」を確認し、本社所在地を管轄する庁で申請手続きを行いましょう。なお、申請は窓口のほか、郵送やオンラインからでも可能です。

設立登記に必要になるもの

設立登記の申請に際して、会社の定款や登記に記載すべき事項の電子データディスク、資本金の払い込みを証明する書面、印鑑証明書などの添付書類があわせて必要になります。会社の形態ごとに必要となる書類が異なるため、法務局等に確認したうえで申請を行いましょう。

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まとめ

この記事では、定款の概要や記載事項などについてご紹介しました。定款は株主総会などの同意があれば後から変更することもできますが、頻繁な変更は従業員だけでなく、取引先から不信感を持たれてしまうことさえあります。定款を作成する際は専門家の助言等を受けつつ、将来の事業計画を見据えたものを作成してください。

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