会社設立の基礎知識

株式会社のメリット・デメリットについて分かりやすく解説

株式会社のメリット・デメリットについて分かりやすく解説

株式会社とは、株式を発行して資金を集め、その資金で経営を行う会社形態をいいます。株式会社はほかの会社形態に比べて、資金調達のしやすさや社会的信用度の高さなど、さまざまなメリットがあります。

一方、設立費用やランニングコストがかかったり、遵守すべき法律や規制が多かったりデメリットもあります。

本記事では、株式会社のメリット・デメリットについて詳しく解説します。

株式会社の設立方法について詳しく知りたい方は、別記事「会社設立の流れを解説! 株式会社の作り方や必要書類、手続きを紹介」をあわせてご確認ください。

目次

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株式会社のメリット

株式会社は国内で最も数が多い会社形態です。社会的信頼度が高く、将来的に上場や事業拡大を目指している場合におすすめの会社形態といえます。

株式会社の主なメリットは以下のとおりです。

株式会社のメリット

  • 社会的信用度が高い
  • 投資対象になりやすい
  • 返済不要な資金を調達できる
  • 税負担を抑えやすい
  • 決算月を自由に設定できる

1. 社会的信用度が高い

株式会社は国内における会社形態の91.2%を占め、社会的認知度が高いです。また、合同会社などの持分会社に比べて遵守すべき法律や規制が多いため、必然的に信用度も高くなります。


出典:国税庁「令和3年度分 会社標本調査」

2. 投資対象になりやすい

株式会社は株式を発行することで、投資家から幅広く出資を募ることができます。

たとえ会社が倒産したとしても、出資者は出資額を超えた損失に対して責任を負わない間接有限責任が適用されるため、株式会社は投資対象になりやすいです。

たとえば、500万円分出資して株主となった会社が多額の負債を抱えて倒産したとしても、株主の損失は出資した500万円のみになるということです。

3. 返済不要な資金を調達できる

金融機関からの融資は利子をつけて返済する必要がありますが、株式発行で調達した資金は自己資本となるため、返済義務はありません。

ほかにも返済不要な資金調達方法として助成金や補助金が挙げられます。

助成金や補助金は、国や地方自治体などが政策目標に沿った事業に対して公的資金を財源として提供している資金支援制度です。

助成金・補助金についての詳細は別記事「会社設立時に最適な助成金・補助金は?金額・条件・申請方法を一覧で紹介」をあわせてご確認ください。

4. 税負担を抑えやすい

個人事業主の所得税はもうけが増えれば税率も高くなる累進課税なのに対し、法人税は一定税率が適用されます。

法人税の適用税率

  • 所得金額800万円以下:15%
  • 所得金額800万円超:23.2%

*資本金が1億円を超える場合は一律で23.2%

法人税は個人事業主が納める所得税よりも税率が穏やかで、所得800万円以下に対する中小企業の法人税は15%なのに対して、個人事業主の所得税は23%と割高となっています。

また、法人は個人事業主よりも経費として認められる範囲が広いため、高い節税効果があります。法人で経費計上できるものの具体例は以下のとおりです。

法人が経費として計上できる費用の例

  • 人件費
  • 消耗品費
  • 水道光熱費
  • 修繕費
  • 旅費交通費
  • 通信費
  • 交際費
  • 地代家賃
  • 租税公課

出典:国税庁「No.5759 法人税の税率」

5. 決算月を自由に設定できる

個人事業主の事業期間は1月1日から12月31日までと税法で定められているため、個人事業主の決算月は12月となります。

一方、株式会社や合同会社などの法人は、設立から1年以内であれば自由に決算期を決めることができます。また、決算期の変更も可能です。

決算月を自由に設定できる最大のメリットは節税効果です。

決算月に多額の利益が発生すると節税対策がとれず、支払う税金が増えてしまいます。大きな売上が見込める月の前月を決算月にすることで、その利益に対して1年間をかけて節税対策が可能となります。

また、売上が想定よりも少なかった場合は、黒字化戦略を検討する猶予が1年あるということになります。

【関連記事】
決算期(決算月)はいつにすべき?決め方や変更手続きについて解説

株式会社のデメリット

上述のように、株式会社は社会的信用度が高い分、合同会社などの持分会社と比べて遵守すべき法律や規制が多い会社形態です。

株式会社を設立する主なデメリットは以下のとおりです。

株式会社のデメリット

  1. 設立費用が高い
  2. 法人住民税の支払い義務がある
  3. 決算公告の義務がある
  4. 役員に任期がある

1. 設立費用が高い

株式会社は、設立時にかかる法定費用が合同会社などと比べて高い傾向にあります。

株式会社と合同会社の設立時の法定費用の違いは以下のとおりです。

項目株式会社合同会社
定款用収入印紙代
(電子定款では不要)
40,000円40,000円
定款の謄本手数料約2,000円
(250円/1ページ)
0円
定款の認証料
(公証人に支払う手数料)
3万円〜5万円
*資本金額によって異なる
0円
登記免許税
(設立)
150,000円
もしくは
資本金額×0.7%

上記いずれか高い方
60,000円
もしくは
資本金額×0.7%


上記いずれか高い方
合計約250,000円〜約100,000円〜

さらに設立後も登記内容に変更があれば、そのたびに手続きと登録免許税が発生します。

たとえば役員の選任や変更があった場合、資本金が1億円超えの会社であれば1件につき3万円、資本金1億円以下の会社であれば1件につき1万円の登録免許税を納付しなければなりません。

【関連記事】
会社設立費用はいくら必要?株式会社と合同会社別にわかりやすく解説

2. 法人住民税の支払い義務がある

法人住民税は均等割と法人税割の2つで構成され、均等割は赤字であっても払わなければなりません。均等割の金額は会社の規模によって変動しますが、最低でも7万円かかります。

なお、法人住民税の均等割は株式会社だけでなく、すべての法人に共通して課せられます。

法人にかかる税金についての詳細は別記事「法人にかかる税金の種類は?税率や計算方法を個人事業主と比較」をあわせてご確認ください。

3. 決算公告の義務がある

株式会社は、規模の大小にかかわらず公告が義務付けられており、定時株主総会で承認された決算内容を遅滞なく公告しなければなりません。公告を怠った場合は100万円以下の罰金が課せられます。

また、公告方法は会社法で定められており、基本的に会社設立時に作成する定款に公告方法を記載します。なお、定款に公告方法を記載しない場合は官報で公告するとみなされます。

公告方法には以下の3つがあります。

  • 官報に掲載
  • 日刊新聞紙に掲載
  • 電子公告

なお、合同会社などの持分会社には決算公告の義務はありません。

【関連記事】
公告とは?公告方法の種類やメリット・デメリットをわかりやすく解説

4. 役員に任期がある

株式会社の役員の任期は最長10年です。新しい役員が就任しても同じ役員が再任しても、改めて登記しなくてはなりません。

なお、任期が終了した役員が再任した場合であっても、変更登記となるため上述した登録免許税の支払いが必要です。

【関連記事】
役員とはどのような仕事?会社役員の種類と役割についてわかりやすく解説

株式会社と混同しやすい合同会社とは?

合同会社とは、2006年の会社法改正で新しく設けられた会社形態で、アメリカのLLCをモデルに導入されました。会社法上では、合資会社や合名会社と同じ「持分会社」に分類されます。

現在設立可能な4つの会社形態のうち大半は株式会社ですが、近年では合同会社の設立数が増加しています。

合同会社は「出資者=会社の経営者」であり、出資したすべての社員が会社の決定権をもち、経営を行います。そのため、経営の自由度が高く、素早い判断ができる点が大きなメリットです。

株式会社と合同会社の違い

 株式会社合同会社
意思決定株主総会総社員の同意
所有と経営原則完全分離原則同一
出資者責任間接有限責任間接有限責任
役員・役職の任期最長10年任期なし
代表者の名称代表取締役代表社員
決算公告必要不要
定款認証必要認証不要
利益配分出資比率に応じる定款で自由に規定
設立費用約25万円〜約10万円〜

合同会社は設立費用やランニングコストが安く、設立しやすい形態ともとれますが、株式会社に比べて信頼性が低く、認知度も劣っているのが現状です。

そのため、特にBtoBの取引では不利になる可能性があり、採用面でも優秀な人材を確保することが難しいといった点が懸念されます。

以下のような目的がある場合は、合同会社よりも株式会社が適しているといえるでしょう。

  • BtoB事業がメイン
  • 会社の認知度・社会的信用度を高めたい
  • 事業を拡大して上場を目指したい

合同会社についての詳細は別記事「合同会社とは?特徴や設立するメリット・デメリットについて解説」をあわせてご確認ください。

まとめ

株式会社は社会的信用度や資金調達方法、税負担など多くのメリットがありますが、設立費用が高かったり、決算公告の義務があったりデメリットがあることも把握しておかなければなりません。

事業内容がBtoCメインの会社や設立費用を安く抑えたい人、経営の自由度を優先したい人にとっては株式会社よりも合同会社の方が適しているといえます。

株式会社だけでなく、合同会社のメリット・デメリットもあわせて理解し、事業内容や規模がどちらに合っているかを適切に判断することが大切です。

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よくある質問

株式会社のメリットは?

株式会社の主なメリットは以下のとおりです。


  • 社会的信用を得やすい
  • 投資対象になりやすい
  • 返済不要な資金を調達できる
  • 税負担を抑えやすい
  • 決算月を自由に設定できる

詳しくは記事内「株式会社のメリット」をご覧ください。

株式会社にはデメリットもある?

株式会社の主なデメリットは以下のとおりです。


  • 設立費用が高い
  • 法人住民税の支払い義務がある
  • 決算公告の義務がある
  • 役員に任期がある

詳しくは記事内「株式会社のデメリット」をご覧ください。

株式会社と合同会社の違いは?

株式会社は、会社に出資した株主と実際に経営を行う取締役が分離しています。

一方、合同会社は「出資者=会社の経営者」であり、出資したすべての社員に会社の決定権があります。

詳しくは記事内「株式会社と混同しやすい合同会社とは?」をご覧ください。

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