最終更新日:2021/03/31
2006年5月の法改正により、資本金が1円からでも株式会社を設立できるようになりました。しかし資本金が1円では、すぐに事業が立ち行かなくなってしまうのが現実です。
新たに設立した企業のおよそ60%は1年以内に倒産しているとの情報も。その倒産の原因のひとつに過少資本があげられていますので、起業を成功させるためには資本金をしっかり準備することも重要なタスクの一つといえます。
今回は資本金を決める際に重要な5つの視点をご紹介します。
・【資本金】いくら必要? 会社設立時の資本金額の決め方
資本金に関わる税金や、資金調達方法について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
・【資金調達】会社設立時に活用できる助成金・補助金とは?
・【税金と税率】個人事業主と法人で税金はどう変わる?
目次
1. 利益がでるまでの運転資金
資本金は会社設立後、当面の事業運営のための資金になります。
開業するために必要な経費に加え、開業してから利益がでるまでの間の運転資金はカバーできる程度に設定しておくと◎。
一般的には、会社設立から3ヶ月は利益がまったくなくても事業が続けられる資金を目安にします。
創立費と開業費にいくらかかるかも概算しておく
業種や業態によっては、開業するまでにかなりの金額がかかることがあります。また登記のための費用(創立費)もあなどれません。
まず登記をするためには、株式会社で約25万円、合同会社では約10万円かかります。登記の手続きを司法書士に依頼する場合は、10万円程度もプラス。
ちなみに、定款を紙媒体ではなく電子定款で作成すると4万円を節約できますが、ソフトや機器をはじめから揃えると意外と高額になることも。
またビジネスをスタートするためには、以下を含むさまざまな場面で出費が発生します。
- オフィスや店舗の賃貸、改装工事
- 電話やインターネットなど通信設備
- 机、椅子などの備品
- パソコン、プリンターなどのOA機器
- ホームページやパンフレットなど広告媒体の作成
オフィスを借りずに自宅で1人でスタートするのであれば、十数万円からでOKの場合もありますが、複数人でシステム開発を含む起業をする場合は数百万円は用意しておくべきです。
2. 営業先から信頼を得る
ほとんどの企業は、はじめて取引をする場合に資本金を含めた信用度をチェックをします。
特に会社設立から間もない企業の場合は、「発注してもきちんと納品してくれるだけの体力はあるか」「納品したらしっかりお金を払ってもらえるのだろうか」といった点で不安に思われがち。
事業をスタートしたら取引をしたい企業の資本金を調べ、大体の相場感を掴んでおくことをおすすめします。
3. 融資を受ける際の融資額の基準になる
事業を一気に拡大したい場合など、まとまった資金が欲しい場合は金融機関から融資を受けることも選択肢としてあります。
ですが資本金があまりにも少なすぎると融資を断られることも。起業のために貯金を頑張らなかったのだろうか、その程度の覚悟なのだろうか……と勘ぐられてしまう可能性も。
またもし資本金が少なくて融資の審査を通過しても、資本金の2倍程度の額しかお金を貸してくれないというケースもよくあります。
ちなみに、融資を受けて借りたお金は資本金とすることができないので注意をしてくださいね。
4. 許認可に必要な資本金ラインがある
業界によっては許認可を得ないと営業をスタートすることができない場合があります。この許認可によっては資本金が一つの審査基準になっているケースがあります。
たとえば、旅行業は3,000万円以上、建設業は500万円以上がボーダーラインとなっています。
5. 資本金額が大きいと税金も大きくなる
税金の納付の観点から考えると、資本金は1,000万円未満に設定しておくとおトク。
まず消費税は資本金が1,000万円未満の場合、設立から最大2年間は納付が免除。また法人税の均等割も1,000万円以上は18万円になるところ、1,000万以下の場合は7万円に据え置きです。
1,000万円にしようとしている人は、特にその数字にこだわりがなければ999万円にしておいた方がコストカットになります。
1〜5までのポイントを踏まえて、中小企業の創業者は資本金を300万円前後に設定するケースが多いようです。
もし事業アイディアには自信があるけど、一人で数百円も貯蓄ができそうにない……という場合は、出資を受けたり助成金や補助金を受けたりするという選択肢も。
健全な経営状態の企業になれるよう、起業する前に自分の事業アイディアの計画をしっかり練って、資本金を準備していきましょう。
会社設立の方法を知りたい方はこちら

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