会社設立の基礎知識

会社法とは?知っておきたい基本の条文をわかりやすく解説

会社法とは?知っておきたい基本から条文までわかりやすく解説

会社法とは、会社の設立・運営において守らなければならない規定を定めた法律です。会社法は、全8編から構成されており、企業における会社の設立、組織、運営や管理について定めた法律を指します。

会社法は、多岐にわたる条文が定められています。そのため会社法で定められていることを知らないまま、会社を経営するとリスクが生じる可能性もあるのです。

本記事では、会社法の役割や会社設立のために知っておくべき基本的な会社法の条文について分かりやすく解説します。

目次

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会社法とは

会社法とは、会社の設立・運営・清算などの規定や手続きを詳細に定めている日本の法律です。

会社法が成立する以前は、会社に関する法律は「商法」・「株式会社の監査等に関する商法の特例法」・「有限会社法」といった法律に分散していましたが、2006年の施行により統合・再編成されました。

会社法は2014年と2019年に大きく改正され、施行後も何度か見直しが実施されてきました。今後も改正が予想されるため、改正内容も含めて確認することが重要です。


出典:e-Gov法令検索「平成十七年法律第八十六号 会社法」

会社法の役割

会社法の役割は会社経営の柔軟性を高め、機動力を向上させることです。大きく分けて以下の3つが重要なポイントとなります。

重要な3つのポイント

  • 取引相手の保護
  • 利害関係者の利益確保
  • 法律関係の明確化

取引相手の保護

互いに法律関係や事実関係を明確にすることで、取引に必要な情報を開示し、双方の保護を確保することが重要です。これにより取引相手は企業の現状やリスクを正確に把握し、適切な判断を下すことができます。

利害関係者の利益確保

利害関係者とは株主、取引先、顧客などを指します。たとえば株主は、株主総会において情報開示権や出席・発言・投票権を持ち、さらに株主間の平等な支払いなどを保護する規定があります。

法律関係の明確化

会社法は全8編979条の条文で成り立っており、法的な関係や責任の範囲、権限、義務などを明確に定めています。これにより、企業内の取引や関係者間の権利と義務が明確になり、トラブルの予防や解決が容易になります。

会社法の条文

会社法は、以下の8つの編により構成されています。それぞれの編について解説します。

会社法の条文

  • 第1編:総則
  • 第2編:株式会社
  • 第3編:持分会社
  • 第4編:社債
  • 第5編:組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付
  • 第6編:外国会社
  • 第7編:雑則
  • 第8編:罰則

第1編:総則

用語の意義や商号、使用人についてなど会社法の全体に通じる規定が記載されています。

第2編:株式会社

株式会社の設立から解散、株式発行の手順、定款の作成などの規定が記載されています。

第3編:持分会社

合名会社、合資会社または合同会社を持分会社と総称し、その設立から解散、社員の責任などの規定が記載されています。

第4編:社債

募集社債の発行やその管理について記載されています。

第5編:組織変更、合併、会社分割、株式交換、株式移転及び株式交付

株式会社・持分会社の組織変更、吸収合併や分割、株式交換などの規定とその手続きについて記載されています。

第6編:外国会社

外国の法律に基づき設立された法人等を「外国会社」とし、日本国内で取引や事業を行う際の規定が記載されています。

第7編:雑則

裁判所による会社の解散命令、訴訟・非訟の手続き、登記や公告の方法など幅広い分野の事項が記載されています。

第8編:罰則

虚偽文書行使や贈収賄など、会社に関連する罪についての規定やその罰金などが記載されています。

会社法で規定されている設立可能な会社の種類

会社法で規定されている新設可能な会社は、大きく分けて以下の2つの形態があります。

新設可能な会社の形態

  • 株式会社
  • 持分会社

さらに持分会社は以下の3つの形態に分けられます。

持分会社の形式

  • 合同会社
  • 合名会社
  • 合資会社

それぞれの会社形態について詳しく解説します。また、各会社形態の詳細について以下の記事をご覧ください。

【関連記事】
新設できる会社は4種類!会社形態ごとの特徴を10項目で比較

株式会社

株式会社とは、株式を発行し、その株式を出資者に販売することで資金を集めて経営を行う会社形態です。株式会社は、国内で最も多い会社形態となっています。「株式」とは出資した人に対して発行される証券であり、出資を行い株式を保有する人を「株主」と呼びます。

株主は、会社の利益の分配を受け受けるだけでなく、会社の経営に間接的に参加する権利を有していますが、実際の経営権は取締役や経営者に委任されます。

【関連記事】
株式会社とは?株式会社のしくみと設立するメリット・デメリットをわかりやすく解説

持分会社

持分会社は株式会社と異なり、出資者が社員となる会社形態です。出資者は経営権や決定権を持ち、出資者間で合意があれば重要な経営や意思決定に関与することができます。

持分会社は、出資者の責任範囲によって以下の3つに分けられます。

合同会社

合同会社は「有限責任社員」のみで構成される会社形態です。「有限責任社員」とは、会社の負債を出資額を限度として責任を負う社員のことであり、債権者に弁済する義務はありません。

合同会社は、「出資者=会社の経営者」となり、出資したすべての社員が会社の決定権をもち、経営を行います。そのため株主総会に相当する意思決定の場を設定する必要がなく、迅速な意思決定が可能になります。

また、設立費用やランニングコストが安いため、設立へのハードルが低い点も特徴のひとつです。

【関連記事】
合同会社とは?特徴や設立するメリット・デメリットについて解説

合名会社

合名会社とは、出資者全員が「直接無限責任社員」となり構成される会社形態です。「直接無限責任社員」とは、会社の負債総額を全て支払う義務を負う社員のことで、直接債権者に対し弁済する責任があります。

会社が負債を抱えた場合、個人資産も弁済に当てなければならないリスクがあり、そのため最近では、合名会社の設立数が減少しています。

合資会社

合資会社は、「有限責任社員」と「直接無限責任社員」の2者から構成される会社形態です。無限責任社員が事業を行い、有限責任社員が出資する形態で分かれています。

基本的に、有限責任社員は経営に参加しません。

合同会社と同様に、設立費用やランニングコストが安く、手続きも簡単なため設立へのハードルが低いことがメリットです。ただし、直接無限責任社員が最低でも1名必要であり、会社が負債を抱えた際の負担が大きいため、合名会社と同様に設立数は減少しています。

株式会社の原則

株式会社には、円滑な経営を持続させるため厳守する2つの原則があります。その原則とは、株主平等の原則と株式譲渡自由の原則です。

株主平等の原則

株式会社は、株主の有する株式の内容及び数に応じて平等に扱う必要があり、これを株主平等の原則と呼びます。(会社法109条1項)。

各株式の内容が同一であれば、同一の取り扱いを受けるべきであり、少数株主(子会社の自己資本の中で親会社の持分以外を所有している株主)の権利保護に繋がります。

また、投資家が安心して出資をすることができるようにする役割もあります。

株式譲渡自由の原則

株主は、自身が有する株式を他人に自由に譲渡することができ、これを株式譲渡自由の原則といいます。(会社法127条)

投資者は株式を購入後に株式を自由に譲渡することができる方がリスクの観点から投資をしやすくなるというメリットがあります。これにより、会社の設立者は投資者を集めやすくなります。

株式譲渡自由の原則には例外として、定款に定めることで会社の承認がなければ株式を譲渡することができない「譲渡制限株式」が存在します(会社法107条1項1号、108条1項4号)。

譲渡制限株式は、円滑な経営を妨げる可能性のある株主の参画を防ぐ手段として有効であり、これにより信頼できる人物に株主を限定することができます。

会社法で規定されている株式会社の機関

会社法で規定されている会社形態のなかでも、株式会社は特に多くの利害関係者が関わることが想定され、より法律関係を明確にしておく必要があります。そのため会社法には株式会社についての規定が詳しく記載されています。

会社法に定められている株式会社の機関の種類は以下のとおりです。

株主総会

株主総会は、株主が会社の運営に関する重要事項を決定するための会議で、会社法によりすべての株式会社は、株主総会を設置する必要があります。

株主総会は株式会社の最高意思決定機関であり、会社の基本方針や決算報告、役員の選任・解任などを決議します。

取締役会

取締役会は、株式会社の業務執行に関する決定機関です。取締役とは、会社法により定められている役職であり、会社の業務遂行に関する意思決定を行う役職です。

株式会社は、必ず少なくとも1名以上の取締役を設ける必要がありますが、取締役会を置くためには、取締役を3名以上設ける必要があります。

監査役会

監査役会は、3名以上の監査役から構成される機関であり、監査方針の決定や監査報告の作成を担っています。

監査役とは、取締役や会計参与の職務遂行を監査する役職であり、株主総会により選任されます。監査役は、企業の健全で適正な経営を保証する役割を担います。

会計監査・会計監査人

会計監査は、会計監査人によって株式会社の財務諸表などが適切に作成されているか監査する機関です。会計監査人は公認会計士または監査法人が務めます。

監査委員会

監査委員会とは、取締役会の一部であり、取締役を監査する機関です。監査委員会は、会計監査人の選任・解任の決定や、株式会社の職務遂行の監査・報告などの役割を担います。

指名委員会

指名委員会とは、監査委員会と同様に取締役会に属し、社長など経営者の選任・解任を決議する機関です。株主総会において人選の理由や意図を説明する義務があります。

まとめ

会社法は円滑に会社を経営するために押さえておくべき法律です。特に株式会社に関する規定は他の会社形態に比べて多くあるので、会社の設立手続きを行う際にはこれらの規程を正しく理解しておくことが重要です。

会社の設立や運営・経営に関わる際には、適切な専門家のアドバイスを受けながら、会社法に基づいた適切な手続きをおこないましょう。

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