会社設立の基礎知識

【会社設立後の手続き】法人登記で終わりじゃない!事業開始までにやるべきこととは?

最終更新日:2023/05/30

監修 永田 智哉 行政書士

【会社設立後の手続き】法人登記で終わりじゃない!事業開始までにやるべきこととは?

無事に会社設立まで完了された皆さま、お疲れ様でした!...しかし、事業を開始する前に行わなければならない手続きが多々あります。

設立後の手続きは、提出先によって必要な書類や提出期限が異なるため、確認しながら準備することが大切です。

この記事では、設立後に行う手続きごとに必要な書類や提出する各自治体などを詳しく解説します。

目次

会社設立後に届出が必要なのは大きく6つ

会社設立後に必要な届出は大きく分けて以下の6つです(4.5は会社設立時に従業員を雇っていた場合のみ必要な手続きになります。)。

会社設立後に必要な届出

  1. 法人税について税務署に届け出る
  2. 法人住民税・法人事業税について各都道府県税務署・市町村役場に届け出る
  3. 健康保険・雇用年金の加入手続きについて年金事務所へ届け出る
  4. 労働法に関する届け出を労働基準監督署に提出する
  5. 雇用保険に関する届け出をハローワークへ提出する
  6. 法人口座を開設する

各機関によって提出書類や提出期限がさまざまあるので、各機関のホームページなども確認して書類の漏れがないように注意しましょう。

提出先必要書類添付書類提出期限
税務署法人設立届出書定款、寄附行為、規則、規約その他これらに準ずるもの(定款等)の写し

※平成31年4月改定
会社設立日から2ヶ月以内
青色申告の承認申請書特になし会社設立日から3ヶ月以内
または
最初の事業年度終了日いずれか早い方の前日
給与支払事務所等の開設届出書特になし会社設立日から1ヶ月以内
源泉徴収税の納期の特例の承認に関する申請書特になし特になし
原則として、提出した日の翌月に支払う給与等から適用
都道府県事務所法人設立届出書
(都道府県によって呼称が異なる)
・定款の写し
・登記事項証明書
都道府県によって異なる
(東京23区の場合は15日以内)
市町村役場法人設立届出書
(市町村区によって呼称が異なる)
・定款の写し
・登記事項証明書
提出場所によって異なる
(東京23区の場合は不要)
年金事務所健康保険・厚生年金保険新規適用届・登記簿謄本
・法人番号指定通知書などのコピー
会社設立から5日以内
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届原則なし被保険者資格を取得してから5日以内
健康保険被扶養者(異動)届・戸籍謄本
・年収が130万円未満であることが証明できる書類
※平成30年10月改訂
被保険者に扶養者がいる場合、被保険者を取得した日から5日以内
労働基準監督署労働保険保険関係成立届登記簿謄本従業員を雇った日の翌日から10日以内
労働保険概算保険料申告書特になし従業員を雇った日から50日以内
就業規則(変更)届・就業規則の作成又は変更に関する労働者代表の意見書
・就業規則本文
常時10人以上の従業員を雇っている場合、すみやかに届け出る
適用事業報告書特になし従業員を雇い入れた時に遅滞なく提出
(従業員が同居の親族だけの場合は不要)
ハローワーク雇用保険適用事業所設置届・登記事項証明書
・雇用契約書
・労働基準監督署受理済みの労働保険 保険関係成立届の事業主控え
適用事務所になった場合、その日の翌日から10日以内
雇用保険被保険者資格届従業員を雇った日の翌日から10日以内

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1. 税務署に届出が必要な書類

法人税についての手続きは、会社の本店所在地がある地域の管轄税務署で行います。どこの税務署が管轄なのかは国税庁のサイトから調べられます。

個人事業主として開業届を出していた方は個人事業の廃業届を提出する必要があるので、こちらも忘れずに準備しましょう。

法人設立届出書

法人設立届出書は新たに法人を設立した際に提出が必要な書類です。

この書類には法人番号を記載します。法人番号とは、設立登記後に国税庁から登記上の本店または主となる事業所に郵送で送付される「法人番号通知書」で確認でききます。

参考:
・国税庁「法人設立届出書
・国税庁「法人番号とは

青色申告の承認申請書

設立第1期目から青色申告を受けたい場合に提出します。

参考:国税庁「青色申告の承認申請書

給与支払事務所等の開設届出書

会社が役員や従業員に給与を支払う事業所を開設したことを届け出る書類です。

一人社長の場合でも、自身に役員報酬を支払う場合は提出が必要になります。設立した時点では役員報酬を無しにしている場合でも、将来的に報酬を支払う可能性を考慮して提出しておいた方が良いでしょう。

参考:国税庁「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出

源泉徴収税の納期の特例の承認に関する申請書

従業員を雇用している場合、源泉所得税は原則として徴収した日の翌月10日までに納付をしなければいけません。この申請をすることで毎月の納付作業を年2回にまとめることができます。

対象者は従業員数が常時10人未満の小規模な事業所のみです。毎月の納付作業を軽減できるので、該当する方は提出しておくことをおすすめします。

参考:国税庁「源泉徴収税の納期の特例の承認に関する申請書

2. 各都道府県税事務所・市町村役場に届け出が必要な書類

法人住民税・法人事業税に関する手続きは、本店所在地となる都道府県税事務所と市町村役場に法人設立届出書の提出が必要となります。

地方税の手続きで必要な法人設立届出書は、税務署への手続とは異なり、非営利型の一般社団法人であってもこの届出書の提出が必要です。

また、申請書類の形式と提出期限は都道府県・市町村区によって異なるので、各自治体のホームページを確認しましょう。東京23区内が本店所在地の場合は、都税事務所に提出のみで市町村区役場への提出は不要です。

参考:東京都主税局「法人設立・設置届出書

3. 年金事務所に届け出が必要な書類

社会保険とは、健康保険・厚生年金保険・労災保険・雇用保険・介護保険の総称です。会社設立をしたら、原則、社長一人の場合でも加入しなければなりません。

健康保険・厚生年金保険は年金事務所で加入手続きを行います。こちらは会社設立から提出期限が短いので、忘れずに提出するようにしましょう。

健康保険・厚生年金保険新規適用届

会社設立をしたら5日以内に年金事務所へ届け出を行う必要があります。

参考:日本年金機構「健康保険・厚生年金保険新規適用届

健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届

従業員を雇用したなどの新たに健康保険・厚生年金保険に加入すべき人が生じた場合に提出が必要な書類です。雇用してから5日以内に年金事務所へ提出しましょう。

従業員が年金受給者であっても、加入条件を満たしている場合は届出をする必要があります。

参考:日本年金機構「被保険者資格取得届

原則として添付書類はありませんが、以下に当てはまる場合はそれぞれ添付書類が必要となりますので、確認しておきましょう。

60歳以上の方が、退職後1日の間もなく再雇用された場合

(同時に同日付の資格喪失届の提出が必要)以下の1と2両方又は3
  1. 就業規則、退職辞令の写し (退職日の確認ができるものに限る)
  2. 雇用契約書の写し(継続して再雇用されたことが分かるものに限る)
  3. 「退職日」及び「再雇用された日」に関する事業主の証明書

国民健康保険組合に引き続き加入し、一定の要件に該当する場合等

これは国民健康保険組合の理事長が認めた場合に限られており、事実発生日から14日以内に健康保険被保険者適用除外承認申請書の届出が必要です。

やむを得ない理由により14日以内に届出ができなかった場合は、その理由を記載した書類の添付が必要です。

なお、やむを得ない理由として認められるのは以下のとおりです。理由書には具体的に記載しましょう。

  1. 天災地変、交通・通信関係の事故等により適用除外の申請が困難と認められる場合
  2. 事業主の入院や家族の看護など、適用除外の申請ができない特段の事情があると認められる場合
  3. 法人登記の手続きに日数を要する場合
  4. 国保組合理事長の証明を受けるための事務処理に日数を要する場合
  5. 事業所が、離島など交通が不便な地域にあるため、年金事務所に容易に行くことができない場合
  6. 書類の郵送(搬送)に日数を要する場合
  7. その他、事業主の責によらない事由により適用除外の申請ができない事 情があると認められる場合

健康保険被扶養者(異動)届

新たに被保険者になった人に被扶養者がいる場合や、被扶養者の追加・削除・氏名変更などがあった場合、事実発生から5日以内に被保険者が事業主を経由して申請が必要な書類です。

参考:日本年金機構「被扶養者(異動)届

戸籍謄本と年収130万円未満(60歳以上の場合または障害厚生年金を受けられる程度の障害を有する者である場合は180万円未満)を証明する書類は添付が必須ですが、以下の要件を満たしている場合は追加で添付書類が必要になります。

被保険者と別居している被扶養者

  • 仕送りの事実と仕送り額の確認のための書類
    ・振込の場合「預金通帳等の写し」
    ・送金の場合「現金書留の控え(写し)」

※ 16歳未満又は16歳以上の学生は、上記の添付書類は不要です。

被保険者と内縁関係の被扶養者

  • 内縁関係を確認のための書類
    ・「内縁関係にある両人の戸籍謄(抄)本」
    ・「被保険者の世帯全員の住民票(コピー不可・個人番号の記載がないもの)」等

参考:日本年金機構「被扶養者(異動)届 手続き概要

4. 労働基準監督署に提出が必要な書類

会社設立してから従業員を雇った場合には、労働保険(労災保険・雇用保険)の加入手続きもしなければなりません。まずは本店所在地の管轄にあたる労働基準監督署で手続きをします。

参考:厚生労働省「全国労働基準監督署のご案内

労働保険 保険関係成立届

労働保険が適用となった場合に必ず提出が必要な書類です。提出期限は従業員から雇った日の翌日から10日以内です。

申請書は特殊印紙で作成されているため、ダウンロードはできません。本店所在地の管轄にあたる労働基準監督署かハローワークから郵送してもらうか、直接取りに行く必要があります。

参考:厚生労働省「保険関係成立届 記入見本

労働保険 概算保険料申告書

従業員を雇用した場合、その年度分の労働保険料を概算保険料として申告・納付する必要があります。概算保険料とは、保険関係が成立した日からその年度の末日までに労働者に支払う総額賃金の見込額に保険料率を乗じて得た額となります。

ただし、これはあくまで概算であり、賃金総額は年度末にならないと確定しないので、翌年度の納付時に確定した賃金総額に基づいて確定保険料を算出し、過不足分を清算することになります。

上記の保険関係成立届を提出したあとに届け出ます。提出期限は従業員を雇用してから50日以内です。

参考:厚生労働省「概算保険料申告書 記入見本

就業規則(変更)届

就業規則(変更)届は従業員が10名以上になり、新たに就業規則を作成した場合に提出する書類です。また、就業規則を変更した場合にも提出が必要となります。

会社設立時点で従業員が10名以上の場合は上記の書類と併せて提出しましょう。

参考:東京労働局「就業規則(変更)届

適用事業報告書

労働者を雇い入れると、労働基準法の「適用事業所」になります。

適用事業所は、労働者を雇い入れたことを管轄の労働基準監督署に報告する書類です。労働者とは雇用形態関係なく、賃金を支給する人を指します。従業員が同居している家族のみの場合は提出する必要はありません。

参考:東京労働局「適用事業報告書

5. ハローワークに提出が必要な書類

前項の労働基準監督署の手続きが完了したら、管轄のハローワーク(公共職業安定所)で雇用保険について手続きを行います。

管轄のハローワークをお調べになりたい方は以下をご参照ください。

参考:厚生労働省「都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧

雇用保険 適用事業所設置届

従業員を雇った場合、雇用保険の適用が義務付けられます。この適用を受けるために提出が必要な書類です。提出期限は従業員を雇用した翌日から10日以内です。

参考:ハローワーク インターネットサービス「雇用保険適用事業所設置届

雇用保険 被保険者資格取得届

従業員を雇用保険に加入させるために提出する書類です。提出期限は従業員を雇用した翌日から10日以内です。

参考:ハローワーク インターネットサービス「雇用保険 被保険者資格取得届

上記の書類に併せて以下の添付書類が必要となります。都道府県によって異なるため、所轄のハローワークに確認しましょう。

  • 労働基準監督署受理済みの労働保険 保険関係成立届(事業主控え)
  • 事業所の実在、事業の種類、事業開始年月日、事業経営の状況、他の社会保険の加入状況を証明することができる書類
    ・登記事項証明書
    ・事業許可証
    ・不動産契約書 など
  • 労働者の雇用実態、賃金の支払いの状況等を証明できる次の書類
    ・労働者名簿
    ・賃金台帳(雇い入れから現在まで)
    ・出勤簿またはタイムカード(雇い入れから現在まで)
    ・雇用契約書(有期契約労働者の場合)

引用:ハローワーク「雇用保険適用事業所を設置する場合の手続きについて

6. 法人口座を開設する

法人口座とは、金融機関の口座名義が会社名になっているものをいいます。法人口座の開設は任意であり、事業の取引を個人名義の口座で行っても法的には問題はありません。しかし、会計処理や税務処理を正しく行うためにも法人名義の口座を利用したほうがよいでしょう。

法人口座を開設する際の審査は個人口座と比較すると、より厳格です。そのため、社会的信用度も高く、融資の申請においても有利とされています。

法人を設立したら、社会保険関連の手続きと並行して法人口座を開設を済ませておくことをおすすめします。

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監修 永田 智哉 行政書士

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