会社設立の基礎知識

会社設立時に必要な法人登記について

新しい会社を設立するときは、定款を作って、税務署に届出して完了というわけにはいきません。
資本金や所在地といった会社の基本情報は、会社に看板として掲げ、ホームページに掲載するだけでなく、誰でも知ることができるようにする=登記する必要があるのです。

ここでは、申請していないと思わぬペナルティーを課される可能性がある「法人登記」について、手順も含めてご紹介していきます。

会社設立後に必要な手続きや書類について、最新情報は以下の記事にまとめています。

【会社設立後の手続き】法人登記で終わりじゃない!事業開始までにやるべきこととは?

社会保険や法人口座など、事業開始前に必要となる手続きを詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

【社会保険】会社設立後は社会保険の加入が必須?
【法人口座】会社設立したら法人口座の開設はするべき?

目次

法人登記とは何か

法務省

法律上は「商業登記」と呼ばれる法人登記。株式会社や合同会社などの法人を設立するときには、この商業登記を申請することによって、自社の基本情報を法務局で公示しなければなりません。

なお、登記の申請は、会社設立から2週間以内に行わなければなりません。これを怠ると、取締役や発起人らに対して過料という行政罰を科され、最高で100万円の金銭をペナルティーとして納めなければならない場合があります。
ここが、所有者情報の公示が法律で義務付けられていない不動産登記との違いです。移転登記をしていない不動産の場合、ほかの人が同じ不動産を買って登記を済ませてしまうと、「先に買っていた」という主張ができなくなり、一方的に損を被ってしまいます。

ちなみに、個人事業主は商業登記をする必要はありません。税務署に個人事業の開業届を提出すれば、すぐに事業を開始することができます。

日本国内の会社情報はすべて電子化されている

電子化

登記された会社の情報は、かつては「商業登記簿」として、紙ベースでファイリングされて法務局に保管され、内容を見たい人が「謄本」「抄本」の形でそのコピーを受け取ることができました。しかし、1990年代から2000年代にかけて電子化が進められた結果、現在ではすべての情報のデータ化が完了しています。

現在は、謄本などの代わりに「登記事項証明書」として、商業登記のデジタルデータの一部をプリントアウトしたものを、手数料を支払えば誰でも受け取ることができます。遠隔地からは郵送やオンラインで申請して、登記事項証明書を取得することもできます。

例えば、新しく取引きを持ちかけられた会社の情報を知りたい場合、Webサイトなどを確認することもできますが、登記事項証明書を取得することで、より正式な基本情報を取得できます。

代表者や本社所在地などの基本情報が、名刺の記載と食い違っていれば怪しむべきですし、実際に本社所在地に出向いてみて、運営されている気配がなさそうであれば、会社としての実体がないペーパーカンパニーと判断すべきかもしれません。

新設の会社が少しでも社会からの信頼を得るためには、商業登記に真正な会社情報を公示しておくことが第一歩といえるのです。

登記の種類

登記事項証明書には、以下のような種類があります。

  • 現在事項全部証明書(会社の現在の情報/会社登記簿謄本)
  • 現在事項一部証明書(登記簿に記載されている事項のうち、特定の区の現在効力がある事項が確認できる)
  • 履歴事項全部証明書(会社の現在情報に加えて、過去約3年間に抹消された情報)
  • 履歴事項一部証明書(登記簿に記載されている事項のうち、特定の区の履歴が確認できる)
  • 閉鎖事項全部証明書(履歴事項全部証明書に記載されない抹消事項も記載される)
  • 閉鎖事項一部証明書(履歴事項全部証明書に記載されない特定の区の事項が確認できる)
  • 代表者事項証明書(会社の現在情報の中でも、特に代表者情報のみの抄本)

<登記事項証明書(現在事項)の表示例>

引用元:法務省

商号登記

商業登記は、会社に関する事項を登記するのとは別に、「商号」に関する登記も行うことができます。商号登記が行われていると、同一の本社所在地において、その社名と同じ商号をほかの会社が登記することはできません。なお、類似商号の禁止制度は廃止されたため、同一法務局が管轄する範囲に同じ商号を登記すること自体は可能ですが、既存の会社と誤認させるなど不正な目的を持った登録は許されません。ちなみに、個人事業主も屋号を商号登記することは可能です。同じ地域での競合を避ける意味において、一考の余地があるといえるでしょう。

商業登記の流れ

株式会社や合同会社を設立するとき、どのようにして商業登記を申請すればいいのでしょうか。

司法書士にすべて任せることもできますが、思い入れのある会社の設立であれば、自分の手で行いたいと思う方もいらっしゃることでしょう。そこで、定款の作成や承認等のステップ終了後の申請手続きの流れについて、種類別にご紹介します。

商業登記の申請方法には、「インターネット」「郵送」「直接提出」の3つがあります。いずれの方法でも、申請内容を法務局が審査し、審査が通らなければ修正して、再提出または作り直しとなります。

インターネットによる申請

インターネットによる申請

まずは、登記・供託オンライン申請システム「登記ねっと」で登記手続きを完了させる方法をご紹介します。

・申請者の情報を登録
まずは、登記をする人(代表者)の情報を登録します。「登記ねっと」に自分の情報を入力してください。

申請用総合ソフトをダウンロード
申請用総合ソフトをダウンロードします。

同じサイトに、「申請者操作手引書(商業・法人登記申請 申請用総合ソフト編)」がありますので、こちらから「申請用総合ソフト編 商業・法人登記申請(株式会社の発起設立登記申請) 【簡易版】」をダウンロードしてください。登記の説明はこの手引書(pdfファイル)の272ページ目からです(2017年9月現在/改訂によって変動の可能性あり。変動されている場合は、目次から「様式の作成・送信例」のページを選択してください)。

提出後、間違っている箇所を直すように指摘された場合も、この申請用総合ソフトで修正することになります。その際の修正方法もこの手引書に書いてあります。

郵送による申請

郵送による申請

郵送の場合、「登記申請書」を作成して、本店所在地のある自治体の法務局に送付します。記載事項は以下のとおりです。

  • 商号及び本店並びに代表者の氏名及び住所
  • 代理人によって申請するときはその氏名及び住所
  • 登記の事由(どのような理由によって登記するかを簡潔に記載する)
  • 登記すべき事項(法令の規定により登記しなければならない具体的事項を記載する)
  • 登記すべき事項について官庁の許可を要するときは許可書の到達した年月日
  • 登記すべき事項が外国において生じた場合の登記の申請であればその通知書到達の年月日
  • 登録免許税の額及びこれについて課税標準の金額があるときはその金額
  • 申請の年月日
  • 登記所の表示

間違いがあったときのために電話番号も入れておきます。ハンコの押し方などの注意事項については、法務局の「商業・法人登記申請手続」を参照してください。

完成した申請書を管轄の法務局に郵送すれば、ひとまず完了となります。管轄の法務局がわからないときは、法務局の「管轄のご案内」でご確認ください。

郵送した書類に不備があると連絡がきますので、「登記申請補正書」に補正内容を記入して、再度郵送します。

法務局への直接提出

法務局への直接提出

郵送の場合と同様に申請書を作り、管轄の法務局に直接提出します(管轄の法務局がわからないときは「管轄のご案内」で調べられます)。その際、不備の有無を職員に直接尋ねてみてもいいでしょう。不備があった場合、その場で修正できる点が、直接提出する最大のメリットといえるかもしれません。

提出後に不備が見つかった場合、法務局から連絡がきますので、「登記申請補正書」に記入の上、再度提出することになります。

以上の登記手続きを終えれば、会社設立は無事完了です。
しかし、設立直後は、ほかにもやるべきことはたくさんあります。仕事が忙しくならないうちに、法人銀行口座や法人名義のクレジットカードの作成、税務署への開業届提出といった作業も終えておくといいでしょう。

まとめ

多くの会社情報は、Webサイトでも確認できる時代になりました。たいていの商取引は、そこで得られる情報で十分といえるかもしれません。
一方、商業登記は、会社の基本情報を法的に公示する制度です。会社を設立するときはもちろん、基本情報を変更したときは、その都度、登記する必要があります。これを怠ると、変更を知らずに取引関係に入った業者や個人、株主に対して、変更を主張できなくなる法的効果が生じてしまうのです。登記した情報に変更が生じた際は、どんなに些細なことでも、必ず登記するようにしてください。

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<freee会社設立で出力できる書類の一例>

  • 定款
  • 登記申請書
  • 印鑑届出書 など
ほかにも、会社設立後に役所へ提出が必要な「法人設立届出書」の作成や法人口座の開設、法人用クレジットカードの申請にも対応しています。

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<設立にかかる費用の比較例>


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