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子ども・子育て支援金とは? 2026年4月からの徴収額・対象者・給与計算の実務対応を解説

2026年4月から、医療保険料に「子ども・子育て支援金」が上乗せされる形で徴収が始まりました。

子ども・子育て支援金とは、少子化対策の安定財源を確保するために創設された拠出金制度です。被用者保険の加入者1人当たり平均で月額300円(2026年度)の負担増となり、2027年度・2028年度と段階的に引き上げられます。

経理担当者は毎年4月の保険料率改定に合わせた対応が必要です。本記事では、子ども・子育て支援金の制度概要から年収別の負担額、経理実務での対応手順までを解説します。

目次

子ども・子育て支援金の概要|2026年4月から何が変わったのか

2026年4月、社会保険料の構造に新たな要素が加わりました。子ども・子育て支援金は医療保険料に上乗せされる形で徴収され、少子化対策の財源として活用されます。ここでは制度の全体像を確認します。

子ども・子育て支援金とは

子ども・子育て支援金は、2024年6月12日に公布された「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律(令和6年法律第47号)」に基づく拠出金制度です。

少子化対策の安定財源を確保する目的で創設されました。

集められた支援金は、以下の施策に充てられます。

集められた支援金が使われる施策

  • 児童手当の拡充(高校生年代までの支給対象拡大、第3子以降の増額)
  • こども誰でも通園制度の創設
  • 出生後休業支援給付(令和7年4月創設・出生後休業中は手取り10割相当を支給)・育児時短就業給付
  • 妊婦のための支援給付(妊娠・出産時に10万円相当)
  • 国民年金第1号被保険者の育児期間中保険料免除

出典:こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」

子どもの有無にかかわらず、すべての医療保険加入者が負担する仕組みです。社会保険は「世代間の支え合い」を原則とする制度であり、子ども・子育て支援金もこの原則に沿って設計されています。

社会保険料との一体徴収の仕組み

子ども・子育て支援金は、独立した新しい保険料項目として追加されるわけではありません。既存の医療保険料率に上乗せする形で徴収されます。

具体的には、健康保険料の料率改定の一部として反映される仕組みです。給与明細上の表示は保険者によって異なりますが、多くの場合「健康保険料」の中に含まれる形で表示されます。一部の保険者では「子ども・子育て支援金」を別項目として表示する場合もあります。

この仕組みを理解しておくことは、経理担当者にとって重要です。給与計算ソフトの対応は「新しい保険料項目の追加」ではなく、「健康保険料率の更新」として処理する形です。

徴収額の推移と対象者|2026年〜2028年の3段階引き上げ

子ども・子育て支援金の負担額は、2026年度から2028年度にかけて3段階で引き上げられます。加入者1人当たり平均と、被用者保険加入者の年収別負担額は以下のとおりです。

加入者1人当たりの平均負担額(2026年〜2028年)

こども家庭庁が公表している段階的な引き上げスケジュールは以下のとおりです。金額は加入する医療保険制度によって異なります。

年度被用者保険の加入者1人当たり月額(平均)全制度平均
2026年度(第1段階)約300円約250円
2027年度(第2段階)約400円約350円
2028年度(第3段階・満額)約500円約450円
出典:こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」

上記は加入者1人当たりの「平均値」です。実際の負担額は、加入する医療保険の種類と報酬額(標準報酬月額)に応じて変動します。

令和8年度の年収別負担額の目安(被用者保険)

2026年度(令和8年度)の年収別負担額の目安は以下のとおりです。被用者保険の支援金率は0.23%で、労使折半により被保険者と事業主が半分ずつを負担します。

年収本人負担(月額)事業主負担(月額)労使合計(月額)
300万円約288円約288円約575円
400万円約383円約383円約767円
500万円約479円約479円約958円
600万円約575円約575円約1,150円
700万円約671円約671円約1,342円
800万円約767円約767円約1,533円

※算出式: 年収 × 0.23% ÷ 12ヶ月 ÷ 2(労使折半)

出典:こども家庭庁「被用者保険 年収別の支援金額の試算(令和8年度)」

年収500万円の会社員の場合、2026年度の本人負担は月額約479円、年額では約5,700円です。2027年度以降の支援金率は令和7年12月時点で未公表ですが、加入者1人当たり平均の伸びから推定すると、2028年度の満額時には本人負担が月額800円前後に達する見込みです。

対象者の範囲

子ども・子育て支援金の対象は、すべての公的医療保険加入者です。子どもの有無や年齢は関係ありません。

  • 被用者保険の加入者
  • 国民健康保険の加入者
  • 後期高齢者医療制度の加入者

被用者保険の加入者は事業主との折半負担、国民健康保険の加入者は所得に応じた額を世帯単位で負担します。

事業主と個人事業主への影響|企業コスト・国保への上乗せ

支援金の負担は個人だけにとどまりません。事業主にとっては人件費の増加要因となり、個人事業主にとっては国保保険料の上昇として影響が及びます。

事業主の負担|被用者保険の場合

被用者保険では労使折半が原則です。従業員1人当たりの支援金負担額と同額を、事業主も負担します。
従業員の平均年収を500万円・従業員50名の企業を想定した場合、事業主負担の年間増加額の目安は以下のとおりです。

年度従業員1人当たり月額(事業主負担分)50名の年間コスト増
2026年度約479円約28.7万円
2027年度約640円約38.4万円(推計)
2028年度約800円約48.0万円(推計)

※平均年収500万円・従業員50名を前提とした目安。2027・2028年度の支援金率は未公表のため、加入者1人当たり平均の伸び率から概算しています

事業主負担分は法定福利費に計上されます。予算策定や人件費計画の見直しにあたっては、2028年度までの段階的な増額を織り込んでおく必要があります。

個人事業主の負担|国民健康保険の場合

国民健康保険に加入する個人事業主の場合、支援金は国保保険料に上乗せされる形で徴収されます。被用者保険のように労使折半はなく、全額を自身で負担します。

負担額は所得に応じて変動し、世帯単位で算定されます。こども家庭庁の試算では、国民健康保険の加入者1人当たり月額は2026年度約250円、2028年度約400円です。具体的な金額は自治体ごとの保険料率によって異なります。

確定申告において、支援金を含む国民健康保険料の全額が社会保険料控除の対象です。所得控除として課税所得から差し引くことができます。

出典:国税庁「No.1130 社会保険料控除」

経理担当者の実務対応|給与計算ソフトの設定確認と従業員説明

制度の概要と負担額を把握したうえで、次に確認すべきは実務面の対応です。保険料率の更新状況を確認し、従業員からの問い合わせに備える必要があります。

保険料率の更新確認

健康保険料率は、保険者が毎年度改定します。子ども・子育て支援金は健康保険料率に含まれる形で改定されるため、給与計算ソフトの保険料率設定が最新の料率に更新されているかの確認が必要です。

確認すべきポイントは以下の3点です。

保険料率の更新確認ポイント

  1. 加入する保険者の2026年度保険料率を確認する。協会けんぽの場合は都道府県ごとの料率表が公開されている
  2. 給与計算ソフトに設定されている健康保険料率が、2026年度の改定後の料率と一致しているか照合する
  3. 4月分の給与計算から新料率が適用されているか確認する。多くの企業では5月支給の給与が4月分に該当する

出典:全国健康保険協会「令和8年度保険料額表」

freee人事労務での確認手順

freee人事労務を利用している場合、社会保険料率の設定を確認します。

協会けんぽに加入している事業所であれば、freee人事労務は協会けんぽの保険料率を自動で取得・反映する仕組みを備えています。ただし、料率の更新タイミングや反映状況は念のため手動で確認することを推奨します。

健保組合に加入している事業所の場合は、組合から通知された保険料率をfreee人事労務に手動で設定する必要がある場合があります。加入先の健保組合から届く2026年度の料率通知と、freee人事労務に設定されている料率を照合してください。

freee人事労務での社会保険料率の設定方法については、freeeヘルプセンター「健康保険・厚生年金保険を設定する」を参照してください。

従業員への説明のポイント

2026年4月以降、従業員から「手取りが減った理由」について問い合わせを受ける場面が想定されます。説明時に押さえておくべきポイントは以下の3点です。/

従業員説明のポイント

  • 手取り減少の原因:2026年4月から健康保険料率が改定され、子ども・子育て支援金が上乗せされた点。新たな税金ではなく社会保険料の一部として徴収されている
  • 負担額の目安:2026年度は年収に応じて月額約290〜770円の本人負担増
  • 今後の見通し:2027年度・2028年度にも段階的な引き上げが予定されている

具体的な金額の目安をあわせて示すと、従業員の理解を得やすくなります。今後の引き上げ予定を伝えておくと、翌年以降の問い合わせを減らせます。

まとめ

子ども・子育て支援金は2026年4月から徴収が始まり、2028年度まで段階的に引き上げられる制度です。対応すべき事項は以下のとおりです。

制度の要点として、子ども・子育て支援金は医療保険料に上乗せされる少子化対策の財源であり、全医療保険加入者が対象です。被用者保険の加入者1人当たり平均は2026年度で月額約300円、2028年度の満額時で月額約500円、被保険者本人の負担は年収に応じて2026年度で月額約290〜770円となります。

経理担当者は、毎年4月の保険料率改定時に給与計算ソフトの設定確認を行う必要があります。2027年度・2028年度と段階的に引き上げが予定されているため、単年の対応で終わりではありません。年度ごとの保険料率改定に合わせて、料率設定の更新確認を継続的に実施することが望まれます。

よくある質問

子ども・子育て支援金は「税金」ですか?

子ども・子育て支援金は税金ではありません。医療保険料に上乗せされる「拠出金」であり、社会保険料の一部として扱われます。所得税や住民税のように税務署が徴収するものではなく、加入する医療保険の保険者を通じて徴収されます。確定申告では社会保険料控除の対象です。

詳しくは「社会保険料との一体徴収の仕組み」で解説しています。

子どもがいない人や独身者も支払う必要がありますか?

子どもの有無や婚姻状況にかかわらず、すべての公的医療保険加入者が支援金の負担対象です。社会保険制度は世代間で支え合う仕組みであり、子ども・子育て支援金もこの考え方に基づいて設計されています。年金や介護保険と同様に、直接の受益者に限らず全加入者で財源を分担する制度です。

詳しくは「対象者の範囲」で解説しています。

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