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2023年最新版!アパレルブランドの立ち上げにかかる費用を解説

監修 羽場 康高 社会保険労務士・1級FP技能士・簿記2級

2023年最新版!アパレルブランドの立ち上げにかかる費用を解説

アパレルブランドの立ち上げに発生するのが、初期費用と維持費です。また立ち上げの方法も実店舗かネットショップかにより大きく異なります。

本記事では、初期費用や維持費の内訳やアパレルブランドの立ち上げにかかる費用をなるべく抑えるための方法をご紹介します。

目次

アパレルブランド立ち上げに必要な費用はいくら?

アパレルブランドの立ち上げには、実店舗で開業する場合、約1,000万円程度かかるといわれています。しかし、実際に必要な費用は商品を自分で作るか外部に注文するか、実店舗で運営を行うのかネットショップで販売するのかなどにより異なります。

また、費用は初期費用(イニシャルコスト)とその後定期的に発生する維持費(ランニングコスト)の2種類に分かれます。

アパレルブランドを実店舗で立ち上げる場合の初期費用と、ネットショップやフリマサイトで立ち上げる場合の初期費用をおさえておきましょう。

起業する方法については、別記事「起業するにはどうしたらいい?会社を起業する方法や手続きについてわかりやすく解説」でまとめているので、そちらも併せての確認がおすすめです。

初期費用

実店舗の場合は物件やディスプレイ設備、売り場の備品などにかかる費用が大きく、下記のようなコストが発生します。

実店舗の初期費用の例

● 敷金、礼金
● 家賃
● 仲介手数料
● 内装工事費
● インテリア購入費
敷金礼金、家賃などはエリアやお店の大きさ(間取り)・設備・築年数などで大きく変わるため、店舗選びは慎重に行いましょう。

ネットショップの場合は、実店舗のように敷金礼金や家賃などの大きな固定費がかからないため、比較的リーズナブルに立ち上げができます。初期費用としては下記が発生します。

ネットショップの初期費用の例

● ネットショップ(フリマサイト)の出店にかかる費用
● 物流関連(倉庫など)の整備費用
店舗運営にかかる費用はありませんが、それでも商品の在庫を管理するスペースや、売れた商品の配送管理などに費用はかかります。

また、商品を自作して販売する場合は、下記のような費用も別途必要です。

商品を自作販売する場合の初期費用の例

● (商品を自作する場合)製作のための専用機械など
● (商品を自作する場合)商標登録費用
商標とは、自社の商品を他社の商品と差別化を図る際に使用する目印(商標)です。商標を国へ登録する制度を商標登録といいます。

アパレルブランド立ち上げの際に商標登録を行うと、登録した商標を他社が使用することを制限できます。商標登録を行うことで、自社商品のブランドの価値を保てるのです。

同様に、すでに登録されている商標は登録も使用もできないので、立ち上げるブランド名が既存の商標とかぶっていないかは十分注意しましょう。

既存の商標は「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」で検索できます。

商標登録をする際には、特許庁に支払う費用と弁理士に支払う費用の2種類の費用がかかります。特許庁に支払う費用は出願料・登録料をあわせて最低でも44,900円ほどです(10年一括納付の場合)。

また、確実に商標登録の手続きを進めたい場合は弁理士への依頼をおすすめします。ただし依頼する場合には、上述の金額にプラスして最低でも2万円の費用が上乗せされます。

維持費

維持費としては、まず販売する商品の仕入れ代や材料費があげられます。しかし、アパレルブランドの運営にかかるコストはそれだけではありません。

実店舗でもネットショップでも人を雇用して運営する場合には、人件費がかかります。人件費と一口にいっても、下記のようにさまざまな費用を含みます。

人件費の例

● 給与
● 通勤交通費
● 法定福利費
● 福利厚生費
● 採用研修費 など
そして、売上を生み出すために重要な広告宣伝費、通信費に加えて、店舗の場合は店を維持するための経費がかかります。店舗の維持にかかる費用は、以下が挙げられます。

店舗の維持費の例

● 月々の家賃
● 水道光熱費
● 修繕費
● 損害保険料
● 消耗品費 など
立ち上げの際は初期費用だけではなく、事業が軌道に乗るまでにかかる当面の維持費も念頭に置いて、事業計画に基づき余裕を持たせた資金を準備しておきましょう。

アパレルブランド立ち上げ後の費用を抑えるポイント

アパレルブランドの立ち上げの際に費用を抑えるための方法を3つご紹介します。

開業したてはショップの商品を絞る

アパレルブランドを立ち上げてすぐは、ショップで販売する商品を絞って仕入れをすれば、売上原価となる出費を抑えられる可能性があります。

一般的な仕入れ費用は、商品単価×個数で決まります。卸売り業者は商品ごとに最小仕入れ単位(ロット)を設定している場合が多く、ロットを多くすると、商品単価を安く抑えられます。

そのため、さまざまな商品を仕入れるのではなく、事業が軌道に乗るまでは商品の種類を絞り、まとまった数での仕入れを意識しましょう。

ネットで宣伝をする

最初のうちはブランドの知名度が低く、なかなかお客様を獲得できない場合があります。そのため、立ち上げた直後は、まずブランドを多くの人に伝える活動が大切です。

最近はSNSなどでの宣伝活動から人気ブランドになった会社も多く存在します。コンスタントにSNSで投稿を続けてフォロワーが増えれば、有料広告を使わなくても自社のブランド情報を多くの人に届けられるため、まずは無料で始められるSNSの宣伝がおすすめです。

アパレルブランド立ち上げのための資金調達方法

アパレルブランドの立ち上げにかかる資金の調達は、自己資金のみで行うのではなく、金融機関で融資を受けるのが一般的です。その際は事業計画書が必要となるため、事業の展開方法や利益率などの細かい見通しを考えなければなりません。

銀行以外に日本政策金融金庫でも新規開業の融資を行っています。まずは必要な融資額を算出し、金融機関を比較検討しましょう。固定金利か変動金利か、元金返済の据え置きができるかなど、金融機関によって条件が異なるため、ご自身の状況や目的に合致する金融機関を選ぶと良いです。

また、自己資金を用いる場合はご自身やご家族の当面の生活のための費用は必ず確保して、資金計画を立案するようにしてください。

融資とは別に、国や地方公共団体が補助金や助成金などの制度を設けています。一般的には事前に申請を行い、申請通りの取り組みを実施すれば補助金や助成金の交付が受けられるという流れです。

事業立ち上げ時に受けられる補助金制度

● 創業支援等事業者補助金
● 小規模事業者持続化補助金
● 事業継承補助金
● ものづくり補助金
どのような補助金や助成金があるかは年度や制度の改正によっても変わるため、こまめに関係行政機関のホームページをチェックしてみてください。

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まとめ

実店舗で販売を行うか、ネットショップで販売するかで、かかる費用も異なります。
一般的に実店舗を持つ方が立ち上げにかかる費用が高額となりやすく、立ち上げ費用を抑えたい方は、ネットショップやフリマサイトでの販売がおすすめです。また、立ち上げ当初は商品数を絞って、仕入れによる出費を抑える運用が効果的です。

よくある質問

アパレルブランド立ち上げにかかる費用は?

約1,000万円程度かかるといわれています。店舗を借りての運営とネットショップで販売を行う方法とで必要な費用は変わります。

アパレルブランドを立ち上げるのにかかる費用を詳しく知りたい方は「アパレルブランド立ち上げに必要な費用はいくら?」をご覧ください。

監修 羽場康高(はば やすたか) 社会保険労務士・1級FP技能士・簿記2級

現在、FPとしてFP継続教育セミナー講師や執筆業務をはじめ、社会保険労務士として企業の顧問や労務管理代行業務、給与計算業務、就業規則作成・見直し業務、企業型確定拠出年金の申請サポートなどを行っています。

監修者 羽場康高