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2025年問題とは? 社会・企業への影響や業界別の課題・対策をわかりやすく解説

監修 羽場 康高 社会保険労務士・1級FP技能士・簿記2級

2025年問題とは? 社会・企業への影響や業界別の課題・対策をわかりやすく解説

2025年問題とは、日本の超高齢化が引き金となり、社会全体に様々な影響を及ぼすと懸念されている問題の総称です。

超高齢化によって社会保障費が膨らみ、さらに現役世代の人口が減少することで、現役世代への負担増加が懸念されています。また社会保障費だけではなく、医療や介護の現場でこれまで以上に人材不足が見込まれることも、2025年問題によって直面する課題のひとつです。

本記事では、2025年問題の概要や2040年問題との違い、社会への影響などを解説します。企業が取り組むべき対応、国が行っている対策に関しても解説するので、ぜひ参考にしてください。

目次

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2025年問題とは

2025年問題とは、超高齢化社会を迎えることで、年金・医療・ 介護のニーズが高まり、社会保障費の急増などが見込まれる社会問題です。

2022年から団塊世代が75歳に到達し始め、2025年には75歳以上の後期高齢者は人口全体の18%を占めると予測されています。また、2040年には65歳以上の人口が約35%となると推計されていて、今後もさらなる高齢化の進行が予想されています。


日本の人口の推移
出典:厚生労働省「我が国の人口について」

「2025年の崖」との違い

「2025年の崖」は、主に企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れによって引き起こされる経済的な問題を指す言葉であり、2025年問題(超高齢化による社会問題)とは異なる概念です。

2018年に経済産業省が発表した「DXレポート」にて、日本経済が停滞するリスクに警鐘を鳴らす意味合いで「2025年の崖」が示されました。

経済産業省がタイムリミットを2025年とした要因は複数ありますが、そのひとつがIT人材不足です。

経済産業省によると、IT人材不足は今後も深刻化し、2025年には不足する人数は約43万人まで拡大すると予測されています。

IT人材不足の背景にあるのは、ITニーズの高まりや少子高齢化です。つまり、「2025年問題」に向けた取り組みは、「2025年の崖」への対策にもつながるといえます。

【関連記事】
2025年の崖とは? 経済産業省が示す問題の背景や企業の対策をわかりやすく解説


出典:経済産業省「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」

「2040年問題」との違い

2025年問題は、超高齢化社会を迎えることで生じる問題の総称であるのに対し、2040年問題は、高齢者の人口がピークを迎えることで起こり得る問題の総称です。

2040年問題は、社会保障費の増大や労働力不足だけでなく、インフラや公共施設の老朽化などの課題も含まれます。

2040年に1970年代前半生まれの団塊ジュニア世代が65歳以上になるため、日本の総人口に占める高齢者数の割合が過去最大の35%に達する見込みです。


出典:厚生労働省「我が国の人口について」

現役人口(20歳~64歳)は、2025年から2040年までの15年間で約1,000万人減少すると考えられています。人口急減・超高齢化による労働力不足はさらに深刻化する傾向です。

日本が直面する「2025年問題」と「2040年問題」を乗り越えるには、社会保障制度の見直しや多様な人材の確保、働きやすい職場環境の整備など、早急な対応が求められます。

2025年問題による影響

2025年にすべての団塊世代が75歳以上となる超高齢化社会を迎えると、社会や企業へさまざまな影響を与えることは避けられません。以下では、2025年問題が社会や企業に与える影響に関して解説します。

社会保障費の負担が増える

高齢者の人口が増加して社会保障費(医療費・介護費など)が増大する一方で、少子化で労働人口は減少する見込みです。内閣府によると、総人口に占める労働力人口の割合は、2014年の約52%から2060年に約44%まで低下すると予測されています。

現役世代の社会保障費の負担の増加が見込まれるなかで、その負担を軽減するための対策が必要となっています。


出典:内閣府「選択する未来-人口推計から見えてくる未来像-」

医療・介護の体制を維持するのが難しくなる

後期高齢者が増えており、介護・医療のサービスでも、サービスの担い手である現役世代が減少することで、負担がさらに大きくなることが見込まれます。

人材確保が困難になり、医療・介護の体制を維持するのが難しくなることも大きな課題です。

人材が不足する

生産年齢人口が減少し、労働力の確保が難しくなることが見込まれます。

労働力不足は、企業の業績にも影響を及ぼす可能性があります。国全体としてみると国内市場の縮小や経済成長の鈍化につながる可能性があるということです。

2024年版厚生労働省「労働経済の分析」によると、2010年代以降は人材不足を感じる企業が多く、その期間が長期にわたっていると報告されています。

また、同分析の労働力需給ギャップ(労働力供給量の不足)のデータによると、人手不足の産業・職業の範囲は広がっています。

今後、生産年齢人口が減少することで、現状での人材不足はさらに進行する傾向です。


出典:厚生労働省「令和6年版 労働経済の分析」

事業承継が難しくなる

超高齢化社会で、企業が後継者を見つけるのが難しくなります。

中小企業庁「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」によると、2025年までに70歳(平均引退年齢)を超える中小企業・小規模事業者の経営者は約245万人となり、うち約半数の127万人(日本企業全体の1/3)が後継者未定の状態です。

現状を放置すると、中小企業・小規模事業者廃業の急増により、2025年までの累計で約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性があると指摘されています。


出典:中小企業庁「中小企業・小規模事業者におけるM&Aの現状と課題」

【業界別】2025年問題による課題

2025年を前に、さまざまな業界で人材不足などの課題が深刻化しつつあります。2025年問題が具体的に各業界へどのような影響を及ぼすのか、業界別に解説します。

建設業界

建設業界では、55歳以上の従事者が3割以上であるのに対し29歳以下は約1割と低く、高齢化の進行によって次世代への技術承継が難しくなる点が大きな課題です。

今後、全体の約4分の1を占める60歳以上のベテラン技術者の大半が、10年後には引退することが見込まれており、事態はますます深刻化すると考えられています。


出展:国土交通省「最近の建設業を巡る状況について」

若い世代の人材確保・育成のため、働き方改革や生産性向上を進めることが差し迫った課題です。

たとえば、常態化している長時間労働の是正や、技能者の資格や現場での就業履歴などを登録・蓄積することで、技能・経験に応じた適切な処遇につなげるための「建設キャリアアップシステム」の推進などが図られています。

2024年4月1日には、建設業界でも時間外労働時間に上限が設けられました。

【関連記事】
建設業の2024年問題とは?対応方法をわかりやすく解説


出典:国土交通省「最近の建設業を巡る状況について」

運送業界

運送業界でもトラックドライバーの高齢化が進み、人材不足が深刻化しています。

経済産業省・国土交通省・農林水産省によると、道路貨物運送業に従事する方の年齢は40歳~54歳が45%以上を占めており、29歳以下は10.1%と低い割合です。


出展:経済産業省・国土交通省・農林水産省「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」(2022年9月2日

人材不足感はすでに顕在化しており、このまま手を打たなければ2028年度にはドライバーが約27.8万人不足すると予測されています。

将来の担い手を確保するためには、ドライバーの賃上げや長時間労働の解消、再配達の削減による物流の効率化などが急務です。なお、運送業界でも2024年4月1日より時間外労働に上限が設けられています。

EC市場の急成長や新しい生活様式が定着する時代では、表面的な対策では対応が間に合いません。これまで進捗してこなかった物流のデジタル化や標準化、スマート物流などを促進させる取り組みが求められています。

医療・介護業界

超高齢化社会を迎えると、医療・介護のニーズはますます高まり、医療・介護業界に多大な影響をもたらします。

厚生労働省によれば、2021年時点で462万人と推計されていた認知症高齢者は、2025年を迎えると約700万人(高齢者の約5人に1人)に増える見込みです(※1)。しかし、労働力人口は減少を続け、人材の確保や医療体制の維持が困難になることが予想されます。

また、高齢化によって医療・介護の需要が高まれば、医療費や介護費の負担増加も避けられません。

こうした課題に対し、医療費の自己負担割合の見直しや医療従事者の賃上げ、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築などが行われています(※2)

(※1)厚生労働省「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)
(※2)地域包括ケアシステムとは、住み慣れた地域で住み続けられるよう地域全体で包括的な支援・サービス提供体制のことです。

保険業界

保険業界も少子高齢化によって大きな影響を受ける業界のひとつです。高齢化によって保険金の支払額が増加する一方で、少子化により保険契約者は減少します。

つまり、保険業界では、2025年問題によって減収や競争の激化が進む可能性があります。

保険会社が経営を維持していくには、DX推進による業務効率化や人件費削減、顧客ニーズの多様化に対応した商品やサービスの進化による顧客満足度向上などの取り組みが急務です。

IT・情報サービス業界

IT・情報サービス業界でも、高齢化による人材不足が問題視されています。経済産業省によると、2025年にはIT人材が約43万人不足する見込みです。



出展:経済産業省「DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~」

また、IT・情報サービス業界は「2025年の崖」による影響も大きく受けるでしょう。IT人材不足が拡大するなか、システムの老朽化が進んで維持管理コストが増大するほか、保守運用の担い手が足りずセキュリティリスクが高まるなど、多くの課題があります。

これらの課題に対し、IT・情報サービス業界では既存システムの刷新やDX人材の育成などの取り組みが必要です。そして、これらの取り組みを実現させることにより、2030年に実質GDPを130兆円超押し上げる効果が見込まれています。

宿泊・飲食業界

宿泊・飲食業界では、長時間労働などから人材不足が慢性化しており、2025年問題によってさらに深刻化するおそれがあります。

労働力人口の減少によって人材不足が進めば、従業員1人あたりの業務負荷が大きくなり、生産性の低下につながるでしょう。また、モチベーションや定着率の低下も招くと考えられています。

すでに人材不足に悩まされている宿泊・飲食業界では、労働環境の改善やデジタル技術の活用による業務効率向上など、早急な対策が必要です。

2025年問題に向けて国が行っている対策

2025年以降、多くの業界で人材不足や事業承継の課題が深刻化する可能性があります。そこで、現在国が行っている対策の一部を紹介します。

2025年問題に向けて国が行っている対策

  • 少子化対策
  • 医療についての対策
  • 地域包括ケアシステムの構築
  • 社会保障の見直し
  • 介護人材の確保
  • DX推進

少子化対策

すべての世代が互いに支え合う全世代型社会保障に向けた少子化対策として、以下が実施されています。


対策項目概要
不妊治療 2022年度から保険適用
助成額1回30万円に増額、所得制限撤廃
待機児童解消 2021年度から2024年度末までの4年間で約14万人分の保育の場を整備
男性育児休暇取得促進 出征直後の休業取得促進制度を創設
出典:厚生労働省「全世代型社会保障改革」

不妊治療を受けやすくする、待機児童問題の解消に取り組む、男性の育児参加を推進するなどの対策により、少子化対策を大きく前進させることが掲げられています。

医療についての対策

超高齢化社会による現役世代の負担の増加を抑制することに向けて対策が実施されています。


施策項目概要
75歳以上の窓口負担 従来1割負担だった一般所得者などのうち、一定以上の所得がある方について、医療費負担が1割⇒2割に引き上げ
医療機関の役割分担推進 大病院に紹介状なしで受診した場合の定額負担について、対象病院や負担額を見直し
出典:厚生労働省「全世代型社会保障改革」
出典:厚生労働省「後期高齢者の窓口負担割合の変更等(令和3年法律改正について)」
出典:厚生労働省「紹介状を持たずに特定の病院を受診する場合等の「特別の料金」の見直しについて」


75歳以上の医療費負担が、一部で引き上げられるなど見直しが行われました。

地域包括ケアシステムの構築

政府は、2025年を目途に、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される「地域包括ケアシステム」の構築を目指しています。

地域包括ケアシステムは、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるためのシステムです。

地域包括ケアシステムが機能して、高齢者の暮らしを支える仕組みができれば、結果として社会保障費の軽減につながると考えられます。


出典:厚生労働省「地域包括ケアシステム」

介護人材の確保

2025年に向け、介護人材を確保するための取り組みが進められています。超高齢化社会の到来によって要介護高齢者の増大が見込まれるなか、介護人材の確保は喫緊の課題です。

厚生労働省の社会保障審議会福祉部会は、以下のような取り組みが必要であるととりまとめています。

介護人材を確保するために必要な取り組みの例

  • 参入を促進する(イベントの開催など)
  • 新任の介護人材が働きやすい環境を整える
  • 子育てしながら働き続けられる環境を整える
  • キャリアパス構築のための整備を進める

出展:社会保障審議会福祉部会 福祉人材確保専門委員会「2025 年に向けた介護人材の確保~量と質の好循環の確立に向けて~」

DX推進

人材不足を解消するには、DX推進による業務効率化も重要です。

経済産業省は、企業のDX推進を促すため、2022年9月に「デジタルガバナンス・コード2.0」を策定しました。デジタルガバナンス・コードとは、企業価値の向上に向けて経営者が実践すべき事柄をまとめた資料です。

また、都道府県や市町村による自治体DXも進められています。

【関連記事】
DX推進とは?具体例や課題、推進される背景までまとめて解説

2025年問題に向けて企業が取り組むべき対応とは?

2025年問題に向けて企業が取り組むべき対応には、以下が挙げられます。

2025年問題に向けて企業が取り組むべき対応とは?

  • 幅広い人材の雇用
  • ビジネスケアラーへの対応強化
  • 早期の事業承継対策

働ける人材層を増やしつつ、現在働いている層にもアプローチすることが必要です。それぞれ詳しく解説します。

幅広い人材の雇用

人材を確保するには、多様な働き方を推進することが大切です。

総務省統計局の調査によると、非労働力人口のうち就職希望者が多い年齢階級は、男性では65歳以上、女性では35歳~44歳がもっとも多いことがわかりました。


出典:総務省統計局「労働力調査(基本集計)2022年(令和4年)平均結果の要約」

企業は高齢者や女性、外国人など、さまざまな立場の人が働ける職場環境を整備することが求められます。

また政府が高齢者の就労を促進するために進める政策は、下記の通りです。

高齢者雇用促進のための政策

  • 65歳超雇用推進助成金の支給
  • 高齢・障害・求職者雇用支援機構による事業主に対する相談、援助
  • シルバー人材センター事業の推進
  • 生涯現役支援窓口事業の実施

出典:厚生労働省「高年齢者雇用対策の概要」

65歳以上への定年引き上げなどを実施する企業に対して、助成金制度が設けられています。政府が目指すのは、高齢者が年齢に関わらず、意欲や能力がある限り働き続けられる「生涯現役社会」の実現です。

ビジネスケアラーへの対応強化

ビジネスケアラーとは、仕事をしながら高齢の家族を介護する人のことです。65歳以上の高齢者が増えることで、ビジネスケアラーの増加も予想されます。

経済産業省の推計によると、2030年時点で、家族介護者833万人のうちビジネスケアラーは約40%を占めます。さらに、ビジネスケアラーの離職や労働生産性の低下により予測される経済損失額は、約9兆円です。

企業は、ビジネスケアラーが仕事と介護を両立できるような職場環境を作り、社内の制度を整えなければなりません。たとえば、短時間勤務や在宅勤務制度など、ビジネスケアラーが安心して仕事に取り組める職場環境の整備や制度の導入が必要です。

早期の事業承継対策

中小企業などで、「後継者がいない」問題に直面する可能性がある場合、早めの対策が重要です。

主な事業承継のケースは、下記の通りです。

主な事業継承のケース

  • 親族内承継
  • 従業員承継
  • 第三者承継(M&A)

なかでも、株式譲渡や事業譲渡などにより社外の第三者に引き継がせる方法(M&A)は、企業規模に関わらず、近年増加しています。

政府による中小企業の事業承継をサポートする相談窓口や補助金制度などもあるため、上手く活用しながら、早期の対策を行いましょう。

まとめ

2025年問題では、75歳以上の後期高齢者の増加に伴い、社会保障費の増大や生産年齢人口の減少など喫緊の課題が生じます。企業にとっても、働き手や後継者の不足は深刻な問題です。

2025年問題に対応するには、現行の社会保障制度の見直しや少子化対策、医療・介護体制の改革が必要です。企業には、多様な人材を増やすための雇用環境の整備や、事業承継に向けた取り組みなどが求められます。

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よくある質問

2025年問題とは?

団塊世代が75歳以上になることで高齢者が増え、社会保障費の急増などが見込まれる社会問題です。

2025年問題について詳しく知りたい方は、「2025年問題とは」をご覧ください。

2025年問題による影響は?

社会保障費の増大のほか、生産年齢人口の減少や医療・介護ニーズの増加が予想されます。企業にとっては、人材不足や事業承継が課題となるでしょう。

2025年問題による影響について詳しく知りたい方は、「2025年問題による影響」をご覧ください。

監修 羽場康高(はば やすたか) 社会保険労務士・1級FP技能士・簿記2級

現在、FPとしてFP継続教育セミナー講師や執筆業務をはじめ、社会保険労務士として企業の顧問や労務管理代行業務、給与計算業務、就業規則作成・見直し業務、企業型確定拠出年金の申請サポートなどを行っています。

監修者 羽場康高