監修 好川寛 プロゴ税理士事務所
2016年にスタートした未成年者向けの少額投資非課税制度「ジュニアNISA」は、2023年12月末で廃止となりました。
2024年以降、ジュニアNISA口座での新規投資はできませんが、廃止前に投資した資産については18歳になるまで引き続き非課税での保有が可能です。
本記事では「ジュニアNISAはいつまで利用できるのか」を整理し、廃止後の取り扱いや代わりとなる新制度についても解説します。
目次
2023年末で廃止されたジュニアNISAとは
ジュニアNISAとは、国内在住の未成年者(口座を開設する年の1月1日時点)向けに2016年より設けられた少額投資非課税制度です。
毎年一定金額の範囲で購入した金融商品から得られる利益が非課税になる「NISA」のひとつで、毎年80万円を上限に株式や投資信託を購入でき、その投資から得られる利益が最長5年間非課税になる制度でした。
2020年度の税制改正を受け、ジュニアNISAは2023年末をもって廃止となりました。
ジュニアNISAはいつまで利用できる?
ジュニアNISAはいつまで利用できるのか、口座開設・新規投資、非課税での保有のそれぞれについて整理します。
口座開設・新規投資
ジュニアNISA口座の新規開設は2023年9月末まで、ジュニアNISA口座での新規購入(投資)は2023年12月末までで終了となりました。2024年以降は、口座の新規開設・新規投資は行えません。
非課税での保有
2023年までにジュニアNISAで投資を行った金融商品については、制度廃止後も、18歳になるまで(1月1日時点で18歳である年の前年12月31日まで) は非課税のまま保有し続けられます。
5年の非課税保有期間が終了すると、手続き不要で自動的に資産が「継続管理勘定」(18歳まで資産を保有するための非課税の勘定)に移管され、引き続き非課税措置が受けられる仕組みです。継続管理勘定に移管できる金額の上限はなく、非課税保有期間が終了した時点で保有する資産の時価がジュニアNISAの年間新規投資上限(80万円)を超えていても、全額を移管できます。
また、5年の非課税期間が終了する前に18歳を迎えた場合は、非課税期間5年が経過するまで非課税での保有が可能です。
ジュニアNISA廃止後の取り扱い
ジュニアNISAが廃止となった2024年以降の資産や口座の取り扱いについて、3つのポイントを解説します。
- いつでも非課税での払い出しができる
- 18歳を迎えたら課税口座への払い出しまたは売却を選択
- 新NISA口座が自動開設|移管(ロールオーバー)はできない
いつでも非課税での払い出しができる
2024年以降は、ジュニアNISA口座で保有している資産(株式・投資信託などや金銭)について、年齢や事由に関係なく非課税での払い出しができます。
廃止前のジュニアNISAでは、原則として3月31日時点で18歳である年の前年12月31日まで払い出しができませんでしたが、制度廃止に伴ってこの払い出し制限がなくなりました。金融商品の払い出しや、現金の銀行口座への出金・引き出しが、いつでも非課税で行えます。
ただし、18歳に達する前(3月31日時点で18歳である前年の12月末まで)に非課税での払い出しを行う場合は、ジュニアNISA口座で保有する資産すべてについて払い出したうえで、この口座は廃止となります。一部の商品のみを払い出したり現金の一部を引き出したりして、残りをそのまま運用することはできないため注意しましょう。
18歳を迎えたら課税口座への払い出し/売却を選択
継続管理勘定への移管後に18歳を迎えたとき、また18歳を迎えた後に非課税期間が終了したときは、その年の年末時点で、ジュニアNISAで保有する資産は課税口座(特定口座または一般口座)に払い出しとなります。
なお、課税口座への払い出しまでに非課税での売却を選択することも可能です。
新NISA口座が自動開設|移管(ロールオーバー)はできない
2024年以降にジュニアNISA口座を開設している人が18歳になる(18歳である1月1日を迎える)と、新NISA口座が自動で開設されますが、ジュニアNISAで保有している金融商品を新NISAの非課税枠に移管(ロールオーバー)することはできません。
非課税期間終了を迎えるときの選択肢
5年の非課税期間が終了するとき、翌年の1月1日時点で18歳未満であるか、18歳以上であるかによって選択できる取り扱い方法が異なります。
翌年1月1日時点で18歳未満の場合
非課税期間終了の翌年1月1日時点で18歳未満の場合、終了後の取り扱いとして以下のいずれかを選択できます。
- 継続管理勘定への移管(ロールオーバー)
手続きは不要。18歳になるまで(1月1日時点で18歳である年の前年12月31日まで)、引き続き非課税での運用が可能です。金融商品の取得価額は、購入時の価格から移管時点の評価額に更新されます。 - 売却による運用終了または課税口座への払い出し
別途手続きが必要。手続きについては取引店舗へご確認ください。
翌年1月1日時点で18歳以上の場合
非課税期間終了の翌年1月1日時点で18歳以上の場合、終了後の取り扱いとして以下のいずれかを選択できます。
- 課税口座への払い出し
手続きは不要。金融商品の取得価額は、購入時の価格から移管時点の評価額に更新されます。 - 売却による運用終了
別途手続きが必要。手続きについては取引店舗へご確認ください。
ジュニアNISA廃止後の代わりの制度は?
ジュニアNISAに代わる新たな資産形成の選択肢として、2027年から「こどもNISA」(仮)の開始が検討されています。
新NISAのつみたて投資枠をベースとし、非課税口座の開設が行える下限年齢を撤廃して未成年者(0~17歳)にも年間投資枠と非課税限度額が設定される見込みです。
ジュニアNISAでは最大5年だった非課税保有期間を実質無期限とする方針が打ち出されているほか、「12歳以降は子の同意を得た場合にのみ親権者による払い出しが可能」など払い出し制限も緩和の方向で検討が進められており、利用者にとって長期的な資産形成や資金が必要になった場合の対応が行いやすくなると期待されます。
まとめ
ジュニアNISAは、未成年者を対象とした少額投資非課税制度です。2024年以降、ジュニアNISA口座での新規購入はできなくなりましたが、既存の資産については18歳になるまで引き続き非課税で保有できます。
また、制度廃止に伴って保有する資産の払い出し制限がなくなり、2024年以降はいつでも非課税での払い出しが可能です。
18歳である1月1日を迎えると新NISA口座が自動で開設されますが、ジュニアNISAで保有している資産を新NISAに移管(ロールオーバー)することはできないため注意が必要です。18歳を迎えたら、課税口座への払い出し、または売却を選択しましょう。
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よくある質問
ジュニアNISAを放置するとどうなる?
5年の非課税保有期間が終了すると自動的に資産が継続管理勘定に移管され、18歳になるまでそのまま非課税措置が受けられます。
継続管理勘定への移管後に18歳を迎えたとき、また18歳を迎えた後に非課税期間が終了したときは、その年の年末時点で、自動的にジュニアNISAで保有する資産が課税口座(特定口座または一般口座)に払い出しとなります。
ジュニアNISAの廃止の代わりはいつからですか?
ジュニアNISAに代わる資産形成の選択肢として検討されている「こどもNISA」(仮)は、2027年(令和9年)開始予定とされます。
参考文献
監修 好川寛(よしかわひろし)
元国税調査官。国税局では税務相談室・不服審判所等で審理事務を中心に担当。その後、大手YouTuber事務所のトップクリエイターの税務支援、IT企業で税務ソフトウェアの開発に携わる異色の税理士です。
