バックオフィスのトレンド情報をまとめて解説!

下請法の支払期日とは?問題となるのはどのような場合?具体例とともに解説

監修 松浦 絢子 弁護士

下請法の支払期日とは?問題となるのはどのような場合?具体例とともに解説

下請会社や個人事業主、フリーランスへと発注する場合は、下請法に注意が必要です。下請法の支払期日は成果物の受領日から60日以内です。

本記事では、そもそも下請法とは何かの基本的な説明から、下請法で定められている支払期日の内容まで解説します。問題となる支払期日の例や問題とならない支払期日の具体的な例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

目次

freeeで下請法遵守に必要な義務をまるごと効率化

法令対応したいけど、業務負荷が増えてしまう・・・そんな課題もfreeeで解決できます。無料デモでの体験も可能です。

下請法とは?

下請法(下請代金支払遅延等防止法)とは、下請会社の利益の保護を目的とした法律です。仕事を発注する側の親事業者が下請事業者に対して優越的地位を利用した不当な取引を行わないよう、中小企業庁と公正取引委員会が連携して運用しています。

たとえば、下請会社に責任がないにも関わらず代金を減額したり、相場よりも不当に安い金額で契約したりすることは、「親事業者の禁止行為」として下請法で禁じられています。

支払期日に関しては、親会社に「下請代金の支払期日を定める義務」が課されており、禁止行為として「下請代金の支払遅延の禁止」が定められています。下請法に違反すると、公正取引委員会から指導や勧告を受ける場合があるので注意しましょう。

なお、下請法の対象となるのは、物品の製造委託や修理委託、情報成果物の作成委託や役務提供委託などです。対象の詳細は下記の記事でまとめています。

【関連記事】下請法の対象取引は?親事業者・下請事業者の定義や禁止事項を解説

下請法の支払期日は60日以内

下請法では、仕事を発注する親会社に下記の4つの義務を課しています。

下請法における親会社の義務

● 発注書面の交付義務
● 支払期日を定める義務
● 発注書類の作成・保存義務
● 遅延利息の支払義務
上記の義務のうち、支払期日に関するのは「支払期日を定める義務」の部分です。下請法では、支払期日を下記のように定めています。

下請法の支払期日

下請法(第2条の2、下請代金の支払期日)

下請代金の支払期日は、親事業者が下請事業者の給付の内容について検査をするかどうかを問わず、親事業者が下請事業者の給付を受領した日(役務提供委託の場合は、下請事業者がその委託を受けた役務の提供をした日。次項において同じ。)から起算して、六十日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内において、定められなければならない。
※ 出典:e-Gov法令検索「下請代金支払遅延等防止法」

法律で定められているように、親事業者は下請事業者から物品や情報成果物などを受け取った日から60日以内のできるだけ短い期間内に支払期日を定めます。「60日以内」の期間から、一般的に60日ルールと呼ばれます。

60日を超えてしまった場合は「下請代金の支払遅延の禁止」に該当し、下請法違反です。遅延した期間に応じて、遅延利息を支払わなければいけません。

下請法の支払期日の例を紹介!数え方に注意

下請法違反を防ぐためには、下請事業者へ業務を発注する際に、適正な支払期日を設定しなければなりません。注意したいのは、親事業者に法を違反する意識がなくても、問題となる支払期日を設定すると下請法違反となってしまう点です。

以下では、問題とならない支払期日の例と問題となる支払期日の例に分けて解説します。

問題とならない支払期日の例

支払期日の設定で問題とならないのは、たとえば「毎月末日締め、翌月25日払い」の場合です。
「毎月末日締め、翌月25日払い」であれば、成果物の受領日がその月のいつであっても(10月の場合は10月1日~10月30日のいずれか)、翌月の25日(10月末日締めの場合は11月25日)まで60日を超えないように設定されているため、問題となりません。



問題とならない支払期日の例


なお、下請法では実務上、「受領日から60日以内」を「受領日から2ヶ月以内」で運用しています。そのため、1ヶ月が31日である月も30日や28日である月も、同様に「1ヶ月」で計算されます。

そのほか、60日の期間には成果物を受領した日が含まれる点に注意しましょう。

問題となる支払期日の例

支払期日の設定で問題となるのは、たとえば「毎月末日締め、翌々月25日払い」の場合です。

「毎月末日締め、翌々月25日払い」の場合、末日に成果物を受領して翌々月25日に支払えば60日以内に支払いを終えているので、一見問題はないように見えます。

しかし、受領日がその月の末日よりも早かった場合(たとえば10日が受領日のとき)は、受領日から支払日までの期間が60日を超えてしまいます。



問題となる支払期日の例


このように、支払期日の一部は60日以内であっても、60日を超える部分がある支払期日の設定は、下請法違反となるので覚えておきましょう。

そのほか、問題となる下請代金の支払いは下記の通りです。

問題となる下請代金の支払い

● 毎月20日締め切り、社内での検収終了後60日以内の支払い
● 親事業者の事務処理の遅れで支払いを遅延すること
● 下請事業者の請求書提出の遅れで支払いを遅延すること
支払期日の起算日はあくまで成果物の「受領日」であり、親事業者の検収日を起算日にしてはいけません。

また、親事業者や下請事業者の事務処理などで支払いが遅延した場合でも、支払遅延の禁止行為にあたります。そのため、支払期日を設定する場合は事務処理を含めて余裕をもって設定しましょう。

支払期日を定めなかった場合はどうなるのか

下請法では、下請代金の支払期日を定めなかったケースを下記のように定めています。

下請代金の支払期日を定めなかったケース

下請法(第2条の2、下請代金の支払期日)

2 下請代金の支払期日が定められなかつたときは親事業者が下請事業者の給付を受領した日が、前項の規定に違反して下請代金の支払期日が定められたときは親事業者が下請事業者の給付を受領した日から起算して六十日を経過した日の前日が下請代金の支払期日と定められたものとみなす。
※ 出典:e-Gov法令検索「下請代金支払遅延等防止法」

上記のように、支払期日を決めていなかった場合は成果物を受領した日が支払期日です。成果物を受領して即日に下請代金を支払わなかった場合、下請法違反となります。

さらに、親会社に課される「支払期日を定める義務」にも違反してしまうので注意が必要です。

なお、支払期日を設定していてもその設定に問題があった場合は、成果物の受領日から60日目が支払期日となります。

下請法に違反した場合

支払期日までに下請代金を支払わなかった場合は、遅延利息(年率14.6%)を支払う義務があります。遅延利息の対象となるのは、受領日を起算日として60日が経過した日から、下請代金が実際に支払われた日までです。

遅延利息の利率は、民法や商法、当事者間の合意のすべてに優先されます。年率14.6%と比較的高い利率となっているので注意が必要です。

また、支払遅延など下請法に違反した行為が認められた場合には、公正取引委員会から勧告を受ける場合があります。実務的には、まず違反が疑われる行為に対して公正取引委員会から指導が行われ、その後、勧告を受ける流れです。

令和3年度には、7,922件の指導が行われ、4件の勧告が実施されています。公正取引委員会の勧告を受けると、企業名や勧告の内容が公正取引委員会の公式サイトで公表され、報道発表も行われます。

勧告が公表されると企業イメージにも影響を与えてしまうので、注意してください。

なお、公正取引委員会や中小企業庁の検査を拒否したり、虚偽報告を行ったりした場合には50万円以下の罰金が科される恐れがあります。公正取引委員会からの指導があった場合には、指導にしたがって適切に対処するようにしましょう。

【関連記事】下請いじめとは?具体的な事例や防止策、実際に起こった場合の相談先を紹介

まとめ

下請法では、発注する側である親事業者による不当に下請事業者の利益を害す行為を防ぐため、下請代金の支払期日を定める義務を親事業者に課し、下請代金の支払遅延を禁止しています。

そのため、フリーランスや個人事業主の方など「下請事業者」にあたる取引先に業務を発注する際には、正しい支払期日を設定するようにしましょう。支払期日は成果物の受領日から起算して60日以内です。60日を超える支払期日の設定は法令違反となるため注意してください。

支払期日を遅延した場合、年率14.6%の遅延利息が発生するほか、公正取引委員会や中小企業庁から指導や勧告を受ける場合があります。勧告を受けたときにはその内容が公表されます。勧告を受ける事態とならないよう、適正に対処しましょう。

フリーランス・業務委託先への発注を効率化する方法

フリーランスや業務委託先との取引が多い企業にとって、手間がかかるのが発注業務です。

一口に発注業務といっても、契約や発注、請求など対応すべき作業は多岐にわたり、管理が行き届かないケースがあります。たとえば、法令にもとづく適切な発注ができていなかったり、請求書の提出期日が守られなかったり、請求書の不備で差し戻しが発生したりなどの課題が挙げられるでしょう。

このような課題を抱えている発注担当者におすすめしたいのが、業務委託管理システム「freee業務委託管理」です。

freee業務委託管理を活用すると、フリーランスや業務委託先への発注に関する手続きや取引情報のすべてを一元管理できるようになります。契約締結から発注、業務期間のやり取り、納品、検収、請求、支払いまで、一連の対応をクラウド上で完結できるため、管理コスト削減や業務効率化、取引に関するトラブルのリスク低減などのメリットをもたらします。

また、フリーランスや業務委託先との過去の取引履歴や現在の取引状況の管理も可能です。発注実績や評価を社内共有しやすく、業務委託の活用による従業員のパフォーマンス向上が期待できます。

freee業務委託管理の主な活用メリットは以下のとおりです。

発注に関わる手続きや取引情報を一元管理

クラウド上で契約完了

初めて取引を行うフリーランスや業務委託先と契約を締結する際、freee業務委託管理を使えば、クラウド上でのスムーズなやり取りが可能です。

契約書はそのままクラウド上に保管されるため、契約情報をもとに発注内容を確認したり、契約更新時のアラート通知を受け取ったりすることもできます。

発注対応や業務進捗を可視化

発注書の作成・送付は、フォーマットに業務内容や報酬、納期などを入力するだけで完了します。

また、発注業務をメールや口頭でのやり取りで行っていると、管理上の手間がかかるのはもちろん、発注内容や業務進捗などを把握しづらいこともあるでしょう。freee業務委託管理は発注内容が可視化され、プロジェクトの業務進捗や残予算をリアルタイムに把握するうえでも役立ちます。

正確な請求管理を実現

発注業務でもっとも忘れてはならないのが、請求管理です。報酬の支払い漏れや遅延は企業の信用に関わるため、情報の一元管理によって正しく効率的に行う必要があります。freee業務委託管理ならフリーランスや業務委託先が請求書を発行する際も、ワンクリックで発注書に連動した請求書を作成可能。請求書の回収状況が一覧で確認できるほか、請求処理に関する上長や経理担当者の承認作業もクラウド上で行えます。

支払明細書の発行も可能

確定申告の際に必要な支払明細書(支払調書)も、フリーランスや業務委託先ごとに発行できます。発行した支払明細書(支払調書)はPDFでダウンロードしたり、メールで送付したりすることも可能です。

法令への対策が万全

近年、発注側の企業がフリーランスや業務委託先に対して優越的地位を濫用するリスクを防ぐため、下請法やフリーランス保護新法(2024年10月施行予定)にもとづく適切な発注対応が求められています。また、インボイス制度や電子帳簿保存法の要件を満たす書類の発行・保存も不可欠です。

こうした法令に反する対応を意図せず行ってしまった場合も、発注側の企業に罰則が科される可能性があるため、取引の安全性を確保する必要があります。freee業務委託管理なら既存の法令はもちろん、法改正や新たな法令の施行にも自動で対応しているため、安心して取引を行うことができます。

カスタマイズ開発やツール連携で運用しやすく

業務委託管理システムを導入する際は、発注業務の担当者が使いやすい環境を整えることも欠かせません。freee業務委託管理は、ご希望に応じて、オンプレミスとの連携や新たな機能の開発などのカスタマイズも可能です。また、LINE・Slack・Chatwork・freee・CloudSign・Salesforceなど、各種ツールとの連携もできます。

より詳しくサービスについて知りたい方は、無料ダウンロード資料「1分で分かるfreee業務委託管理」をぜひご覧ください。

よくある質問

下請法の支払期日とは?

親事業者は下請事業者から物品や情報成果物などを受け取った日から60日以内のできるだけ短い期間内に、支払期日を定める必要が法律上あります。

下請法の支払期日の詳細は「下請法の支払期日とは?」をご覧ください。

下請法に違反した場合は?

支払期日までに下請代金を支払わなかった場合は、遅延利息(年率14.6%)を支払う義務があります。

下請法の違反の詳細は「下請法に違反した場合は?」をご覧ください。

監修 松浦絢子(まつうら あやこ) 弁護士

松浦綜合法律事務所代表。京都大学法学部、一橋大学法学研究科法務専攻卒業。東京弁護士会所属(登録番号49705)。法律事務所や大手不動産会社、大手不動産投資顧問会社を経て独立。IT、不動産、相続、金融取引など幅広い相談に対応している。さまざまなメディアにおいて多数の執筆実績がある。

監修者 松浦絢子

業務委託先との契約・発注・請求・支払をまるごと管理

freee業務委託管理は、業務委託先との契約・発注・請求・支払を一元管理するクラウドのサービスです。下請法、フリーランス保護新法、インボイス制度、電子帳簿保存法など法令に対応した安全な取引を実現できます。