監修 橋爪 祐典 税理士
定額減税とは、2024年に実施された一時的な税制措置です。給与所得者・個人事業主・年金受給者など、立場によって適用方法や計算方法が異なります。なお、現金が直接支給されるわけではなく、給与からの源泉徴収税額や住民税の徴収額が減る形で反映されます。そのため、実際には「手取りが増える」形で効果を実感することになる制度です。
ただし、2026年4月時点では同様の制度は実施されていません。
本記事では、定額減税の仕組みや対象者、金額、具体的な計算方法に加えて、今後の税制の動きや注意点までわかりやすく解説します。制度の全体像を把握したい人は、ぜひ参考にしてください。
目次
- 2026年は定額減税が実施される予定がない
- 定額減税とは?制度の概要と導入の背景
- 定額減税の対象者
- 定額減税の金額
- 扶養人数別の定額減税額
- 給与所得者の定額減税の計算方法
- 所得税の定額減税
- 住民税の定額減税
- 個人事業主の定額減税の計算方法
- 所得税の定額減税
- 住民税の定額減税
- 年金受給者の定額減税の計算方法
- 所得税の定額減税
- 住民税の定額減税
- 定額減税を受ける際に知っておくべきポイント
- 副業をしている場合は給与から減税される
- ふるさと納税・住宅ローンに影響しない
- 控除しきれない場合は給付金が受け取れる
- アルバイトは収入金額によって定額減税を受けられる
- 今後、定額減税は実施される?
- 定額減税は2024年分に限って実施された時限的な措置である
- 2025年以降は定額減税とは別の税制改正が進んでいる
- 定額減税に関する注意点
- 定額減税は原則として自動で適用される制度である
- 現金の振り込みや手数料を求める連絡は詐欺の可能性がある
- 不安な場合は自治体や税務署に確認する
- まとめ
- よくある質問
2026年は定額減税が実施される予定がない
2026年4月時点では、2024年に実施された定額減税のような一律の減税施策は予定されていません。
一部では「2025年以降も継続されるのではないか」との見方もありましたが、実際には同様の内容での継続は行われていません。
なお、2025年度には一部の対象者に対する住民税の調整措置「定額減税補足給付金(不足額給付)」が実施されましたが、この制度は減税そのものではなく、対象者を限定した補填的な措置です。2024年の定額減税のような、広範な減税とは性質が異なります。
そのため、2026年以降に同様の減税が行われるかは未定であり、今後の税制改正の動向を確認する必要があります。
定額減税とは?制度の概要と導入の背景
定額減税とは、所得額にかかわらず一定額を税額から差し引くことで、税負担を軽減する制度です。
2024年に実施された定額減税では、1人あたり合計4万円(所得税3万円+個人住民税1万円)が減税されました。納税者本人だけでなく、同一生計配偶者や扶養親族も対象となるため、世帯人数に応じて減税額が増える仕組みです。
この制度が導入された背景には、近年の物価上昇による生活負担の増加があります。とくに食料品やエネルギー価格の上昇により、実質的な可処分所得が減少している状況を受け、政府は国民への直接的な支援策として定額減税を実施しました。
所得税・住民税が一定額軽減されたことで、多くの世帯で手取り収入(可処分所得)が一時的に増加しました。とくに低〜中所得層においては、日常的な支出に充てられる余裕が生まれやすくなり、物価上昇による家計負担の緩和につながったといえます。
ただし、あくまで一時的な措置であるため、継続的な所得増加には直結せず、長期的な生活改善には限界がある点には注意が必要です。
また、定率減税(税額に対して一定割合を減らす方式)と異なり、定額減税は所得が低い層ほど負担軽減効果が大きくなる点も特徴です。そのため、生活支援の観点から採用された制度といえます。
定額減税の対象者
2024年の定額減税の対象者は、所得税と住民税でそれぞれ条件が定められていました。なお、どちらも国内居住者に限る制度です。
定額減税の対象者
- 所得税の定額減税対象者:2024年分の所得税の納税義務者のうち、2024年分の合計所得金額が1,805万円以下(給与収入のみの場合は2,000万円以下)の人
- 住民税の定額減税対象者:2024年度の住民税の納税義務者のうち、前年2023年分の合計所得金額が1,805万円以下(給与収入のみの場合は2,000万円以下)の人
※均等割のみ課税される納税義務者は定額減税の対象外
所得税の定額減税対象者:2024年分の所得税の納税義務者のうち、2024年分の合計所得金額が1,805万円以下(給与収入のみの場合は2,000万円以下)の人
住民税の定額減税対象者:2024年度の住民税の納税義務者のうち、前年2023年分の合計所得金額が1,805万円以下(給与収入のみの場合は2,000万円以下)の人
※均等割のみ課税される納税義務者は定額減税の対象外
まず所得税については、2024年分の所得に基づいて判定される点がポイントです。給与所得者の場合は年収2,000万円以下が目安となり、多くの現役世代が対象に含まれます。
一方、個人住民税については前年(2023年)の所得をもとに判定されるため、同じ人でも所得税と住民税で対象可否や適用タイミングが異なる場合があります。
また、減税額の計算に含まれる配偶者や扶養親族については、同一生計かつ国内に居住していることが条件です。
定額減税の金額
定額減税の金額は、所得税と個人住民税を合わせて、1人あたり合計4万円の減税額です。
内訳は、所得税が3万円、個人住民税が1万円となっており、納税者本人だけでなく、同一生計配偶者や扶養親族も同様に1人あたり4万円が適用されます。
| 定額減税の減税額 | |
|---|---|
| 所得税 | ・納税者本人(居住者に限る):30,000円 ・同一生計配偶者または扶養親族(いずれも居住者に限る):1人につき30,000円 |
| 個人住民税 | ・納税者本人(居住者に限る):10,000円 ・同一生計配偶者または扶養親族(いずれも居住者に限る):1人につき10,000円 |
対象人数が増えるほど減税額も増加し、世帯単位で見ると大きな負担軽減につながる仕組みです。
扶養人数別の定額減税額
定額減税は人数に応じて金額が加算されるため、世帯構成によって実際の減税額は大きく異なります。
以下は、納税者本人が「扶養親族」を養っている場合の例です。
- 単身世帯(本人のみ):4万円
- 夫婦2人世帯:8万円(納税者+扶養配偶者1人の場合)
- 夫婦+子ども1人:12万円
- 夫婦+子ども2人:16万円
扶養親族が多い世帯ほど減税額は大きくなります。
ただし、夫婦が共働きで、双方に所得があり互いの扶養に入っていない場合は、それぞれが「納税者本人」として各自の勤務先で4万円ずつ減税を受けます。世帯合計では同じ8万円(4万円×2名)となりますが、1人の給与から8万円が引かれるわけではない点に注意が必要です。
給与所得者の定額減税の計算方法
給与所得者の定額減税は、「所得税」と「個人住民税」でそれぞれ異なる方法で反映されます。いずれも現金が直接支給されるわけではなく、給与や税額から控除される形で実施される点が特徴です。
とくに給与計算担当者にとっては、通常の源泉徴収や住民税の特別徴収とは異なる処理が必要となるため、仕組みを正しく理解しておくことが大切です。
ここでは、所得税と住民税に分けて具体的な計算方法を解説します。
所得税の定額減税
所得税の定額減税は、2024年6月1日以後に最初に支払われる給与や賞与から順次控除する形で行われました。
具体的には、毎月の給与から天引きされる源泉徴収税額を減らすことで、減税分が反映されます。たとえば、減税額が3万円で、月々の源泉徴収税額が6,000円の場合、複数月にわたって税額を差し引いていく仕組みです。
- 6月以降の給与から源泉徴収税額を減額
- 減税額を使い切るまで控除を継続
- 控除完了後は通常どおり課税
減税額が一度に控除されるのではなく、給与支払のタイミングごとに段階的に反映されます。
また、賞与(ボーナス)が支給される場合は、その源泉徴収税額も控除の対象です。
なお、減税額が源泉徴収税額を上回る場合は、翌月以降の給与や賞与に繰り越して控除されます。年内に控除しきれなかった場合は、年末調整で最終的な精算が行われます。
住民税の定額減税
個人住民税の定額減税は、所得税とは異なり「特別徴収額の調整」という形で実施されます。
通常、住民税は6月から翌年5月までの12ヶ月で分割して給与から天引きされますが、定額減税の対象者については、2024年6月分の徴収が行われません。
そのうえで、減税後の年税額を2024年7月から2025年5月までの11ヶ月で分割して徴収します。
- 2024年6月分の住民税は徴収なし
- 減税後の税額を11ヶ月で分割
- 7月以降の毎月の負担額が調整される
たとえば、年額の住民税が4万3,000円で、減税額が1万円の場合、差し引き後の3万3,000円を11ヶ月で分割して支払うことになります。
住民税の減税は「毎月の負担が軽くなる」という形で反映されるのが特徴です。
対象外の従業員については、従来どおり6月分から徴収が行われるため、企業側は対象者の判定を正確に行う必要があります。
個人事業主の定額減税の計算方法
個人事業主の定額減税は会社員とは異なり、給与から自動で控除される仕組みではなく、「予定納税」や「確定申告」を通じて反映されます。
そのため、給与所得者のように毎月の手取りで実感するというよりも、納税額の減少や還付という形で減税の効果が現れるのが特徴です。
ここでは、所得税と住民税に分けて具体的な計算方法を解説します。
出典:国税庁「給与等の源泉徴収事務に係る令和6年分所得税の定額減税のしかた」
所得税の定額減税
個人事業主の所得税における定額減税は、主に「予定納税」または「確定申告」で反映されます。
まず、予定納税がある場合は、2024年分の所得税にかかる第1期(7月)および第2期(11月)の予定納税額から、減税額が差し引かれます。
- 予定納税がある場合:納付額から減税分を控除
- 控除しきれない場合:次回の予定納税または確定申告で調整
- 予定納税がない場合:確定申告時に減税・還付
たとえば、減税額が3万円で第1期の予定納税額が2万円の場合、全額を控除しきれないため、残りの1万円は第2期または確定申告で処理されます。
また、予定納税の対象でない場合は、確定申告時に所得税額から減税分を差し引くことで対応可能です。結果として、納税額が減少するか、すでに納付している場合は還付を受ける形になります。
住民税の定額減税
個人住民税の定額減税については、個人事業主が特別な申請や手続きを行う必要はありません。
住民税は自治体が課税・徴収を行うため、減税対象者に該当する場合は、あらかじめ減税額が反映された税額通知書が送付されます。
- 自治体側で自動的に減税処理が行われる
- 納付書や通知書に減税後の金額が記載される
- 個別の申請は不要
そのため、個人事業主は通知された金額に従って納付すれば問題ありません。
なお、住民税の減税も所得税と同様に、納税者本人および同一生計配偶者・扶養親族の人数に応じて減税額が決まります。
年金受給者の定額減税の計算方法
年金受給者の定額減税は、給与所得者とは異なり「年金からの天引き」や「確定申告」によって反映されます。
基本的には、日本年金機構などから支給される公的年金にかかる所得税や、自治体が課税する住民税に対して減税が適用される仕組みです。
なお、原則として特別な申請は不要で、提出済みの「扶養親族等申告書」などの情報をもとに、自動的に減税額が計算されます。
出典:国税庁「公的年金等を受給されている方へ」
所得税の定額減税
年金受給者の所得税における定額減税は、公的年金の支払時に源泉徴収される税額から控除される形で実施されます。
具体的には、2024年6月以降に支払われる年金から、源泉徴収される所得税を減額することで減税が反映されます。
- 年金支給時の源泉徴収税額から控除
- 減税額を使い切るまで複数回に分けて適用
- 控除しきれない場合は確定申告で精算
たとえば、減税額が3万円で、1回あたりの源泉徴収税額が少ない場合は、複数回の年金支給にわたって段階的に控除されます。
また、年金収入以外の所得がある場合や、年内に控除しきれなかった場合は、確定申告によって最終的な税額調整が行われます。
住民税の定額減税
年金受給者の住民税における定額減税については、個人事業主と同様に、自治体が自動的に減税処理を行います。
年金受給者の場合、住民税は「特別徴収(年金からの天引き)」または「普通徴収(納付書による支払い)」で納付されますが、いずれの場合でも減税後の金額が適用されます。
- 自治体が減税額を反映した税額を通知
- 年金からの天引き額または納付額が減少
- 個別の申請手続きは不要
そのため、基本的には送付される税額通知書や年金支払通知書を確認し、減税が適用されているかをチェックすれば問題ありません。
なお、減税額は納税者本人に加えて、同一生計配偶者や扶養親族の人数に応じて決まります。
定額減税を受ける際に知っておくべきポイント
定額減税は自動的に適用されるケースが多いものの、仕組みを正しく理解していないと「思ったより減税されていない」と感じる場合もあります。
とくに副業の有無や所得水準によって処理方法が異なるため、事前にポイントを押さえておくことが重要です。ここでは、実務上つまずきやすいポイントを解説します。
定額減税を受ける際に知っておくべきポイント
- 副業をしている場合は給与から減税される
- ふるさと納税・住宅ローンに影響しない
- 控除しきれない場合は給付金が受け取れる
- アルバイトは収入金額によって定額減税を受けられる
副業をしている場合は給与から減税される
副業をしている場合、定額減税は「主たる給与」を受け取る勤め先でのみ適用されます。そのため、ダブルワークで複数の勤務先から給与を受け取っている場合でも、原則として副業先では減税は行われません。
一方で、副業が事業所得や雑所得に該当する場合は、給与からの減税とは別に、確定申告時に所得税額から減税分を差し引くことで調整されます。
また、本業の給与で減税額をすべて控除しきれなかった場合は、確定申告で最終的な精算が行われます。副業収入がある人は、申告によって減税の取りこぼしを防ぐことが重要です。
ふるさと納税・住宅ローンに影響しない
定額減税は、ふるさと納税や住宅ローン控除の上限額には影響しません。
ふるさと納税の控除上限額は、定額減税「前」の住民税額をもとに計算されるため、減税によって上限が下がることはありません。また住宅ローン控除も同様に、定額減税の影響を受けない仕組みになっています。
そのため、これらの制度を併用している場合でも、従来どおりの節税効果を維持できます。
控除しきれない場合は給付金が受け取れる
所得税や住民税が少ない場合、定額減税額をすべて控除しきれないケースがあります。この場合は、「調整給付」と呼ばれる制度により、控除しきれなかった分が現金で支給されます。
たとえば、減税額が12万円ある世帯でも、実際の税額がそれより少ない場合は差額分が給付金として支払われる仕組みです。
対象者には自治体から案内が届くため、見落とさずに手続きを行うことが重要です。
アルバイトは収入金額によって定額減税を受けられる
アルバイトやパートで働く場合でも、一定の条件を満たせば定額減税の対象です。
具体的には、所得税や住民税が課税されていることが前提となるため、収入が少なく税金が発生していない場合は、減税ではなく給付金の対象となるケースがあります。
年収が103万円を超えて所得税が発生していた場合は、給与からの源泉徴収額が減税されます。一方で、年収が少なく税金が発生していなかった人(非課税世帯など)には、減税の代わりに自治体から給付金が支給される仕組みでした。
また、課税対象となっている場合は、通常の給与所得者と同様に源泉徴収税額から減税が適用されます。
今後、定額減税は実施される?
結論として、2024年に実施された定額減税は一時的な経済対策であり、2026年4月時点では同様の制度が継続的に実施される予定はありません。
今後は「一律で税額を減らす施策」ではなく、基礎控除の見直しなど、より恒久的な税制改正によって税負担の調整が行われる流れに変わっています。財務省「令和8年度税制改正の大綱」によると、物価高への対応および就業調整(年収の壁)問題の解消のため、「年収103万円」だった所得税の非課税ラインを最低限を178万円まで引き上げることが明記されました。
インフレに合わせて年収の壁が柔軟に調整されることとなり、定額減税のような場当たり的な施策を繰り返さない方針が明確化されたことが読み取れます。
出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」
定額減税は2024年分に限って実施された時限的な措置である
定額減税は、令和6年度税制改正により「2024年分の所得税・住民税」に限定して実施された制度です。
もともと物価高騰への対策として導入されたものであり、恒久的な減税制度ではなく、期間限定の政策として位置づけられています。実際に国税庁でも、定額減税は「令和6年分所得税に対する特別控除」として明確に整理されています。
そのため、2025年以降も同様の仕組みで減税が続くわけではなく、あくまで単年度の措置で終了している点に注意が必要です。
2025年以降は定額減税とは別の税制改正が進んでいる
2025年以降は、定額減税のような一律減税ではなく、「基礎控除の見直し」などの税制改正によって税負担の軽減が図られています。
具体的には、2025年度の税制改正により、所得税の基礎控除や給与所得控除の引き上げが行われ、税負担の調整が進められています。たとえば基礎控除は、従来の一律48万円から所得に応じて最大95万円まで引き上げられるなど、大きな変更が加えられました。この改正により、いわゆる「年収の壁」の見直しや、働き方に応じた税負担の調整が行われているのが特徴です。
今後の税制は、一時的な減税(定額減税)ではなく、恒久的な控除制度の見直し(基礎控除など)という方向にシフトしていくでしょう。
なお、基礎控除の仕組みや所得税の計算方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
定額減税に関する注意点
定額減税は、基本的に自動で適用される制度ですが、制度の仕組みを誤解していると「申請が必要なのでは?」と不安に感じるケースも考えられます。
また、制度を悪用した詐欺のリスクも指摘されているため、正しい知識をもって対応することが重要です。ここでは、とくに注意すべきポイントを解説します。
定額減税に関する注意点
- 定額減税は原則として自動で適用される制度である
- 現金の振り込みや手数料を求める連絡は詐欺の可能性がある
- 不安な場合は自治体や税務署に確認する
定額減税は原則として自動で適用される制度である
定額減税は、原則として申請不要で適用される制度です。そのため、「減税を受けるために申請が必要」といったケースは基本的にありません。
所得者別の反映方法は以下のとおりです。
定額減税の反映方法
- 給与所得者:勤務先の給与計算(源泉徴収)により自動的に減税が反映される
- 個人事業主:確定申告や予定納税の計算時に減税が反映される
- 年金受給者:年金支払時の源泉徴収や自治体の課税処理により減税が反映される
ただし、控除しきれない場合の給付金(調整給付)については、自治体からの案内に応じて手続きが必要になることがあるため、通知書は必ず確認するようにしましょう。
現金の振り込みや手数料を求める連絡は詐欺の可能性がある
定額減税に関連して「現金が振り込まれる」「手数料が必要」などといった連絡があった場合は、詐欺の可能性があるため注意が必要です。
定額減税は、基本的に税額の控除という形で実施される制度です行政機関が個別に手数料の支払いを求めたり、口座情報を電話やメールで確認したりすることはありません。
とくに、以下のようなケースには注意してください。
- 「減税分を振り込む」として口座情報の入力を求められる
- 手数料や登録料の支払いを要求される
- 不審なメールやSMSでリンクに誘導される
こうした連絡は無視し、絶対に個人情報を入力しないようにしましょう。
不安な場合は自治体や税務署に確認する
定額減税の適用状況や給付金の有無について不安がある場合は、自治体や税務署に直接確認しましょう。
とくに、減税額が正しく反映されているかは、給与明細や住民税の通知書、確定申告書などで確認できます。
自己判断で誤った対応をしてしまうと、控除漏れや申告ミスにつながる可能性もあるため、不明点があれば早めに公的機関へ相談しましょう。
まとめ
定額減税は、2024年に実施された一時的な税制措置であり、1人あたり4万円(所得税3万円+住民税1万円)の負担軽減が行われました。
給与所得者・個人事業主・年金受給者など、それぞれ異なる方法で減税が適用されるため、自身の状況に応じた仕組みを理解しておくことが重要です。
また、2026年時点では同様の定額減税は予定されておらず、今後は基礎控除の見直しなど、別の税制改正によって税負担の調整が進められています。制度を正しく理解し、減税の取りこぼしや誤解を防ぐことで、より適切に税負担の軽減を受けられるでしょう。
freee人事労務なら、定額減税の対象者抽出から計算、給与への反映までを自動化できるため、ミスを防ぎながら効率的に対応できます。給与計算や労務管理の負担を減らしたい方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
よくある質問
2024年6月開始の定額減税とは?
定額減税とは、所得額に関係なく、所得税および個人住民税の税額から一律で同じ額を差し引くことで、税負担を軽減する減税方法のことです。
定額減税の詳細は、詳しくは、記事内「定額減税とは?制度の概要と導入の背景」をご覧ください。
定額減税でいくらもらえる?
定額減税では、所得税3万円と個人住民税1万円の合計4万円が控除されます。さらに、扶養家族1名につき4万円が対象になります。給付金のように現金をもらえるわけではないものの、税金が減ることで自由に使えるお金が増える制度です。
たとえば納税者とその配偶者・子どもの3人家族の場合、1人につき4万円減税されます。つまり減税額は世帯で12万円になり、単純に納税者の手取りが12万円増える計算です。
給与計算担当者が定額減税に関して知っておくべきことは?
給与計算担当者は、定額減税の実施に伴う所得税・住民税の特別徴収の方法に加え、減税額を一度に控除しきれない場合の対応方法、従業員が副業をしている場合の取り扱いなどを理解しておきましょう。
給与計算時の定額減税のポイントを詳しく知りたい人は、詳しくは、記事内「給与所得者の定額減税の計算方法」をご覧ください。
参考文献
▶︎国税庁「 令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等と確定申告」
▶︎国税庁「定額減税や給付金をかたった不審な電話、 ショートメッセージやメールにご注意ください」
▶国税庁「定額減税について」
▶国税庁「令和6年分所得税の定額減税について(給与所得者の方へ)」
監修 橋爪 祐典(はしづめ ゆうすけ)
2018年から現在まで、税理士として税理士法人で活動。中小企業やフリーランスなどの個人事業主を対象とした所得税、法人税、会計業務を得意とし、相続業務や株価評価、財務デューデリジェンスなども経験している。税務記事の執筆や監修なども多数経験している。
