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ワークプレイスとは?構築が必要な理由や企業の取り組み事例を紹介

監修 安田亮 公認会計士・税理士・1級FP技能士

ワークプレイスとは?構築が必要な理由や企業の取り組み事例を紹介

ワークプレイスは、オフィスに限らず、仕事をする空間や場所を指す言葉です。働き方の変化に伴い、ワークプレイスの意味や役割が拡大してきています。

本記事では、ワークプレイスの定義や役割、求められている理由を解説します。メリット注意点取り組み事例も紹介するので、ワークプレイスについて詳しく知りたい人はぜひ参考にしてください。

目次

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ワークプレイスとは

ワークプレイスは、オフィスに限らず、仕事をしているあらゆる空間や場所を指します。

ワークプレイス(Workplace)は、直訳すると「仕事場」や「作業場」の意味をもつ言葉です。もともとは仕事をする物理的な場所を指すものでしたが、働き方の変化に伴い、ワークプレイスの意味や役割が拡大してきています。

従来は、オフィスに出社し、並べられた机と椅子で決められた業務をこなす働き方が一般的でした。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響などによって働き方は大きく変化しています。

テレワークの普及によってオフィスへの出社が当たり前ではなくなり、働く時間や場所の制約がなくなってきたといえるでしょう。

現在は、出社して仕事をするオフィスだけでなく、テレワークをする自宅やインターネット上の仮想空間もワークプレイスと呼ばれるなど、より広い意味をもつようになっています。

働き方の変化に応じてワークプレイスの意味や役割も変わっていくなかで、「最適なワークプレイスは職種や企業によって異なる」という考え方も生まれました。

また、昨今のデジタル技術の進歩などによって、「デジタルワークプレイス」の概念も注目されています。

デジタルワークプレイスとは、デジタル化したオフィス環境です。クラウドシステムやビジネスアプリケーションなどのデジタルツールを用いて、いつどこにいても同じ環境で働けるよう業務プロセスなどを整備することを指します。

企業にワークプレイスの構築が求められている理由

企業にワークプレイスの構築が求められているのは、多様化する働き方に対応し、一人ひとりが働きやすい環境を提供する必要性が高まっているからです。

デジタル技術やインターネットの普及・政府による働き方改革の推進・新型コロナウイルス感染症などを背景に、働き方が多様化しています。育児や介護との両立など労働者のニーズも多様化しており、働く時間や場所の柔軟性が重視されるようになってきました。

また、少子高齢化による生産年齢人口の減少を背景に、人材確保は企業にとって重要な課題となっています。

企業の成長や優秀な人材確保のためには、最適なワークプレイスを構築し、従業員が働きやすい環境を整えることが求められます。

ワークプレイスを構築するメリット

企業がワークプレイスを構築する主なメリットは、以下の通りです。

企業がワークプレイスを構築するメリット

● 業務効率・生産性が向上する
● ワークライフバランスが向上する
● 人材確保・定着につながる
● 企業のイメージアップが図れる

業務効率・生産性が向上する

ワークプレイスの構築によって業務プロセスを見直せば、本来必要のない業務が減り、業務効率が向上します。

クラウドシステムや文書管理システム、コミュニケーションツールなどのデジタルツールの活用も業務効率向上に効果的です。

また、時間や場所の制約が少なくなり、従業員一人ひとりが自分に合った働き方で仕事できるようになれば、集中力が上がり生産性も高まるでしょう。

業務効率・生産性が向上すれば、労働環境の改善やコスト削減・顧客満足度向上・企業競争力の強化にもつながります。

ワークライフバランスが向上する

ワークプレイスを構築すれば、従業員のワークライフバランス向上が期待できます。

少子高齢化や女性の就業率向上を背景に、働き方のニーズは多様化してきました。「より高齢まで働きたい」「育児しながら働きたい」「介護と両立したい」など、働く人の価値観はさまざまです。

ワークプレイスの構築によって、業務効率や労働環境が改善され、または時間や場所の制約が少なくなれば、従業員一人ひとりがより柔軟に働けるようになります。

その結果、ワークライフバランスが向上し、従業員の満足度やモチベーションアップにつながるでしょう。

人材確保・定着につながる

ワークプレイスの構築は、人材確保・定着にも寄与します。

人材不足問題は、日本で深刻化しつつある問題のひとつです。企業と求職者の条件が一致しないミスマッチ失業も、従来と比べて増えている傾向があります。

生産年齢人口が低下するなか、若手人材を確保し定着させるためにも、ワークプレイスを最適化する必要性が高まっています。

企業のイメージアップが図れる

働きやすいオフィス環境の整備や、多様化な働き方への対応は、企業のイメージアップにも効果的です。

社外にもアピールすれば、ビジネスパートナーや消費者に安心感や好感を与え、信頼度を高めるでしょう。企業イメージが向上すれば、顧客満足度や売上アップも期待できます。

ワークプレイスを構築する際の注意点

企業がワークプレイスを構築する際に注意すべき点を解説します。

企業がワークプレイスを構築する際の注意点

● 生産性が低下する可能性がある
● コミュニケーションが低下する可能性がある
● 情報漏えいリスクがある

生産性が低下する可能性がある

時間や場所にとらわれず働ける環境を整えるには、デジタル技術の活用が欠かせません。しかし、単にデジタルツールを導入するだけでは、かえって生産性が低下する可能性があります。

たとえばテレワークは、パソコンなどを利用し、時間や場所にとらわれず柔軟に仕事ができる働き方です。

しかし、経済産業省の「コロナ禍の経済への影響に関する基礎データ」によると、「在宅勤務のほうが生産性が低い」と回答した労働者は82.0%、企業は92.3%にのぼります。主な要因は、以下の通りです。

生産性低下の主な要因

● 対面での素早い情報交換ができない(38.5%)
● パソコンや通信回線などの設備が劣る(34.9%)
● 法令・社内ルールで自宅でできない仕事がある(33.1%)
● 法令・社内ルール以外で自宅からではできない仕事がある(32.5%)
デジタルツールを導入する際は、業務プロセスの見直しやインターネット環境整備、効果的なコミュニケーション手段の確保など、業務の質を下げない工夫が求められます。

コミュニケーションが低下する可能性がある

時間や場所にとらわれない働き方を実現すれば、従業員同士のコミュニケーションが低下する可能性があります。

ワークプレイスの構築にデジタルツールを用いる際は、コミュニケーション低下リスクを軽減する対策も検討しましょう。

コミュニケーション低下リスクを軽減する対策例

● 自社に合ったコミュニケーションツール(Web会議システムやチャットツールなど)を導入する
● 定期的にミーティングを実施する
● プロジェクト管理システムで業務の進捗や分担を可視化する

情報漏えいリスクがある

デジタル化には、セキュリティリスクが伴います。

サイバー攻撃によって情報漏えいが起きれば、経営に大きな影響を与えかねません。

情報漏洩の主なリスク

● 取引先から取引を停止される
● 社会的信用が低下する
● 損害賠償を請求される
デジタルツールを導入する際は、使用する際のルールを整備する、セキュリティ対策ツールを導入するなどの対策を実施しましょう。

ワークプレイスの取り組み事例

企業が実際に実施しているワークプレイスの取り組み事例をいくつか紹介します。

ワークプレイスの取り組み事例

● コミュニケーション活性化のためにフリーアドレスを導入した事例
● ワークライフバランス実現に向けてリモートワークを推進している事例
● 業務効率向上のために契約書類をペーパーレス化した事例

コミュニケーション活性化のためにフリーアドレスを導入した事例

ある企業では、多様な働き方に対応するために本社をリニューアルし、オフィス適正化を図りました。

新しいオフィスでは、コミュニケーション活性化を図る目的で、部署ごとに分けてフリーアドレスを導入しています。なお、フリーアドレスとは、オフィスなどで固定席を作らず、空いている席を自由に使って仕事をする働き方です。

この企業では、フリーアドレスの導入によって、目的にあわせて仕事をする場所を柔軟に使い分ける働き方を実現しました。

また、個室を減らしてオープンスペースを拡大する、カフェテリアを設置するなど、つながりを生む場を多く設け、接点の拡大を図っています。

ワークライフバランス実現に向けてリモートワークを推進している事例

ある企業では、ワークライフバランスを実現するためにリモートワークを推進し、出社しなくても効率的に業務を遂行できるようインフラやルールを整備しました。

実施した取り組み例

● 印鑑捺印の電子化
● ペーパーレス推進
また、この企業では、比較的リモートワークを導入しやすい事務・営業職だけでなく、生産部門でもリモートワークを推進しています。工場の監視・操作業務のリモートワーク化を進め、将来的にはひとつの拠点から複数の工場を監視できる体制を整える方針です。

業務効率向上のために契約書類をペーパーレス化した事例

膨大な契約書類の管理や探し出すのに手間がかかっていた企業が、契約書をPDF化した事例です。

この企業では、契約書を倉庫から取り寄せたり、段ボールから必要な書類を探したりするのに苦労していました。

契約書類をPDF化するシステムを導入することで、必要な書類をクラウド上で簡単に見つけられるようになり、大幅な業務効率向上を実現しています。

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自動化によるプロセスの最適化や管理体制の改善がもたらすのは、業務効率の向上だけではありません。ルーティンワークや非効率な作業に手を取られることがなくなれば、よりクリエイティブな活動に時間を充てられます。

多様なアイデアが生まれ、だれもが自分らしく自然体で働ける環境をつくるために。既存の枠組みにとらわれない働き方を実現し、あらゆる業務の煩雑さからの解放を目指します。

経営に関するお悩みは、ぜひ一度freeeにご相談ください。

まとめ

ワークプレイスは、単なるオフィスを指す言葉ではなく、仕事をするあらゆる空間や場所を働く場と捉える概念です。

新型コロナウイルス感染種の影響などによって働き方が変化するなか、ワークプレイスの意味や役割も拡大してきています。

ワークプレイスを構築すれば、業務効率やワークライフバランスの向上・人材確保・企業のイメージアップなどさまざまな効果が期待できます。

ライフスタイルや働き方の価値観が多様化するなか、企業が持続的に成長するには、最適なワークプレイスの構築が欠かせません。

目的を明確にし、自社に合った方法でワークプレイス構築に取り組みましょう。

よくある質問

ワークプレイスはなぜ求められている?

働き方や働く人の価値観が多様化するなか、一人ひとりが働きやすい環境を整えるためにワークプレイスの構築が求められています。

ワークプレイスが求められている理由を詳しく知りたい方は「企業にワークプレイスの構築が求められている理由」をご覧ください。

ワークプレイスを構築するメリットは?

企業がワークプレイスを構築するメリットは、以下の通りです。

企業がワークプレイスを構築するメリット

● 業務効率・生産性が向上する
● ワークライフバランスが向上する
● 人材確保・定着につながる
● 企業のイメージアップが図れる
企業がワークプレイスを整備するメリットを詳しく知りたい方は「ワークプレイスを構築するメリット」をご覧ください。

監修 安田亮(やすだ りょう) 公認会計士・税理士・1級FP技能士

1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

監修者 安田亮