引越しワンストップサービスとは、マイナンバーカードを活用し、転出届の提出や転入手続きの事前申請などをオンラインで行える仕組みです。2023年2月6日から全国の自治体で導入されており、引越し時の手続き負担を大きく軽減できるサービスとして注目されています。
本記事では、引越しワンストップサービスでできることや手続きの流れ、メリット・デメリットなどを網羅的に解説します。これから引越しを予定している人や、手続きを効率化したい人はぜひ参考にしてください。
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目次
- 引越しワンストップサービスとは
- 2023年2月から全国の自治体でサービス開始
- 引越しワンストップサービスの利用対象者
- 引越しワンストップサービスでできること
- 引越しワンストップサービスの手続きができる期間
- 引越しワンストップサービスのメリット
- 転出届のために役所へ行かずに済む
- 転入届の来庁予約をオンラインで進められる
- 24時間いつでも手続きを申請できる
- 民間サービスと連携できる
- 引越しワンストップサービスを利用するデメリット
- 転入先の役所には本人が来庁する必要がある
- マイナンバーカードの暗証番号入力ミスによるロックに注意する
- 自治体の処理状況によって完了まで時間がかかる
- 引越しワンストップサービスのやり方は?手続きの準備と流れ
- 事前に準備しておくこと
- 手続きの流れ
- まとめ
- よくある質問
引越しワンストップサービスとは
引越しワンストップサービスとは、マイナンバーカードを活用し、引越しに伴う行政手続きをオンラインで一括化できる仕組みです。デジタル庁が中心となって整備したサービスで、マイナポータルを通じて24時間どこからでも利用できます。
従来、引越し時には転出元の役所で転出届を提出し、転入先の役所で転入届を行う必要があり、平日の限られた時間に複数回の来庁が必要でした。また、書類記入の手間や長い待ち時間、手続き漏れによる再度の手続きといった負担も大きな課題となっていました。
2026年現在では、本サービスを利用すると、転出届はオンラインで完結できます。そのため、役所での滞在時間を短縮し、手続きの効率化を図れます。
ただし、本人確認が必要な転入届やマイナンバーカードの住所変更などは、最終的に窓口での対応が必要となるため、完全なオンライン化ではなく、オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド型の行政サービスである点が特徴です。
2023年2月から全国の自治体でサービス開始
引越しワンストップサービスは、2023年2月6日から全国の市区町村で一斉に開始されました。
原則として日本全国どの自治体間の引越しでも、マイナポータルを通じて転出手続きをオンラインで行うことが可能となっています。国主導のデジタル化施策として、住民基本台帳ネットワークと連携しながら整備されている点も特徴です。
なお、本サービスは開始前に一部自治体で実証実験や検証が行われており、その結果を踏まえて全国展開されています。
一方で、自治体ごとに以下のような違いがある点には注意が必要です。
- 対応している手続きの範囲
- 来庁予約の可否
- 窓口での処理フロー
利用前には転出元・転入先それぞれの自治体の対応状況を確認しておきましょう。
引越しワンストップサービスの利用対象者
引越しワンストップサービスは、一定の条件を満たす人が利用できます。
主な条件は以下のとおりです。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 利用対象者 | ・日本国内での引越し(市区町村間の転出・転入)である ・有効なマイナンバーカードを保有している ・署名用電子証明書が有効である(暗証番号を含む) |
| 本人以外に利用可能なケース | ・同一世帯の人がまとめて転居先へ移るとき ・同一世帯に含まれる本人以外の人の引越し |
利用には、スマートフォンまたはPCからマイナポータルにログインできる環境が必要です。とくにスマートフォンの場合は、NFCに対応した機種である必要があります。
一方で、以下のようなケースでは利用できない、または制限される場合があります。
- 代理人による手続き
- 海外転出・転入
- マイナンバーカード未保有者
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引越しワンストップサービスでできること
引越しワンストップサービスでは、主に住民異動に関する手続きをオンラインで効率化できます。
サービス利用者は、マイナポータルを通じて全国の市区町村でオンラインによる転出届の提出が可能です。また、転出先の市区町村に対して、役所への来庁予定日を通知する転入予約も行えます。
具体的には、以下のような手続きがマイナポータル経由で可能です。
引越しワンストップサービスでできること
- 転出届のオンライン提出(来庁不要)
- 転入・転居手続きの事前申請
- 転入先自治体への来庁予約
- 氏名・住所など基本情報の事前入力
- 申請内容のオンライン確認
転出元の市区町村は、住民からマイナポータルで転出届が提出されると、届け出の受理と同時に、転入先の市区町村へ転出情報を通知します。転入先の市区町村は通知された情報と、サービス利用者からのマイナポータルを通じた来庁予定(転入予約)から転入届を受け入れ準備を行います。
そのため、転出元の役所に行く必要がなくなり、転入時も事前情報が共有されるため、窓口での記入作業や待ち時間の削減が可能です。
ただし、以下の手続きは引き続き窓口対応が必要です。
- 転入届の最終提出
- マイナンバーカードの住所変更
- 本人確認を伴う各種手続き
本サービスは完全なオンライン化ではなく、手続きの一部をデジタル化することで負担を軽減する仕組みである点を理解しておきましょう。
引越しワンストップサービスの手続きができる期間
引越しワンストップサービスを利用できる期間は、主に以下が目安です。
引越しワンストップサービスの手続きができる期間
- 転出予定日の30日前から申請可能
- 転出後も一定期間(概ね14日以内)であれば申請可能
- 転入届は引越し後14日以内に提出が必要
ただし、上記はあくまで目安で、自治体や時期により細かい設定が異なる場合があります。
とくに転入届については、住民基本台帳法により「引越し後14日以内」の提出が義務付けられているため、オンライン申請を行った場合も同様に、期限内に窓口手続きを完了させる必要があります。
また、申請内容が自治体側に反映されるまでに一定の時間がかかるため、引越し直前ではなく、余裕をもって手続きを行いましょう。
繁忙期(3〜4月など)は窓口が混雑するため、早めの申請と来庁予約を組み合わせることで、よりスムーズに手続きを進められるでしょう。
引越しワンストップサービスのメリット
引越しワンストップサービスを利用することで、従来の煩雑な引越し手続きを効率化でき、時間的・心理的な負担を大きく軽減できます。とくに、行政手続きのデジタル化が進む中で、利便性の高さは年々向上しています。
転出届のために役所へ行かずに済む
転出届のために、役所へ行かずに済むのは大きなメリットです。
これまでの引越しでは、旧住所地の役所へ足を運んで転出届を提出し、転出証明書を受け取る必要がありました。引越しワンストップサービスを利用すれば、マイナポータルを通じてオンラインで転出届を提出できるため、役所への来庁が原則不要になります。
そのため、引越し準備で忙しい時期に、時間を割いて役所に赴いたり、移動時間・窓口での待ち時間を気にしたりする必要がなくなります。遠方への引越しであっても、わざわざ旧居のある自治体まで戻る手間がかからない点は大きな魅力です。
手続き漏れを防ぐうえでも、オンラインで申請状況を確認できる点が安心です。
転入届の来庁予約をオンラインで進められる
転入先の役所では対面での手続きが必須ですが、事前に来庁予定日をオンラインで登録できるのがメリットです。
マイナポータルを通じて事前に情報を送信しておくことで、役所側で受け入れの準備が整い、窓口での書類記入の手間を削減可能です。
当日窓口でゼロから申請書を作成するのと比べ、手続きにかかる時間そのものが短縮され、スムーズに完了します。自治体によっては来庁予約に合わせた専用窓口が設けられていることもあり、混雑回避にもつながります。
引越し後の慌ただしい中で、役所での滞在時間を最小限に抑えられるのは、実務上の大きな助けとなるでしょう。
とくに3月〜4月の引越しシーズンは役所が混雑しやすいため、進学・就職などで引越しの多いシーズンに待ち時間を削減できるのは大きなメリットとなります。
24時間いつでも手続きを申請できる
役所の窓口が開いている時間に縛られず、夜間や休日でも自分のタイミングで申請できる点も強みです。
スマートフォンのマイナポータルアプリを使えば、場所を選ばず隙間時間に手続きを開始可能。仕事が終わった後の夜や、家族が揃っている週末などを活用して、自宅にいながら入力を進められます。
役所の閉庁日であってもデータは送信できるため、引越し直前の急なスケジュール変更にも柔軟に対応できます。
デジタル化によって「役所の時間」に自分を合わせる必要がなくなり、引越しに伴うストレスが大きく軽減されるでしょう。
民間サービスと連携できる
引越しワンストップサービスを利用すると、マイナポータルに登録された新住所情報が、提携している民間企業に一括で連携されます。
具体的には、下記のような企業との連携が可能です。
- 電気・ガス・水道などの生活インフラ事業者
- 銀行・保険・クレジットカード会社などの金融機関
- 通信事業者 など
これにより、各社のWebサイトにログインして何度も同じ住所を入力する手間が省けます。
すべての民間企業が対応しているわけではありませんが、デジタル庁が民間事業者向けにAPI仕様書を提供するなど、対応拡大に向けた取り組みが進められています。
引越しワンストップサービスを利用するデメリット
引越しワンストップサービスは利便性の高い仕組みですが、すべての手続きがオンラインで完結するわけではなく、運用面での制約も存在します。事前にデメリットを理解しておくことで、手続きの遅延やトラブルを防げます。
転入先の役所には本人が来庁する必要がある
引越しワンストップサービスを利用することで、旧住所地の役所へ行く「転出届」の手続きは原則不要(完全オンライン化)となりましたが、新住所地の役所へ行く「転入届」の手続きについては、2026年4月現在も来庁が必須となっています。
転入届の受理以外にも、マイナンバーカードのICチップ情報の書き換えや、署名用電子証明書の再発行にも、対面での本人確認が義務付けられているため来庁が必要です。
また、マイナポータルで申請した直後に来庁しても、自治体間のデータ連携に時間がかかり、当日中に手続きができないケースもあります。必ずマイナポータルの「申請状況照会」のステータスが「完了」になったことを確認してから、引越し後14日以内に窓口へ行きましょう。
マイナンバーカードの暗証番号入力ミスによるロックに注意する
マイナンバーカードの暗証番号を複数回誤入力するとロックがかかり、解除するためには役所の窓口などで初期化手続きが必要です。その場合、当日の手続きが進められなくなり、再度来庁が必要になるなど手間が増える可能性があります。
また、転入先の窓口でもカードのデータ書き換え時に暗証番号の入力が求められるため、事前にすべての暗証番号を確認し、正確に入力できる状態にしておきましょう。
自治体の処理状況によって完了まで時間がかかる
マイナポータルで送信した申請データは、自治体の職員が内容を一件ずつ確認して受理するため、自治体の処理状況によっては完了まで時間がかかるケースもあります。
とくに引越しが集中する3月や4月の繁忙期は、役所の処理が追いつかず、データの受理までに数日を要するケースも少なくありません。
また、旧住所地での転出処理が完了しなければ、新住所地での転入手続きを開始できない仕組みになっている点にも注意が必要です。「今日申請して今日窓口に行く」といった急ぎの対応は難しいため、余裕をもったスケジュールで申請を行う必要があります。
マイナポータル上で申請ステータスが「完了」になったことを確認してから、来庁の予定を立てるのが確実です。
引越しワンストップサービスのやり方は?手続きの準備と流れ
引越しワンストップサービスは、マイナポータルを通じてオンラインで手続きを進めますが、事前準備や手順を理解しておかないと、途中でエラーや手続きのやり直しが発生する可能性があります。
ここでは、スムーズに進めるための準備と具体的な流れを解説します。
事前に準備しておくこと
オンライン申請をスムーズに進めるためには、物理的なツールと認証情報の両方を揃えておく必要があります。
とくに暗証番号は、申請時と窓口での書き換え時の両方で必要となるため、事前の確認が不可欠です。
事前に準備しておくこと
- マイナンバーカード
- 2種類の暗証番号:署名用(英数字6〜16桁)と利用者証明用(数字4桁)
- マイナポータルアプリをインストールしたスマホ
- カード読み取りに対応したNFC搭載端末
- 引越し先の正確な情報(アパート名・部屋番号含む)と引越し予定日
- 連絡先メールアドレス
上記が揃っていないと、途中で手続きが止まったり、役所の窓口で再設定の手間が発生したりします。スマートフォンのOSが最新であることも、読み取りエラーを防ぐための重要なポイントです。必要なものが揃っているか、スマホのOSが最新か確認してから役所へ向かいましょう。
手続きの流れ
手続きは、旧住所地への「転出申請」と、新住所地での「転入届」の2ステップで構成されています。
まずは引越し前にマイナポータルを通じてオンラインで申請を済ませ、自治体側の準備が整うのを待ちます。
1.【引越し前】マイナポータルで「転出」申請
・マイナポータルにログインし、新住所や来庁予定日などの必要事項を入力
・スマホでマイナンバーカードを読み取り、電子署名を付与して送信
・マイナポータル上の申請状況が「完了」になるのを待つ
2.【引越し後】新住所の役所窓口で「転入」手続き
・引越しから14日以内に、世帯全員分のカードを持って窓口へ
・対面での本人確認を経て、カード内情報の書き換えを行う
・暗証番号(数字4桁)を入力し、電子証明書を再発行して終了
窓口での手続きは一律の予約制ではありませんが、オンライン申請時に「来庁予定日」を伝えているため、一部の自治体で事前の受け入れ準備が行われます。
なお、自治体によっては来庁時間帯の指定や専用窓口の設置など、実質的に予約に近い運用を行っている場合もありますが、すべての自治体で予約制が導入されているわけではありません。
引越し後は速やかに役所へ足を運び、マイナンバーカードの情報を最新に更新することで、すべての引越し手続きが完了します。
まとめ
引越しワンストップサービスは、転出届のオンライン化や来庁予約によって、引越し手続きの負担を大きく軽減できる便利な仕組みです。
一方で、すべての手続きがオンラインで完結するわけではなく、転入時には窓口対応が必要である点や、事前準備が重要である点には注意しましょう。
とくに、マイナンバーカードの暗証番号や申請タイミングを誤ると、手続きの遅延につながる可能性があるため、余裕をもって進めることが大切です。
また、引越しに伴って従業員の住所変更が発生する企業のバックオフィス担当者にとっては、社会保険手続きや給与計算の更新も必要となります。freee人事労務を活用すれば、従業員の引越しに伴う各種更新作業も一元管理できるため、業務負担の軽減につながります。
業務効率化を進めたい方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
よくある質問
引越しワンストップサービスとは?
引越しワンストップサービスとは、マイナンバーカードを活用し、転出届の提出や転入手続きの事前申請・来庁予約をオンラインで行える仕組みです。
マイナポータルを通じて手続きを行うことで、従来必要だった転出元の役所への来庁が不要になります。一方で、転入届については本人確認が必要なため、最終的には窓口での手続きが必要です。
引越しワンストップサービスについて、詳細は「引越しワンストップサービスとは」をご覧ください。
引越しワンストップサービスでは何ができる?
引越しワンストップサービスでは、マイナポータルを通じたオンラインによる転出届・来庁予定の連絡(転入予約)ができます。手続きにはマイナンバーカードが必要です。
ただし、転入届や住所変更の最終処理は窓口で行う必要があり、完全オンラインではなく一部デジタル化された仕組みとなっています。
引越しワンストップサービスで、何ができるかについては「引越しワンストップサービスでできること」をご覧ください。
マイナンバーカードのみで利用できる?
マイナンバーカードに加えて、以下も必要になります。
- 電子証明書(署名用)が有効である
- 暗証番号(英数字6〜16桁)を把握している
- スマートフォンまたはPC環境がある
上記が揃っていない場合は利用できず、従来どおり窓口や郵送での手続きが必要になります。
引越しワンストップサービスのやり方については、「引越しワンストップサービスのやり方は?手続きの準備と流れ」をご覧ください。
対応している自治体は?
引越しワンストップサービスは、全国すべての市区町村で対応しています。
ただし、以下の点は自治体ごとに異なる場合があります。
- 来庁予約の有無
- 窓口対応の時間や方法
- 一部手続きの対応範囲
そのため、利用前には転出元・転入先の自治体の詳細を確認しましょう。詳しくは「2023年2月から全国の自治体でサービス開始」をご覧ください。
暗証番号を忘れた場合は?
マイナンバーカードの暗証番号を忘れた場合、オンラインでの手続きは利用できません。
暗証番号を忘れてしまった場合は、市区町村窓口で暗証番号の再設定を行いましょう。
なお、暗証番号は複数回誤入力するとロックされるため、無理に何度も試さずに、市区町村窓口で設定してもらいましょう。もし暗証番号を複数回間違えてロックされてしまった場合は、市区町村窓口で解除してもらう必要があります。
