監修 竹国 弘城 1級FP技能士・CFP
引越しワンストップサービスとは、政府主導で進められているマイナンバーカードを使ったオンラインによる引越し手続きです。
引越しの際の手続きは多岐にわたります。役所への転出届や転入届、子どもの転校手続き、電気やガスなどインフラ関係の解除と契約などです。そのため時間や手間がかかるうえ、手続きもれのリスクもあります。
新サービスにより、こうした現状が解消されると期待されます。本記事では、引越しワンストップサービスの概要やメリットなどをわかりやすく解説します。
▶︎ おすすめ記事:2024年問題とは?
2024年問題とは、働き方改革関連法により、物流・運送業界や建設業界、医療などが影響を受け、多くの課題が発生する問題です。詳しく解説した記事はこちら
目次
引越しワンストップサービスとは
引越しワンストップサービスとは、マイナンバーカードを利用して、オンラインで手続きを行える制度です。自治体での転出・転入の手続きや、電気・ガス・水道などライフラインの手続きも含め、引越しで必要になる手続き一括で行えます。
引越しにはさまざまな手続きが必要で、新しい住所などの情報を個別に届け出なければなりません。手続きにかかる手間や時間は大きく、また必要な手続きも人によって異なるため、手続きもれが生じやすいです。
政府主導で進められている引越しワンストップサービスは、行政と民間企業が互いに情報を共有し合い、引越しの際の負担や手続きもれリスクの軽減が期待されます。
2023年2月から全国の自治体でサービス開始
引越しワンストップサービスに関する実証実験が始まったのは2019年です。サービス実施に向けて検討すべき課題や留意点、実現するサービスの具体像を、国と民間が一体となって議論してきました。
2020年からはサービスの普及促進に向けて、民間事業者などの協力のもと、実サービス検証を開始しています。
2021年にはマイナカード取得者専用のポータルサイト「マイナポータル」を使ったオンラインによる転出・転入手続きの実務上の課題の把握と検討が、全国の協力自治体により行われています。
そして2023年2月6日より、全国すべての自治体にて、マイナポータルを使った転出届と転入予約が導入されました。さらに今後、民間の引越しポータルサイト経由で引越しに関わるすべての手続きが行えるよう、官民の連携によるサービス実施が予定されています。
引越しワンストップサービスの利用対象者
引越しワンストップサービスは、日本国内で引越しをする本人が対象です。
単身での引越しのほか、同一世帯の人(同じ住民票に記載される人)が同じ転居先へ移るときはまとめての手続きが可能です。また、同一世帯に含まれる本人以外の人、たとえば子どもの引越しでも利用できます。
項目 | 説明 |
利用対象者 | 日本国内で引越しをする本人 |
本人以外に利用可能なケース | ・同一世帯の人がまとめて転居先へ移るとき ・同一世帯に含まれる本人以外の人の引越し |
マイナンバーカード専用のポータルサイト、マイナポータルでの申請が必要なため、サービス利用には次の条件を満たすマイナンバーカードの保有が必要です。
引越しワンストップの利用に必要なマイナカードの条件
● マイナンバーカードの記載事項が最新情報である● 電子証明書が有効なマイナンバーカードを持っている
引越しワンストップサービスでできること
2023年2月から始まった引越しワンストップサービスでは、マイナポータルを経由した自治体に対する転出届と転入予約ができるようになりました。
引越しをする人、つまりサービス利用者は、マイナポータルを通じて全国の市区町村でオンラインによる転出届の提出が可能です。また、転出先の市区町村に対して、役所への来庁予定日を通知する転入予約も行えます。