会社設立の基礎知識

個人事業主と法人の違いは?10項目で比較したそれぞれの特徴と事業開始時の選び方

最終更新日:2021/08/25

監修 アトラス総合事務所

起業をするには、「個人事業主」「法人」どちらで事業を行うかを決定します。それぞれのメリット・デメリットを理解して、自身のビジネスプランに合った事業形態を選択することが大切です。

個人事業主・法人の違いは? それぞれのメリット・デメリットを解説

目次

個人事業主とは?

個人事業主とは、法人を設立せずに個人で事業を営んでいる人を指します。税務署に「開業届」を提出して事業開始の申請をすれば、個人事業主として独立したとみなされます。

似た言葉で「フリーランス」がありますが、開業届を提出せずに個人として独立して仕事を請け負う働き方の人をフリーランスと呼びます。税務上では個人事業主と同じくくりです。

法人とは?

法人とは「法律によって人と同じ権利や義務を認められた組織」のことをいいます。

会社をはじめとするビジネスで得た利益を特定の構成員(社員や株主等)に分配することを目的とした法人は営利団体と呼ばれ、株式会社や合同会社がこれにあたります。

会社の種類について詳しく知りたい方はこちら

個人事業主と法人の違い

個人事業主と法人の違いをまとめました。


個人事業主 法人
事業開始までの手続き 開業届を提出
青色申告を希望する人は「青色申告承認申請書」も提出
法人登記
会社設立に必要な書類や会社印の用意が必要
事業開始までにかかる費用 0円 法定費用+資本金

株式会社:約25万円〜
合同会社:約10万円〜
事業の廃止 届出を出す 解散登記・公告等が必要
(数万円かかる)
税金 所得税
個人住民税
消費税
個人事業税

所得税はもうかるほど税率が高く控除が少なくなる
法人税
法人住民税
法人事業税
消費税 など

法人税は所得税よりも税率が穏やか。赤字でも法人住民税がかかる
経費 事業にかかる費用は基本的に計上できる

自分への給与や生命保険料は経費にできない(後述)
事業にかかる費用の他にも自分の給与や退職金も経費として計上できる

経費に認められる範囲が広く柔軟
赤字の繰越 3年
(青色申告の場合)
10年
社会的信頼度 法人に比べて低い
事業を行う上での支障は特にない
高い
新規の契約や融資にも有利
会計・経理 個人の確定申告 法人決算書・申告
(税理士が必要なことが多い)
生命保険 所得控除 全額経費
又は
2分の1経費など
社会保険
(従業員分含む)
事業者負担分なし
(5人未満の場合)
会社負担分あり

項目別に詳しくみていきましょう。

(1)事業開始までの手続き・費用

個人事業主になるための手続きは、税務署に開業届を提出するだけで完了します。個人事業主の場合、法定費用は発生しないため、事業にかかる費用のみで開業することができます。

確定申告を青色申告にしたい方はこのときに青色申告承認申請書も一緒に提出しましょう。青色申告承認申請書を提出しないと自動的にいわゆる白色申告となり、青色申告特別控除などは受けられません。

法人の場合は設立する会社形態に応じて登記にかかる費用(法定費用)が変わりますが、最低でも株式会社は約25万円、合同会社は約10万円以上が必要となります。また、会社印の購入や社会保険への加入も必須です。

ほかにも、法人では資本金が必要になります。2006年の新会社法施行以降、法律上は1円以上で会社設立が可能ですが、資本金は「会社の体力」とも呼ばれ、会社の信用度もこれに比例します。一般的には、「会社設立から3ヶ月間利益がまったくなくても事業が続けられる金額」を目安にします。

費用以外にも、会社設立をするためには提出しなければいけない書類が多くあり、提出先も複数にわたるため煩雑化します。以上を踏まえて、会社設立が完了するまでには早くとも2週間前後かかると見込んでおきましょう。

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(2)税金

上述のとおり、個人事業主と法人では課せられる税金が異なります。

個人事業主 法人
所得税 法人税
個人住民税 法人住民税
消費税 消費税
個人事業税 法人事業税

所得税にかかる「もうけ」とは、1月1日から12月31日までの売上げの合計額(総収入金額)から、必要経費や所得控除を引いた金額を指します(法人の決算月は任意ですが、もうけの計算はおおむね個人と同様です。)。

所得税は累進課税となっており、もうけが大きくなるほど税率も高くなります。反対に控除は少なくなり、法人に比べて必要経費として認められる幅も狭いです。高収入の場合、もうけの約半分が税金として徴収されてしまう場合もあります。

法人税は、資本金や所得によって税率が異なりますが、所得税に比べて税率が緩やかで最大税率も23.2%です。

例えば資本金1億円以下・所得800万円の法人に課せられる法人税は15%ですが、個人事業主の所得が800万円の場合、所得税は23%となり、控除分を差し引いても個人の税額のほうが高くなります。

ただ、個人事業主であれば赤字経営となってしまった場合は所得税や住民税の負担はありません。一方、法人に課される法人住民税は、資本金などをもとにした均等割部分がたとえ赤字であっても発生します。

税金や税率について詳しく知りたい方はこちら

(3)経費の範囲

個人事業主も法人も、事業にかかった費用は基本すべて経費として計上することができます。

個人事業主で自宅を事務所と兼用している場合、家賃や水道光熱費などはプライベートで使用した分と事業で使用した分の線引きが曖昧になるため、「家事按分」をして事業にかかった費用を算出する必要があります。

家事按分をする経費の具体例

  • 地代・家賃
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 自動車関連の費用
    ・自動車本体代
    ・ガソリン代
    ・駐車場代
    ・保険代 など

※按分の仕方は項目によって異なります。

打ち合わせの際の飲食代や新年会・忘年会等の会食代も経費として認められます。仕事関連でお付き合いしている方の冠婚葬祭に支払った慶弔費なども含まれます。法人と違い、経費として認められる交際費の限度額はありませんが、プライベートとの線引きが難しい経費のため、額が大きいと税務調査の対象になることがあります。

法人では、個人事業主が計上できる経費に加え、給与や賞与などの費用も経費として計上することができます。

個人事業主は売上から経費を差し引いた分が事業所得となり、「給与」という概念がありません。そのため、自身に入る収入を経費として計上することはできません。法人の場合は給与所得となるため、自身に支払った給与も利益から控除する経費として計上ができます。

賞与や退職金も経費として計上ができるため、かなりの節税になります。

また、個人事業主の生命保険料が所得控除として所得額から引かれることはありますが、経費として認められているわけではなく、また12万円という上限もあります。一方、法人が契約者となる生命保険は、種類や契約内容によって全額経費として計上できます。

(4)社会的信用度

個人事業主として事業を行う上で大きな問題はありませんが、法人に比べると社会的信用度が低いといえます。なかには個人事業主との取引を避ける企業もあるようです。

法人は会社法などの法律に基づいてより厳格に運営されるので社会的信用が高いとされ、銀行でのプロパー融資においても財務面の透明性の観点から審査に通りやすい傾向にあります。

人材採用においても、法人の方が社会保険や就業規則におけるメリットを提示でき、より優秀な人材が集まりやすいといえます。

それぞれのメリット・デメリットまとめ

個人事業主のメリット・デメリット

メリット
  • 開業手続きが簡単
  • 初期費用がかからず、すぐに事業を開始できる
  • 一定の所得までは、個人事業主の方が税額が低い

デメリット
  • 社会的信頼度は法人に比べると低い
  • 経費にできる範囲が狭い
  • もうけが増えるほど、所得税の税率が上がる

法人のメリット・デメリット

メリット
  • 社会的信頼度が高い
  • 経費にできる範囲が広く柔軟
  • 一定の所得を超えたら、所得税よりも節税になる

デメリット
  • 事業開始までの手続きが多く、費用もかかる
  • 赤字でも税金の支払いがある
  • 経理・人事管理が煩雑

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個人事業主と法人、選択するときの考え方

1.見込み取引先の条件で決める

事業を開始するとき、すでに見込み取引先がある場合、営業や販売代理店として事業を行うならば、取引や契約条件を確認してから個人事業か法人か決めるのをおすすめします。

取引先によっては、法人としか契約を結べないというおそれもありますから、下調べをしておきましょう。

  • 個人事業主との取引可→個人事業主・会社設立どちらでもOK
  • 法人取引のみ→会社設立

2.資金調達の方法で決める

開業資金の調達方法による検討も重要です。金融機関から融資を受けようとする場合、個人事業でも融資可能かを確認しておきましょう。日本政策金融公庫の一般貸付は、個人でも会社でも融資限度額は同じです。

また、事業の立ち上げに協力してくれる人がいる場合は、出資のかたちがとれる会社設立を検討すべきかもしれません。

  • 個人で金融機関から融資可能→個人事業主
  • 出資で資金調達→会社設立

3.スタートから従業員を雇用するかどうかで決める

事業内容によっては、スタート時から従業員を雇用する場合があります。給与を経費に計上することを念頭に、どちらの方が利益が高くなるかを考えましょう。

  • 事業開始直後は家族が従業員として在籍→個人事業で青色申告
  • 事業開始直後から複数従業員を雇用→会社設立し、給与を経費計上

取引先の見込みがある方や自己資金の心配が少ない方には、早期のビジネス拡大を目指して、会社を設立し法人として事業をスタートさせることをおすすめします。

逆に、資金に不安が多いのであれば、小規模スタートして徐々に事業拡大をするなど、自分自身の適性も考慮に入れて多角的な判断をしましょう。

個人事業主と法人、どちらで事業を始めるかを考えるとき、手続きや税金、控除といった手間や数字だけではなく、どのように事業を運営していくかも重要です。

個人事業主から法人化を検討している方はこちら

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