会社設立の基礎知識

【合同会社】合同会社の特徴やメリット、向いている業種とは?

最終更新日:2021/08/30

監修 アトラス総合事務所

【合同会社】合同会社の特徴やメリット、向いている業種とは?

合同会社は株式会社に比べて設立費用が安く、登記までのステップも少ないのではじめて会社を設立する方におすすめの会社形態です。

合同会社から株式会社、株式会社から合同会社へ形態を変更することもでき、近年では大手外資のAppleやGoogleの日本法人でも合同会社の形態をとっています。

この記事では合同会社の基礎知識や、設立する際のメリット・デメリットについて、株式会社などとの比較も交えながら解説します。会社設立を検討中の方はぜひご参考ください。

動画では3分で理解できます、ぜひ併せてご覧ください。

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目次

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合同会社とは?

合同会社とは、2006年5月1日施行の会社法により新しく設けられた会社形態で、アメリカのLLC(Limited Liability Company)をモデルとして導入されました。アメリカでは、株式会社と同じくらい普及している会社形態です。

日本では比較的新しいとされている会社形態ですが、2019年に設立された法人の総数118,532社のうち、合同会社は30,566社と全体の約1/4を占めており徐々に認知度が高まってきています。

法人設立総数 合同会社設立総数
2019年 118,532社 30,566社
2018年 116,208社 29,076社
2017年 118,811社 27,270社
2016年 114,343社 23,787社
2015年 111,238社 22,223社

参考:e-Stat 「登記統計 商業・法人 年次 2019年

合同会社の役職

株式会社では、出資者である株主と経営を執り行う取締役の役割は切り離されており(株主と取締役が兼任するケースもあります)、これを「所有と経営の分離」といいます。

一方、合同会社は「出資者=会社の経営者」であり、出資したすべての社員に会社の決定権があります。法律上、出資者兼役員のことを「社員」と呼びますが、一般的な「従業員」とは異なる意味を持ちます。

合同会社の役職ごとに詳しくみていきましょう。

代表社員

合同会社では出資者である社員全員に業務執行権と代表権があるため、複数の社員がいる場合はそれぞれが会社の代表権を行使できる状態となります。

代表者が1名に定まっていない状況下では取引先の混乱を招く恐れがあり、社員間での意志疎通が難しくなります。また、個々の社員が勝手に契約を締結することも懸念されます。

そういった事態を避けるために、合同会社では社員を代表して代表権を行使できる代表社員を定款で定めることができます。合同会社の代表社員は、株式会社の代表取締役社長と同様の立場です。

代表社員は1名だけでなく、複数名選出することが可能です。

代表社員を複数名選出するケース

合同会社の複数代表制は、社員同士が公平な立場で意思決定できることがメリットです。

各出資者の経営能力が高かったり、ノウハウを持っていたりする場合に複数代表制が採用されやすいほか、スピーディーな意志決定のため事業領域や業務区分ごとに代表権を分けるケースもあります。

ほかにも海外在住者が会社設立するケースや海外にも拠点を設けるケースでは、日本国内で契約や調印がスムーズに行えるように、海外と国内で1人ずつ、代表社員を置く場合もあります。

代表社員を1名にするケース

複数代表制のデメリットとして、代表社員の意見が分かれたときに意思決定に時間がかかることに加え、それぞれが対外的に代表社員と名乗ることで混乱を招きうることが挙げられます。

代表印としてそれぞれが印鑑を届け出ているケースでは、お互いの知らない間に契約が締結されることもありえます。そのため、基本的には会社設立の中心になる人物1名を代表社員にしたほうがよいでしょう。

業務執行社員

出資者の中には、経営に参加したくない人や、経営能力のある他の社員に任せたいと考える人もいるでしょう。2名以上の社員がいる場合、定款に定めることで、経営に参加する人だけに業務執行社員の権限を与えることができます。

定款で定めることで、業務執行権があるのは業務執行社員だけになりますが、業務執行社員以外の社員も業務の遂行状態や財産の調査・監視を行う権限は有しています。業務執行社員は複数の人数を定めることができます。

合同会社の業務執行社員は株式会社の取締役に相当する立場です。

業務執行社員と代表社員の位置づけ

代表社員と業務執行社員は、代表権の有無で異なります。

業務執行社員が1名のみの場合は、その1名が代表社員です。業務執行社員が2名以上いるケースでは業務執行社員の中から代表社員を選出します。


代表社員と業務執行社員の位置付け

業務執行社員が定められている場合は、その中からのみ代表社員を選ぶことができます。また、社員が複数名いて業務執行社員が定められていない場合は、代表社員を選出するとその他の人が業務執行社員となります。


社員が複数名いて業務執行社員を定めていない場合

社員全員が同じ立場で経営を行っていると、会社運営がスムーズにいかないこともあるので、責任と権限を明確にし、業務を円滑に進めるために業務執行社員や代表社員を決めておくとよいでしょう。

代表社員 業務執行社員 社員
株式会社で言うと? 代表取締役 取締役 株主
代表権 あり なし なし
業務執行権 なし
(代表権を行使)
あり なし
登記 必要 必要 不要
業務遂行状態や財務状況の監視 可能 可能 可能

法人は合同会社の代表社員や業務執行社員になれる?

法人を合同会社の代表社員や業務執行社員にすることは可能です。

その場合は実際に業務の執行にあたる職務執行者の選出と登記が必要になります。これは職務執行者を明確にし、責任の所在を明らかにすることで取引先の保護を図ることが目的です。

職務執行者に特別な資格はなく、法人の役員や従業員のほか第三者を選任することもできます。また、職務執行者は1名に限らず複数選ぶことも可能です。

例:B株式会社がA合同会社の業務執行社員になった場合

B株式会社は実際にA合同会社で業務にあたる「職務執行社員」を社内外で選出する。


法人が合同会社の業務執行社員になる場合

複数の職務執行者を置く場合、意見が分かれて経営が停滞することが懸念されますので、職務執行者の間で意見が異なるときの取り扱いについて、定款で定めておいた方が良いでしょう。

代表社員や業務執行社員となる法人が株式会社の場合は、職務執行者の選出を取締役会で決定します。取締役会が設置されていない場合は株主総会を開催し、議事録も記載する必要があります。法人が合同会社などの持分会社の場合は、社員の過半数の一致が必要です。

法人が代表社員を務める場合に必要な書類や手続きは?

法人が代表社員になる場合には以下の書類が必要となります。

  • 登記事項証明書
  • 職務執行者の選任に関する書面
    代表社員になる法人が株式会社の場合:取締役会議事録あるいは株主総会議事録
    代表社員になる法人が合同会社の場合:社員を選任したことを証明する書面
  • 職務執行者の就任承諾書

職務執行者の交代を行う場合には、職務執行者の退任による空白期間を防ぐために、新たな職務執行者の就任の登記と同時でなければ、退任の登記ができないことになっています。

また、代表社員や業務執行社員が法人の場合の役員報酬の支払いは、代表社員である法人に支払う方法も、直接職務執行者に支払う方法も認められています。法人に対して役員報酬を支払うケースでは、所得税の源泉徴収は不要です。

合同会社を設立するメリット

設立費用・ランニングコストが安い

合同会社を設立する際に必要となる法定費用を株式会社と比較してみてみましょう。

項目 合同会社 株式会社
定款用収入印紙代
(電子定款では不要)
40,000円 40,000円
定款の謄本手数料 0円 約2,000円
(250円 / 1ページ)
定款の認証料
(証人に支払う手数料)
なし 50,000円
登録免許税 60,000円
または
資本金額×0.7%
のうち高いほう
150,000円
または
資本金額×0.7%
のうち高いほう
合計 約100,000円〜 約250,000円〜

株式会社の場合は公証役場による定款の認証が必要となりますが、合同会社では不要となり、定款認証の手数料50,000円を削ることができます。この定款を紙ではなく電子定款で作成すると、収入印紙代40,000円も不要となり、初期費用を大幅に抑えることができます。

また、合同会社の場合は決算公告義務がないので官報掲載費(60,000)円も不要です。

ほかにも、株式会社では2年間と決まっている役員の任期が、合同会社では任期を設ける必要がなく、役員の任期が終了する度に発生する重任登記にかかる費用(10,000円)もかかりません(資本金1億円以上の会社の場合は30,000円必要となります)。

法人の節税メリットを受けられる

合同会社は法人なので、経費として認められる範囲が個人事業主よりも広がります。

たとえば自宅を事務所にしている場合、個人事業主は仕事場に使用している範囲でしか家賃を経費として認められませんが、合同会社(法人)の場合は自宅兼事務所の家賃は全額経費として認められます。

また、個人事業主の所得税が累進課税なのに対し、法人税は所得が800万円以下なら22%、800万円以上なら30%と一定税率(資本金が1億円以上の場合は一律30%)となります。また、設立から2年間、消費税納税免除(※)を受けられる点も株式会社と共通しています。

資本金1,000万円以下且つ、特定期間の課税売上高が1,000万円以下、もしくは特定期間の給与等支払額の合計額が1,000万円以下の場合に適用される

引用:国税庁「特定期間の判定

経営の自由度が高い

合同会社は一人でも会社の設立できますが、出資比率に関係なく利益配分が可能で経営の自由度が高いこともメリットの一つです。そのため、優秀な社員の利益配分比率を高く設定することも可能です。

株式会社の場合は、必ず出資比率に応じて利益を配分する必要があります。つまり、出資金が多い人が多く利益を受け取り、出資金が少ない人は取り分が少なくなります。しかし、合同会社では出資比率に関係なく、社員間で自由に利益の配分を行うことができます。

会社に貢献した人に利益配分をしたいと考える場合、株式会社だと出資額といった制約に縛られてしまいますが、合同会社であれば利益の配分が自由にできるため、貢献度に合わせた利益配分ができます。

また、定款による組織の設計も自由に規定できます。

意思決定のスピード感が早い

株式会社では、方針や重要な事項を決定するために株主総会を開催しなければなりませんが、合同会社では所有と経営は一致しており、出資者(社員)=経営者であるため、株主総会を開催する必要がなく、迅速な意思決定が可能になります。

出資者全員が有限責任社員である

合同会社は無限責任が生じる合名会社や合資会社とは異なり、株式会社と同様の「間接有限責任」です。有限責任とは、会社に負債がある場合でも、出資者は出資額以上の責任を負う必要がないことを意味しています。

出資者全員が有限責任社員であり、出資者が連帯して支払義務を負う「無限責任」よりも、有限責任の方がリスクが少ないのです。

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合同会社を設立するデメリット

事業や成長戦略によっては、株式会社のほうがフィットする場合もあります。合同会社を設立する場合は、これらのデメリットも把握しておきましょう。

株式会社に比べて知名度が低いため信頼性はやや劣る

合同会社は決算公告の義務がなく、小規模で閉鎖的な会社形態が中心なので、株式会社に比べて信頼性が低く、認知度も劣っているのが現状です。

取引先によっては株式会社でないと契約してもらえなかったり、採用時に良い人材を確保することが難しいことも考えられます。

ただし、最近だと「アップル」や「グーグル」、「アマゾンジャパン」、「ユー・エス・ジェイ」、「ワーナー ブラザース ジャパン」などの大手有名企業も合同会社という会社形態を選択していることもあるため、日本でも徐々に認知度が上昇していると言えます。

資金調達の方法が限られる

株式会社の場合は株式の増資による資金調達が可能ですが、合同会社には株式という概念がないため、国や自治体の補助金・助成金や借入(融資)が中心となり、資金調達の範囲が大きく限定されます。

また、合同会社は社債を発行することが可能ですが、社債は株式とは異なり、企業にとっては負債の扱いになります。債権者に弁済する必要がある点にも留意しなければいけません。社債を発行する場合には、償還のための積み立ても行う必要があります。

社員同士が対立する可能性がある

合同会社は、出資比率に関係なく一人一票の議決権を持って意思決定を行う「人に重きを置く組織体」ため、出資者である社員同士で意見の対立が起こると経営や業務に大きな影響を与える可能性があります。

代表社員の継承、事業継承、出資者の権利譲渡については社員全員の同意が必要であり、経営に関する事項では社員の過半数、業務執行社員を選出している場合には業務執行社員の過半数の同意が必要です。

また、利益配分が自由であるために社員同士が対立する可能性もあります。利益配分を巡る社員同士の対立を防ぐためにも、定款に「出資額に準じた利益配分」等の記載をしておくとよいでしょう。

上場できない

株式会社は上場して更なる事業拡大を目指すことができますが、合同会社の場合は上場できません。将来は上場を考えているのであれば株式会社を選んでおくことをおすすめします。

合同会社設立に向いている業種

合同会社はどんな業種に向いているのかをご紹介します。

小規模のスタートアップ

合同会社は、迅速な意思決定や利益分配などが自由に行えることからスタートアップには最適でしょう。社員数が数人の小規模な会社なら、合同会社の恩恵は大きくなります。

年商1,000万円以下のスタートアップ

個人事業主から法人化する場合にも、低コストで設立できる合同会社はおすすめです。消費税の納税義務が発生する年商1,000万円以上になるときに法人化することで、2年間の消費税納税免除を活用でき、節税効果を得られます。

カフェやサロン、ITなど一般消費者向けサービス

前項でも説明したように合同会社は株式会社に比べて知名度が低いという欠点があります。そのため、社会的な信頼度という意味では株式会社に劣っているのが現状です。

しかし、BtoCのビジネスでは顧客が会社形態を考慮していないケースが多く、これらのデメリットはほとんど関係ありません。そのため、サービス名を前面に押し出すITサービスはもちろん、カフェやサロン、学習塾やペットショップなどは、合同会社で設立するメリットが大きい業種といえるでしょう。

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合同会社から株式会社に組織変更も可能

合同会社として設立した会社を、株式や会社の信用度、組織拡大などさまざまな理由で株式会社に変更するケースも少なくはありません。

会社形態の変更にかかる手続きと費用、期間

組織変更をする際は以下の手続きが必要になります。

組織変更に必要な手続き

  1. 組織変更計画書を作成、社員全員の同意を得る
  2. 組織変更の公告を行う
  3. 株式会社の設立登記
  4. 組織変更の登記申請
  5. 税務署、市区町村、年金事務所等に変更の旨の届出書を提出

同時に必要となる費用は以下のとおりです。

  • 官報への広告掲載費:約30,000円(掲載する発行部数や会社概要によって異なります。)
  • 登録免許税:合同会社解散 30,000円、株式会社設立 30,000円または資本金額の1000分の1.5のどちらか大きい金額

合同会社から株式会社に変更する場合、債権者保護の手続きなどが必要になり、最低でも1ヶ月ほどの期間を要します。

また、会社形態の変更について、債権者が一人でも異議を申し立てると、株式会社へ変更することはできませんので注意が必要です。

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