会社設立の基礎知識

企業ロゴは何を表す?事例とともに作成方法や注意点を解説

監修 安田亮 安田亮公認会計士・税理士事務所

企業ロゴは何を表す?事例とともに作成方法や注意点を解説

起業にあたっては、「どんな企業ロゴにするか」も検討すべき重要な事項です。

企業ロゴには、企業の理念や文化などを表現する役割があります。企業のコーポレートサイトや名刺など、さまざまな場面で掲示される企業の「顔」ともいえる存在であり、消費者や顧客に企業を想起させる重要なビジュアル要素です。事業活動をスタートする前に、デザインのポイントや作成時の注意点を押さえて企業のシンボルとなるロゴを制作しましょう。

本記事では、企業ロゴを作るときのポイントや有名企業のロゴ例、企業ロゴ作成時の注意点を解説します。

目次

企業ロゴはコーポレートアイデンティティを表す

企業ロゴは、コーポレートアイデンティティを表す重要な要素のひとつです。コーポレートアイデンティティとは、企業の理念やビジョン・価値観・文化・事業内容などの「自社らしさ」を指します。

企業ロゴは、自社らしさを視覚的に表現するシンボルであり、いわば企業の「顔」といえる存在です。自社ブランディングにおいても重要な役割を持ち、見る人に企業の印象を一瞬で伝える役割を担っています。

企業ロゴを構成する要素は大きく分けて2つあります。アイコンマークでシンボルなどを表す「ロゴマーク(シンボルマーク)」と、企業名をユニークなフォントなどでデザイン化した「ロゴタイプ(ワードマーク)」です。どちらか一方で構成される企業ロゴもあれば、ロゴマークとロゴタイプを組み合わせた「コンビネーションロゴ」を採用する企業もあります。

企業ロゴは、ユーザーとのあらゆるタッチポイントに展開され、消費者や顧客に対するブランド認知の核となります。代表的な使用例は以下の通りです。

企業ロゴの使用例

  • Webサイト(コーポレートサイト)
  • SNSアカウント
  • 名刺、封筒、レターヘッド
  • パンフレット、会社案内、プレゼン資料
  • 帳票類(見積書・請求書など)
  • 看板、店舗外観、広告、プロモーションツール
  • 従業員の制服、作業着

企業ロゴを作るときの5つのポイント

企業ロゴは、企業のコーポレートアイデンティティを表現する重要なシンボルです。ブランディングにも影響を及ぼすため、デザインする際には以下のポイントを考慮しましょう。

ロゴを作るときの5つのポイント

  • シンプルなデザインにする
  • 記憶に残りやすいデザインを意識する
  • デザインに意味をもたせる
  • 長期間使用できるデザインにする
  • さまざまなシーンでの使用を想定する

それぞれ詳しく解説します。

シンプルなデザインにする

企業ロゴは、一目で認識できるシンプルさが求められます。複雑すぎると情報が伝わりにくく、視認性や記憶への定着性が下がってしまいます。

特に、ロゴタイプを用いるのであれば、漢字・ひらがな・ローマ字のどれを使うか、つづりのわかりやすさ、大文字・小文字の使い方など、細部まで丁寧に設計しましょう。シンプルながらも視認性・可読性・個性のバランスが取れたデザインが理想です。

記憶に残りやすいデザインを意識する

ロゴは一度見ただけで企業を思い出してもらえるような、記憶に残りやすいデザインを目指しましょう。

そのためには、独自性のあるフォントや印象的な配色、ユニークな形状などが効果的です。ただし、奇抜さばかりを追求すると、その印象がそのまま企業の印象へとつながってしまいます。ユニークさに「らしさ」を残すよう、バランスを大切にしましょう。

デザインに意味をもたせる

企業ロゴは単なる装飾ではなく、企業理念やストーリー、顧客へのメッセージを込めることで、ブランドとしての深みを感じさせるデザインに仕上がります。

たとえば、企業の成長や価値観、社会的なミッションを象徴するモチーフや配色を取り入れると、より共感されやすいロゴになります。企業ロゴで何を伝えたいかを明確にし、そのメッセージをデザインに落とし込んでいくフローが重要です。

長期間使用できるデザインにする

企業ロゴは、企業の「顔」として長く使用するものです。トレンドに流されすぎない普遍的なデザインを心がけましょう。文化や時代の変化にも左右されにくく、将来的なリブランディングにも耐えられるような設計がベターです。

さまざまなシーンでの使用を想定する

企業ロゴは、Webサイト・名刺・看板・帳票・封筒・SNSのアイコンなど、デジタル・紙媒体問わずあらゆる場面で使用されます。

そのため、どんな背景色でも視認性を保てる配色や、縮小しても潰れないシンプルな形状にしましょう。最近では、SNSやアプリアイコンでの使用も想定し、正方形や円形での収まりのよさを意識した企業ロゴも見られます。

有名企業のロゴ例

ここからは、有名企業のロゴ例を紹介します。どのような企業理念やストーリーが表現されているかを見ていきましょう。

【例①】トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車株式会社
出典:トヨタ自動車株式会社(TOYOTA MOTOR CORPORATION)「トヨタマーク」

トヨタ自動車株式会社のシンボルマークは、3つの楕円を左右対称に組み合わせたものです。

内側の縦と横の小さな楕円は、ユーザーとメーカーであるトヨタの心を表し、外側の楕円はその2つの心をつなぐ世界を表現しています。ロゴタイプはシンプルなサンセリフ体の欧文で、赤を使うことで情熱や行動的な姿勢を表しています。

【例②】株式会社資生堂

株式会社資生堂
出典:株式会社 資生堂 Shiseido Company, Limited「歴史 | 企業情報」

株式会社資生堂の会社名は、中国の古典である四書五経のひとつ『易経』の中の一節「至哉坤元 万物資生」(大地の徳は、なんと素晴らしいものであろうか。全てのものはここから生まれる)が由来となっています。

花椿のマークは、初代社長の福原信三氏が自らデザインしたものが変遷してできたものです。「S」のデザインが特徴的な現在の欧文ロゴタイプは、1928年に確立されたものです。

【例③】ミツカン(株式会社 Mizkan Holdings)

ミツカン(株式会社 Mizkan Holdings)
出典:株式会社 Mizkan「四代 中埜又左衛門 | ミツカンについて」

ミツカンは、創業1804年の老舗企業です。「三」の下についている小さな「○」は「天下一円にあまねし」(世の中に広く行き渡る)という易学上の理念を表しており、 1887年(明治20年)に商標登録されています。

欧文のロゴタイプは、“mi”がローマン体、“zkan”がサンセリフ体の文字を使っているのが特徴です。“mi”だけ書体が違うのは、「未来」「魅力」「味」「水」などミツカンの商品と関わりの深い、「み」という文字を際立たせる意図があるといわれています。

また、綴りは視認性を高めるために“mitsukan”ではなく “mizkan”としており、真ん中の“z”はZymurgy (醸造学)を表しています。

ロゴのメインで使っている緑は「自然・安全・新鮮・おいしさ」などを、橙色は「健康・元気・温かさ」を表す色です。

【例④】LEGO

LEGO
出典:LEGO.com US「The beginning of the LEGO Group | LEGO® History History」

デンマークのおもちゃメーカーのLEGOは、デンマーク語の“LEG GODT”(よく遊べ)から来たといわれています。「LEGO」という名前は、1936 年から正式に使用されるようになりました。「LEGO」には、高品質の玩具で何年も遊べるように、という願いが表現されています。

情熱や行動力を表す赤い背景に白抜きのロゴタイプが特徴的です。

【例⑤】アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)

アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)
出典:アフラック生命保険株式会社「新たなブランドマークとブランドプロミス」

アフラックの正式な会社名は「American Family Life Assurance Company of Columbus」で、頭文字をとってAflacが略称となっています。現在のブランドロゴは、2005年4月1日から採用されており、社名とコーポレートキャラクターの「アフラックダック」を組み合わせたデザインが特徴的です。

ブランドプロミスである「『生きる』を創る。」という言葉が記載されており、お客様の充実した人生を創る「生きるための保険」のリーディングカンパニーとしての強い意志が込められています。

企業ロゴ作成時の注意点

企業ロゴの作成にあたっては、以下の2つの注意点があります。

著作権の所在を入念に確認する

企業ロゴの作成を依頼する場合は、著作権を譲渡してもらえるよう契約を取り交わしましょう。

ロゴの制作会社が著作権をもっている状態では、企業ロゴを自由に使用できない可能性があります。ロゴ使用時に著作者の許可が必要になったり、使用料の支払いを求められたりする可能性があるので、依頼時に著作権の所在を確認しておきましょう。

似たデザインがないかを確認する

作成したロゴが商標登録されているデザインと類似していると、商標権侵害になる可能性があります。商標権とは、商品やサービスの目印である商標を独占できる権利のことです。トラブルを防ぐためにも、似たデザインがないか事前の確認が必要です。

ロゴに既存のフォントを使用する場合は、フォントの提供元の規約もチェックしておきましょう。また、他社に似たデザインのロゴを作成されないように、自社のロゴを商標登録して保護しましょう。

企業ロゴの作成手順

企業ロゴの制作そのものにかかる期間は、ロゴデザインや作成方法によって異なるものの、平均2~3週間と見込んでおきましょう。ただし、制作に入る前にロゴに込めるメッセージやターゲットなどを決める必要があるため、目標とする完成日から逆算して制作前の準備期間も含めたスケジュールを組みましょう。

①企業ロゴに込めるメッセージを決める

まずは、企業ロゴにどのようなメッセージを込めるかを決めましょう。

メッセージを決めるときには、「経営層や社員がどのような想いで働いているのか」「顧客にどのようなメッセージを届けたいのか」を従業員にヒアリングするなどしながら、ブランドアイデンティティを明確にしましょう。企業のMVV(Mission, Vision, Value)なども反映できるよう、整理しておきます。

②ターゲットを明確にする

企業ロゴは、どのような人に向けてメッセージを届けたいかによってデザインが変わります。まずは、自社の商品やサービスを届けたいターゲット層を明確にしましょう。年齢や性別、家族構成や生活パターンなど細かく設定することで、ターゲット層に刺さるロゴを作成しやすくなります。

③ビジュアルトーンを決める

企業ロゴに込めたいメッセージやターゲットを明確にしたら、それらをロゴデザインに反映できるように、ビジュアルトーンを決定してください。たとえば、ターゲットから連想する言葉を書き出し、力強さや親しみやすさ、美しさなどロゴで伝えたいイメージを考えましょう。

このとき、使用したい色なども決めておくことが大切です。伝えたいイメージや希望の配色を決めておけば、デザイナーに依頼しやすくなります。

④ロゴを作成する

企業ロゴの作成方法は、主に以下の3パターンです。

企業ロゴの作成方法

  • 制作会社に依頼する
  • フリーランスのデザイナーに依頼する
  • 自社で作成する

ロゴデザインを専門にしている制作会社に依頼すれば、一定以上のクオリティや円滑な制作進行が期待できます。制作会社に依頼する際の費用相場は、30万~50万円(税抜)です。

フリーランスのデザイナーにロゴ作成を依頼する方法もあります。フリーランスのデザイナーに依頼すれば、制作会社に依頼するよりも安価で作成できる可能性があります。フリーランスのデザイナーに依頼する場合の費用相場は8~15万円(税抜)です。

社内公募でロゴを募集し、よいデザインのロゴを採用する方法もあります。自社で作成すれば著作権の譲渡をしてもらう必要がなく、作成コストも削減できます。

まとめ

企業ロゴは、企業の理念や文化、特色などを表す役割があります。企業ロゴを作成する際は、見やすくて記憶に残りやすいデザインにしたり、顧客へのメッセージを反映させたデザインにしたりすることを意識しましょう。

また、企業ロゴを汎用的に使用していくために、著作権の所在や似たデザインがないかを確認することも大切です。他社の商標権侵害をしないだけでなく、他社に似たデザインのロゴを作成されないように自社のロゴを商標登録して保護しましょう。

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よくある質問

企業ロゴを作るときのポイントは?

企業ロゴを作るときは、以下の5つのポイントを意識しましょう。

  • シンプルなデザインにする
  • 記憶に残りやすいデザインを意識する
  • デザインに意味をもたせる
  • 長期間使用できるデザインにする
  • さまざまなシーンでの使用を想定する

詳しくは、記事内「企業ロゴを作るときの5つのポイント」をご覧ください。

企業ロゴ作成時の注意点は?

企業ロゴを作成するときには、著作権の所在を確認したり、似たデザインがないかを確認したりすることが大切です。

詳しくは、記事内「企業ロゴ作成時の注意点」をご覧ください。

監修 安田 亮(やすだ りょう)

1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応などを経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。

監修者 安田亮

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