会社設立の基礎知識

経営計画とは?必要な理由や種類、計画を立てるときに必要な4要素まで解説

経営計画とは?必要な理由や種類、計画を立てるときに必要な4要素まで解説

経営計画は、企業が絶えず成長していくための基準となるものであり、企業に関わる全ての人が共通の認識や目標を持つために欠かせない仕組みです。

本記事では、経営計画の基本的な考え方や事業計画との違い、長期・中期・短期ごとの特徴、計画策定に必要な4つの要素まで詳しく解説します。経営計画を見直したい方や、初めて策定に取り組む方はぜひ参考にしてください。

目次

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経営計画とは?

経営計画とは、企業が持つ目標や目指す将来像、それらの達成に向けた取り組みをまとめたものをいいます。収益・コスト・人材・投資など、企業を運営するための中核となる様々な要素を体系的に提示します。

経営計画を策定することで限られた経営資源を効率よく活用し、業績の向上を図るための戦略的な意思決定が可能になります。企業の成長や存続に直結する重要な基盤であり、関係者全体に方向性を示し一体感を高める役割も担います。

経営計画を詳細な文書にまとめたものを経営計画書といいます。経営計画書についての詳細は別記事「経営計画書の書き方は?記入時のポイントを項目別に解説」をあわせてご確認ください。

事業計画との違い

経営計画と事業計画は、それぞれ役割や目的が異なります。

経営計画は企業全体の長期的な方針や目標を定め、方向性と戦略を策定する指針です。一方、事業計画は特定の事業やプロジェクトを対象とした数値計画・目標や行動計画を示したものです。

両者を組み合わせることで、組織全体の最適化と現場の実行力を両立できます。


項目経営計画事業計画
目的企業全体の目標や戦略を定めるための指針部門や事業、製品単位の目標達成に向けた具体的な行動計画を立案するため
内容組織全体の方針・長期的な目標・戦略市場分析・販売戦略・リソース配分・収益予測など具体的な数値目標や計画
視点・範囲全社的かつ長期的な視点で組織全体をカバー部門単位やプロジェクト単位で特定の事業活動をカバー
役割企業全体の方向性や戦略を示すひとつの事業を成功させるための方針や具体的な方法を示す

経営計画は企業全体の方向性を定める土台であり、事業計画はその目標を現場で実現するための実行計画として位置付けられます。

事業計画にも関連する「事業計画書」についての詳細は別記事「事業計画書の書き方を項目別に解説!テンプレートや作成時のポイント」をあわせてご確認ください。

経営計画の種類

経営計画には、以下の3種類があります。

経営計画の種類

  • 長期経営計画
  • 中期経営計画
  • 短期経営計画

経営計画は、計画の期間が短くなるほどより詳細で具体的になるため、長期経営計画から作成し、中期・短期と作成していくことが推奨されます。

長期経営計画

一般的に5年から10年先を見据えて作成する長期経営計画は、市場や業界の環境変化に左右されない明確な将来像を掲げる役割があります。

将来の目標に向けて、既存事業の強化や新規事業の展開、投資戦略などの大枠を計画に盛り込みます。業界や顧客の動向が大きく変わる可能性を踏まえながらも、ぶれない方向性を示すことが大切です。

社会が変化するスピードが早い現在、10年単位の長期経営計画よりも5年後程度までの中期経営計画から作成する場合も増えています。ただし、長期の方針を示すことで中期や短期の計画も立てやすくなり、持続的な成長につながるでしょう。

中期経営計画

中期経営計画は、3〜5年後の目標や具体的な行動計画や数値目標を示したものです。

長期経営計画を達成するために3〜5年後に達成するべき目標や実行予定の取り組みなどをより具体的な数字や取り組みに落とし込んで策定します。

売上や経常利益、ROEといった定量的な目標を明示し、実現までの現実的な道筋や戦術・行動を示します。市場環境や競合状況の変化にも柔軟に対応し、経営課題に向き合う姿勢が求められるでしょう。

短期経営計画

短期経営計画は、1年単位で策定する詳細な経営計画です。中期経営計画の数値目標を基に、事業所や部門ごとに行動計画や数値目標、リソースの振り分けなどを明示します。

売上や経費などの数値目標に加え、社員一人ひとりの行動方針まで決定する点が特徴です。単なる予算策定ではなく、誰がどの業務を担うか、リソースの配分はどうするかなど、日々の業務で実行するべき内容に落とし込むことで、目標達成を図ります。

なお短期経営計画の策定においては進捗状況を定期的に確認し、必要に応じて柔軟に修正することも大切です。

経営計画を立てる際の4要素

経営計画は、以下4つの要素で構成されます。

経営計画を立てる際の4要素

  • 経営理念
  • 経営戦略
  • 事業戦略
  • 数値計画

ここでは、経営計画を立てるうえで重要な4つの要素について理解を深めていきましょう。

経営理念

経営理念は、企業が存在する意義や価値観、長期的な理想像を言語化した経営計画の土台です。

経営理念は以下のミッション・ビジョン・バリューの要素から成り立ちます。

経営理念の内訳

  • ミッション:企業として果たすべき使命や社会に提供する価値
  • ビジョン:企業として目指す将来像・長期的な目標
  • バリュー:企業の信念や価値観

企業として社会にどのような価値を提供するのかという使命を明確にし、誰にとってもわかりやすい理念を定めることが重要です。長期的な目標を掲げることで組織全体の方向性が定まり、行動や戦略に一貫性が生まれます。

経営戦略

経営戦略は、経営理念で設定したビジョンを実現するために経営資源をどのように運用するのかを策定するものです。経営戦略は主に中期計画を策定する際に使用する要素です。

経営戦略を立てるには、まず企業の外部環境と内部環境を分析し、その結果を踏まえて自社の強みや弱みを把握することが求められます。

そのうえで、どの事業領域に注力し、どの分野で差別化を図るのかを決定し、優先順位を付けることが重要です。経営理念やビジョンに沿って、具体的に何に取り組むべきか明確にすることで、組織全体の方向性が定まり競争力が高まります。

事業戦略

事業戦略は、経営戦略で決定した全社的な方向性を踏まえ、個々の事業ごとに達成すべき目標と具体的な行動を決めるものです。事業戦略は中期および短期計画を策定する際に策定します。

経営戦略はあくまで企業全体の指針であるため、それぞれの事業や部署ごとに具体的な計画や目標に落とし込むことで、事業部ごとの意思決定や行動目標の設定がしやすくなります。

効果的な事業戦略を設定するには、事業ごとの強みや弱みを把握し競争環境や市場の特性を分析する必要があります。分析手法としては、3C分析やSWOT分析などが有効です。

各事業で成果を高め、競合に優位に立つには、十分な情報に基づき緻密に設計された事業戦略が重要となります。

数値計画

経営計画の実効性を高めるには、具体的な数値に落とし込む作業が不可欠です。数値計画では、以下の目標値を設定し、どの事業や部署がどの水準を目指すかを明確にします。

数値計画で決めたい目標値

  • 売上
  • 利益
  • 経費
  • 資金繰り

経営戦略や事業戦略を実現するために必要な利益水準を見極め、収益やコストの予測、キャッシュフローの見通しを具体化することが重要です。作成時には実現可能性の高い根拠ある数値を基にすることで、進捗状況の管理や計画の評価を適切に行えるようになります。

中期的な視点と短期的な視点の双方から計画を設計し、とくに短期計画では1年間で達成すべき数値を現実的かつ詳細に定めましょう。

【5段階で策定】中期経営計画の立て方

先述したように、近年では策定されることが少なくなった長期経営計画と比べ、中期経営計画は企業を継続して成長させるためにも必ず設定しておきたいものです。ここでは例として、中期経営計画を立てる際に参考にしたい手順を5段階に分けて解説します。

中期経営計画の策定時に何から始めるべきか迷ったときには、ぜひ自社の状況に反映させながら、取り組んでみてください。


ステップ概要
1.現状分析で立ち位置を把握する
  • 人員や資金などの経営資源や環境を可視化
  • 強み・弱みを洗い出すためにSWOT分析を活用
  • 成長の機会やリスクの洗い出し
2.経営理念を言語化し軸を定める
  • 経営の根本にある哲学・信念を確認
  • 経営理念の要素であるミッション・ビジョン・バリューも明示
  • 計画全体のブレを防ぐための羅針盤になる
3.実現に向けた戦略を策定する
  • 強みを伸ばし弱みを補う方策を検討
  • 企業としての戦略と事業ごとの戦略に分けて考えると効率的
  • 経営資源の配分先を決める
4.数値目標と行動計画を設定する
  • 3で設定した戦略をもとに現実的な数値目標を立てる
  • 事業部ごとに目標を設け、従業員の主体性を高める
  • 進捗管理のためのマイルストーンも設定
5.中期経営計画を仕上げる
  • 分析結果・戦略・目標を統合する
  • 想定外に備え、複数のシナリオを用意する
  • 定期的な見直しを前提に完成させる

経営計画は「作ったら終わり」ではありません。環境変化や想定外の事態に備えて、定期的に見直しながらアップデートするのが大切ですす。また、最初から完璧を目指すのではなく、チーム全体が共有しやすい形で策定することが重要です。

まとめ

経営計画は、企業全体の方向性と目標を定め、戦略的な意思決定や効率的な経営資源の活用を支える重要な仕組みです。策定にあたっては、経営理念・経営戦略・事業戦略・数値計画という4つの要素を押さえ、長期・中期・短期の計画をバランスよく組み立てることが求められます。

また、現状分析から戦略立案、目標設定までのプロセスを定期的に見直し、柔軟に対応する姿勢も重要です。経営計画を適切に策定・運用することで、企業全体の一体感が高まり、持続可能な成長への土台を築けるでしょう。

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よくある質問

経営計画ってなに?

経営計画とは、企業としての目標や目指す将来像、およびその目標の達成に向けた取り組みをまとめたものです。経営資源の有効活用や、業績向上につながる意思決定に役立ちます。

詳しくは記事内「経営計画とは?」をご覧ください。

経営計画は何種類ある?

経営計画には以下の種類があり、それぞれ目的が異なります。

経営計画の種類

  • 長期経営計画
  • 中期経営計画
  • 短期経営計画

詳しくは記事内「経営計画の種類」をご覧ください。

経営計画と事業計画の違いは?

経営計画と事業計画には、役割や目的に違いがあります。経営計画が企業全体の方向性を定めるものに対し、事業計画は個別のプロジェクトや事業ごとに設定する具体的な目標や行動計画を定めたものです。

詳しくは記事内「事業計画との違い」をご覧ください。

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