会社設立の基礎知識

出資とは?投資・融資との違いやメリット・デメリット・具体的な方法を解説

監修 松浦 絢子(弁護士)

監修 北田 悠策 公認会計士・税理士

出資とは?投資・融資との違いやメリット・デメリット・具体的な方法を解説

出資とは、投資家が将来的な利益を見込んで株式(持分)などの取得対価として資金を提供することで、広い意味では投資の一種です。出資を受ける会社にとっては返済義務を伴わない資金調達手段であり、返済義務がある融資とは異なります。

出資を受けると資金繰りに余裕が生まれ、財務状態の安定化につながる一方、経営の自由度が下がる可能性があるなどのデメリットもあります。

本記事では、出資の概要や投資・融資との違い、出資を受けるメリット・デメリット、出資の主な手段「増資」の流れや注意点を解説します。

目次

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出資とは

出資とは、投資家が将来的な利益を見込んで企業や事業に資金を提供することを指します。事業者にとっては、資金を調達する手段のひとつとして活用されています。

主な出資者として挙げられるのは、ベンチャーキャピタルや個人投資家(エンジェル投資家)です。

主な出資者概要
ベンチャーキャピタル新興企業に出資して株式を取得し、企業が成長した際に売却益を得ることを目指す、投資会社や投資ファンド
エンジェル投資家個人として、特定の企業やプロジェクトに資金を提供する投資家

また、インターネット上でプロジェクトを公開し、不特定多数の人から資金を集める「クラウドファンディング」には、購入型・寄付型・投資型・貸付型などがあり、このうち投資型(株式型等)は出資(エクイティ)に近い性質を持ちます。

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エンジェル投資家とは?探し方や出資を受けるメリット・注意点を解説

出典:J-Net21「資金調達方法」
出典:J-Net21「出資とは」

出資と投資の違い

投資とは、利益を見込める対象に資金を投じる行為全般を指し、広義では出資は投資の一種です。

ただし、投資が有価証券や不動産など幅広い対象に行われるのに対し、出資は事業を行う企業や団体に資金を提供するものであり、より限定的な意味をもちます。

出典:金融広報中央委員会 知るぽると「投資(investment)とは」
出典:J-Net21「資金調達方法」

出資と融資の違い

融資とは、金融機関などが企業や個人にお金を貸し出すことです。

第三者に資金を提供する点では、融資も広義には投資と捉えられることがあります。ただし、融資で受け取った資金は「借入金」にあたり、元本の返済と利息の支払いが必要です。

返済義務がない出資とは、この点で大きく異なります。

出典:J-Net21「デット・ファイナンスとエクイティ・ファイナンスの違いについて教えてください。」

出資金と資本金の違い

出資金とは、出資者が企業に対して事業運営のために提供し、企業が返済義務を負わない資金の総額を指します。一方、資本金は、出資金のうち事業活動の元手となる資金であり、法務局に登記された金額のことです。

なお、出資者から払い込まれた金額のうち、最大で2分の1までは資本金に組み入れず、「資本準備金」として計上することが可能です。

したがって、出資金と資本金の金額が一致するとは限りません。資本金および資本準備金は、貸借対照表上の純資産の部に計上されます。

出資金と資本金の違い


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資本準備金とは?用意するメリットや資本金・資本剰余金との違いを解説

出典:e-Gov法令検索「会社法(平成十七年法律第八十六号)」

出資金と株式の違い

出資金は、出資者が企業に提供する資金のことです。一方、株式は出資の対価として企業が発行する有価証券です。

出資金は企業が受け取る資金そのものを指し、株式は株主としての権利を示すものであり、両者は性質が異なります。

出典:J-Net21「出資とは」

出資を受ける方法

設立後の企業が新たな出資を受ける際の主な手段として「増資」が挙げられます。増資とは、新たに株式を発行して出資を受け、資本金や資本準備金を増加させることです。増資の手法は、以下の3種類です。

増資の手法概要
公募増資不特定多数の一般投資家を対象に、広く出資を募る方法
第三者割当増資特定の第三者に対して新株を発行し、出資を受ける方法
株主割当増資新たに発行する株式を、既存株主の持分比率に応じて割り当てる方法
出典:経済産業省「エクイティ・ファイナンスに関する基礎知識」

公募増資は不特定多数から広く出資を募る手法であり、上場企業が多額の資金調達を行う際に適しています。非上場企業では、一般的に第三者割当増資や株主割当増資が利用されます。

増資の流れ

増資を行うには、会社法に基づき、株主総会や取締役会などの必要な手続きを経る必要があります。一般的な流れは、以下のとおりです。

増資の流れ

  1. 出資者と出資条件を協議する
  2. 株主総会または取締役会などで増資の内容の決議を行う
  3. 出資者の募集・申し込みの受け付けを行う
  4. (必要な場合)取締役会などで出資者を確定する決議を行う
  5. 出資金の払い込みを受ける
  6. 法務局に登記申請を行う
  7. 株主名簿を更新する

増資に必要な手続きは、増資の手法や定款の内容によって異なるため、弁護士や司法書士などの専門家に相談しながら進めましょう。

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出典:経済産業省「エクイティ・ファイナンスに関する基礎知識」

出資を受ける側のメリット

出資は、創業期の資金調達手段としても活用されています。出資を受ける主なメリットは、以下のとおりです。

出資を受ける側の主なメリット

  • 返済の義務がない
  • 財務の健全性が高まる
  • 資金使途の自由度が高い

ほかの資金調達手段と比較しながら、出資を選択肢のひとつとして検討しましょう。

返済の義務がない

金融機関から融資を受けた場合は、元本に利息を加えて返済しなければなりません。

一方、出資によって得た資金は原則として返済の義務がないため、売上が不安定な創業期でも資金繰りに余裕が生まれやすく、事業に専念できます。

出典:J-Net21「デット・ファイナンスとエクイティ・ファイナンスの違いについて教えてください。」

財務の健全性が高まる

出資金は自己資本として扱われるため、貸借対照表上では純資産として計上され、負債が増加しません。

その結果、財務の健全性が高まり企業の信用力が向上することで、将来的に融資などを受けやすくなる可能性があります。

出典:経済産業省「エクイティ・ファイナンスに関する基礎知識」
出典:J-Net21「デット・ファイナンスとエクイティ・ファイナンスの違いについて教えてください。」

資金使途の自由度が高い

出資を受けた資金には、補助金や助成金とは異なり、原則として使途の制限がありません。そのため、設備投資・人件費・研究開発費・広告費など、事業の状況に応じて柔軟に活用できます。

補助金や助成金も返済が不要な資金ですが、使途が明確に定められているほか、後払いで支払われることが多いため、資金繰りが厳しくなることがあります。

また、金融機関から融資を受ける場合も、契約で定められた使途以外への使用は原則として認められていません。

出典:J-Net21「補助金・助成金の違いや補助金活用における注意点について教えてください。」

出資を受ける側のデメリット

出資は返済義務を負わない資金調達手段ですが、必ずしも融資より有利な手段とは限りません。

出資を受ける側のデメリットとしては、主に以下などが挙げられます。

出資を受ける側の主なデメリット

  • 経営の自由度が下がる可能性がある
  • 経営権が分散する可能性がある

出典:経済産業省「エクイティ・ファイナンスに関する基礎知識」

経営の自由度が下がる可能性がある

出資は返済の必要がない代わりに、出資者に対して株式を発行するのが一般的です。

出資者(株主)は、保有する株式の割合に応じた議決権を得て、経営に対する発言権をもつことになります。その結果、意思決定のスピードが低下したり、重要な経営判断に出資者の意向が反映されたりすることで、経営の自由度が下がる可能性があります。

一方、融資は返済義務を伴う資金調達方法ですが、元金と利息を期日までに返済していれば、債権者が経営に関与することはありません。

出典:J-Net21「出資とは」
出典:J-Net21「デット・ファイナンスとエクイティ・ファイナンスの違いについて教えてください。」

経営権が分散する可能性がある

出資を受けて株式を発行すると、既存株主の持株比率が下がり、経営権が分散するリスクがあります。

たとえば、ある出資者の持株比率が3分の1を超えると、その出資者は定款に別段の定めがなければ単独で特別決議を否決できるため、重要な経営判断に影響が生じる可能性があります。

なお、特別決議とは、定款変更・事業譲渡・解散などの重要な事項を決定する際に行われる株主総会の決議です。

出典:e-Gov法令検索「会社法(平成十七年法律第八十六号)」
出典:日本証券業協会「株主総会(かぶぬしそうかい)」

出資する側のメリット・デメリット

出資には、出資する側にもメリット・デメリットが存在します。

主なメリット・配当金を受け取れる
・将来的に売却益を得られる可能性がある
・経営に関与できる
主なデメリット・出資額を回収できないリスクがある

出資者のメリットは、株式を保有することで利益の一部を配当として受け取れる点です。加えて、出資先の事業が成長し株価が上昇すれば、株式の売却によって売却益(キャピタルゲイン)が得られます。

さらに、資金を提供するだけでなく、経営に関与できる可能性がある点もメリットのひとつです。

一方、配当は必ず受け取れるわけではありません。また、事業が思うように成長しない場合、出資額を回収できないリスクもあります。

出典:J-Net21「デット・ファイナンスとエクイティ・ファイナンスの違いについて教えてください。」

出資を受ける際の注意点

出資を受けると返済不要な資金を調達できますが、注意すべき点もあります。

出資を受ける際の注意点

  • 税務上の優遇措置を受けられなくなる可能性がある
  • 出資金の払い戻しは原則として認められていない

これらは資金計画や法律上の手続きに関わるため、正しく理解しておきましょう。

税務上の優遇措置を受けられなくなる可能性がある

出資を受けた資金は負債ではないため、財務の安定性を高める効果がありますが、資本金が増加することで税務上の優遇措置を受けられなくなる場合があります。

たとえば、法人税率の軽減措置(所得金額が年800万円以下の部分が15%に軽減される措置※1※2)は、資本金1億円以下の中小企業が対象です。また、補助金や助成金でも、資本金に関する要件が設けられているケースは少なくありません。

※1 この特例の適用対象者からは、前3事業年度の所得金額の平均額が15億円を超える法人は除かれます。
※2 単年所得10億円超の中小法人の場合、年800万円以下の所得金額の部分については、税率が17%まで軽減されます。

出典:J-Net21「デット・ファイナンスとエクイティ・ファイナンスの違いについて教えてください。」
出典:財務省「中小法人に対する課税に関する資料」
出典:IT導入補助金2025「申請の対象となる方」
出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金のご案内(令和6年度版)」

出資金の払い戻しは原則として認められていない

出資金は事業の元手となる資金であるため、株式会社では原則として出資金の払い戻しを行いません。出資者は株式を第三者に譲渡することで出資額を回収します。

ただし、株式買取請求※を受けた場合や企業の解散・清算時などには、例外的に出資金を払い戻す(株式の買取や残余財産の分配など)必要が生じることがあります。

※株式買取請求とは、株主が保有する株式を公正な価格で買い取るよう発行企業に請求することです。

出典:e-Gov法令検索「会社法(平成十七年法律第八十六号)」

出資を受けた際の仕訳方法

増資(有償増資)を行った際は、資本金を増加させる会計処理が必要です。

資本金としての効力が発生する払込期日の前日までに払い込みを受けた場合は「新株式申込証拠金」を使い、資金を区分管理する場合には「別段預金」を用いて処理します。

その後、払込期日が到来したら「新株式申込証拠金」を「資本金」に、「別段預金」を「現金」などに振り替えます。

(例)100万円の新株を発行することになり、払込期日までに全額の払い込みを受けた

  
借方貸方
別段預金1,000,000円新株式申込証拠金1,000,000円

(例)払込期日が到来したため、資本金に振り替えた

  
借方貸方
新株式申込証拠金1,000,000円資本金1,000,000円
  
借方貸方
現金1,000,000円別段預金1,000,000円

また、払込額の2分の1を資本金に組み入れず、資本準備金とした場合は、次のように仕訳を行います。

(例)払込期日が到来したため、資本金50万円・資本準備金50万円に振り替えた

  
借方貸方
新株式申込証拠金1,000,000円資本金500,000円
資本準備金500,000円

まとめ

出資とは、事業の成長や成功を見込んで資金を提供する行為であり、広義では投資の一種です。返済の必要がない資金調達手段であり、返済義務を伴う融資とは異なります。

出資を受けるメリットは、返済が不要である点に加え、資金の使途に自由度があり、財務の健全性を高められることです。一方、経営の自由度が下がったり、経営権が分散したりするリスクもあります。

出資のメリット・デメリットや融資などほかの資金調達方法との違いを理解したうえで、自社の目的や状況に適した手段を選びましょう。

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監修 松浦 絢子弁護士

松浦綜合法律事務所代表。京都大学法学部、一橋大学法学研究科法務専攻卒業。東京弁護士会所属(登録番号49705)。法律事務所や大手不動産会社、大手不動産投資顧問会社を経て独立。IT、不動産、相続、金融取引など幅広い相談に対応している。さまざまなメディアにおいて多数の執筆実績がある。

松浦 絢子弁護士

監修 北田 悠策(きただ ゆうさく)

神戸大学経営学部卒業。2015年より有限責任監査法人トーマツ大阪事務所にて、製造業を中心に10数社の会社法監査及び金融商品取引法監査に従事する傍ら、スタートアップ向けの財務アドバイザリー業務に従事。その後、上場準備会社にて経理責任者として決算を推進。大企業からスタートアップまで様々なフェーズの企業に携わってきた経験を活かし、株式会社ARDOR/ARDOR税理士事務所を創業。

北田 悠策

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