ホームページにかかる費用は制作費だけではありません。ホームページを運営していくうえで、レンタルサーバー代や独自ドメインの取得・維持費など、さまざまな維持費が発生します。

本記事では、ホームページ運営にかかる維持費の相場や内訳、費用を抑えるポイントについて解説します。

• ホームページ維持費の内訳
• レンタルサーバー代
• 独自ドメインの取得・維持費
• SSL証明書の取得費用
• 使用ツール・サービスの月額料金
• ホームページの更新・管理費
• セキュリティ対策
• Webマーケティングの費用
• ホームページ運営でかかる維持費の相場
• 自社でホームページの運営・管理を対応した場合
• 運営業務の一部を制作会社に依頼した場合
• 制作会社に運用・管理業務全般を依頼した場合
• 集客も含めて制作会社に依頼した場合
• ホームページの維持費に関する注意点
• 維持費が無料の企業は対応業務に制限がある
• サーバーとドメインは自社で管理する
• ホームページの維持費を抑えるポイント
• 外注に任せる作業を決めておく
• 複数の制作会社から見積を取得する
• サイトの更新頻度に応じた支払方法を選択する
• CMSやホームページ作成ツールを利用する
• まとめ
• よくある質問

ホームページにかかる費用は制作費だけではありません。ホームページの運営・更新を行う限り、一定の維持費が発生します。維持費の内訳として、主に以下の項目が挙げられます。

レンタルサーバー代は月額数百円〜数千円が相場です。サーバーの機能や性能によっては、月額料金が数万円かかるケースもあります。

無料で利用可能なレンタルサーバーもありますが、広告表示や機能数の制限など、デメリットも多く、法人向けのホームページ運用にはおすすめできません。

ホームページを運営していくうえで、サーバーは欠かせない存在です。サーバーは文章や画像など、ホームページに関するデータを保存する保管庫の役割を果たします。仮にサーバーを取得しない場合、インターネット上でホームページを閲覧できません。

また、サーバーは情報提供の機能も搭載しており、ユーザーからのリクエストに応じて、必要な情報を提示します。

独自ドメインの維持費は以下2つの項目に分けられます。

新規取得費は利用するドメインの種類やサービスによって異なります。たとえば、取得予定のドメインが「.com」だった場合、新規取得費の相場は2,000円前後です。一方、新規で「.co.jp」を取得する場合、新規取得費は3,000〜5,000円が相場になります。

また、更新費用もドメインの種類やサービスによって変動しますが、1,500〜6,000円が1つの目安です。「.jp」や「.co.jp」など、ドメインによっては更新費用が1万円近くになる可能性もあります。

ホームページ運営を継続していくうえで、ドメインの更新費用は期限内に支払う必要があります。期限内に支払いができないと、これまで使っていたドメインが利用できません。ドメインの失効でホームページが閲覧できず、顧客離れや企業イメージの悪化など、さまざまな悪影響を招きます。

ドメインとは、インターネット上でホームページがどこにあるかを示す住所のような役割を果たします。たとえば、ホームページのURLが「www.kamomecorp.co.jp」だった場合、「kamomecorp.co.jp」の部分がドメインに該当します。

ドメインには、独自ドメインと共有ドメインの2種類が存在します。独自ドメインとは、アルファベットや数字などを自由に組み合わせて構成するタイプのドメインです。オリジナルのドメインになるため、他社のホームページと被ることはありません。

独自ドメインに自社名やブランド名などを入れると、ユーザーや検索エンジンに自社のホームページが認知されやすくなります。

また、独自ドメインはホームページを運営し続ける限り、半永久的に利用できます。自社に所有権が帰属するため、サービスの停止や経営方針の変更などで突然利用できなくなる心配はいりません。

SSL証明書とはホームページへアクセスした際、ユーザーとのやり取りが暗号化されていることを証明する書類です。SSL証明書の取得でユーザーの不安を軽減するだけでなく、情報の改ざんや流出、乗っ取りのリスクも抑えられます。

SSL証明書の取得費は認証レベルや認証局によって変動します。たとえば、SSL証明書で自社の実在性を証明する場合、取得費用は3万〜10万円が1つの目安です。

一方、フィッシング詐欺や盗聴対策など、より高度なセキュリティ対策を求める場合は、15万円前後の費用が必要になります。

ホームページの構築・運用に使用するツールには、CMSやホームページ作成ツールが挙げられます。CMSの月額料金は、CMSの導入形態やプラグインの有無などによって変動します。

たとえば、オープンソース型のCMSを選んだ場合、多くのツールで月額基本料金やライセンス費用は発生しません。デザインテンプレートやプラグインは、無料と有料版双方が用意されており、有料版を利用した場合のみ費用が発生します。

一方、クラウド型のCMSを選んだ場合は、毎月数千円～数万円の支払いが必要です。クラウド型は一定の月額料金を支払う代わりに、自社でメンテナンスやアップデートを行う必要はありません。

また、ホームページ作成ツールの月額料金は、2,000円〜3万円が相場になります。ツールによってはドメインやサーバーがセットで利用できるプランも用意されており、選定や手続きの手間を省けます。

双方のツール詳細に関しては、記事下部の「CMSやホームページ作成ツールを利用する」で解説しています。

ホームページの更新・管理費は、制作会社に依頼した場合のみ発生します。制作会社に依頼した場合、ホームページの更新・管理費は月額5,000円〜5万円が相場です。更新頻度や作業範囲によって、費用が変動します。

ホームページの更新・管理を外注するメリットは、自社のリソースを有効活用できる点です。豊富な経験や知識を兼ね備えた人材に作業を任せられるため、素早く正確な仕事ぶりが期待でき、従業員が担当業務に集中できる環境を整えられます。

ホームページのセキュリティ対策にかかる費用は、月額1,000円〜2万円程度が相場です。脆弱性診断やマルウェアの検知、自動バックアップなど、セキュリティ対策が充実したレンタルサーバーを選ぶと、費用を抑えられます。

ただし、すべてのセキュリティ対策が基本料金に含まれているとは限りません。有料オプション扱いとなっているケースもあるため、レンタルサーバーの選定時に基本料金での対応範囲を確認しましょう。

また、ホームページで以下の不具合が生じると、修正対応に最低でも5,000円以上の費用が発生します。

Webマーケティングの費用は、マーケティング戦略の立案や集客施策など、制作会社に依頼する作業内容や範囲によって異なります。たとえば、Webマーケティングの戦略立案を依頼した場合、費用は30万〜100万円が相場です。

一方、集客施策はSEOやSNSマーケティング、Web広告の運用など、どの施策を実施するかで費用が大きく変動します。主な施策ごとの費用を以下の表にまとめました。

Webマーケティングの対応可否や料金、得意分野は、制作会社によって異なります。Webマーケティングも依頼する場合は予算内で対応してもらえるか、自社が依頼したい業務を得意としているかなどを、選定時に確認しましょう。

また、自社でWebマーケティングの施策を実施した場合は外注費がかからず、費用を大幅に抑えられます。

ホームページ運営にかかる維持費は自社で対応する業務範囲が広いほど、安く抑えられます。ただし、ホームページ運営のリソース・ノウハウに不安を抱え、制作会社に多くの作業を依頼したい企業もあるでしょう。

ここでは4つのパターンを紹介し、維持費の推移をみていきます。

自社でホームページの運営・管理をした場合、ホームページ維持にかかる費用は毎月5,000円程度が相場です。ホームページの維持費には以下4つの費用が発生します。

SSL証明書の取得費用は上記4つのなかでは高額ですが、ほかの維持費と異なり毎月固定費が発生するわけではありません。

ホームページの運用・管理業務の一部を制作会社に依頼した場合、維持費は月額5,000円〜2万円が相場です。主に以下の業務を依頼できます。

ただし、依頼できる業務は制作会社によって異なるため、事前に対応可能な業務を確認しておきましょう。

ホームページの運用・管理業務全般を依頼した場合、維持費は月額2万〜5万円が相場です。

ホームページのデータバックアップや月次レポートの作成、アクセス解析などを依頼できます。CMSやホームページ作成ツールを利用している場合、メンテナンスやバージョン管理の依頼も可能です。

中堅・大手の制作会社が、ホームページの運用・管理業務全般に対応している傾向にあります。万全なサポート体制を求める企業にとって適した選択肢といえるでしょう。

アクセス解析やSEOなど、集客強化を含めてホームページの運用・管理業務を依頼した場合、維持費は毎月5万円以上かかります。大手の制作会社が集客も含めたサービス展開をしているケースが多く、企業によってはコンサルティングも費用の一部に含まれています。

ホームページはリニューアルや新規制作をしても、自動的にアクセスが増えるわけではありません。早期にリピーターの獲得やサイト認知度向上を実現したい企業は、集客も含めて依頼を検討しましょう。

ホームページの維持費は、ホームページの安全性や利便性を一定水準以上に保つうえで、必要不可欠なコストです。維持費を過度に削減すると、ユーザーに「利用しにくいサイト」と思われるおそれがあるため、自社の注意が必要です。

また、サーバーとドメインは自社で管理し、制作会社とのトラブルを避けましょう。

「ホームページの維持費が無料」と謳う企業は自社にとってデメリットが多く、依頼するのは避けましょう。サポート体制が乏しく、対応可能な範囲も限定される可能性が高いためです。

たとえば、ホームページの維持費が無料の場合、サーバーに不具合が発生した際の修正作業は依頼できない可能性が高まります。不具合対応が完了するまで、ホームページは公開できません。不具合対応に時間がかかるほど、見込み顧客との接点や新規案件を獲得する機会を失うことになります。

また、ホームページの維持費が無料の場合、有料版と比べて以下のデメリットが生じる可能性が高まります。

上記のデメリットが生じると、最悪の場合はホームページの利便性低下や情報漏洩など、損害の発生につながります。損害の発生を防ぐには、ホームページの維持費を必要不可欠なコストと捉え、一定の額を投じることが重要です。

ホームページ制作の際に取得したレンタルサーバーとドメインの所有権は、必ず自社で保有しましょう。制作会社が所有権を保有していると、さまざまなトラブルを招く可能性が高まります。

たとえば、制作会社がドメインの所有権を保有したとしましょう。「担当者の対応が遅い」「集客施策の効果が出ない」などの理由で、他の制作会社に乗り換えを検討したとします。

ただし、依頼先と契約解除が成立しない限り、自社でドメインの移管作業を進められません。仮に契約解除が成立しても契約期間が残っていた場合、高額な違約金を請求されるおそれも生じます。

また、サーバーの所有権が自社にない場合、依頼先がアクセス量に応じたプラン選択・変更に素早く対応するとは限りません。制作会社が選択したプランによっては容量不足に陥り、ホームページが閲覧できなくなるケースも考えられます。

制作会社とのトラブルを避けるため、契約締結時にはレンタルサーバーとドメインの所有権に関する内容を契約書に盛り込みましょう。

加えてホームページに掲載した文章や画像、動画など、各種素材の元データに関する著作権に関しても決めておくことが重要です。納品物の著作権が制作会社側にある場合、各種素材の元データは納品してもらえません。

修正や編集が必要になった際や他サイトへの流用ができず、毎回新しい素材を制作することになります。

ホームページの維持費を抑えるには、制作会社に依頼する業務を限定することが重要です。制作会社の規模を問わず、依頼する業務量が多いほど外注費が高くなる傾向にあるためです。

ほかにも制作会社の選び方や支払い方法などにも、気を配る必要があります。

Webマーケティングはどの施策を依頼するか、ホームページの運用を任せるべきかなど、外注先に任せる企業を事前に明確化しておくことが重要です。作業範囲が広いほど、依頼先へ支払う報酬も増えるためです。

たとえば、Webマーケティングの戦略策定～集客施策の実行までを依頼した場合、数十万〜数百万円規模の費用を毎月支払う可能性が高まります。

ホームページはリニューアルや新規制作をしても、自動的にアクセスが集まるわけではありません。豊富なノウハウをもつマーケターの力を借りると、リピーター獲得や企業認知度向上を早期に実現できる可能性が高まるでしょう。

ただし、作業量が多いほど依頼先へ支払う報酬は増加し、最悪の場合は企業経営に悪影響を及ぼすおそれも生じます。

ホームページ作成後の維持費を抑えるには、自社で対応する業務と外注する業務を事前に決めておくことが重要です。

依頼先を選定する際は、3〜5社程度の制作会社から見積を取得しましょう。複数の制作会社に見積作成を依頼すると、各社の提案内容や制作費を比較できるため、依頼先を絞り込みやすくなります。

仮に1社からしか見積を取得しなかった場合は、他社と提案内容を比較できず、限られた情報から判断を下さなければなりません。場合によっては対応力が低い制作会社に沿う倍以上の金額を支払うおそれが生じます。ミスマッチによる無駄な費用の支払いを避けるため、事前に複数の制作会社に接触をしておきましょう。

ホームページの更新・管理も制作会社に依頼する場合は、必要以上の出費を抑えるため、サイトの更新頻度に応じた支払い方法を選択しましょう。ホームページの更新・管理を外注した際の支払い方法には、月額固定制と都度払いの2種類が挙げられます。

月額固定制は月額料金やサイトの更新頻度、作業回数が事前に決まっているタイプです。月額料金は5,000円～5万円が相場で、上限を超える更新や新たな作業を依頼しない限り、追加費用は発生しません。毎月の支出管理も楽になる反面、対応範囲は企業ごとに異なるため、注意が必要です。

一方、都度払いはホームページの更新を依頼する際、毎月費用を支払うタイプです。費用が発生するのは更新作業を依頼したときだけのため、無駄な固定費の発生を防げます。

ただし、1回あたりの費用は月額固定制と比べて、割高に設定されている傾向にあります。ホームページの更新頻度が低くても問題ない企業、固定費を削減したい企業に適した選択肢といえるでしょう。

CMSやホームページ作成ツールを使ってホームページを構築すると、サイトの更新・編集作業をスムーズに進められます。どちらもノーコードで利用できるため、プログラミングの知識やコーディングスキルは必要ありません。

CMS（コンテンツマネジメントシステム）とは、専門知識がなくてもWebサイトの構築・運用ができるシステムです。「WYSIWYG」と呼ばれるユーザーインターフェースの導入で操作性を高めており、入力した内容がそのまま反映される感覚で作業を進められます。

アクセス解析やSNSとの連携、メルマガ配信など、マーケティング関連の機能が豊富に搭載されている点も魅力です。

CMSの導入形態は、オープンソース型・クラウド型・パッケージ型の3種類に分けられます。タイプごとに費用やメリット・デメリットが異なるため、事前に特徴を把握しておきましょう。

ホームページ作成ツールはCMSと同様、専門知識がなくても簡単にWebサイトの構築・更新が行えるツールです。テンプレートの選択や画像・文章の挿入だけで、ホームページが完成します。

近年はAIを搭載したツールも登場しており、AIにサイトレイアウトやデザインのイメージ、掲載したい内容を伝えるだけで、更新作業やサイトリニューアルを自動で進められます。

CMSやホームページ作成ツールを導入し、サイトの更新・管理作業の負担を軽減しましょう。

ホームページの維持費は、サイト運営・管理業務を自社でどこまで対応するかによって変動します。集客施策も含めてサイト運営・管理業務の全般を自社で対応した場合、維持費を最小限に抑えられます。

ただし、記事制作やSEO、マーケティング戦略の立案など、集客関連の施策は専門的なノウハウが必要です。マーケティングに精通した人材が不在の場合は制作会社に相談し、早期のサイト認知度向上や新規顧客獲得につなげましょう。

また、ホームページの制作やWebマーケティングの実施にともない、これまで取引のなかった企業と契約を締結するケースも考えられます。『freeeサイン』を導入すれば、契約書の作成〜契約締結まで、一連の作業をオンライン上で完結できます。

業務委託契約書や秘密保持契約書など、さまざまな種類のテンプレートも用意されており、幅広い用途で活用が可能です。新規で制作会社との契約締結を検討している場合は、『freeeサイン』の導入をご検討ください。

ホームページの運営・管理業務をどこまで制作会社に依頼するかによって、異なります。たとえば、不具合対応を含めてホームページの運用・管理業務の一部を依頼した場合、維持費は月額5,000円～2万円が相場です。

維持費の詳細に関しては、「ホームページ運営でかかる維持費の相場」をご覧ください。

サーバーのスペックにもよりますが、月額数百円〜数千円が相場です。ハイスペックなサーバーを選んだ場合、月額数万円の支払いが必要になります。

レンタルサーバーの費用に関しては、本文の「レンタルサーバー代」をご覧ください。