会計の基礎知識

複利とは?単利との違いや計算方法、NISA・iDeCoで活用するコツを解説

監修 橋爪 祐典 税理士

複利とは?単利との違いや計算方法、NISA・iDeCoで活用するコツを解説

複利とは、運用で得た利息や利益を元本に加え、再び運用する仕組みです。元本と利益をあわせて運用するため、長期的な資産づくりで効果を得やすい考え方です。

また、従業員向けの金融教育でも、複利は資産形成の基本として押さえておきたいテーマでもあります。NISA・iDeCoなどの投資制度を理解する際にも、複利と単利の違いや計算方法を知っておくと、長期運用の効果を把握しやすくなります。

本記事では、複利の意味や単利との違い、「72の法則」のような用語について解説します。複利運用のメリット・注意点や、元本割れや手数料の影響も加味して、長期的な資産づくりに役立てましょう。

目次

はじめての経理はfreee会計で簡単・安心・確実に

経理未経験でも、freee会計で帳簿や決算書を作成できます。銀行口座と同期すると、複雑な仕訳を自動化したり、日々の記帳を行うと、1クリックで決算書を作成できたり、初心者の方でも安心して進められます。

複利とは

複利とは、得た利息や運用益を元本に組み入れ、増えた元本で再び運用する仕組みです。利益が次の利益を生むため、長期投資ほど効果が大きくなります。

単利との違い

複利と単利の違い

単利と複利の違いは、「利息や利益を次の運用元本に含めるか」にあります。

単利は、最初の元本だけに利息がつく計算方法です。たとえば100万円を年利3%で運用する場合、単利では毎年3万円ずつ増えます。10年後の元利合計は130万円、30年後は190万円です。

一方、複利では1年後に増えた3万円を元本に含めて103万円で運用を行い、その後も増えた分を元本に加え続けます。税金や手数料を考慮しない場合、10年後は約134万円、30年後は約243万円です。

短期では差が小さく見えても、長期では金額に差が生まれます。資産運用では、利回りだけでなく再投資の有無と運用期間も重要です。

単利については、関連記事でも詳しく解説しています。


【関連記事】
単利とは?複利との違いや計算方法、計算時のポイントまで解説

複利・単利の計算方法

複利と単利の計算方法は、将来の資産額を見積もる基礎です。それぞれの計算式は、以下で表せます。

複利と単利の計算式

  • 複利=元本×(1+利率)運用年数の累乗
  • 単利=元本+元本×利率×運用年数

複利の計算方法

複利の計算方法は、元本に運用益を加えた金額を、次の元本として計算します。したがって、基本式は以下のとおりです。

元利合計=元本×(1+利率)運用運用年数の累乗

たとえば100万円を年利3%で10年間運用する場合は、以下のように当てはめましょう。

1,000,000円×(1+0.03)^10≒1,343,916(円)

税金や手数料を考慮しない場合、10年後は約1,343,916円になります。また、20年後は約1,806,111円、30年後は約2,427,262円です。

ただし、実際の投資では、利回りが毎年一定とは限りません。複利計算機やシミュレーションで確認する際も、計算結果は目安として扱いましょう。

単利の計算方法

単利の計算方法は、最初の元本だけを基準に利息を計算します。基本式は、以下のとおりです。

元利合計=元本+元本×利率×運用年数

たとえば100万円を年利3%で10年間運用する場合、以下の計算で結果が出せます。

1,000,000円+1,000,000円×0.03×10=1,300,000(円)

10年後の元利合計は、1,300,000円です。20年後は1,600,000円、30年後は1,900,000円になります。

単利の場合、複利のように利息が次の利息を生まないため、資産の増え方は直線的になります。なお、実際の運用では、商品や市場環境によって、受け取れる利息・利益が変動します。

複利計算に便利な「72の法則」

72の法則とは、複利運用している資金が2倍になるまでに必要な年数、もしくはそのために必要な金利を算出するための計算式です。

72の法則

  • 72÷年利=資産が2倍になるまでの年数
  • 72÷年数=資産が2倍になるのに必要な金利

たとえば、年利3%なら「72÷3=24」となり、資産が2倍になるのは約24年後です。年利6%なら約12年、年利8%なら約9年になります。

また、10年で資産を2倍にしたい場合は「72÷10=7.2」となり、年利約7.2%が目安になります。

ただし、72の法則はあくまで簡易計算です。実際の投資では、利回りが一定にならないケースも少なくありません。さらに、税金・手数料・元本割れのリスクもあります。絶対視せず、目安として参考にするにとどめましょう。

複利運用のメリット

複利運用のメリットは、利益を再投資することで、資産の増加スピードを高められる点です。元本だけでなく、過去の利益が次の利益につながります。

長期で続けるほど効果が表れやすく、インフレによるお金の価値の目減りにも備えやすくなります。

資産の増加スピードが上がる

複利運用は、運用を続けるほど元本が大きくなり、利息が増えていく仕組みです。

単利では、利息や利益を受け取ってしまうため、次に利益を生む元本が変わりません。一方、複利では得られた利益を元本に組み入れるため、次の運用では「元本+過去の利益」に対して利息が発生します。

自分で追加資金を出さなくても、運用元本が少しずつ育っていく仕組みです。最初は小さな増え方でも、利益を再投資し続けることで、利益を生む金額そのものが大きくなっていきます。

同じ利回りで運用していても、運用期間が長くなるほど資産の増加額が大きくなりやすくなります。そのため、長期運用が重要です。

インフレの影響を軽減できる

複利運用により、インフレによる資産の目減りを軽減することも可能です。インフレが続くと、同じ100万円でも、将来買える商品やサービスは少なくなります。預金残高が減っていなくても、実質的な購買力は下がります。

たとえば年3%のインフレが続くと、預金の実質的な価値が半分になるまでの期間は、約24年です。資産を現金だけで保有し続けると、購買力が目減りするリスクを回避できません。資産運用でインフレ率を上回る利回りを目指すと、実質的な資産防衛につながります。

複利効果を高めるポイント

複利効果を高めるには、長期投資と低コスト運用を意識する必要があります。運用期間が長いほど、利益が利益を生む回数が増えるためです。

さらに、手数料や信託報酬を抑えると、運用益の目減りを防ぎやすくなります。

長期間投資を行う

複利効果を高める基本は、長期間投資を続けることです。複利は、利益を再投資する回数が多いほど力を発揮します。

たとえば、100万円を年利3%で運用する場合、10年後は約134万円です。20年後は約181万円、30年後は約243万円になります。運用開始から10年で約34万円、さらに10年で約47万円が増える計算です。

複利では、運用益を元本に加えるたびに、次の利益を生む元本が増えます。元本が大きくなるほど、同じ利率でも得られる利益額が大きくなる仕組みです。そのため、10年目から20年目までの増加額より、20年目から30年目までの増加額のほうが大きくなります。

複利効果を高めるには、投資を早く始め、ムリなく続ける姿勢が大切です。短期の値動きだけで売買を繰り返すと、複利効果を得にくくなります。

手数料や信託報酬を抑える

複利効果を高めるには、手数料や信託報酬を抑えることが重要です。手数料は運用資産から差し引かれるため、長期運用ほど影響が大きくなります。

年1%のコスト差でも、20年・30年と続けば将来の資産額に数十万円以上の差が生まれる可能性があります。投資信託を選ぶときは、以下の費用を確認することが重要です。

確認すべき費用

  • 購入時手数料
  • 信託報酬
  • 信託財産留保額

とくに信託報酬は、投資信託を保有している間にかかる費用です。信託財産留保額は、投資信託を解約する際に差し引かれる場合がある費用を指します。利回りだけを見ず、実質的に手元に残るリターンで比較しましょう。

複利運用の注意点

複利運用は資産形成に有効な一方、以下の点を理解する必要があります。

  • 分配金を再投資するため利益を消費できない
  • 利益が出るまで時間がかかる
  • マイナス運用時に損失が拡大する
  • 途中でやめると利益が減少する

途中で利益を受け取ると、複利効果は弱まります。短期間では効果を実感しにくく、マイナス運用では損失も広がります。継続できる設計をしましょう。

分配金を再投資するため利益を消費できない

複利効果を活かすには、投資信託などで得た分配金を受け取らず、再投資することが大前提です。

そのため、利益を得てもすぐに消費することができません。今の家計を豊かにするためにキャッシュフローに余裕を持たせたいと考えている場合、複利で運用するより分配金受取型で運用するほうが適しているでしょう。

効率重視で資産の最大化を目指すのか、直近の収入増加を重視するのか、投資の目的に応じて運用方法を選択することが重要です。

利益が出るまで時間がかかる

複利運用は、利益が大きく見えるまで時間がかかります。複利の効果は、運用初期よりも後半に表れやすいためです。

運用初期は元本が少ないため、利益を再投資しても増加額は限られます。短期間で大きな利益を求めると、過度なリスクを取りかねません。複利は、時間を味方につける運用方法だと理解しましょう。

マイナス運用時に損失が拡大する

複利運用では、マイナス運用が続くと、損失にも複利的な影響が出ます。資産が減った状態でさらに下落すると、元本の回復には、より大きな上昇率が必要です。

たとえば100万円が50%下落して50万円になると、元の100万円に戻すには50%ではなく、100%の上昇が必要になります。

高い利回りだけを狙う運用は、下落時のダメージが大きくなりかねません。複利を活かすには、以下が必須です。

  • 分散投資
  • 長期投資
  • ムリのないリスク管理

途中でやめると利益が減少する

複利運用を途中でやめると、期待した利益を得にくくなります。複利効果は後半ほど大きくなりやすいため、早期の解約や売却では効果を十分に活かせません。

運用を早い段階でやめると、利益が利益を生む期間が短くなります。また、下落時に売却すると、損失を確定させる可能性もあります。

途中で資産を取り崩さないためには、生活費とは分けた余剰資金で運用することが重要です。短期で使う予定の資金は投資に回さず、預金などで管理しましょう。

複利効果を実感しやすい運用方法

複利効果を実感しやすい運用方法には、NISAやiDeCoがあります。どちらも長期投資に活用しやすい制度です。

ただし、制度の目的や引き出し条件は異なります。資産形成の目的にあわせて使い分けましょう。

NISA

NISAは、運用益が非課税になる制度です。通常、投資で得た利益には税金がかかります。しかし、NISA口座で資産を運用して得た利益には課税されません。

税金が差し引かれないため、同じ利益でも一般口座と比べて最終的に受け取れる金額が多くなります。

ただし、NISAで購入する投資信託・株式などの金融商品には、価格変動があります。運用状況によっては元本割れするリスクもあるため、長期・分散・低コストを意識した商品選定が重要です。

NISAについて詳しく知りたい方は、関連記事もご参照ください。


【関連記事】
新NISA制度は旧制度とどう違う?法改正に伴う変更点やメリット・デメリットを解説

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoは、老後資金を準備するための私的年金制度です。掛金が所得控除の対象となり、運用益も非課税になります。

毎月一定額を積み立てるため、長期運用と相性がよい制度です。若いうちから始めるほど、運用期間を長く確保できます。

ただし、iDeCoは原則60歳まで引き出せません。また、口座管理手数料に加え、商品ごとに信託報酬がかかる点にも注意が必要です。

iDeCoは、60歳まで引き出せなくても問題ない余裕資金で、老後資金を準備したい人に向いています。短期で使う予定がある資金は、iDeCo以外で管理することが重要です。

iDeCo制度については、関連記事でも解説しています。


【関連記事】
iDeCo(イデコ)とは?仕組みやメリット・デメリットをわかりやすく解説

まとめ

複利とは、利息や運用益を元本に加え、増えた元本でさらに運用する仕組みです。単利は元本だけに利息がつくため、長期では複利との差が広がります。

複利計算は「元本×(1+利率)運用年数の累乗」で求められます。資産が2倍になる目安は「72÷年利」で求められます。

複利効果を高めるには、長期投資・低コスト運用が重要です。また、投資には元本割れや価格変動のリスクがあるため、無理のない金額で続けましょう。

はじめての経理でも、自動化で業務時間を1/2以下にする方法



経理業務は日々の入出金管理のほか、請求書や領収書の作成・保存、仕訳作成まで多岐にわたります。

シェアNo.1のクラウド会計ソフト*1「freee会計」は、面倒な入力作業や仕訳を自動化し、見積書や請求書も簡単に作成できるため、経理業務にかかる時間を半分以下*2に削減できます。
※1リードプラス「キーワードからひも解く業界分析シリーズ:クラウド会計ソフト編」(2022年8月)
※2 自社調べ。回答数1097法人。業務時間が1/2以上削減された法人数


また、一度の入力で複数の業務が完了するため、重複作業や転記作業はほぼ発生しません。

数ある会計ソフトの中でも、freee会計が選ばれる理由は大きく分けて以下の3つです。

  1. AI-OCR機能で自動入力・自動仕訳
  2. 全国ほぼすべての銀行・160以上の外部サービスと連携
  3. 充実のサポート体制

それぞれの特徴についてご紹介していきます。

AI-OCR機能で自動入力・自動仕訳

AI-OCR機能で自動入力できるfreee会計

領収書・受取請求書などをスマホのカメラで撮影しfreee会計に取り込めば、読み取り機能(OCR機能)が取引先名や金額などをAI解析し、仕訳に必要な情報を自動で入力。そのまま支払管理・仕訳まで自動で作成できます。

全国ほぼすべての銀行・160以上の外部サービスと連携

freee会計は全国ほぼすべての銀行や外部サービスと連携

freee会計は全国ほぼすべての銀行やクレジットカード、決済サービスなどと連携可能。同期していれば自動で利用明細を取り込むので、勘定科目の登録はもちろん、売掛金や買掛金の消し込み、入金仕訳などの記帳が、freee会計の画面だけで行えます。

さらに、地代家賃や役員報酬など定期的に入金・支払金が発生する取引は、登録さえしておけばfreee会計が自動で記帳まで完了します。

充実のサポート体制

freee会計はサポート体制も充実

freee会計には、経理をするうえでの不安を解消できる充実したサポートコンテンツを用意しています。

それでも解決できないお悩みはfreeeの専任スタッフにご相談いただける体制も整っているため、はじめて経理される方でも安心して始めることができます。

よくある質問

単利と複利の違いは何ですか?

単利と複利の違いは、利息を元本に組み入れるかどうかです。単利は最初の元本だけに利息がつきます。一方、複利は得た利息を元本に加え、次の利息を計算します。

たとえば100万円を年利3%で10年間運用した場合、単利では130万円です。複利では約134万円になります。

差は短期では小さいものの、長期になるほど広がります。資産形成では、利回りだけでなく、再投資と運用期間も重要です。

詳しくは、記事内「単利との違い」をご確認ください。

複利で2倍になるまで何年かかる?

複利で資産が2倍になるまでの年数は、「72の法則」で概算できます。計算式は以下のとおりです。

72÷年利=資産が2倍になるまでの年数

年利3%なら約24年、年利6%なら約12年、年利8%なら約9年です。

ただし、実際の投資では利回りが変動します。税金や手数料も差し引かれるため、72の法則は目安として使いましょう。

詳しくは、記事内「複利計算に便利な「72の法則」」をご確認ください。

100万円を年利3%の複利で運用するといくらになりますか?

100万円を年利3%で複利運用した場合、税金や手数料を考慮しなければ、10年後は約134万円です。20年後は約181万円、30年後は約243万円になります。

計算式は「元利合計=元本×(1+利率)運用年数の累乗」です。10年運用する場合は、1,000,000円×(1+0.03)^10で計算します。

ただし、実際の投資では年利3%が保証されるわけではありません。利回りの変動や手数料を踏まえ、シミュレーション結果は目安として扱いましょう。

詳しくは、記事内「複利の計算方法」をご確認ください。

参考文献

監修 橋爪 祐典(はしづめ ゆうすけ)

2018年から現在まで、税理士として税理士法人で活動。中小企業やフリーランスなどの個人事業主を対象とした所得税、法人税、会計業務を得意とし、相続業務や株価評価、財務デューデリジェンスなども経験している。税務記事の執筆や監修なども多数経験している。

監修者 橋爪 祐典

無料で30日間お試しできる会計ソフト freee会計

インボイス制度や電子帳簿保存法に完全対応。

記帳作業をほぼすべて自動化して、入力の手間を減らします。
日々の記帳を行うと、1クリックで決算書を作成できます。

初期費用や解約料は0円なので、初めて会計ソフトを利用される方でも、安心して会計ソフトに挑戦できます。

freee会計で経理業務の時間を2分の1に

今なら30日間無料でお試し可能
登録はメールアドレスのみ