会計の基礎知識

インボイス制度施行後の決算での不備を防ぐポイントとは

監修 椎名 潤 椎名公認会計士事務所

インボイス制度施行後の決算での不備を防ぐポイントとは

インボイス制度の施行は、企業の決算業務に大きな変化をもたらしました。インボイス制度下で決算時の不備を避けるためには、正確なインボイスの発行と管理が不可欠です。

本記事では、インボイスでよく見られる不備の項目を明らかにし、これらを事前に防ぐための具体的な対策を紹介します。適切な対策を講じることで、決算業務の正確性を高め、税務上の不備を最小限に抑えることが期待できます。

目次

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インボイスで不備が多い項目は?

2023年10月に開始したインボイス制度により、買い手は売り手が発行したインボイス(適格請求書)がなければ仕入税額控除を受けられなくなりました。インボイスは一定の記載要件を満たしていなければならず、必要事項が記載されていないなどの不備がある請求書はインボイスとして認められません。

適格請求書について詳しく知りたい方は、別記事「適格請求書とは?書き方や保存期間、簡単に作成する方法について解説」をご覧ください。

働き方を変えるDXサービスを提供するSansan株式会社は、同社のインボイス管理サービスを利用した企業を対象に実施した、「インボイスの不備」についての調査結果を発表しました。調査は2023年11月1日から6日にかけて、同社のインボイス管理サービスに搭載される「不備の確認機能」を利用した請求書を対象に、不備の割合や内容を集計したものです。

調査の結果、すべての請求書のうち不備があった請求書の割合は19.9%であり、5件に1件の請求書に不備があったことがわかりました。具体的な不備の内容は、多い順に以下のとおりです。

インボイスで不備の多い項目

  1. 消費税額や税率の記載漏れ
  2. 消費税額の計算ミス
  3. 取引年月日の記載漏れ

この調査結果は、インボイス制度施行後の決算で不備を防ぐための重要な指標といえます。インボイスの処理を行う経理担当者は、これらのポイントを注意深くチェックすることで、決算期に生じる請求書の不備を減らすことができるでしょう。

これら3つの不備について、以下で詳しく紹介します。


出典:PR TIMES「インボイス制度初月の月次決算が終了。適格請求書で不備が多かった項目トップ5を発表 | Sansan株式会社のプレスリリース」

1.消費税額や税率の記載漏れ

消費税額や税率の記載漏れ

「消費税額や税率の記載漏れ」とは、具体的に以下の情報が不足しているケースなどが該当します。

  • 適用税率
  • 税率ごとに区分した消費税額
  • 税率ごとに区分して合計した対価の額

適格請求書発行事業者の登録番号が記載されている場合でも、上記のような消費税額や税率の記載が漏れていると、インボイス(適格請求書)としての要件を満たしません。

このような場合、インボイスの受領者(買い手)は発行元(売り手)に対して、修正を依頼する手間が発生します。

消費税額の計算ミス

消費税額の計算ミス

消費税額の計算ミスは、特に端数処理に関連して発生するケースが多いと考えられます。

税率ごとに区分した消費税額などに1円未満の端数が生じた場合、ひとつのインボイスにつき税率ごとに1回の端数処理が必要です。端数処理を正確に進めることは、インボイスの正確性を保つ上で重要ですが、システムなどを使用していない場合はこの確認を手作業で行わなければならず手間がかかります。

消費税額の計算ミスがあった場合は、先方への送付前に気付いたらすぐに修正します。送付後に気付いたら、請求書が誤っていることについて早急に先方に連絡し、正しい請求書の送付が必要です。再発行する場合には、「再発行」というスタンプを押すなどの工夫をしておくと親切です。

インボイス制度では、ひとつの適格請求書内で標準税率10%と軽減税率8%が混在するケースも珍しくありません。 複数の消費税率が混在している場合は、それぞれの税率に対して端数処理を行い、その後で合算した金額を記載する必要があります。

このように、細かい消費税額の計算を行わなければならないため、ミスが起きやすいといえるでしょう。この点に注意し、計算ミスを防ぐための対策を講じることが重要です。

消費税の端数処理について詳しく知りたい方は、別記事「消費税の端数処理はどうする?小数点以下の処理方法やインボイス制度後の取り扱いについて解説」をご覧ください。

取引年月日の記載不備

取引年月日の記載不備

取引年月日の記載に関する不備は、単なる記載漏れだけではありません。請求書を発行する企業によって、和暦または西暦のどちらで記載するかルールが異なるために起こり得るミスもあります。具体的には、和暦と西暦が混在することによってそれぞれの暦への変換ミスが生じてしまうリスクが生じます。

このような不備を防ぐには、インボイスの発行・受領者は取引内容や請求金額以外の情報もきちんとチェックする必要があるでしょう。単純な年月日の記載ミスだけでなく、和暦・西暦の変換ミスにも気をつけなければなりません。

インボイスに不備があった場合の対応については、別記事「請求書にミスや訂正があった場合、どうする?対処法を解説します」や「訂正する場合はどうする?請求書に記載する金額について解説します」をご覧ください。

決算でインボイスの不備を事前に防ぐポイント

前述したようなインボイスの不備を事前に防ぐため、留意したいポイントとして以下の2点が挙げられます。

社内でインボイスに関する教育を行う

インボイスの不備を防ぐためには、従業員に対してインボイスに関する社内教育を徹底することが重要です。

具体的には、インボイスの記載要件を全従業員に通達し、発行したり受け取ったりしたインボイスに不備がないかを確認できるようにするための周知と教育を行います。社内勉強会を開催するなどの方法をとってもよいでしょう。

インボイス制度に対応した会計システムを導入する

インボイス制度の導入により、決算業務の複雑さが増しています。特に消費税の計算は煩雑で、決算業務の大きな負担となっている企業も多いでしょう。そこで、インボイスに関する業務負担を軽減させる手段として、会計システムの導入が挙げられます。

会計システムを導入することで従来の業務を自動化でき、手作業により生じてしまうケアレスミスを減らすことができるでしょう。また、業務を自動化し経理担当者の業務負担が減ることによっても、業務上のミスを減らすことにつながります。

まとめ

インボイス制度施行後の決算で不備を防ぐためには、複数の重要なポイントがあります。

まず、インボイスで不備が多い項目として、消費税額や税率の記載漏れ、消費税額の計算ミス、取引年月日の記載不備が挙げられます。

これらの不備を防ぐには、社内での教育とインボイス制度に対応した会計システムの導入が効果的です。決算期の処理がスムーズに進むように、適切な対策を講じましょう。

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インボイス制度では、請求書を発行する側(売り手)と請求書を受領する側(買い手)のそれぞれで対応する必要があります。そのため、適格請求書の要件を満たして作成したり、受領した請求書が適格請求書であるかの判別をしたり、これまでの経理業務に加えて必要な作業があります。

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インボイス制度の導入後は、受領した請求書が適格請求書なのかを判別する必要があります。例えば、請求書に記載された適格請求書発行事業者番号が、間違いなく取引先であるかを確認します。
しかし、この適格請求書発行事業者番号の照会作業をfreee会計では自動的に行うことが可能です。

通常は、国税庁のサイトで適格請求書発行事業者番号を検索し確認しなければならないですが、その作業が不要になります。

また、freee会計ではAIが適格請求書から日付や勘定科目を判別し、記帳することも可能です。

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またフォームに沿って入力した内容がリアルタイムで書類上に反映されるため、プレビューを見ながら簡単に書類を作成できます。入力が必要な項目はあらかじめ設定されており、消費税(内税・外税)や源泉税なども自動計算されます。

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よくある質問

インボイス制度施行後の決算で不備が多い項目とは?

インボイス制度施行後、決算でよく見られる不備には消費税額や税率の記載漏れ、消費税額の計算ミス、取引年月日の記載不備があります。これらの不備があることで正確に税務処理を進められないため、企業ではよく注意して確認すべき項目です。

詳しくは記事内「インボイスで不備が多い項目は?」をご覧ください。

インボイスの不備を事前に防ぐポイントは?

不備を防ぐには、社内でインボイスに関する教育を徹底し、インボイス制度に対応した会計システムを導入することが重要です。これにより、記載要件の周知と経理業務の自動化・効率化が可能になります。

詳しくは記事内の「決算でインボイスの不備を事前に防ぐポイント」をご覧ください。

監修 椎名 潤

公認会計士試験合格後、大手監査法人へ入所し、一般事業会社向けの会計監査及び内部統制監査業務に従事。その後、国内コンサルティングファームにて、内部統制導入支援や経理決算常駐支援などのアドバイザリー業務に従事。2023年より公認会計士として独立。

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