会計の基礎知識

単利とは?複利との違いや計算方法、計算時のポイントまで解説

監修 橋爪 祐典 税理士

単利とは、当初の元本に対してのみ利息を計算する方法です。預金や債券、貸付金などで発生する利息を理解するうえで基本となる考え方です。

利息には「単利」と「複利」があり、同じ元本・利率・期間でも、どちらの方法で計算するかによって将来の受取額や支払額が変わります。

単利は複利と異なり計算がシンプルで、毎期の利息額が一定であるため収支の見通しを立てやすい点が特徴です。一方で、長期運用では複利と比べて資産が増えにくいデメリットもあります。

本記事では、単利の意味や複利との違いから計算方法、単利で利息を計算するときのポイントまでわかりやすく解説します。

目次

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単利とは

単利とは、当初の元本に対してのみ利息が計算される方法です。運用期間が長くなっても利息が元本に組み込まれず、毎回同じ金額の利息が発生します。

たとえば、100万円を年利5%の単利で運用する場合、1年間の利息は5万円です。2年目以降も利息の計算対象は元本100万円のままなので、毎年の利息額は5万円となります。

利息が増える仕組みがシンプルであるため、将来受け取る利息や支払う利息を把握しやすい点が特徴です。

単利が使われる主な場面

単利は、単利型の金融商品や貸付金の利息計算、債券の利払い額の確認などで用いられることがあります。

とくにビジネスの現場では、取引先への貸付や受取利息の管理において単利による計算が用いられることがあり、経理・財務担当者にとって基本的な知識といえます。

一方で、預貯金や投資では単利だけでなく複利が使われるケースもあるため、商品説明や契約条件の確認が重要です。利率が同じでも、単利か複利かによって将来の受取額や支払額は変わるため、比較時には計算方法まで確認しましょう。

単利の計算方法

単利の計算には、元本・利率・期間の3つの要素が必要です。単利の計算式はシンプルなため、一度覚えればビジネスにおける貸付金の利息計算や、金融商品を選ぶ際の比較検討にも役立ちます。

ここでは、以下の2種類に分けて計算方法を解説します。

  • 単利の利息を求める計算式
  • 単利の元利合計を求める計算式

単利の利息を求める計算式

単利による利息は、次の計算式で求めます。

利息 = 元本 × 利率 × 期間

利率が年利で表示されている場合は、期間も年数に換算して計算します。

たとえば、元本100万円・年利3%・預入期間2年の場合、利息は「100万円 × 0.03 × 2 = 6万円」となります。預入期間は2年であるため、1年で受け取れる利息は6万円の半分の3万円です。

預入期間を半年で計算する場合は、期間を0.5年として「100万円 × 0.03 × 0.5 = 1.5万円」とします。利率は「3% = 0.03」のように小数に換算して使用しましょう。

単利の元利合計を求める計算式

元利合計とは、元本と利息を合算した最終的な受取額(または返済額)のことで、次の計算式で求められます。

元利合計 = 元本 + 利息 または 元本 × ( 1 + 利率 × 期間 )

たとえば、元本100万円を年利5%で4年間運用する場合、利息は「100万円 × 0.05 × 4 = 20万円」です。つまり、元利合計は「100万円 + 20万円 = 120万円」となります。または、「100万円 × (1 + 0.05 × 4 ) = 120万円」と求められます。

単利では利息が元本に組み入れられないため、複利のように年数が経つほど利息計算のもとになる金額が増えるわけではない点に注意が必要です。

単利と複利の違い

<図解提案ヶ所>

利息の計算方法には「単利」と「複利」があり、長期運用になるほどその差は大きくなります。

方式によって最終的な金額が変わるため、金融商品や借入れ方法を選ぶ際にはどちらの方式が適用されているかを事前に確認することで、より有利な条件で意思決定が可能です。

以下では、複利の仕組みと両者の具体的な違いを解説します。

複利は利息にも利息がつく

複利とは、一定期間ごとに発生した利息を元本に加算し、その合計額をもとに次の利息を計算する方法です。

たとえば、元本100万円・年利3%で運用した場合、1年目の利息は3万円ですが、2年目は元本103万円に対して利息が計算されるため3万900円となります。

このように、利息が元本に加わることで、次回以降の利息額が少しずつ増えていくのが複利の特徴です。運用期間が長くなるほど元本が膨らむため、単利との差が顕著になります。

同じ元本・利率・期間で比較した場合の違い

単利と複利は、同じ元本・利率・期間で比較すると違いがわかりやすくなります。

元本100万円・年利3%・5年間で単利と複利を比較してみます。

単利の場合、利息は毎年3万円で5年間の合計利息は15万円、元利合計は115万円です。一方、複利(年1回複利)の場合、元利合計は「100万円 ×( 1 + 0.03 ) ^ 5 = 約115万9,300円」となり、単利より約9,300円多くなります。

短期間では差額は小さく見えますが、元本が大きくなるほど・期間が長くなるほど両者の差は拡大します。そのため、資産運用では複利効果を意識した商品選びが重要です。

単利で利息を計算するときのポイント

単利の計算式はシンプルですが、使用する数値を誤ると利息の計算結果が大きくずれてしまいます。

以下では、単利で利息を計算する際に押さえておきたい3つのポイントを解説します。

  • 元本・利率・期間を正しく確認する
  • 年利・月利・日歩を混同しない
  • 税金や手数料を考慮して手取り額を確認する

元本・利率・期間を正しく確認する

単利計算では、元本・利率・期間の3つを正しく確認することが大切です。

元本とは、利息を計算するもとになる金額です。利率は元本に対してどの程度の利息が発生するかを示す割合で、期間は運用または借入れの長さを指します。

たとえば、元本の一部を途中で引き出した場合や、契約途中で利率が変動する商品では、単純に当初の数値を当てはめると誤った結果になる可能性があります。そのため、契約書や金融機関の案内をもとに、計算に使う数値を正確に確認してから計算を行いましょう。

年利・月利・日歩を混同しない

利率には「年利」「月利」「日歩(ひぶ)」といった種類があり、それぞれ1年・1ヶ月・1日を基準とした利率を表します。

単利の計算では、利率と期間の単位を必ず統一しなければなりません。たとえば、年利3%で半年運用する場合、期間は0.5年として計算します。この場合の利息は「元本 × 0.03 × 0.5年」です。一方、月利3%で半年運用する場合は、1ヶ月ごとに元本の3%の利息が発生するため、年利3%の場合とは利息額が大きく異なります。

金融商品の説明では年利が使われるのが一般的ですが、信用取引といった専門的な文脈では日歩が使われるケースもあるため、事前に利率の基準を確認することが重要です。

税金や手数料を考慮して手取り額を確認する

計算で求めた利息額が、そのまま手取り額になるとは限りません。預貯金や債券などで利息を受け取る場合、原則として利息には税金がかかることがあるためです。また、金融商品によっては購入時や解約時、口座管理などに手数料が発生する場合もあるため注意が必要です。

たとえば、預貯金の利息には、原則として20.315%(所得税・復興特別所得税・地方税)の税金が源泉徴収されます。100万円を年利3%で1年間運用して得た3万円の利息も、税引き後の手取りは約2万3,900円となります。

そのため運用や借入れの計画を立てる際は、税金・手数料を差し引いた実質的な手取り額を確認したうえで判断することが大切です。

出典:国税庁「No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)」

単利のメリット

単利には、計算のシンプルさから生まれる実務的なメリットがあります。とくに、短期間の資金運用や貸付金の利息管理など、利息額を明確に把握したい場面では、単利の考え方が有効です。

以下では、単利の主なメリットを2つ解説します。

  • 運用結果を把握しやすい
  • 収支の見通しを立てやすい

運用結果を把握しやすい

単利は「元本 × 利率 × 期間」という一定の計算式で利息が求められるため、運用結果をシンプルに把握しやすい仕組みです。

複利のように利息が元本に組み込まれて変動することがないため、いつでも現時点までの利息額や元利合計を正確に計算できます。

たとえば、3年間の運用途中で現時点での利息を確認したい場合も、期間を差し替えるだけで即座に算出が可能です。

運用状況を定期的に確認したい方や、経理処理で利息を明確に管理したい企業にとって扱いやすい考え方といえます。

収支の見通しを立てやすい

単利では毎期の利息額が一定であるため、将来の収支計画を立てやすいメリットがあります。毎回の利息額が一定になり、受け取る利息や支払う利息を事前に予測しやすいためです。

たとえば元本100万円・年利3%であれば、毎年3万円の利息収入が得られると事前に把握できるため、キャッシュフロー計画や資金繰りの管理がしやすくなります。

借入時においても、毎期の利息負担が明確なため返済計画を組みやすく、資金計画の精度が上がります。ただし、実際の返済額は返済方式や手数料、契約条件によって変わる場合があるため、資金計画を立てる際は、利息額だけでなく支払総額の確認も重要です。

単利のデメリット

単利はシンプルでわかりやすい反面、資産を増やすという観点では複利に劣る側面があります。利息が元本に組み込まれないため、長期間運用しても資産の増加ペースが一定にとどまるためです。

特に長期の資産形成を目的とする場合は、単利のデメリットを正しく理解したうえで、運用方法を選択することが重要です。

以下では、単利の主なデメリットを2つ解説します。

  • 資産が増加しにくい
  • 長期になるほど複利運用との利息差が出る

資産が増加しにくい

単利では利息が元本に加算されないため、運用期間が長くなっても利息額は毎期一定のままで、資産が増加しにくい傾向があります。

複利であれば利息が元本に組み込まれることで次期の利息額が増えていきますが、単利にはその効果がありません。

たとえば元本100万円・年利3%で10年間運用した場合、単利の元利合計は130万円です。一方、複利(年1回)では約134万3,900円となり、約4万3,900円の差が生じます。

このように同じ元本・利率・期間であっても、単利は複利と比べて資産の増加スピードが緩やかになる点を理解しておきましょう。

長期になるほど複利運用との利息差が出る

単利と複利の差は、運用期間が長くなるほど大きくなります。複利では、発生した利息が元本に組み入れられ、その合計額に対して次の利息がつくためです。

たとえば元本100万円・年利3%を20年間運用すると、単利の元利合計は160万円です。一方、複利(年1回)では約180万6,100円となり、その差は約20万6,100円になります。

さらに30年では単利が190万円、複利が約242万7,300円となり、差額は約52万7,300円まで拡大します。

このように、長期の資産形成においては複利効果の有無が最終的な資産額を大きく左右するため、運用目的や期間に応じた方式の選択が重要です。

まとめ

単利とは、当初の元本に対してのみ利息を計算する方法です。利息を元本に組み入れないため、元本・利率・期間が同じであれば、毎年の利息額は基本的に一定になります。

単利は計算方法がシンプルで、運用結果や収支の見通しを立てやすい点がメリットです。一方で、利息にも利息がつく複利と比べると、長期運用では資産の増加ペースが緩やかになります。

そのため利息を確認するときは、単利か複利かだけでなく、年利・月利などの表示単位、税金や手数料を含めた実際の手取り額まで確認することが大切です。また、事業で貸付金や借入金がある場合は、受取利息や支払利息が資金繰りや損益にも関わるため、発生した入出金を正しく記録しておく必要があります。

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よくある質問

単利とはどういう意味ですか?

単利とは、預けた元本に対してのみ利息を計算する方法です。運用期間中に発生した利息は元本に加算されないため、毎期同じ金額の利息が発生し続けます。

計算式は「利息 = 元本 × 利率 × 期間」とシンプルで、単利型の金融商品や貸付金の利息計算、債券の利払い額の確認など幅広い場面で活用されています。

詳しくは、記事内「単利とは」をご覧ください。

単利と複利の違いは何ですか?

単利は元本のみに利息が発生するのに対し、複利は発生した利息を元本に組み入れて次期の利息を計算する方法です。

同じ元本・利率・期間であれば、複利のほうが最終的な利息総額は大きくなります。運用時は複利が有利である一方、借入時は複利のほうが返済総額が増えるため、契約前にどちらの方式が適用されているかを確認することが重要です。

詳しくは、記事内「単利と複利の違い」をご覧ください。

単利と利回りの違いは何ですか?

単利は利息の計算方法を指すのに対し、利回りは投資した元本に対して1年間でどれだけの収益が得られたかを示す割合のことです。

たとえば、100万円を投資して1年間で3万円の利益を得た場合、単純に考えると利回りは3%です。ただし、実際の利回りは、利息や分配金だけでなく、売却益・売却損、手数料などを含めて考える場合があります。

単利はあくまで利息の算出方式であり、利回りは運用パフォーマンスを評価する指標という点で、両者は異なる概念と理解しておきましょう。

監修 橋爪 祐典(はしづめ ゆうすけ)

2018年から現在まで、税理士として税理士法人で活動。中小企業やフリーランスなどの個人事業主を対象とした所得税、法人税、会計業務を得意とし、相続業務や株価評価、財務デューデリジェンスなども経験している。税務記事の執筆や監修なども多数経験している。

監修者 橋爪 祐典

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