会計の基礎知識
知っておくと便利な「貸借対照表」と「損益計算書」の深いつながり
最終更新日:2019/12/06

期末決算の時期、経営者や決算処理担当者の頭を悩ませるのが「貸借対照表」と「損益計算書」の作成。 この2つの表の数字から会社の経営状態を判断することになるため、決算処理担当者は内容をよく理解しておく必要があります。
貸借対照表と損益計算書は別々の書類ではありますが、特定のキーワードによってお互いにつながっています。そのキーワードについて、また、それぞれの書類における言葉の定義や各表に記載されている数字の見方などについて丁寧に解説します。
目次
貸借対照表と損益計算の定義をおさらい
まずは、それぞれの計算書の定義から考えてみましょう。
貸借対照表とは?

貸借対照表とは、会社のプラスの財産(資産)とマイナスの財産(負債)のバランスをまとめたデータ──会社の財政状態(主に資産と負債)がどういう状態にあるのかを表している計算書といえます。
よく(B/S)とも表記されますが、これは英語ではバランスシート(Balance Sheet)と呼ばれるためです。貸借対照表についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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- 貸借対照表とは。作成前に知っておきたい基礎知識
損益計算書とは?
損益計算書とは、その名の通り会社の損益計算を行った計算書のことをいいます。損益計算書を読むことで、会社の業績がどうなっているのかがわかります。
損益計算は収益・費用・利益の3つの要素から成り立っており、 プロフィット&ロス・ステイトメント(Profit & Loss statement)略して(P/L)とも呼ばれています。
貸借対照表が会社のある時点での財政状態を表すのに対して、損益計算書は会社の「一定期間」における業績を示しています。わかりやすくいうと、会社の財務状況を「点」で見るのが貸借対照表で、「線」として見るのが「損益計算書」です。
損益計算書についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
【関連記事】
- 損益計算書とは
- 損益計算書でよく使われる勘定科目
貸借対照表と損益計算書をつなぐ、「当期純利益」と「利益剰余金」の関係
会社が営業している限り、売り上げや経費によって損益計算書のデータは日々変化します。同様に、貸借対照表も売り上げがあれば資産が増えますし、借入金があれば負債が増えます。
そして、一見すると関連性がないように見える「貸借対照表」と「損益計算書」は、損益計算書の最後の項目でもある「当期純利益」でつながっています。
この損益計算書における「当期純利益」は貸借対照表では「利益剰余金」を構成しています。 「利益剰余金」とは、貸借対照表の「純資産の部(旧資本の部)」に位置します。「利益準備金」と「その他利益剰余金」の2つから構成されていますが、「当期純利益」の蓄積が「その他利益剰余金」となります。
「損益計算書」で計算される1年間の利益「当期純利益」は、株主へ一定の割合で分配されます。その後、残った利益が「当期末処分利益」と呼ばれ、蓄積されていきます。それが、貸借対照表にある「利益剰余金(その他利益剰余金)」となるのです。
貸借対照表と損益計算書を活用するための数字の見方
「貸借対照表」はある時点におけるその会社の財政状態を表す「診断書」であるのに対し、「損益計算書」は一定期間における収益と費用を表すその会社の「成績表」ともいえるでしょう。
では、それぞれのデータのどの部分を見れば良いのでしょうか。
まず「貸借対照表」からは、ある一定期間における会社の「資産の集め方」および「お金の使い方」について読み取ることができます。
そして「損益計算書」については、「当期純利益(純利益)」の項目がポイントです。項目を見る際に過去のデータと照らし合わせることで、より正確に、会社のこれまでの業績推移を把握できます。
さらに、「売上高」が増加しているか、「売上総利益」が伸びているかなども過去のデータと照らし合わせることで、その会社の業績が上下する原因がどこにあるのかが見えてきます。
まとめ
このように、「貸借対照表」と「損益計算書」から、その会社の経営状態が明らかになります。収益に対する費用の割合や、預金と借入の状態などは、貸借対照表と損益計算書でよくわかりますし、過去のデータと比較することにより、その会社の経営状態が浮き彫りになります。
また、「貸借対照表」と「損益計算書」における「利益」は必ず一致するものですが、数値が一致しない場合は、しっかりと双方の記載を行っていないか、帳簿が他にある可能性があると思われてしまいます。 このような疑いをかけられないようにするためにも、「貸借対照表」と「損益計算書」は確実に記載していくことが必要といえるでしょう。
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