キャッシュ・フローとは、会社の現金の流れを示しています。
一定会計期間内のキャッシュ・フローを表した、つまりどれだけ現金が流入し、そして流出したかを示す財務諸表をキャッシュ・フロー計算書といいます。現金がなければ、会社の資金繰りができない訳ですから、利益と同時に把握する必要があります。
ここでは、キャッシュ・フロー計算書について、基本的な知識や見方などを解説していきたいと思います。

目次
キャッシュ・フロー計算書とは
キャッシュ・フロー計算書では、一定会計期間内の現金の増減について、以下の通り三つの区分で表します。
営業活動によるキャッシュ・フロー
会社の本業の営業活動によって増減した現金。
投資活動によるキャッシュ・フロー
余剰資金を運用した際や、会社の設備投資をした際に増減した現金。
財務活動によるキャッシュ・フロー
借金の借入、返済、株の発行など、資金調達により増減した現金。
キャッシュ・フロー計算書は、上記の三つの区分を表の順に配置していきます。
キャッシュ・フロー計算書 | (金額) |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 1 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | 2 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 3 |
現金および現金同等物の増加額 | 1+2+3=4 |
現金および現金同等物の期首残高 | 5 |
現金および現金同等物の期末残高 | 4+5 |
キャッシュ・フロー計算書の見方
キャッシュ・フロー計算書を見ていく上で、書式に注意する点があります。
キャッシュ・フロー計算書には、直接法と間接法の二つの形式があります。
投資活動によるキャッシュ・フローと財務活動によるキャッシュ・フローは直接法で表されますが、営業活動によるキャッシュ・フローは、会社によって直接法か間接法か選択することができます。
では各書式の違いについて、営業活動によるキャッシュ・フローを見ていきましょう。
直接法は、実際の現金の流れを主要な取引ごとに項目にして集計し、表示します。現金の流れを総額で見ることができます。
間接法は、税引前当期純利益を出発点として、税引前当期純利益から現金の増減を項目ごとに表示していきます。
営業活動によるキャッシュ・フローの表示方法を比較すると、以下のようになります。

営業活動によるキャッシュ・フローの表示形式については、9割程の会社が間接法を採用していますので、これを用いて全体的にキャッシュ・フロー計算書を表示してみましょう。

上から順に見ていくと、会社の現金の流れが分かる様になっています。
営業活動によるキャッシュ・フローで、本業でどれだけ現金を得られたか、投資活動によるキャッシュ・フローで、本業を維持するためにどれだけの現金が必要か、財務活動によるキャッシュ・フローで会社の現金が不足した場合にどれだけ資金調達を行い返済できたかが分かります。
キャッシュ・フロー計算書の作成方法
キャッシュ・フロー計算書は、上場企業であれば作成が義務づけられていますが、それ以外の会社であっても現金が不足している場合や金融機関からの融資が多い場合などは、会社の資金繰りが分かり易くなりますので、作成するに越したことはありません。
では、実際にどのように作成するのでしょうか。
作成する上で用意するものは、
- 前期の貸借対照表
- 当期の貸借対照表
- 当期の損益計算書
以上の三点は必要最低限です。
もし取引がある場合、固定資産の取得や譲渡に関する資料、有価証券の取得や譲渡に関する資料、新株の発行に関する資料も用意して下さい。
前述で例として表示したキャッシュ・フロー計算書通り、上から順に三つの区分に項目を並べていきます。
営業活動によるキャッシュ・フローは、多くの会社では間接法を採用していますので、税引前当期純利益には、損益計算書から金額を転記します。
あとは項目ごとに、貸借対照表もしくは損益計算書から必要な金額をピックアップして当てはめておくことになります。
まとめ
キャッシュ・フロー計算書は、現金がどうして増えて、どうして減ったかということを教えてくれます。売掛金の回収にはある程度の時間が必要だったり、借金が返済できなかったりすると、会社の資金繰りはますます厳しくなっていきます。
その様な危険な状態を回避するためにも、損益計算書、貸借対照表と合わせて、キャッシュ・フロー計算書を活用することをお勧めします。
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