会計の基礎知識

仕訳帳とは?書き方や仕訳例、基礎知識を解説

最終更新日:2022/06/30

監修 アトラス総合事務所


仕訳帳の作成は会社の経理業務で欠かせない作業工程のひとつです。基本的なルールを理解すれば、会計・経理に不慣れな方でも効率的に仕訳帳を作成することができます。

この記事では、仕訳の基礎知識や仕訳帳の書き方をよくある仕訳例を参考に解説します。

目次

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仕訳とは

「仕訳(しわけ)」とは、日々の取引を簿記のルールに従って帳簿に記録することです。

貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を正しく作成するためには、各取引について正確な仕訳が求められます。

そのためには、「勘定科目」と「借方と貸方の仕組み」を理解することが大切です。

勘定科目

勘定科目(かんじょうかもく)とは、取引で発生するお金の流れに対して「なぜその入金があったのか」や「何に使われたのか」などを示すための見出しです。「現金」や「売掛金」など、取引内容に応じて正しい勘定科目を選択する必要があります。

勘定科目は次の5つのグループに分類されます。

勘定科目

  1. 資産勘定:現金や売掛金、土地など、会社が保有する財産
  2. 負債勘定:借入金や買掛金、支払手形など、会社が支払う義務のある債務
  3. 純資産勘定:資本金や利益剰余金など、会社の純粋な資産
  4. 収益勘定:売上や受取手数料、受取利息など、事業などで得た収入
  5. 費用勘定:仕入や給料、消耗品費など、収益を生み出すためにかかった支出

勘定科目について以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

【関連記事】
勘定科目とは?必要性や主な勘定科目一覧、設定する際のポイントについて解説

借方と貸方の仕組み

仕訳ではひとつの取引を原因と結果に分け、借方(かりかた)と貸方(かしかた)に振り分けます。左側が借方、右側が貸方を表しています。

借方、貸方のどちらに記載するかは、勘定科目が属するグループと増減によって決まります。

勘定科目 借方 貸方
資産勘定 資産の増加 資産の減少
負債勘定 負債の減少 負債の増加
純資産勘定 純資産の減少 純資産の増加
収益勘定 収益の減少 収益の増加
費用勘定 費用の増加 費用の減少

たとえば、資産勘定に分類される「現金」の場合、現金が増える取引は借方(左側)、現金が減る取引は貸方(右側)に記入します。

一方、負債勘定に分類される「買掛金」の場合は、買掛金が増える取引は貸方(右側)、買掛金が減る取引は借方(左側)に記入します。

なお、借方と貸方はそれぞれ同じ残高にするという規則があります。仕訳の記載例は後述の「仕訳帳の書き方」にて詳しく解説します。

仕訳帳とは

「仕訳帳(しわけちょう)」とは、すべての取引を日付順に記載した帳簿のことです。仕訳帳は総勘定元帳とともに、会計業務において最も重要な「主要簿」に位置づけられています。

仕訳帳には、基本的に金銭や権利の増減を伴う取引がすべて記載されることになります。

ただし、商品を販売する約束を取りつけた場合などの受注時点では、実際に商品や金銭の増減はなく、簿記上の取引に該当しないため、仕訳は不要です。

仕訳帳と総勘定元帳との関連性

「総勘定元帳(そうかんじょうもとちょう)」とは、すべての取引を勘定科目別に記載した帳簿のことです。総勘定元帳は、仕訳帳をもとに勘定科目の借方・貸方に日付や金額を転記することで作成できます。

仕訳帳が取引ごとの金銭等の動きを時系列で表示する帳簿であるのに対し、総勘定元帳は特定の勘定科目における金銭等の動きを表示する帳簿です。

【関連記事】
総勘定元帳とは?書き方や保存期間、基礎知識を解説

仕訳帳の書き方

取引が発生するたびに仕訳帳に正確な仕訳をしていきます。仕訳帳に記載すべき具体的な項目は以下のとおりです。

仕訳帳に記載すべき項目一覧

  • 日付(年月日)
  • 勘定科目(貸方と借方)
  • 金額(貸方と借方)
  • 摘要(取引の相手先や販売数量など)

勘定科目別の仕訳例

法人でよく行われる資産勘定や負債勘定、収益勘定、費用勘定の分類別で仕訳帳への書き方を具体的に解説します。

資産勘定を含む仕訳例

<取引内容>
4月30日に、A会社より指定した当社の銀行口座に売掛代金30万円の入金があった。

<仕訳>

日付 借方 貸方
4/30 普通預金 300,000円 売掛金 300,000円

<仕訳の解説>
資産勘定に分類される勘定科目「現預金」が30万円増え、同じく資産勘定に分類される勘定科目「売掛金」が30万円減る取引です。

負債勘定を含む仕訳例

<取引内容>
5月15日に、B会社より掛で購入していた商品の代金50万円を小切手を振り出して支払った。

<仕訳>

日付 借方 貸方
5/15 買掛金 500,000円 当座預金 500,000円

<仕訳の解説>
負債勘定に分類される勘定科目「買掛金」が50万円減り、資産勘定に分類される勘定科目「当座預金」が50万円減る取引です。

なお、小切手の振り出しは当座預金勘定にて会計処理を行います。

収益勘定を含む仕訳例

<取引内容>
12月5日に、C会社に対して当社の商品を掛売りにて150万円で販売した。

<仕訳>

日付 借方 貸方
12/5 売掛金 1,500,000円 売上 1,500,000円

<仕訳の解説>
収益勘定に分類される勘定科目「売上」が150万円増加するとともに、資産勘定に分類される勘定科目「売掛金」も150万円増加する取引です。

費用勘定を含む仕訳例

<取引内容>
8月20日に、自社商品の宣伝に使用するパンフレットの制作費用としてD会社へ15万円を支払った。なお、代金については完成品と引き換えに現金で支払った。

<仕訳>

日付 借方 貸方
8/20 広告宣伝費 150,000円 現金 150,000円

<仕訳の解説>
費用勘定に分類される勘定科目「広告宣伝費」が15万円増加し、資産勘定に分類される勘定科目「現金」が15万円減少する取引です。

仕訳帳の保存期間

仕訳帳は税法上の保存が義務づけられている帳簿で、保存期間はその事業年度の確定申告書提出期限の翌日から7年間です。あわせて取引に関する書類等の保存も必須です。

保存が必要な「帳簿」と「書類」は以下のとおりです。

保存が必要な「帳簿」

  • 仕訳帳
  • 総勘定元帳
  • 現金出納帳
  • 売掛金元帳
  • 買掛金元帳
  • 固定資産台帳
  • 売上帳 など

保存が必要な「書類」

  • 棚卸表
  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 注文書
  • 契約書
  • 領収書 など

なお、欠損金が生じた年度の場合、帳簿や書類の保存期間は10年間(平成30年4月1日前に開始した事業年度は9年間)です。

まとめ

仕訳帳は会計業務を行う上で最も重要な「主要簿」のひとつです。

仕訳帳に仕訳を記載する際には、取引ごとの借方と貸方の金額が常に一致しているかを確認することで誤入力などの初歩的なミスを防ぐことができます。

正しい財務諸表を作成するためにも、正確な仕訳を意識しましょう。

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