会計の基礎知識
勘定科目の基礎:消耗品費の仕訳のやりかた

10万円未満か使用可能期間が1年未満のものを消耗品費と呼びますが、明確な法的区切りはなく曖昧なところがあります。
使用者としての使用目的がはっきりしている領収証のあるものについては、一定基準を満たすことで消耗品費として経費扱いすることができます。ここでは、消耗品費の仕訳についてご説明します。
目次
消耗品費とは
購入したものが以下いずれかの基準を満たす場合、消耗品費として経費扱いすることができます。
- 購入金額が10万円未満であること
- 使用可能期間が1年未満であること
例えば、文房具や名刺、伝票用紙や印鑑、作業に使う手袋等は、消耗品費として計上されます。昨今はパソコンを導入するケースも当たり前になったため、仕事で使う目的として購入したソフトウェアについても、原則購入金額が10万円未満の場合に限り消耗品費として計上することができます。
摘要への記入例
帳簿には購入費用を支払った相手先の名称と購入品の名称や内容等、摘要欄を一見すれば必要な事柄が把握できるように心がけます。最低限必要な情報としては、以下の項目が挙げられます。
- どのようなものを購入したか
- 購入数や購入量はどれくらいか
- 購入先の店名は何か
- その他必要と思われる情報
ボールペンを30本購入したのであれば、適用には品名として「ボールペン」、購入数を「30本」、購入店を「販売店名(具体的な店名)」等と記入します。領収証に「文房具代として」と記載されていた場合でも、帳簿には具体的に記載する必要がありますので、領収証をもらう段階で具体的な品名を書いてもらうことも大事です。
帳簿は後に税務署のチェックを受けることになるものです。このような具体的記録を心がけることで、会社の経理体制に対する信用に繋がり、無用な税務調査を回避することが可能になります。
仕訳の具体例
仕事上必要な消耗品は品目がたくさんあるため、用途ごとにジャンル分けして整理しておくことが大切です。
事務用品系
ボールペンや鉛筆等、ノート、ファイル、印鑑、各種封筒、名刺、請求書や領収証等の各種伝票、会計帳簿、コピー用紙やファックス用紙、コピー機用トナー、プリンタ用インク等
パソコン用品関係
パソコン本体、キーボードやマウス、USBやUSBケーブル、LANケーブル等
パソコンは購入時にキーボードやマウスがセットになっているケースも多く、そのような場合はセットで10万円未満でなければ消耗品費に該当しないことに注意します。
10万円未満の消耗工具器具備品
固定電話や携帯電話、ファックス機器、カメラ等
パソコンで利用するソフトウェアやライセンス
10万円未満のソフトウェアやライセンス
日常的に使用する社内の各種消耗品
ティッシュペーパーやトイレットペーパー、ゴミ袋、せっけんや洗剤、電池、電球や蛍光灯、湯飲みやコーヒーカップ、社内で消費するお茶やコーヒー等
気を付けたいポイント
消耗品費は毎日欠かさず記帳するようにします。経理用のソフトを利用しても良いですが、日常の下書き用としてペンを使用して帳簿に直接書き入れていけば、税務署が確認する際にも支出に関する大きな根拠となりますし信頼性が高まります。
昨今人気がある消せるペンは使わず、一般的な油性ボールペンを使い、訂正箇所は修正液で消さず二重線を引いて余白に正しい情報を記入します。その日の入出金が終了したら、当日の差引状況を書き入れ、現金出納帳の残高と照らし合わせることも大事です。
このように日々の記録を行うことで、月末の入出金記録が非常に楽になります。
幅広い品目を消耗品費に計上することができるため、かなり使い勝手が良い勘定科目だと言えますが、消耗品費だけが多くなりすぎないように注意しなければなりません。
偏りすぎが確認されると税務署はチェックを行いますので、物品やサービスの購入時には大雑把に消耗品費を適用するのではなく、一つ一つ確認して分類することが大切です。
なお、少額すぎて領収書がない又は必要ないような出費は、消耗品費ではなく雑費として計上しますが、あまりにも雑費が多すぎると、使途不明金の疑いを受けてしまうため、経費として認められないどころか税額が多くなることも考えられます。
雑費は非常に便利な科目ですが、多用せずできるだけ適切な分類を行わなければなりません。
まとめ
どんな企業でも消耗品なしには営業できないことから、消耗品費は非常によく使う勘定科目となります。
しかし、金額等の適用ルールは厳密に守ること、日常的に細かく記録を付けていかなければ、期末に帳尻が合わなくなったり消耗品費が異常に膨らんだりしかねません。
領収証やレシートをきちんと保管の上、適切な分類を行い、帳簿と合致するよう正確な記録を行うことが大事です。詳細な経費記録は税務署が優良企業として良い印象を抱く土台となります。消耗品は少額のものから10万円近いものまで様々です。
高額のものだけではなく日頃使う少額のものもしっかり計上することが、効果的な節税に繋がります。
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