会計の基礎知識

振替伝票の仕組みと書き方、作成時の注意点

公開日:2020/1/6

振替伝票の仕組みと書き方、作成時の注意点

日々の経理業務において、金銭のやりとりはすべて帳簿に残す必要があります。事業規模が大きくなるにつれて取引件数も多くなり、仕訳帳に記載された取引を修正したり、調整したりすることも出てきます。そうした諸問題を解消する手段として、伝票制が用いられています。今回は伝票制の中でも特に振替伝票に焦点をあてて、基本的な仕組みの解説や伝票を作成するときの注意点について見ていきましょう。それぞれのケースでの振替伝票の書き方についても具体的に紹介します。

目次

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振替伝票とは?

事業活動を行ううえではさまざまな取引が発生しますが、すべての取引を記載した帳簿のことを仕訳帳といいます。しかし、仕訳帳は日付順に記載していく必要があるため、後から順番が前後してしまったときに、取引の修正や調整が行いづらいといったデメリットもあります。

そうした不都合を解消するために、伝票を作成して総勘定元帳に転記していくという仕組みが伝票制です。伝票にはいくつかの種類があり、そのうちのひとつが振替伝票です。

振替伝票には記載すべき項目や保存期間など、一定のルールが定められています。手書き・Excelでの作成・会計ソフトを利用して作成するといった具体的な作成方法について整理していきたいと思います。

振替伝票を利用するタイミング

振替伝票は現金以外の取引を記録した紙片のことを指し、各種帳簿の作成に利用します。現金のやりとりについては、入金伝票・出金伝票を作成するものの、それ以外の取引においては振替伝票を作成します。

入金伝票では借方に現金、出金伝票では貸方に現金の勘定科目を使用しますが、振替伝票においては、借方・貸方双方で現金以外の勘定科目を使用するのが特徴です。日々の取引記録を正確に残すためにも、取引発生するたびに振替伝票を作成しましょう。

伝票制と仕組み

多くの企業が採用している経理処理の仕組みとして、伝票制と呼ばれるものがあります。伝票制は3種類あるため、それぞれのメリットやデメリットをご紹介します。

伝票制とは?

伝票から総勘定元帳に転記する仕組みのことを伝票制といいます。伝票の仕組みについて理解を深めることは、取引の流れを把握するうえで役立ちます。

伝票には仕訳を行うための取引内容などが記載されているため、正確に記入していく必要があります。仕訳帳は経理担当者が作成するケースが多いですが、仕訳帳の代わりに伝票を用いることによって、経理担当者以外も伝票の記録を残すことが可能です。

伝票制の3つの種類

企業によって日々の取引や現金の取り扱い状況も異なるため、使う種類の伝票の数から3つの伝票制に分けられます。伝票制を採用する場合は、企業の取引実態に合わせて決めていく必要があるでしょう。

たとえば、現金取引が多い飲食業の場合は3伝票制が、掛け取引の多い企業であれば5伝票制が向いています。ここでは、「1伝票制」「3伝票制」「5伝票制」のそれぞれの特徴について見ていきましょう。

1伝票制

1伝票制では、仕訳伝票にすべての仕訳を記入します。そして、仕訳伝票から総勘定元帳に転記する方法です。

1伝票制においては現金での取引も含めたすべての取引に振替伝票を作成するので、特に「仕訳伝票」といった言い方をします。伝票を作成する必要はあるものの、仕訳帳に記入する労力を削減できます。

3伝票制

3伝票制というのは、入金伝票・出金伝票・振替伝票の3種類の伝票を使って総勘定元帳に転記していく方法です。1伝票制では仕訳伝票しか使いませんが、現金を扱う取引では入金伝票と出金伝票を使い、現金以外の取引については振替伝票を使います。

現金取引を区別することが出来るため、現金取引が多い業種は採用しているケースも多いです。

5伝票制

5伝票制では、入金伝票・出金伝票・振替伝票・仕入伝票・売上伝票の5つの伝票を使って、総勘定元帳に転記していきます。3伝票制に加えて、商品の仕入れと売上を示す仕入伝票と売上伝票も用いるのが特徴です。

仕入れが多い小売業や掛け取引が多い卸売業などで用いられることが多いです。

振替伝票に必要な項目

振替伝票では、取引内容を2つに分けて記載するため、借方・貸方の双方に勘定科目を記入します。振替伝票を作成する際に盛り込むべき内容について見ていきましょう。

記入すべき事項

振替伝票に記入すべき内容は、日付・金額・勘定科目・摘要などがあります。金額と勘定科目については、借方・貸方の双方を記入しましょう。

摘要には「商品A 20個」といったように、取引の具体的な内容を記入します。第三者が見たときに、きちんと理解できる内容を記入しましょう。

振替伝票の注意点

振替伝票に限らず、伝票は日々の取引の中で数多く処理をする機会が多い分、処理のミスが起こりやすいです。そのため、伝票を記入する際に注意すべきポイントに意識を向けておく必要があります。

振替伝票は、借方の合計金額と貸方の合計金額が必ず一致していなければなりません。合計金額が同じでなければ、ミスを修正するのに時間を取られてしまい、経理作業の負担が増えてしまうため注意しておきましょう。

保存期間

振替伝票などの経理関係の書類は、一定の期間を保存しておくことが法律によって定められています。法人税法で規定されている書類は保存期間が7年となっており、振替伝票のほかにも請求書・納品書・領収書・棚卸表・契約書などに加えて、貸借対照表や損益計算書などにも7年間の保存義務があります。

その一方で、会社法で規定されている書類は保存期間が10年となっており、売上帳・仕入帳・総勘定元帳・仕訳帳・固定資産台帳などとなっています。両方の法律で対象となっている書類については、10年間の保存が求められていることを押さえておきましょう。

ただ、国税関係の帳簿については届出を行うことによって、電子化での保存が認められています。これによって、書類をスキャンしてデータとして保存すれば、ペーパーレス化を行えます。

経理関係の書類は保存期間も長く、紙の書類が溜まっていくと保管スペースも考えなければならなくなるため、保存方法にも意識を向けておくと良いでしょう。

さまざまな振替伝票の書き方

振替伝票は手書きで作成する方法以外にも、Excelで入力を行ったり、会計ソフトを利用したりする方法があります。最適なやり方を見つけていくためにも、それぞれの方法の特徴について把握しておくことが大切です。

具体的な事例とメリット・デメリット

ここからは、振替伝票を作成する事例とメリット・デメリットについて紹介していきます。

手書きのケース

振替伝票を手書きで作成する場合には、借方と貸方の両方に記入します。たとえば、A社に対して10万円の売上が発生したケースで見ていきましょう。

この場合は借方勘定科目として「売掛金」、貸方勘定科目として「売上」と記入し、金額をそれぞれ100,000円とします。摘要の箇所には「A社への売上」と書き、日付と任意の伝票番号もきちんと記入しましょう。

「合計」欄に合計金額を記入します。係印や承認印は組織内で必要に応じて捺印しましょう。

紙に記入する場合

振替伝票を手書きで作成するメリットは、PCを普段利用しない方でも伝票が作成できる点です。デメリットとしては、紙の伝票が溜まっていくため、集計作業が煩雑になりやすいことがあげられます。

Excelで入力するケース

振替伝票をExcelで作成する際も、手書きの場合と同じように各項目に必要事項を入力していきます。PCでデータを作成するため、紙の伝票が溜まらず管理しやすいといったメリットがあるのです。

その一方で、Excelを使う場合にはデータの取り扱いに注意をしておく必要があります。データが突然消えてしまったり、うっかり上書きしてしまったりする場合には元データが分からなくなってしまうので、バックアップをとっておくことが大切です。

また、財務諸表(決算書)を作成する際に、Excelの場合では伝票を集計しなければならず、手間と時間がかかってしまうといったデメリットもあります。

会計ソフトを使用するケース

会計ソフトを利用すればデータを直接入力できるため、作業を簡略化できます。決算書を作成する際に仕訳や伝票の集計を自動で行ってくれるため、作業時間や作業ミスが減らせるメリットがあるのです。

ただ、デメリットとしては会計ソフトを購入し、使い方を覚える必要がある点です。Excelと比較すると専用のソフトである分覚えてしまえば入力は簡単ですが、初期は学習コストが発生します。

振替伝票のテンプレートを作成できる機能を備えた会計ソフトもあるので、一度設定しておけば入力の手間を省けます。また、必要な経理情報をすぐに検索できるため、担当者同士の情報共有もスムーズに行えるはずです。

<会計ソフトfreeeの振替伝票画面>

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まとめ

経理作業の効率化のためには紙の伝票を作成したり、Excelで入力したりするだけでなく、簡単に入力ができる会計ソフトの導入も検討してみると良いでしょう。

監修:筧 智家至(公認会計士・税理士)

慶応義塾大学商学部卒。監査法人トーマツにて会計監査、株式上場支援、企業の経営改善支援に従事。平成24年筧公認会計士事務所(現:税理士法人グランサーズ)を開設。常に現場に入り、経営者とともに課題に取り組み、経営者と常に相談しながら経営者のニーズに応え、解決策を導き出すことをモットーにしている。スタートアップ企業からIPO(上場)準備支援まで、あらゆる成長段階の企業のサポートをしており、税務会計顧問にとどまらない経営を強くするためのコンサルティングサービスに中小企業経営者の信頼と定評を得ている。東京商工会議所専門家エキスパート、セミナー実績多数。

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