会計の基礎知識
勘定科目の基礎:通信費の仕訳のやりかた

電話やインターネット、郵便は日常的に使う通信手段ですが、これらに関わる費用を通信費と呼びます。ここでは、通信に関する経費仕訳のやりかたや、プライベート利用との按分などについてご説明します。
目次
通信費とは
業務上使用する電話やインターネット、郵便等に関する料金は、通信費として計上します。どんな企業も連絡手段なしには他社や個人と取引することは不可能であるため、非常に使用頻度の高い勘定科目となります。
通信費に該当するものとしては、インターネット料金、プロバイダ料金、固定電話や携帯電話の料金、切手代や送料等の郵便料金があります。業務用として使用した分のみを通信費として扱うことができ、プライベートで使用した分は必ず除外して計算しなければなりません。
なお、通信費と間違えやすいものとして、以下が挙げられます。
ファックス用紙やコピー用紙
用紙は事務用品のため消耗品費として分類する。
ハガキや便箋等
事務用品のため消耗品費として分類する。
ダイレクトメールの送料
郵送料自体は通信費であるが、ダイレクトメールは販売促進活動のために利用するものであるため、広告宣伝費として分類する。
切手や63円ハガキ等は通信費として分類します。換価できることから金銭と同等のものと見なされるため、購入時には貯蔵品として分類し、使用したら通信費として計上します。
電話やコピー機等のリース料
賃借料やリース料として分類する。自社が所有するものではなくリースとして使っている機器の場合は、摘要分類が変わるので注意が必要です。
印紙
租税公課として分類する。
祝電やお悔やみの電報
交際費として分類する。電報は通信費と混同しやすいですが、用途が「外部との付き合い」であるため交際費の扱いとなります。
摘要への記入例
通信費に関する摘要記入例は以下の通りとなります。
【摘要】電話代
NTT等の固定電話料金
【摘要】携帯電話代
au、ドコモ、ソフトバンク等の携帯電話料金
【摘要】インターネット代
インターネット回線料金、プロバイダ利用料金、Wi-Fi利用料等
【摘要】郵便代
切手代金
切手は、期末の棚卸し時に未使用分は「貯蔵品」に振替します。
【摘要】送料
ヤマト運輸や佐川急便等の宅配便料金
法律上の義務はありませんが、固定電話と携帯電話で摘要を分けておくと何にどのくらい支出しているのか把握できるので便利です。また、郵便代と送料も混同しやすいですが、切手を使用したのか宅配業者を利用したのかにより明確に分けられます。
仕訳の具体例
例えば銀行預金からの引き落としで支払った電話料金55,000円(うち税5,000円)を税抜経理で仕訳する際には、以下のように記載することになります。
【借方】通信費として50,000円、仮払消費税として5,000円を記入する。
【貸方】普通預金として金額55,000円を記入する。
電話料金の支払いによって「通信費」が50,000円発生したため、帳簿の左側にある【借方】に50,000円と記入し、「仮払消費税」として、帳簿の左側にある【借方】に5,000円と記入します。
同時に、普通預金から55,000円が引き落とされるため、資産が55,000円減ったとして帳簿の右側にある【貸方】に普通預金55,000円と記入することになります。
気を付けたいポイント
仕事とプライベートで同じ電話を利用していたり、自宅の水道光熱費の中に業務用として使用した分が含まれたりすることがあります。このような場合は「按分」を行い、かかった料金を一定割合で経費として計上できます。
また、携帯電話料金は基本的に法人契約の携帯電話を使用することになります。
ただ、実際問題として個人の携帯電話を業務に使用する場面は少なくありません。そのような場合、個人の携帯を業務に使用した際の按分は、その料金が通話時間やネット利用量に基づいて算出されることから、使用時間を基準として計算されます。
携帯電話の使用割合が、業務用40%でプライベート用60%の場合、その月にかかった携帯電話料金の40%を通信費として計上できますので、仮に携帯電話料金が30,000円だった場合、40%にあたる12,000円を通信費として計上し、残る60%にあたる18,000円はプライベート利用であるため事業主貸として仕訳します。
こうすることで、曖昧になりやすい経費とプライベート利用の境目を分けることが可能になります。
まとめ
電話会社や郵便局、宅配業者に対する支払いは全て通信費で括れるようなイメージがありますが、実際には用途により科目が変化します。大雑把に何でも通信費として計上してしまうと、後から修正する際に非常に大きな手間がかかりますし、税務署からの指摘にも繋がりかねませんので、日頃から適切な勘定科目に振り分ける習慣を付けることが大事です。
また、携帯電話料金などについては、業務上の利用とプライベート利用を明確に分けることは簡単ではないため、合理的な基準値を決めておき、それに従って毎月の利用料金を按分することも必要です。
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