会計の基礎知識

減価償却を行うメリットと計算方法

最終更新日:2020/03/11

減価償却を行うメリットと計算方法

企業の会計には「減価償却」という計算手続きがあります。

とりわけ中小企業や個人で事業を営んでいる人にとっては、減価償却について知っておくことが様々なメリットをもたらします。 本記事では、減価償却とは何か、生まれた背景、そのメリットや計算方法の例など、抑えるべきを4つのポイントをご紹介します。

また、減価償却についてyoutube動画でも解説しておりますので、文字ではなく映像で見たい方は下記の動画をご覧ください。

目次

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減価償却とは

減価償却とは、高額な機械設備や内装設備など長期間に渡って使用し経年劣化が生じるような資産の購入代金を、購入した年にまとめて経費計上するのではなく、使用年数に応じて1年ずつ分割をして経費計上する事を指します。

なぜ、まとめて経費計上を行わず、分割して経費計上をするのでしょうか。 下記のA社とB社のキャッシュフローを比べてご覧ください。

定期的に多量のお金が出ていく会社

継続的に利益を出している会社

A社は年度により、黒字が出たり赤字だったりしていますがB社は継続的に利益を出しています。

もしもあなたが投資家だった場合、どちらの会社に投資をしますか? もちろん、利益が出ていない会社から配当はありませんので、多くの人は安定的なB社に投資をするのではないでしょうか。

しかし、実際はA社もB社も同じ企業なのです。会計基準を現金の出金ベースで行うか、実際に使用したり発生したりしたタイミングで計上する、発生主義で減価償却を用いるかで見え方が変わってくるのです。

両方同じ企業だが見え方が違う

このように減価償却を用いることで、建物や業務用機器といった高額な物を購入した年に、まとめて経費計上を行わず、複数年にわける事によって、適切な経営状況の把握や一時的な赤字から免れることができます。

耐用年数を客観的に判断することは難しいため、品目ごとに細かく法律で定められた「法定耐用年数」の基準に従うこととなります。

経年劣化により価値が下がっていく(減価する)建物や自動車、機械設備などは減価償却対象の資産です。たとえば500万円の自動車を購入した場合、購入年に500万円全額を経費として処理するのではなく、耐用年数である5年間にわたって100万円を分割して経費計上するのが減価償却計算となります。

自動車や機械など、形のある資産は「有形固定資産」と呼ばれます。 他方、ソフトウェアや特許権、商標権などの「無形固定資産」も、減価償却の対象になります。

有形固定資産であっても減価償却の対象とならない場合があるのは、土地・美術品や骨とう品など、経年劣化で価値が下がらない可能性があるものです。

減価償却の背景

減価償却とは、19世紀の鉄道会社が発明したと言われています。鉄道会社は事業の運営を行う際に、車両を購入しなくてはいけません。その上で線路を何千キロと引き、川があったら鉄橋を作り、山があればトンネルを掘ります。さらには駅舎も用意し、車両基地まで持たなくてはいけません。

固定資産のオンパレード

現在と比べ、当時は車両が重く、線路の質も悪いため壊れやすく、何十年も使う事が出来ない状況でした。このため鉄道の事業運営は莫大なランニングコストがかかるため、投資家からの出資が無ければ運営が困難でした。しかしながら、投資家は安定した配当を前提に投資を行うため、安定した利益を鉄道会社にも求めていました。

そこで、年度により収支が大きく変わるギャップを埋めるため、鉄道会社の経営者は鉄橋や駅舎など、長い期間使うものは、使っている期間に分割をして数年がかりで費用に計上をしようと考えました。

例えば、車両購入に18億円かかるのであれば、購入した年は瞬く間に赤字になります。そこで車両を18年間使うと仮定して、毎年1億円のみ費用計上を行うことで、安定的な利益が出るようになり、投資家に継続的な配当を出すことも可能であるため、出資を受けることができました。
このようにして「減価償却」が生まれ、現在では多くの会社で使われるようになりました。

減価償却の節税効果

減価償却費は経費として計上できるため、減価償却費を計上すると利益額が抑えられ、その分税額も抑えられるので節税につながります。注意したい点として、法人の場合は除却時(資産を処分してなくす際)に除却損により利益を抑えることができますが、個人の場合はそれができません。

個人事業の場合は特に、毎年度経費計上するのを忘れないようにしましょう。

減価償却の対象資産

減価償却の対象となる資産と対象とならないものをご紹介します。対象となる資産の中には、大きくわけて

  • 有形減価償却資産
  • 無形減価償却資産
  • 生物

以上の3種類あります。1つ目の有形減価償却資産とは、建物、建物付随設備、機械装置、車両運搬具、工具、船舶などが該当し、2つ目の無形減価償却資産には、ソフトウェア、営業権、漁業権、商標権、実用新案権などが該当します。また、牛、馬、豚などの生物や、りんご樹や、なし樹なども減価償却の対象資産となります。

減価償却の対象外となる非減価償却資産とは、土地、電話加入権、書画、骨董、稼働休止資産、建設中の減価償却資産など、時間の経過や使用により価値が減少しない固定資産が当てはまります。

固定資産

減価償却の計算方法と例

減価償却の主な計算方法である「定額法」と「定率法」についてご紹介します。

償却方法

「定額法」は、固定資産の減価償却総額を耐用年数で割るというものです。
耐用期間5年の資産を100万円で買ったなら、5年間の間は毎年20万円ずつ経費計上するというものです。減価償却の計算方法の中でも特に簡明な計算方法です。また、無形固定資産はこの定額法でのみ償却可能となります。

「定率法」は、固定資産の未償却残高に毎年一定の率をかけて減価償却額を計算する方法です。 年々償却額が小さくなるため、収益力が低下する後年の負担を小さくできるのがメリットです。しかし初年度の償却額は大きくなるため、節税につながる一方、利益を圧迫する場合もあります。

年間の減価償却費は、固定資産の未償却残高に償却率を乗じて求めます。 資産の取得価格と耐用年数に応じて、償却率・改定償却率・保証率は変動します。 有形固定資産の種類によって、定額法のみを用いるか、定額法または定率法のどちらかを選択するなどが決められています。

中小企業など法人の減価償却計算方法

法人の減価償却制度は平成23年12月の改正に伴い、大幅に改正されました。平成24年4月1日以降に取得した減価償却資産については「200%定率法」により償却を行うこととなりました。従来の250%定率法に代わるものです。200%定率法の「200%」は、定額法の2倍の償却率で計算するという意味になります。

例として、取得原価100万円、耐用年数10年の資産を200%定率法で減価償却していく場合の計算式を記載します。

100万円(取得原価)÷定額法の償却率(1/10(耐用年数))×2
=20万円(償却率0.2%)

この場合の償却率は0.2%となり、未償却残高に20%を乗じた金額を毎年、減価償却費として計上していくことになります(改定償却率を下回った場合は減価償却費の計算は異なる)。

また、青色申告をしている中小企業の場合、事業用として30万円以下の少額資産を取得した場合には「少額減価償却資産の特例」によって全額を経費計上が可能です。詳しくは次項で取り上げます。

個人事業主の減価償却計算方法

個人事業主の減価償却計算方法は、毎年均等額を償却する「定額法」と定められています。償却方法を変更したい場合は、税務署への届け出が必要になります。

青色申告を行っている個人事業主の場合は、「少額減価償却資産の特例」が利用できます。この特例は平成28年の税制改正により、適用期限が平成30年3月31日まで延長されました。

この制度は、取得価額が30万円未満の減価償却資産に関して、購入した年度に一括で減価償却費として費用計上できるようにするものです。

適用可能な品目は、事業に使用するPCや機械、備品などの他、特許権やソフトウェアなどの無形固定資産も含まれます。また、中古品であっても対象となります。30万円で中古車を購入した場合などでも適用されます。

さらに大きなメリットとして、年度末に資産を取得した場合でも全額を経費として計上可能です。ただし、年度あたりの適用可能上限額もあり、300万円までとなっています。また、機械や備品などの固定資産の評価額が150万円を超えた場合には、固定資産税が課税されることも覚えておきましょう。

一方で白色申告者の場合は、10万円未満の減価償却資産しか一括経費計上はできません。

まとめ

減価償却制度を正しく理解しておくなら、経営にプラスとなる会計処理ができます。主な計算方法である定額法と定率法の大きな違いは、計算の簡単さ、費用として計上できる早さとなります。

自社の経営状況や事業戦略に合わせて、どちらを取り入れるか決定しましょう

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