会計の基礎知識

支払調書とは? 記載項目や提出方法について解説

最終更新日:2020/10/6

支払調書とは?記載項目や提出方法について解説

支払調書とは、税務署に提出が義務付けられている法定調書の一種です。会計に詳しくない方にとっては、「支払調書」という言葉は聞き慣れない言葉かもしれません。

ここでは、支払調書とはどのような書類なのか、記載内容や源泉徴収票との違い、提出方法などについて紹介します。

目次

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支払調書とは?どんなときに必要なの?

支払調書とは、令和2年4月1日現在で60種類ある「法定調書」の一種で、税務署への提出が義務付けられています。

法定調書とは、「所得税法」、「相続税法」、「租税特別措置法」及び「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」の規定により税務署に提出が義務づけられている資料をいいます。
引用:国税庁「No.7401 法定調書の種類」

支払調書は、報酬の支払者である企業や個人事業主が「誰に、どのような内容で、年間いくら支払ったか」を税務署に報告し、支払いを受けた人が正しく申告をしたかどうかを確認するための書類です。
提出する際は、以下の6種類の法定調書をまとめた「法定調書合計表」を税務署へ提出します。

【法定調書合計表にまとめるもの】
  • 給与所得の源泉徴収票
  • 退職所得の源泉徴収票
  • 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
  • 不動産の使用料等の支払調書
  • 不動産等の譲受けの対価の支払調書
  • 不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書 など

企業が支払調書を提出することで、税務署はその企業のお金の流れを正確に調べることができるようになり、法人税や所得税が正しい金額で申告されているかどうかを確認することができるのです。

支払調書の提出義務とは?条件は?

支払調書は、外交員や弁護士、税理士などのへの報酬や契約金、作家や画家に対する原稿料や画料などで規定を超える金額を支払った場合に提出しなければなりません。

  • 外交員、集金人、電力量計の検針人及びプロボクサー等の報酬・料金、バー、キャバレー等のホステス等の報酬・料金、広告宣伝のための賞金については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの
  • 馬主に支払う競馬の賞金については、その年中の1回の支払賞金額が75万円を超えるものの支払を受けた者に係るその年中の全ての支払金額
  • プロ野球の選手などに支払う報酬、契約金については、その年中の同一人に対する支払金額の合計額が5万円を超えるもの
  • 弁護士や税理士等に対する報酬、作家や画家に対する原稿料や画料、講演料等については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が5万円を超えるもの
  • 社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬については、同一人に対するその年中の支払金額の合計額が50万円を超えるもの

引用:国税庁「No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等」

ただし、支払調書の提出が必要なのは「源泉徴収義務者」のみです。
源泉徴収義務者とは、給与や報酬、料金を支払う際、支払金額から所得税及び復興特別所得税を差し引き、国に納税する義務を負う人のことです。

 

所得税及び復興特別所得税を差し引いて、国に納める義務のある者を源泉徴収義務者といいます。
引用:国税庁「No.2502 源泉徴収義務者とは」

法人の場合は自動的に源泉徴収義務者となり、個人事業主の場合は従業員を雇って給与を支払った場合に源泉徴収義務が発生します。そのため、従業員を雇わずに自分一人で仕事をしている個人事業主であれば、源泉徴収義務者には該当しないため支払調書を提出する義務もありません。

なお、法人へ支払いをする場合、源泉徴収の必要はありませんが支払調書の提出は必要となります。
参考:国税庁「法人に対して支払った報酬等」

支払調書に記載されている項目

ここでは、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」に記載すべき項目を紹介します。

その他の支払調書の記載項目は以下の国税庁のリンクからご確認ください。
国税庁「給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」

「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の記載項目

項目 説明
支払を受ける者 支払いを受ける方の住所または所在地、氏名または名称(法人の場合は法人名、個人の場合は屋号ではなく個人の氏名)を記載します
「個人番号又は法人番号」欄には、支払いを受ける方のマイナンバーまたは法人番号を右詰めで記載します
区分 報酬や料金の名称を記入します(原稿料、講演料、弁護士報酬、税理士報酬など)
細目 以下の区分により記載します
  • 印税:書籍名
  • 原稿料、さし絵料:支払回数
  • 放送謝金、映画俳優などの出演料:出演した映画の題名など
  • 弁護士などの報酬や料金:関与した事件名など
  • 広告宣伝のための賞金:賞金の名称など
  • 教授・指導料:講義名など
支払金額 対象となる年に支払いが確定したものを記載します
※該当期間中の全ての支払いが対象となりますので、少額で源泉徴収の対象とならなかった報酬や未払いの報酬なども対象となります
源泉徴収税額 対象となる年に源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の合計額を記載します
※災害による被害を受けたことで猶予を受けた税額がある場合、その金額は含めずに記載します
(摘要) 以下の特記事項に該当する場合に関連内容を記載します
  • 診療報酬のうち家族診療分がある場合はその金額と金額上部に「家族」と記載
  • 災害による納税猶予を受けた場合はその税額と金額上部に「災」と記載
  • 広告宣伝のための賞金が金銭以外の場合はその旨と種類などの明細を記載
  • 支払いを受ける方が「源泉徴収の免除証明書」を提出した者である場合、法律上源泉徴収を要しない方である場合はその旨を記載
支払者 報酬や料金を支払った方の住所(居所)または所在地、氏名または名称、電話番号を記載します
「個人番号又は法人番号」欄には、支払った方のマイナンバーまたは法人番号を右詰めで記載します

「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の記載例

では、実際の記載例も見てみましょう。
以下は、国税庁で公開されている令和2年分の見本です。 「外交員報酬を支払った場合」に支払調書を作成すると、このような内容になります。

令和2年分 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書サンプル

上の記載例では、「支払を受ける者」が個人であるため、左端を空欄にし、右詰めでマイナンバーを記載しています。

支払金額は、令和2年の1月から12月までの報酬の総額が2,400,000円で、うち支払調書作成日現在での未払分が200,000円という内容になっています。また、源泉徴収税額は確定分が98,016円、未払分が8,168円となっています。

支払調書と源泉徴収票との違い

支払調書と源泉徴収票の大きな違いは、発行される相手と発行義務のありなしです。

  1. 支払調書:報酬や料金を支払った相手に対して、法的な発行義務はない
  2. 源泉徴収票:給与を支払った相手に対して、必ず発行する義務がある

源泉徴収票は、原則として給与を支払った相手全員に交付しなければなりません。一方、支払調書は税務署に提出する義務がありますが、支払った相手に交付する義務はありません。
まれに、支払った側から支払調書の写しが送られてくるケースもありますが、これは支払った側の親切心からのものでありそれが慣習となっているものと考えられます。

なお、ここで一つ注意が必要な点があります。それは「支払調書の写しにはマイナンバーを記載できない」という点です。
支払調書を税務署に提出する際には、支払先が個人であればマイナンバーの記載が必要となりますが、番号法において特定個人情報の提供制限を受けることになるため、たとえ本人に交付する支払調書の控えであってもマイナンバーを記載することができません。

報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書は、所得税法上、本人に交付する義務がないため、報酬等の支払調書の写しを本人に交付する場合には、 番号法上の特定個人情報の提供制限を受けることとなることから、マイナンバー(個人番号)を記載することはできません。


支払調書の提出方法

支払調書を税務署に提出する方法は以下の3つです。

【支払調書の提出方法】
  • 書面による提出
  • 光ディスク(CDやDVDなど)に電子データを記録して提出
  • e-Tax(国税電子申告・納税システム)からの提出

書面で提出する場合は、税務署から送付されてくる書類を利用するか、下記の国税庁のホームページから「手書用」または「入力用」のPDFファイルをダウンロードして作成します。
[手書用] 令和 年分 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書(PDF/196KB)
[入力用] 令和 年分 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書(PDF/1,128KB)

また、電子データで提出する場合は、CDやDVDに保存して税務署に持ち込むことも可能です。 ただし、光ディスク(CDやDVDなど)による提出は、提出の2ヶ月前までに申請が必要です。

光ディスク等により提出する場合には、「支払調書等の光ディスク等による提出承認申請書(兼)支払調書等の本店等一括提出に係る承認申請書」を、法定調書を提出しようとする日の2か月前までに提出義務者の所轄の税務署へ提出します。
引用:国税庁「No.7451 法定調書を光ディスク等により提出する場合の手続」

また、e-Taxを利用すると税務署に出向かずに支払調書を提出できます。
e-Taxとは、様々な税の申告や法定調書の提出、各種手続をインターネット経由で行うことができる国税電子申告・納税システムです。データ作成から提出までの一連の作業を電子的に行うことができ、事務作業の省力化やペーパレス化にもつながります。

なお、令和2年12月31日以前の提出について、前々年の法定調書の提出枚数が「1,000枚以上」であるものについては、e-TaxやCD・DVDなどの光ディスクでの提出が必要となります。
そして、令和3年1月1日以後の提出については、前々年の法定調書の提出枚数が「100枚以上」であるものについては、e-TaxやCD・DVDなどの光ディスクでの提出が必要となります。
参考:e-Tax「法定調書のe-Tax等による提出義務化の概要について」

支払調書の提出期日

提出期限は原則として「支払が確定した年の翌年の1月31日まで」となっています。
令和2年のものは令和3年2月1日(1月31日が日曜日のため)までに税務署に提出する必要があります。

参考:国税庁「法定調書の種類及び提出期限|法定調書関係|税務手続の案内」

法定調書を提出しなかった場合、どうなる?

提出義務者であるにもかかわらず支払調書を提出しなかった場合や書類に偽りの記載をして提出した場合には、所得税法上で罰則が課せられることがあります。

給与等の支払を受ける人に支払明細書を交付しなかったり、偽りの記載をして交付(電磁的方法により提供)したりした者は、1年以下の懲役又は 50 万円以下の罰金に処すこととされています(所法 242 ①七)。
引用:国税庁「源泉徴収のしかた 令和2年版」

支払調書は正しい内容で作成し、1月31日の期限に遅れないように提出しましょう。

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まとめ

支払調書は企業にとって、会計の健全性を税務署に示すための大切な書類です。

マイナンバーの導入により取扱いの煩雑さも課題になっていますが、ミスや提出遅れのないように作成していきましょう。

支払調書の作成方法についてさらに詳しく知りたい方は「支払調書作成時の計算方法とひっかかりやすい注意点とは」をご覧ください。

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