会計の基礎知識

関税について〜輸入とそれに伴い発生する税金〜

輸入業務を行う上で避けては通れないのが「関税」。今回は、その内容を基本的な考え方から説明すると同時に、輸入業務を行うにあたって考慮すべきほかの税金について、そして輸入業務一連の会計処理についても説明します。

関税について〜輸入とそれに伴い発生する税金〜

目次

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関税とは

関税とは、「国境を通過する際に課される税金」を言います。関税は、輸出時に課される場合と輸入時に課される場合の2種類に分けられ、一般的には「輸入関税」を指します。

関税が設定される背景には、大きく分けて

  • 輸入国の税収確保
  • 国内産業の保護

の2つの意味があります。

輸入品に関税を課すことで国が税収を確保できるだけでなく、課税した分、外国製品の仕入れ価格が上がれば販売価格も上げざるを得なくなり、国内製品が有利となるということです。

輸入仕入れ時にかかる税金は関税とそのほかに何があるか

輸出仕入れを行う際にはさまざまな税金がかかります。関税のほかに、代表的なものとして「輸入消費税」が挙げられます。

輸入を行った仕入業者は輸入消費税を納税しなければなりません。これは一般の「消費税」と同じ性質を持っており、物品、サービスの流通、消費が国内で行われた際にかかる税金を指します。

そのほかにも、酒税やタバコ税など、特定の品目にかかる税が挙げられます。これらの品目も輸入する際には税金がかかることになります。これらの税も消費税と同じ性質を持ち、国内において販売、購入により所有権の移動が有った場合にその買い手は売り手にそれら税金を支払うことになります。

輸入仕入れ時の会計処理、仕訳方法

次に、輸入仕入れ時にどのような会計処理が行われるかを説明します。

注文時

注文時に関しては特に仕訳を切る必要はありません。物品やサービスの動きがなく、経済的価値の動きもないためです。したがって、「仕訳なし」になります。

船積時(輸出国で製品が船積される時点)

国内仕入の場合は、検収時点で仕入を計上しますが、輸入仕入(国外仕入)の場合は、船積時点が一般的です。その際は輸入を行った側で以下の仕訳を切ることになります。この時、金額を算出する際のレートは取引発生時レートつまり船積時のレートを使用することになります。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
仕入 XXX 買掛金 XXX

輸入通関時

製品の輸入通関時に、税関に関税と輸入消費税の納付、及び輸入の許可の取得を行う必要があります。その際には会計上、以下の仕訳を切る必要があります。会計上、関税は仕入勘定、輸入消費税は仮払消費税等で計上します。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
仕入(関税) XXX 現金 XXX
仮払消費税等
(輸入消費税)
XXX

関税は、会計上、棚卸資産の金額の一部に含まれますが、輸入消費税は含まれません。
消費税は資産の仮勘定として計上される、つまりこの時点では費用としては認識されません。消費税が費用として認識されるのは、年度末に消費税の確定額の計算及び申告を行った際であり、そのときに初めて費用として認識されます。

支払時

銀行振込による製品代金の支払時の仕訳は下記のようになります。既に関税や輸入消費税の支払は通関時に済んでいるため、ここではそれに関わる勘定は動きません。製品代価を支払うことにより、買掛金という負債が消え、普通預金の残高が少なくなります。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
買掛金 XXX 普通預金 XXX

輸入仕入れ時の会計処理の注意点

輸入仕入れ時の会計仕訳については先述しましたが、仕訳で間違いやすい点にフォーカスして説明します。

仕入を計上するのは輸出者が製品の船積を行った時点

国内取引では製品を実際に受け取った際に仕入計上を行うのが一般的ですが、輸入取引は計上の時点が早くなり、輸出者が製品の船積を行った時点で仕入計上を行うことが一般的となります。

会計上、「製品の所有に伴うリスクと経済価値が移転した際に仕入計上を行う」という考え方があり、多くの場合、そのタイミングは「輸出者が船積を行ったとき」と考えられています。

そのため、会計上は未着品、つまりまだ入港していない洋上の製品に関しても仕入計上を行い、結果として期末に在庫として計上しなければなりません。

関税は費用計上、輸入消費税は仮勘定として資産計上

関税、輸入消費税は同じ税金とは言っても、性質が異なるため、会計上は違う処理が行われることになります。

関税の場合は、輸入者が払わなければならないコストという性質を持ちます。したがって、関税を支払った段階で、仕入という費用勘定に計上されます。

輸入消費税の場合は、輸入者が支払わなければならないという側面はありますが、消費税の性質上、その時点で「コスト」であることが決まるわけではありません。

簡単に説明すると、最終の消費者(自分で使用するために購入するお客様)にとっては消費税もコストになります。

しかし、その流通の途中にいる業者の場合、次の段階の事業者に売り上げるときに消費税を徴収することになるため、理論上は消費税のコストが発生しないのです。

そのため、消費税を支払った場合は、「仮勘定」の費用科目として資産勘定の仮払消費税等勘定に計上されることになります。

逆に、消費税を受け取った場合は「仮勘定」の収益科目として負債勘定の仮受消費税等勘定に計上されます。

これらの科目は会計年度末に消費税の確定申告を行う際に精算されます。すなわち、仮勘定を相殺して、差額を収益か費用として計上するのです。

コストとして認識されるのが年度末に限られるという点が、消費税の処理の特徴となります(消費税の理論上、最終的に収益として認識する場合よりも、費用として認識することが圧倒的に多い)。

今回は関税を中心にした、輸入時に生じる税金や会計処理について説明させていただきました。実際に輸入業務を行う際に参考にしていただければ幸いです。

執筆:熊谷恵佑(公認会計士)

宮城県仙台市出身。東北大学経済学部卒業。公認会計士として、日本で監査、税務業務等に従事後、国際業務に関心を持ち、2015年より東南アジアに拠点を移し、活動をしている。タイ、カンボジア、ベトナムでの業務経験を持つ。現在は、日本(仙台、東京)とタイ、バンコクで会計サービスを提供している。

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