会計の基礎知識

総勘定元帳とは?書き方や保存期間、基礎知識を解説

最終更新日:2022/06/30

監修 アトラス総合事務所

総勘定元帳とはすべての取引を勘定科目ごとに記録するための帳簿で、会社の会計業務を適切に行うために必ず作成しなければならない帳簿のひとつです。

この記事では、総勘定元帳の役割や使用するメリット、書き方、保存期間など、知っておきたい基礎知識を解説します。


総勘定元帳とは?書き方や保存期間、基礎知識を解説

目次

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総勘定元帳とは

総勘定元帳とは、すべての取引を勘定科目ごとに記録する帳簿です。

総勘定元帳は仕訳帳に記された内容を勘定科目ごとに転記したものなので、仕訳帳がないと総勘定元帳は作成できません。

「総勘定元帳」と「仕訳帳」は複式簿記における主要簿で、どちらも必ず作成しなければいけません。

また、税務調査の際に税務署から総勘定元帳等の提示を求められることがあります。提示できない場合で、かつ、内容が仮装隠蔽であるなど悪質だったときは、重加算税として納税額の35〜40%が課される可能性があります。

そうならないためにも定期的にお金の流れを記録し、総勘定元帳を正しく作成することが大切です。

複式簿記での記帳方法について詳しく知りたい方は、別記事「複式簿記の重要性と記帳方法について解説!」をあわせてご確認ください。

総勘定元帳と仕訳帳の違い

総勘定元帳と仕訳帳はどちらも日々の取引内容を記録した帳簿ですが、取引に関する情報の整理方法が異なります。

総勘定元帳は特定の勘定科目に関する金銭などの動きを知りたい場合に、仕訳帳は取引ごとに時系列で金銭などの動きを知りたい場合に有効です。

仕訳帳

仕訳帳は会社のすべての取引が日付順に仕訳として記録されています。

そのため、過去の取引の金額や内容を確認したい場合には、日付順に並べられた仕訳帳を遡ることで簡単に取引情報を見つけることができます。

【関連記事】
仕訳帳とは?書き方や仕訳例、基礎知識を解説

総勘定元帳

一方、総勘定元帳は勘定科目ごとに取引が日付順に記録されています。

たとえば、現金勘定で借方(左側)に金額の記載があれば現金が増加した取引で、貸方(右側)に金額の記載があれば現金が減少した取引であることを示しています。

しかし、総勘定元帳の各勘定科目を見ただけでは取引の全容をすぐに把握することができない場合があります。

たとえば、借方(左側)と貸方(右側)が、2つ以上の勘定科目で仕訳されているような場合です。このような複雑な仕訳の取引の場合は、該当する日付の仕訳帳を確認することで取引の全体を把握できます。

総勘定元帳の形式

総勘定元帳は、勘定科目ごとに作成された勘定口座に仕訳を転記することで作成され、その形式には標準式と残高式の2種類があります。

勘定口座は、勘定科目ごとの増減及び発生の記録計算を行う帳簿上の場所のことをいいます。

この2つは記帳方法が異なるだけで、導き出される結果は同じです。

標準式

標準式では貸借が明確です。しかし、残高を求めるには借方金額の合計と貸方金額の合計の差を計算する必要があり、すぐに把握することはできません。

<標準式のサンプル>

日付 借方科目 仕丁 借方金額 日付 貸方科目 仕丁 貸方金額








<項目の概要>

  • 日付:それぞれの取引が発生した日付
  • 借方科目、貸方科目:ひとつの勘定科目から見た、相手の勘定科目
  • 仕丁:その取引が記載されている仕訳帳のページ数(丁数)
  • 借方金額:その取引で発生した借方の金額
  • 貸方金額:その取引で発生した貸方の金額

残高式

残高式では貸借は明確ではありませんが、残高はすぐに把握できます。なお、実務では主に残高式が使用されます。

<残高式のサンプル>

日付 相手勘定科目 摘要 仕丁 借方金額 貸方金額 残高







<項目の概要>

  • 日付:それぞれの取引が発生した日付
  • 相手勘定科目:ひとつの勘定科目から見た、相手の勘定科目
  • 摘要:支払先や事由など
  • 仕丁:その取引が記載されている仕訳帳のページ数(丁数)
  • 借方金額:その取引で発生した借方の金額
  • 貸方金額:その取引で発生した貸方の金額
  • 残高:残高金額

総勘定元帳の書き方

総勘定元帳は、仕訳帳の仕訳をもとに勘定口座の借方・貸方に日付や金額を繰り返し転記することで作成することができます。

<転記までの流れ>

  1. 取引が発生
  2. 仕訳帳に記入
  3. 勘定科目ごとの勘定口座を作る
  4. 仕訳帳に記入した仕訳を総勘定元帳に転記する

仕訳帳から総勘定元帳への転記方法

以下の取引を例に、仕訳帳から総勘定元帳への転記方法を解説します。

<取引内容>
4月15日に、10万円のパソコンが現金で売れた。

<仕訳>

日付 借方 貸方 摘要
4/15 現金 100,000円 売上 100,000円 売掛金回収

このとき使用されている勘定科目は「現金」「売上」なので、総勘定元帳の現金と売上の勘定口座を開き、仕訳を記載します。

総勘定元帳へは、取引が発生した日付と相手勘定科目、摘要、該当する仕訳帳のページ、金額を転記します。

勘定科目ごとに取引内容をまとめるものが総勘定元帳なので、上記の取引では「現金」のみをまとめたページと「売上」のみをまとめたページそれぞれに転記を行います。

「現金」の総勘定元帳では、相手勘定科目となる貸方の「売上」の内容、「売上」の総勘定元帳では、相手勘定科目となる借方の「現金」の内容を記載します。

<総勘定元帳:現金>

日付 相手勘定科目 摘要 仕丁 借方金額 貸方金額 残高
4/15 売上 パソコン 1 100,000円 100,000円

<総勘定元帳:売上>

日付 相手勘定科目 摘要 仕丁 借方金額 貸方金額 残高
4/15 現金 パソコン 1 100,000円 100,000円

相手勘定科目が複数ある場合の書き方

相手勘定が複数ある場合は、「諸口」を使って記入します。以下の取引を例に、相手勘定科目が複数ある場合の書き方を解説します。

<取引内容>
4月30日に、パソコンの売掛金10万円が支払手数料550円を差し引いた金額で銀行口座に振り込まれた。

<仕訳>

日付 借方 貸方 摘要
4/30 普通預金 99,450円 売掛金 100,000円 パソコン
支払手数料 550円

仕訳帳では「売掛金」に対して、「普通預金」「支払手数料」という2つの勘定科目を用いて詳細に記載します。

なお、借方や貸方において複数の勘定科目を使う仕訳を「複合仕訳」といいます。複合仕訳を総勘定元帳に転記するときは、「諸口」という勘定科目を用い、1行にまとめます。

<総勘定元帳:売掛金>

日付 相手勘定科目 摘要 仕丁 借方金額 貸方金額 残高
4/30 諸口 売掛金回収 1 100,000円 100,000円

諸口の具体的な内容が知りたいときは、同日の仕訳帳に戻って確認します。

総勘定元帳を使用するメリット

総勘定元帳を使用する主なメリットとしては、以下の2つが挙げられます。

勘定科目ごとの残高管理ができる

総勘定元帳は各勘定科目の動きをすべて網羅しているため、残高を容易に把握することが可能です。たとえば、現在の借入金残高を知りたい場合は、総勘定元帳の借入金の残高を見ることですぐに把握できます。

各勘定科目の分析ができる

財務諸表の各勘定科目の残高が一致しない場合、総勘定元帳から残高の内訳や取引内容を調べることができます。その原因を勘定科目ごとに調べることができるため、誤りの原因を分析しやすくなります。

なお、一般的な会計ソフトを導入していればパソコンやスマートフォンで財務諸表を自動作成できます。

【関連記事】
勘定科目とは?必要性や主な勘定科目一覧、設定する際のポイントについて解説

総勘定元帳の様式

総勘定元帳は、必要な事項が記載されていればその様式は問われません。

手書き

ノートなどに手書きでの記入でもまったく問題ありません。実際に手を動かすことで自身で経営状態を把握できるというメリットもあります。

表計算ソフト

Excelなどの表計算ソフトも便利です。Excelは多くのパソコンで使われており、パソコン環境による仕様の違いも少ないです。テンプレートを用意すれば複雑な帳簿づけも簡単にできます。

Excelを使用した総勘定元帳の作成方法は、別記事「総勘定元帳をエクセルで作成する方法とは?」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。

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手書きやExcelでの帳簿づけに比べ、作業負担を大幅に軽減することが可能です。慣れてくれば経理に欠かせない正確さとスピードを確保できます。

総勘定元帳の保存期間

総勘定元帳は税法上の保存が義務づけられている帳簿で、保存期間はその事業年度の確定申告書提出期限の翌日から7年間です。あわせて取引に関する書類等の保存も必須です。

保存が必要な「帳簿」と「書類」は以下のとおりです。

保存が必要な「帳簿」

  • 総勘定元帳
  • 仕訳帳
  • 現金出納帳
  • 売掛金元帳
  • 買掛金元帳
  • 固定資産台帳
  • 売上帳 など

保存が必要な「書類」

  • 棚卸表
  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 注文書
  • 契約書
  • 領収書 など

なお、欠損金が生じた年度の場合、帳簿や書類の保存期間は10年間(平成30年4月1日前に開始した事業年度は9年間)です。

まとめ

総勘定元帳は会計業務を行う上で最も重要な「主要簿」のひとつです。

日々の経営状況を把握する目的はもちろん、財務諸表の作成にも深く関連する重要な帳簿ですので、正確さや管理方法には細心の注意を払いましょう。

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