
業種を問わず、様々な労働現場で「業務改善」の必要性が問われています。どんな企業にも必ずあるはずの経理という業務においても、例外ではありません。
この記事では、業務改善の定義や経理の業務について、改善するべきもしくは改善できる点について考察していきます。
目次
業務改善とは
業務改善とは、業務の進め方、情報の流れなどの問題点を分析・抽出し、改善策を考え実行することを言います。業務の効率化・合理化などと似た意味合いを持ちますが、それよりもさらに広範囲かつ強力な施策となる場合が多くなります。
業務改善によって、業務に関わる人やもの、コストなどが大なり小なり調整・変更されることになります。
具体的には、次のような手順で業務改善を進めることができます。
1.問題の可視化
まずは、自社の抱える問題と現状の業務プロセスを明確にします。それにより、業務プロセスのどの部分が問題を生んでいるのかを判明させ、どうすれば改善できるかの検討が可能になります。
2.業務改善の目的・目標を明確に定める
問題が判明したら、業務改善における目的や目標を明確に定めます。問題が複数あるなら、優先度・緊急性の高いものから解決を図ります。
3.業務改善のための段階的な課題を定める
問題解決までには、小さな目標を段階的に達成していくことが必要になります。段階的な課題を定め、達成したら評価をするようにします。
4.効果的な業務改善を定着させる
問題が解決した場合は、解決までのプロセスを振り返り、どのような効果があったか、他の分野にマイナスの影響が出ていないかなどを確認します。 良い効果しか見られないとすれば、その業務改善は成功したと言えます。成功した事例は定着させるようにします。
ちなみに業務改善では、コスト削減効果も同時に期待できます。さらに、成功例が定着することで企業の体質そのものを良い方向へ変えることもできます。
大きな、そして長期的な効果が見込める業務改善ですが、本来の業務とは別に余分の努力を払って取り組まねばならない事柄です。さらに、従業員数が多ければ多いほど成功が難しくなります。
経理の仕事
経理のおもな仕事は、伝票や帳簿の作成管理により、企業のお金の動きを正確に記録することになります。
日常の業務・月次業務・年次業務と、具体的な業務内容が変わってきます。
1.日常の業務
日常の業務では、現金の出納管理や従業員の立替経費精算、伝票の起票整理、売上の集計などが行われています。
これに加えて、棚卸資産の購入や受け入れ処理、新規取引先の選定の際には相手方の信用調査などをすることがあります。
2.月次業務
月単位では、社会保険料の納付、給与計算および支払い、取引先への支払い・請求・回収などの業務が発生します。これに際して支払いに関する資金繰りや、未回収金・債権などの回収に関する業務も担当します。
月末には、月次決算や予算分析も行います。
3.年次業務
経理にとって最も重要で最も煩雑となる業務が、年次決算です。
現金・預金残高の帳簿とのすり合わせ、在庫や資産の計上、減価償却や引当金の計算など様々な業務をこなします。決算手続きを完了するには2カ月ほどの時間を要し、完了後は速やかに税務申告や会計監査に対応しなくてはなりません。
経理がすべき/できる業務改善
経理の業務内容は約80%以上がルーチンワークとなっており、一部分を合理化できればそのメリットは毎日・毎月・毎年というふうに継続して享受することができます。
経理業務は一部業務をのぞき緊急度や外部への影響度が低く、業務改善しやすい業務であると言えます。
では、経理がすべき業務改善例を3つご紹介します。
経理が「すべき」業務改善例
1.問題点の発見
業務について、「誰が」「いつ」「何を」「どのような目的で」「いくらで」という視点で棚卸ししてみます。結果を「業務内容一覧」として作成します。そして業務内容一覧をもとに、部門ごとの業務フローを作成してみます。この段階で、社内の総合的な動きがある程度把握できるようになります。
2.問題点を確認し、業務改善の方向性を決める
業務内容一覧と業務フローから見えてきた問題点をまとめ、どのような業務改善ができるかを検討します。
3.具体的なプランを作成・実行
業務改善のためのプランを作成します。緊急性や重要度によって優先順位をつけて整理し実行します。
では次に、業務改善のためにできることの例を3つご紹介します。
経理が「できる」業務改善例
1.キャッシュレス化を進める
現金の扱いがある場合は、その処理のための人件費や時間がかかります。もし毎日、経費精算などのために現金の出納や伝票作成をしているなら、そのために時間・人件費のコストがかかっているはずですし、ミスの可能性も出てきます。キャッシュレス化を図れば、その点では効率化が図れることになります。
また、経費精算を月1度にまとめ、立替分の精算は給与と合わせての支払いとすることもできます。現金の扱いに関連する手間やリスクを無くすだけでなく、毎月1回集中的に行う業務とすることで修正点やミスを効率よく処理することも可能になります。
2.業務をまとめる
経費精算を月に1度にまとめることができたら、会計処理も1カ月に1度にまとめてみることができます。頻繁に作成していた伝票が、1枚でまとめられるようになります。
また、仕入れ先や外注先への支払いも月1回とすることができます。支払日ごとに必要だった資金繰りや振り込み作業も、1回にまとめるなら効率的です。
3.管理するものをまとめる
管理するべきものの数だけ業務が発生します。そこで、まとめられるものを出来るだけまとめてみることができます。
たとえば銀行口座です。事業が拡大するにつれ取引先の銀行や口座の種類が増えるかもしれません。しかし口座の数だけ管理の手間がかかります。
まずはメインバンクを決め、入金用口座と出金用口座の2つのみにしてみることができます。可能であれば入出金をひとつの口座で行うこともできます。
これによって管理は格段に楽になり、資金の残高や流れを把握しやすくなります。横領などのリスクも減らすことができるでしょう。
売掛金が最小限になるよう工夫することも効果的です。
売掛金が残っていると債権管理を行わなければならない他、貸し倒れのリスクもあります。売掛金が出来るだけ少なくなるように工夫することも効果的です。
経理を自動化し、日々の業務をもっとラクにする方法
経理業務には日々の入出金管理だけでなく、請求書や領収書の作成から保存まで多岐にわたります。
シェアNo.1のクラウド会計ソフト(*1)「freee会計」では、面倒な仕訳や入力作業を自動化、必要書類も簡単に作成でき、経理業務にかかる時間を半分以下(*2)に削減できます。
※1.シミラーウェブ、ローカルフォリオ(2019年10月)
※2.自社調べ。回答数1097法人。業務時間が1/2以上削減された法人数
また、関連書類はクラウド内で保存が可能です。管理にかかるコストも削減でき、書類の破損や紛失の心配もありません。
数あるソフトの中でも、freee会計を導入するメリットをご紹介します。

明細の自動取り込みで日々の帳簿作成が簡単・ラクに!
銀行口座やクレジットカードを同期することにより、利用明細を自動的に取り込むことができます。取り込んだ明細から勘定科目の登録はもちろん、売掛金や買掛金の消し込み、資金の移動などの記帳も可能です。
明細を手入力ではなく自動的に取り込むため、入力の手間や漏れなく正確な帳簿を作成できます。

経営層にもわかりやすいレポートを自動作成!
会社を経営するうえで重要なのはお金の流れです。freee会計では、お金の流れをリアルタイムで把握できるレポートを自動で作成できます。
たとえば「資金繰りレポート」を作成すると、今後のお金の出入りを踏まえた上で現金の残高推移を確認することができます。現金の動きを把握することで、資金ショートの防止につながります。

決算関連の書類作成にも対応!
freee会計では、中小企業の決算関連書類を自動的に作成できます。
<freee会計で出力可能な書類の一例>
- 貸借対照表・損益計算書
- 仕訳帳・総勘定元帳
- 現金出納帳 など
ほかにもfreee会計には、効率的な経理を実現するための機能が豊富に備わっています。
<freee会計の機能例>
- 見積書/請求書/納品書の発行
- 入金確認や消込、帳簿への反映
- 支払管理や振込ファイルの自動作成
- 証憑管理(電子帳簿保存対応)etc...
今すぐfreee会計を使ってみたい方は、freee会計アカウントの新規作成(無料)ページからお試しください。
まとめ
ルーチンワークが大部分を占める経理業務は、業務改善の余地を多く持っている場合があります。
昔からの習慣なので何となく行っている、理由は分からないがルールなので守っているなどの点が多々あるなら、業務改善によって大幅な現状改善・業務効率化を見込めるかもしれません。