会計の基礎知識

複式簿記の重要性と記帳方法について解説!

複式簿記とは

複式簿記とは1つの取引において、お金の入出金と、その原因に関する2つの側面を記録するものです。

簡単な例として、現金1,000円を持っていた場合、交通費として600円を使いました。この時、交通費として600円使用したため(原因)、現金が600円減ったという(結果)二面の方向からお金の流れを記録することが出来ます。

複式簿記には記載表現としてお金(財産)が増えたことを示す「借方」と、お金(財産)が減ったことを示す「貸方」とあり、取引において2つの側面を示しています。

複式簿記と企業会計原則との関連

複式簿記は企業会計原則の一般原則の1つ「正規の簿記の原則」の要件を満たしている帳簿記録です。

企業会計原則というのは、法律で定められているものではありませんが、企業や個人事業主が会計業務を行うにあたり、従うべき会計指針です。企業会計原則は、1949年に経済安定本部企業会計制度対策調査会の中間報告として設定されたのが始まりと言われており、一般的に公正妥当と認められる会計基準を構成するための基本原則として用いられています。企業会計原則の一般原則の2には次のように記載されています。

「企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則にしたがって、正確な会計帳簿を作成しなければならない」

上記原則で「正確な会計帳簿の作成」とありますが、これを満たすものは以下の「正規の簿記の3要件」を満たしている必要があります。

正規の簿記の3要件
  • 網羅性・・・すべての取引の記録をすること
  • 網羅性・・・すべての取引の記録をすること
  • 検証可能性・・・事後に検証可能な資料に基づき記録をしていること

複式簿記と企業会計原則との関連

複式簿記の記帳方法には貸借対照表の意味と、勘定科目が分けられていることを理解しておく必要があります。

貸借対照表の意味を理解する

複式簿記の記帳方法は「借方」を左側に「貸方」を右側に記帳します。
冒頭でも説明したとおり現金など財産が増えたことを示すのが借方、財産が減ったことを示すのが貸方となります。この考え方は以下の貸借対照表の図を理解しておく必要があります。

賃借対照表
資産 負債
純資産(資産)

図のとおり、資産=負債+純資産(資本)という計算式から成り立っています。
これは現状の資産は第三者からの借入などの負債と純資産(資本や過去の利益の蓄積)との合計金額から構成されるということを意味しています。そして、図のとおり複式簿記の借方と貸方の金額は一致します。

簿記における5つのグループ分け

また、簿記には「資産」「負債」「純資産(資本)」「収益」「費用」と簿記には5つのグループ分けがされています。
それぞれの増減(もしくは発生と消滅)を借方・貸方に記したものが下記のとおりです。

現金などの資産が増える場合は借方につける、資産が減る場合は貸方と覚えておけば問題ありません。それに伴い勘定科目は様々あり、それぞれの勘定科目を使って仕訳する必要があります。

借方 貸方
資産が増える 資産が減る
資本(純資産)が減る 資本(純資産)が増える
負債が減る 負債が増える
収益が消滅 収益が発生
費用が発生 費用が消滅

複式簿記の記帳例

上述の内容を理解した上で複式簿記の記帳例を下記に記します。

例1:売上が現金で10,000円増えた場合は以下のとおり記帳します。

借方 貸方
現金10,000円 売上10,000円

現金は資産であり、資産が増えることは左側の借方に記帳します。対して、現金を得た理由である「売上」を右側の貸方に記帳します。

例2:水道代を現金で10,000円支払いをした場合は以下のとおり記帳します。

借方 貸方
水道代10,000円 現金10,000円

水道代を支払うことは資産である現金が減ることになるので、右側の貸方に記帳します。対して現金が減った理由である「水道代」を左側の借方に記帳します。

単式簿記との違い、それぞれのメリット・デメリット

複式簿記と単式簿記の比較表

では、現金出納帳のような単式簿記と、複式簿記の違いは何でしょうか?
単式簿記、複式簿記それぞれのメリット・デメリットについて解説します。

単式簿記のメリット:初心者でも記帳が簡単である

単式簿記は取引をしたお金の記録を1つの科目のみで記録するものです。
お金の入出金の増減のみに着目しており、家庭でつける家計簿に近いものです。簿記について特別な知識を必要としないので、記録をするのが簡単で扱いやすいのが特徴です。

単式簿記のデメリット:正しい財産の状態が把握できない

お金の増減の理由(原因)がわからない、つまり財産の状態がわからないことです。
お金の入手金の記録をする単式簿記は、例えば銀行から借入をして100万円の融資を得た場合、入金されたお金として記録されます。しかし、実際には借入をしている負債ということになります。

単式簿記だけだと入金された理由を示すことが出来ないので、正しい財産管理が出来ていないといってもよいでしょう。

複式簿記は単式簿記のデメリットをすべて解消

複式簿記は前述のとおり、お金の入出金の原因と結果の両面が記帳されているものです。
単式簿記のようにお金の出入りだけを管理しているものではないので、財産状況を把握することも可能です。

すなわち単式簿記におけるデメリットがすべて解決されているものが複式簿記であり、企業のほとんどが採用しているのも複式簿記なのです。

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