会計の基礎知識

売掛金とは? 売掛金の基礎知識と仕訳方法、買掛金・未収金との違い

公開日:2019/11/18

売掛金とは? 売掛金の基礎知識と仕訳方法、買掛金・未収金との違い

安定的な経営を行っていくためには、売掛金の管理を適切に行うことが大切です。事業規模が大きくなるほど売掛での取引も増える傾向にあるため、入金のサイクルをしっかりと把握しておきましょう。売掛金の回収漏れを防ぐためには、基本的な知識や仕訳方法を身につけておく必要があります。この記事では、買掛金や未収金との違いも含めて詳しく解説します。

目次

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売掛金とは?

「売掛」とは、取引先に対し販売した商品やサービスの代金を後から請求する方法のことを言い、「売掛金」はその支払いを受ける権利つまり債権を指します。債権処理を手形で行うときには受取手形という形式を用い、それ以外の場合は売掛金として処理します。

売掛金の仕訳における勘定科目は、資産の部の流動資産に分類され、取引先からの代金支払いが完了すれば売掛金はなくなります。事業の拡大に伴い、仕入れ・支払いが先行して売上代金の入金が後になりがちなので、資金繰りに悪影響を及ぼさないためにも日頃から債権管理を行う必要があります。

売掛金と買掛金の違い

売掛金は代金を請求できる債権であり、反対に買掛金は相手方に代金を支払わなければならない債務を指します。商品やサービスの提供によって売掛金が発生すると同時に、仕入れによって買掛金が発生することもあります。仕入先などに代金を支払うサイクルが早ければ、手元の資金が不足してしまう場合もあるので注意が必要です。

安定した経営を行うためには、売掛金の回収と買掛金に対する支払いのバランスをうまく保つことが重要になります。定期的に債権管理や債務管理を行って、経営リスクを軽減させましょう。

売掛金と未収金の違い

売掛金と未収金(未収入金)は会社の債権であるという点では共通しています。しかし、未収金が多く計上されていると、金融機関などからマイナスの評価を受けてしまうこともあるのです。

売掛金が事業活動から生まれる債権であるのに対して、未収金は本来の事業活動以外で得られた債権のことを指します。未収金の具体例としては、固定資産や有価証券の売却、保有する物件の賃貸収入(賃貸収入を得ることが本業である場合には売掛金として処理)などです。

未収金が多額に計上され続けていると「財務管理が甘い」と判断されてしまう恐れもあります。本業の利益とそれ以外の利益をきちんと把握するためにも、未収金の取り扱いについて意識を向けておきましょう。

売掛金の回収とは?

売掛金をきちんと回収できなければ、いくら売上が上がっていたとしても手元の資金が不足してしまい、黒字倒産に陥ってしまう可能性もあります。事業資金が不足してしまえば、新たな仕入れを行ったり従業員を雇い入れたりすることにも支障が出てしまう恐れがあるので、代金の回収は厳密に行っていくことが大切です。

代金の回収サイクルを見直して、取引先と交渉をしてみることも必要だと言えます。資金繰り表などを作成することで資金管理を厳密に行い、資金のショートを防ぐことが重要です。

売掛金の仕訳方法

商品やサービスを提供して売掛金が発生したときには、経理業務において仕訳作業を行う必要があります。特に取引先が複数の場合では、適切に債権管理を行っていなければ回収漏れが発生してしまう恐れもあるので注意しましょう。売掛金は後から代金を受け取る権利であるため、仕訳では貸借対照表の資産に分類されます。

売上時と回収時

売掛金の仕訳では、商品やサービスを販売したときと実際に売掛金を回収したときに行います。たとえば、1,000円の商品を後払いで販売したときには、以下のような仕訳になります。

《販売時》

借方 金額 貸方 金額
売掛金 1,000 売上 1,000

売掛金という資産が増加したので借方に記載し、売上は収益に区分されるため貸方に記載します。そして後日、売掛金を現金で回収したときには、以下のような仕訳になります。

《代金の入金時》

借方 金額 貸方 金額
現金 1,000 売掛金 1,000

増加した現金は借方に記載し、減少した売掛金は貸方に記載します。

消費税の仕訳

売掛金の仕訳を行う際には、消費税の取り扱いにも気をつけておく必要があります。税込み・税抜きによって処理の仕方も異なるので、しっかりと身につけておきましょう。消費税の処理方法は、課税事業者の場合では「税込み経理方式」と「税抜き経理方式」の2種類があります。

免税事業者の場合は、税込み経理方式で処理することになるのです。たとえば、1,000円の商品を掛けで販売し、消費税が100円だった場合に税込み経理方式では、次のような仕訳になります。売上と消費税額を合算して処理する形となるのです。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 1,100 売上 1,100

その一方で、税抜き経理方式での処理は、次のような仕訳になります。

借方 金額 貸方 金額
売掛金 1,000 売上 1,000
仮受消費税等 100

どちらの方式であっても会計ソフトでは対応しているので、きちんと設定を行ったうえで仕訳作業に取り組んでみましょう。

もっと知りたい!売掛金の基礎知識

売掛金を適切に管理するためには、実務においてどのような点に気をつけるべきかを押さえておくことが大切です。売掛金元帳や回転期間・回転率、時効や回収不能時の対応について見ていきましょう。

売掛金元帳とは?

売掛金の管理には、取引先ごとに「売掛金元帳」を作成します。売上が発生するたびに記入をしていき、入金を確認したときには入金データを記入する仕組みです。会計ソフトを利用すれば請求書のデータを入力するだけで、事前に登録しておいた売掛金元帳に自動で転記されます。

振替伝票を作成して手動で行うことも可能ですが、経理業務の負担軽減や回収漏れを防ぐためにも、会計ソフトで売掛金元帳をしっかりと管理していきましょう。

回転期間と回転率

売掛金の回転期間とは、商品やサービスを提供してから実際に代金を回収するまでにかかる期間のことを示すものです。回転期間を求める計算式は、次のような計算式になります。

(売掛金+受取手形)÷(売上÷365)=回転期間(日)
(売掛金+受取手形)÷(売上÷12)=回転期間(月)

売掛金の回転期間が短いほど、資金の回収がスムーズに行われていることを示しており、健全な経営が行えているという指標になるでしょう。

売掛金の回転率は、売掛金の回収が効率的に行われているのかを把握するための指標であり、次のように求められます。

売上÷売掛債権による売上=回転率

回転率の数値が低ければ、それだけ代金の回収に時間がかかっていることを意味しており、資金繰りを悪化させる要因となるのです。売掛金の回転期間と回転率を定期的にチェックして、資金繰りに支障が出ないようにしましょう。

売掛金に時効はある?

売掛金は相手方に代金を請求できる権利であるものの、時効があるので注意も必要です。時効となってしまう年数は売掛金の種類によって異なります。

建築工事やシステム開発などの請負代金は3年、小売業などの売掛金は2年、運送料や飲食代は1年で時効となってしまうのです。ただし、債務者から残高確認書や債務確認書を発行してもらったり、債務の一部を支払ってもらったりすることで時効を中断する方法もあります。時効が中断されることによって、再び時効期間がカウントされます。

ただ、時効が適用されるためには債務者側が時効であることを主張する必要があるため、時効となる年数が経過しても、支払ってもらうこと自体に問題はありません。

回収不能時にどうするか

新規の取引先や経営状態に不安のある取引先であれば、事前に信用調査を行っておくことも経営リスクを減らすうえで有効です。毎年取引先に対して信用調査を行い、その際に懸念が生じたときには、取引時にあらかじめ販売代金の一部もしくは全部を支払うように依頼してみましょう。

仮に売掛先が倒産に陥ったり、支払い不能の状態になってしまったりした場合には、早めに対処をする必要があります。特に売掛金が多額である場合には、連鎖倒産をしてしまう恐れもあるので、すみやかに弁護士などの専門家に相談をしてみましょう。

まとめ

売掛金をしっかりと回収できるかどうかは、健全な経営を行っていくための必須事項といえるでしょう。取引先が多くなるほど、適切に売掛金の管理を行っていく必要があります。代金の回収漏れを防ぐためにも、必要なときに売掛金など債権の状況をチェックできる仕組みを整えておくことが重要です。

クラウド型の会計ソフトで請求書を作成していれば、請求書を作成した営業担当者と売掛金を管理する経理担当者や経営者が発行ステータスや入金状況を各自で確認できるため、回収漏れリスクを軽減できるでしょう。

請求書作成・管理ソフトや会計ソフトなどは自社の実情に合わせて、最適なものを選んでみることが大切です。

監修:筧 智家至(公認会計士・税理士)

慶応義塾大学商学部卒。監査法人トーマツにて会計監査、株式上場支援、企業の経営改善支援に従事。平成24年筧公認会計士事務所(現:税理士法人グランサーズ)を開設。常に現場に入り、経営者とともに課題に取り組み、経営者と常に相談しながら経営者のニーズに応え、解決策を導き出すことをモットーにしている。スタートアップ企業からIPO(上場)準備支援まで、あらゆる成長段階の企業のサポートをしており、税務会計顧問にとどまらない経営を強くするためのコンサルティングサービスに中小企業経営者の信頼と定評を得ている。東京商工会議所専門家エキスパート、セミナー実績多数。

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