
事業を営んでいる場合に必ず発生する付帯業務のひとつに、経理があります。
個人事業主で経理まで手が回らないとか、企業においても経理担当者の退職や採用困難などで、経理処理の問題を抱えることがあります。
そんな時に検討できる「経理代行」サービスについて、メリットやデメリットも含めて解説します。
目次
経理代行とは
会社の経理業務を請け負ってくれるという、いわば経理のアウトソーシングサービスです。
個人事業主や創業間もない企業では、社員の誰かや、経営者自らが兼務して経理を行うこともあります。しかし経理の専門知識を持たない人が煩雑な経理業務を行おうとすると、時間的にも精神的にもかなりの負担となり本来の業務にも支障を来す場合があります。
また、経理担当者がいたとしても「ミスが多い」「資金繰りを明確にしてくれない」
「不正行為の心配がある」等の不安が生じることもあります。
経理代行サービスは、経理担当者の人件費よりも安い価格で、煩わしい経理業務の一部または全てを可視化した状況で請け負ってくれます。
経理代行に含まれるサービス
経理代行業者のサービス内容には、主に以下の5つが挙げられます。
記帳業務
記帳は、経理において基本中の基本です。税金の申告にも必ず必要な情報になります。しかし日々の業務の中で、入出金の記録をもれなく記帳するには手間がかかります。
経理代行サービスでは、領収書、請求書、通帳のコピーなどの必要書類を預けるだけで記帳を行ってくれます。これにより、経営状況の把握も容易にできます。
もちろん、記帳結果に修正すべき点があれば修正してくれます。
給与計算
雇用している従業員がいるなら、その人数の分だけ毎月の給与計算が必要です。
万が一にも間違いがあれば、会社への不信感やモチベーションダウンにもつながるため、どんな場合であっても間違いは許されないのも給与計算です。
社内に経理担当者がいたとしても、各従業員の給与額を知られるのは防ぎたい場合もあるでしょう。
入退社情報や扶養家族の有無などを含む社員の情報と、会社の就業規則、当月のタイムカードを代行業者に提出することで、正確な給与計算を代行してもらえます。
売掛金・買掛金管理
多くの会社では、掛取引を行い、売掛金・買掛金が発生していることでしょう。
売掛金は後々回収しなければならない債権のため、特に厳重な管理が必要です。また、時効があるため、いつか回収できるだろうと悠長に構えている訳にもいきません。
買掛金も、長期間放置してしまうと支払わないものと考えられ収益とみなされてしまい、税務調査で指摘される可能性があります。売掛金・買掛金の管理を代行業者に任せることにより、思わぬ損失が出ることを防ぐことができます。
決算・申告業務
記帳代行と同じく、領収書、請求書、通帳のコピーなどを預ければ、1年分の記帳代行・決算書作成・申告書作成・法人税申告までを代行してくれます。書類の提出までを代行してくれるため、後日書類の控えや書類の原本などが郵送されます。
郵送や電話、メールなどでやりとりをすれば一度も訪問しなくても依頼できる可能性もあります。なお、法律上、税理士事務所もしくは税理士法人でなければ、税務申告を代行させることはできません。
年末調整業務
毎年11月~12月にかけては普段の業務も多忙になる場合が少なくないでしょう。
しかしこの時期に行わなければならない年末調整は、記帳や給与計算と比べ物にならないほど煩雑な作業となります。これも、税理士事務所などに丸投げすることができます。必要な書類は「扶養控除等申告書」「保険料控除等申告書」「生命保険料控除証明書」など「給与台帳」です。
これらの5点のうち、いずれかの業務のみアウトソーシングすることも可能ですが、上記の5点を全て依頼したい場合には、税理士事務所へ依頼するのが効率的な方法です。
経理代行を使うメリット
1.人件費削減
何と言っても、経理担当者を雇用する面での人件費が不要になります。
人を一人雇うということには、在職中の給与を支払うこと、人事労務管理が必要となることや適正な福利厚生を図ること、要求された休暇を与えることなど様々な責務が伴います。
このような、種々の責任からも解放される点は大きなメリットと言えます。
2.経理のプロによるスピーディかつ的確な作業
自社の経理業務を経理のプロへ依頼できます。スピードと正確さの両立という、理想的な作業を期待できます。 また、頻繁に行われる法改正への素早い対応や、プロ目線からの経理上のアドバイスなども大きなメリットです。
3.本来の業務へ専念できる
前述の通り、経理に関して経験や知識のない人が経理業務を兼務することは、自分の本来の業務に専念する上で大きな妨げになります。経理代行サービスを利用することで、煩雑な経理業務に貴重な時間を割く必要がなくなります。
そして、経理担当者を雇用した場合の勤務管理や仕事内容のチェックも不要になります。
経理代行を使うデメリット
1.社員の育成はできない
企業がある程度の規模の場合、社員を一から育てて一人前の人材とするという考えもあります。
しかし経理代行を使う場合、経理業務のノウハウが社内で生かされることはありません。よって、社員にとっての業務上の知識習得や経験値向上にはつながりません。
2.書類の外部流出の危険性
代行業者を利用する場合、業者へ必要書類を送付する必要が生じます。その際に、万が一にも送付先間違いや紛失が起きてしまうと、社員や自社の内部情報が漏れてしまう危険性があるため細心の注意が必要です。
3.派遣社員の採用より高額になる可能性も
代行業者では、依頼を受けた会社ごとの実情に合わせて対応できるよう、種々のオプションメニューが設けられています。そのため、派遣社員を雇う場合と比較して高額な費用になる可能性があります。
しかし派遣社員を採ろうとした場合も、自社の希望する期間に合わせて相応の能力を持つ人材を採用できる保証はありません。そのため、これがデメリットと言えるかどうかはケースバイケースとなります。
経理を自動化し、日々の業務をもっとラクにする方法
経理業務には日々の入出金管理だけでなく、請求書や領収書の作成から保存まで多岐にわたります。
シェアNo.1のクラウド会計ソフト(*1)「freee会計」では、面倒な仕訳や入力作業を自動化、必要書類も簡単に作成でき、経理業務にかかる時間を半分以下(*2)に削減できます。
※1.シミラーウェブ、ローカルフォリオ(2019年10月)
※2.自社調べ。回答数1097法人。業務時間が1/2以上削減された法人数
また、関連書類はクラウド内で保存が可能です。管理にかかるコストも削減でき、書類の破損や紛失の心配もありません。
数あるソフトの中でも、freee会計を導入するメリットをご紹介します。

明細の自動取り込みで日々の帳簿作成が簡単・ラクに!
銀行口座やクレジットカードを同期することにより、利用明細を自動的に取り込むことができます。取り込んだ明細から勘定科目の登録はもちろん、売掛金や買掛金の消し込み、資金の移動などの記帳も可能です。
明細を手入力ではなく自動的に取り込むため、入力の手間や漏れなく正確な帳簿を作成できます。

経営層にもわかりやすいレポートを自動作成!
会社を経営するうえで重要なのはお金の流れです。freee会計では、お金の流れをリアルタイムで把握できるレポートを自動で作成できます。
たとえば「資金繰りレポート」を作成すると、今後のお金の出入りを踏まえた上で現金の残高推移を確認することができます。現金の動きを把握することで、資金ショートの防止につながります。

決算関連の書類作成にも対応!
freee会計では、中小企業の決算関連書類を自動的に作成できます。
<freee会計で出力可能な書類の一例>
- 貸借対照表・損益計算書
- 仕訳帳・総勘定元帳
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ほかにもfreee会計には、効率的な経理を実現するための機能が豊富に備わっています。
<freee会計の機能例>
- 見積書/請求書/納品書の発行
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まとめ
経理代行サービスは、一人もしくは少人数で事業を運営している場合にはとりわけメリットの多いサービスと言えます。
経理関係の雑務のせいで本業が満足に行えていないという場合には、良い解決策となり得ます。